次回ワルプルギスです+後書きがバカ長いです(一応内容に意味はある、はず!)
そこは燃え盛る街、泣き叫ぶ魔物達、血に染まった祭の場、そして彼らを閉じ込める
街を覆う三種の結界───内部での魔法使用を不可能にさせる【
そして今、それらの結界に包まれた街へと帰還しようと洞窟から急いで向かう盟主の姿も、よく見えた。
そこで全てを見ていた少女は結界に向けて手をかざした。
すると、三種の結界の中で唯一、他二つと理論体系が異なる結界が変化その効果を変質させる。
空間を断絶してスキルや物理的手段による逃亡を不可能にするその結界は、
それを成した少女は街の中を───街に囚われている鬼の姫の桃色の髪を見つめていた。
そしてふと何かを思い出したかのように突然、周囲一帯が吹き飛ぶのではないのかと云うほどの怒気を身に纏った。怒気によって天が雷を帯びるかどうかというタイミングで、少女は瞬きを一つした。
瞬間、その空間に一陣の風が吹いた。
風が通り過ぎ、空も本来の静けさを取り戻したその空間には、何者も、何の痕跡も残ってはいなかった。
************
「これが結界ィィィイイイ!!??!」
血に染まる街を取り囲む結界、その外縁部。
そこに
彼の周囲にいる者達も声には出さずとも、その姿には気圧されている。
(大賢者、解析しろ)
その異様な空気の中で街の盟主───リムル=テンペストは冷静に結界を解析する。
《解。内部に起点のある大魔法【
彼のスキル───『大賢者』による解析は冷徹にその結界の全貌を解き明かす。
この街に辿り着く少し前、聖騎士団長のヒナタ・サカグチと戦った際に展開された【
《告。二つの結界の他に、別種の結界を確認》
(何だって!? ────その結界の効果は?)
大賢者が追加で報告した内容にリムルは驚愕に目を見開く。
先程言っていた二種の結界だけでも厄介だと云うのにもう一種類、別の結界が張られているというのだ。急いで効果を確認しなければと大賢者に促す。
《解。解析が不可能でした》
(───! どういうことだ!?)
《解。当該結界は通常の結界とは別種の理論体系の元に構成されており、解析には【無限牢獄】と同等、又はそれより遥かに長い時間を要すると予測。現状で解析を行うのは非効率的です》
大賢者から告げられた答えは正に驚天動地とでも言うべき内容だった。
勇者がヴェルドラを封印するために使用したという【無限牢獄】と同等以上の結界が
《代替案として、結界内部に侵入することを提案。当該結界は外部と内部の行き来を拒まないと推測。結界内部に入れば二種の結界の効果と結界内部の状況を比較し、当該結界の効果と結界発動者を推測可能です》
(分かった、それで頼む)
《了》
大賢者の提案を聞いたリムルはソウエイやガビル達に指示を出した後、自らは『多重結界』を身に纏い、結界に侵入した。
────────────
「どうだ、具合は?」
「リムルさま!」
結界に侵入した後、リムルは多くの情報を得た。
大魔法【
一連の事件は魔王クレイマンの計略の一部であったこと。
そして今回の襲撃で多くの被害者が出たこと。
それらを聞き、リムルはミュウランと彼女を庇ったヨウムとグルーシスの三人を迎賓館に軟禁することを決定し、そして今、リムルは怪我人の見舞いに来ていた。
ゴブタとハクロウの治療にあたっていたシュナによると、彼らの傷は空間属性によるものでポーションが効かず、治療は難航しているらしかった。
「リムル様、心配召されるな・・・儂もこの不肖の弟子も、これぐらいでくたばる程軟ではありませんぞ」
目を覚ましたハクロウがリムルにそう言った。
強がりだろう。しかしそれを分かっていてリムルは彼の言葉を笑い飛ばし、気丈に振る舞った。
そして傷にこびり付く空間属性の影響を『
《告。第三の結界の効果と発動者が判明しました》
(そうか! それで、どうだった?)
《解。第三の結界の効果は二種の結界同士の繋がりをより強固にすると同時に、精神体の結界外への逃亡を防ぐものと推測》
(精神体の逃亡を防ぐ? それは何で─────いや、今はいいか・・・・それで発動者は?)
そこで大賢者が示した答えはリムルにとって信じられない、いや、信じたくないものであった。嘘だろと、目をそらしたくなるようなもので、何度も大賢者に確認するが大賢者の回答は変わらない。
リムルは自らの傍に立つ少女に顔を向けた。
その少女はゴブタとハクロウのおかしな会話に上品に笑みを漏らし、仲間たちとの会話に花を咲かせている。それ以前にも、彼女はリムルと共に最初期から街を作ってきた少女であった。
大賢者の声が頭に響く。
その冷徹さを含む無機質な声が、頭の中で反響を繰り返していた。
《解。結界の発動者は────個体名:シュナと推測》
リムルは心に罅が入る感覚と云うものを残酷に、そして鮮明に実感した。
──────────
「ああ、それでしたら──────恐らくこれの効果かと」
できるだけ平静を保とうと努力してシュナに問いただしたリムルに帰ってきたのは、そんな気の抜ける返答だった。
「あぁ〜〜〜、良かった〜〜!!」
「申し訳ありません、リムル様。ご報告を忘れておりました・・・・」
安心で崩れ落ちたリムルに、シュナが疑われたことに気を悪くした様子もなく、逆に自分の失態を恥じるような様子で着物の中から取り出したそれを見せた。
「これは・・・・・御守り? こんなのどこで手に入れたんだ?」
「一週間ほど前、街へ来られたルナという方が街を案内したお礼にとくださいました」
「ルナ? 聞いたこともないな」
「シズエ・イザワ様と昔旅をしていたそうで、お墓参りにいらしたそうです」
シュナが語る『ルナ』という魔人の少女はとにかく謎に満ちていた。
シズさんが共に旅をするほどの仲ならば悪い人間では無いのだろう。しかし、一般的に知られていないはずのシズさんの墓の在り処を知っており、シュナを守るための御守を与えた。そのくせ街への襲撃事態は伝えず襲撃者である精神系のスキルを使う若い女の存在をに伝えただけだった。
(行動原理が意味不明だ。襲撃を知っていたということはファルムス王国か西方聖教会と繋がっているのだろう。なら態々それを伝える理由は何だ? それに─────こんな高度な結界を張ってまでしたかったこととは、一体何なんだ?)
大賢者の解析によると、御守りは効果が発動した時点で刻み込まれた術式が破棄されており、結界の解析に進展はなかったらしい。しかし、結界はシュナを起点としており、彼女が二種の結界内にいる限り両結界同士の繋がりは強くなるという。
この謎な効果もより混乱を増させて、疑問は深まるばかりだった。
その疑問は、
死者蘇生の手段を探るためエレンから聞いた魔導王朝サリオンに伝わる『竜皇女とドラゴンの御伽噺』を聞いたときも、
ファルムス王国と西方聖教会の連合軍を滅ぼして二万の魂を獲得し、魂の抜け殻である肉体を贄に後にディアブロという名を得る悪魔を召喚したときも、
魔王に覚醒した後『
ヴェルドラを無限牢獄から解放した後、ラミリスからワルプルギス開催の報せを聞いたときも、
ずっと頭の片隅に残り続けていた。
*************
「───ミリムはクレイマンに操られていると思うか?」
「ミリムの事を考えても無駄だ。俺のように賢き者にはバカの考えは読めん。それが数少ない俺の弱点なのだ。それにミリムの考えを読める者なんざ、今の世界には奴一人だけだろうしな」
そこは世界の最果て、北の大地、またの名を『氷土の大陸』
一年中雪が吹き荒ぶその大陸に聳え立つ城───白氷宮にて、二柱の魔王が集い、話をしていた。
「気になっているということは・・・・レオンよ、お前も参加するんだな?」
そう言ったのは白氷宮の主、赤色の悪魔の王『
「そのつもりだ。馴れ合いは嫌いだが、今回は参加するしかないだろう」
ギィの問にそう答えたのは白氷宮に招かれた客人、元勇者『
彼らは今回、『
とは言ったものの、彼らが話していたのはワルプルギスそのものについてというより、それらを取り巻く要因───リムル=テンペストやミリムについてだったが。
「───お前なら100万回に1回くらいは俺を殺せるぞ?」
「話にならん。私は確実に勝てる戦いにしか興味はないんだ」
「謙遜はよせ。俺を殺せる可能性を持つというだけで十分に
「フッ、言われるまでもない。貴様とミリムが別格なだけだ・・・・・別格と言えば、『暴風竜』ヴェルドラが目覚めたそうだぞ」
そうやって言い合うギィとレオンの間には不思議な空気感が流れていた。信頼しているわけではないが、互いを良く知っている者同士が放つ微妙な空気だ。
そしてその空気の中ふと、レオンが外を見上げ、ワインを嗜むギィに一つ問いた。
「ところで、外の
「ん? ああ、気にするな。癇癪を起こした奴が憂さ晴らしに戦っているだけだよ」
「───だ・れ・が、癇癪を起こした奴ですって、ギィさん?」
そう言って、その空間に突然開いた穴から出てきたのは、
彼女の隣には白髪に深海色の瞳を湛える美しい女性が同じように笑顔を浮かべている。
二人は話し込んでいたギィとレオンの方へゆっくりと歩いて行く。
「何も間違っちゃいねえだろ? 着くなりヴェルザードを連れ出して戦い始めたのはてめェなんだからよ」
「そんな事はどうでも良いんです。それに、さっきから私の
ギィの言葉に答えたのは黒金色の髪の少女、調停者『
「そういえばここにもいたんだったな。四体しか存在しない『竜種』その一体、白氷竜のヴェルザード、氷の女帝が」
「あら? 私を忘れているなんて相変わらず冷たい人ね。でも、顔を見せてくれて嬉しいわ」
「そうか? 私も君の顔を見ることができて良い目の保養になるよ」
レオンと表面上は仲が良さそうに話しているのは白髪の女性、竜種の長女『白氷竜』ヴェルザードである。
ノウェムは怒りを顕にしながらも、ヴェルザードと
ヴェルザードもギィの所に行き、話す姿勢を既に整えている。
「それで、てめェは何でまたあそこまで怒ってたんだよ?」
ギィが心底不思議そうにノウェムにそう問いた。
驚くほど酒に弱い癖に、酔うために耐性を弱めて顔を真っ赤にし始めたノウェムはギィのそう問われ、最初は表情を無にしたが、バッと顔を上げて勢い良く答えた。
「─────クレイマンッッ!! あの小物がッッ!!! ミリムちゃんをッ! 私とルシアの愛娘をッッ!!! あの程度のゴミがッッ! 殴った上に足蹴にしたんですよッッッ!!! 死ねェェ゙エェ゙ェエェェ゙ッッッ!!!」
ノウェムが大声でそう叫び、荒れ狂う魔素を解放した瞬間、比喩でも何でもなく世界が軋んだ。その埒外の魔素を外部に漏れ出ないようにしている三人は驚愕も包まれていた。
あのミリムをクレイマン程度の塵芥が殴ったと云うのだ。その上、今でもクレイマンは灰燼に帰さずに生きているらしい。これはとんでもないビッグニュースだった。
「本当かっ!」
「そうですよ、ギィさん! ミリムちゃんが何か思惑があって抵抗しなかったのは分かってますけど!! 感情と理性は別ですッッ!! フレイさんも見ているだけだった!! それにクソトカゲは封印が解かれて
それだけ言ってノウェムは机に突っ伏して泣き叫び始めた。
彼女、怒り上戸な上に泣き上戸なのだ。だからこそ普段は全く酒を飲まず、飲んだとしても数百年に一度あるかないかなのだが、今回は怒りを忘れるために酒の力に頼ったためこうなってしまった。これがあったから生前のルシアはノウェムが初めて酒を飲んで以来、二度とノウェムに酒を飲ませなかったのだ。
正直言って絵面がヤバ過ぎる。酒を飲んで泣き喚いている中学生に届くかどうか程度の女の子を数人が囲んで見つめているのだから。
泣いているノウェムの方に遮音結界を張った三人は話し込んでいた。
ミリムの思惑についてと、どうしてヴェルドラが暴れ出さないのか、そしてリムルについて。しかし─────
「ヴェルドラちゃんが暴れ出さない理由は分かったわね」
「腹の立つことに
「つまり、その封印を解いた何者かが俺達に匹敵する力を持っているということになるな。そして、その何者かがリムルだと考えているわけだな? レオン」
「その通りだ」
「なるほどな。それなら確かに見極めねばなるまいよ、そのリムルとやらを」
これまでの話を合わせ、ギィは非常に楽しそうな表情を浮かべ、そう結論づけた。
その後も三人はいつの間にか眠りこけているノウェムを他所において多くの話をした。
レオンの目的────特定召喚について、そしてそれを邪魔した者について、ミリムの思惑について。
レオンが帰った後も、その興奮はギィの中で高鳴り続けていた。普段ワルプルギスに興味を示さない相棒を誘う程に。
ヴェルザードには断られたが、それでもその胸の高鳴りと変革の予感は収まらなかった。
「────ワルプルギスに」
ギィはグラスを掲げ、乾杯した。
未だ起きてこないノウェムは、彼女のために用意された白氷宮の一室にて眠りこけている。
彼女が寝すぎで主人との約束に遅れ、罰としてワルプルギスまでに様々な衣装のコスプレをさせられるのはまた別の話だ。
正直調停者にとってリムルって悪魔族以上の悪魔ですよね!
一応説明入れると
ノウェムはリムルがファルムスと西方聖教会の軍を滅ぼすところは見ていましたが、リムルの進化と反魂の秘術は見ていません。それらを見る前にフォルゲンやショウゴ、キョウヤ、キララの魂をディアブロに見つからないように回収してユーラザニア方面のミリム関連の方に行きました。ヴェルドラのやつ知ってたのはファルムス軍虐殺してるリムル見て中にいるって分かったのと、封印が解かれた際の微弱な気配を感知したからです。
クレイマンにあんな切れてたのはアニメの「魔王たち」の話でやっていたミリムとフレイとクレイマンのあれを見ていたからです。ガチギレです。ノウェムはクレイマンが操られていると知っていますがそれでも彼女がクレイマンを殺していいとなったら二度と復活できないようウルティマと同レベルに残虐なことやった後に魂ごと虚無崩壊でぶっ壊します。
良かったねクレイマン!衆目の中で殺されるからマシな死に方出来るよ!
調停者としてのノウェムを知っている魔王は
ギィ、ミリム、ラミリス、ディーノ、レオンだけです。レオンが知ってるのはギィ関連で、ルミナス以外の残りの魔王はノウェムの存在すら知らないです。ルミナスは調停者とも人獣形態のことも知りませんから。
ダグリュールはノウェム側にが用事がなさ過ぎたため関わり合いゼロです。
ルミナスのメイドがノウェムだと気づいているのはギィだけです。
ノウェムは自由学園の教師だけど、アニメ一期OADの校外学習の話書く?たぶんリムルやティス先生と少し話すだけで殆ど変わらない
-
書け
-
どうでも良いから本編書け