┃︎電柱┃︎д゚))ノ⌒◇。。ティッ
┃︎電柱┃︎彡サッ!
すいません!マジで遅れました!
もぐもぐ
「───それでね、そのリムルっていうスライムが魔王にまでなっちゃって」
「ノウェムさん───じゃなくて千夜さんか、もう聞いたよそれ」
ちゅるっ
「あれ、そうだっけ? というかこのお蕎麦美味しいね。お母さん、後で袋見せて」
「いいけど、何に使うの?」
モグモグ
「原材料見て後で向こうの世界で再現できないか試してみる」
「また面倒なことをするのねえ」
チュルッ
「こっちの食べ物を直接持ち込むのはアウトだから」
「ノウェ───千夜さん、紅白始まったよ!」
麺を啜り、噛む音が響く中、私は奈南とお母さんと蕎麦を食べながら向こうの世界───基軸世界での出来事について話していた。
今日はルミナス様には休暇をもらって、こっちの世界に帰ってきていたのだ。
『今日は』というよりも、私はルミナス様に仕えるようになってから10年に一度、こうしてこちらの世界に帰ってきている。
向こうとこっちとでは時間の流れが同一なので通常ならこうして2000年も帰省を繰り返す事はできないのだが、『
さっきの会話の中で出てきた『蕎麦』『紅白』という言葉からも分かるように、こっちの世界ではちょうど大晦日で、そろそろ年も明けるかというところだ。
「それにしても、慣れないんですけど」
「ん、何が? あと、ノウェムでいいよ。そっちの方が呼び慣れてるでしょ、奈南ちゃん」
「じゃあノウェムさんって呼び続けますけど! そうじゃなくてその姿ですよ!」
「「?」」
私とお母さんは顔を見合わせ、何かおかしな所があっただろうかと互いに首を傾げる。
今の私の姿といえば、こっちの世界で過ごしていた頃に着ていた服を着て、髪はおろして、それから・・・・・ああ、そういうことか。
「いい加減慣れてよ、一応こっちがもともとの容姿なんだし」
「分かってますけど! それでも慣れ無いんですよ!!」
「奈南、お祖母ちゃんも偶には元の姿の娘がみたいの。だからいいでしょ?」
そう、私は今ノウェムとしての三つの姿のどれでもない、元の『菊月千夜』として生きていた頃の姿を取っている。
まあ、お母さんに見たいって言われたら断れないよね。断る必要なかったし。
「ああそうだ、奈南ちゃん、こんど向こうの世界で奈南ちゃんの姿借りていい?」
「? 別にいいけど・・・・何するつもり? 流石にノウェムさんのご主人様との・・・その、
「────っ!! するわけ無いでしょ! ちょっと私の姿だと不都合なことがあるから真なる勇者の肉体を使わせてもらいたいってだけ! 私の姿はどうでもいいから! 奈南ちゃんは勉強したら!? そろそろ共通テストでしょ」
「あぁぁ──!! ノウェムさん言っちゃいけないこと言ったなぁ! 向こうにいて一ヶ月も失踪扱いになってたせいで勉強遅れてたの知ってるでしょ!?」
悲鳴を上げる奈南は今では受験間近の高校三年生だ。
彼女が基軸世界の方に転移したのが高二の2月、そして私が奈落之神を使ってこっちの世界に返せたのが高二の3月になる。
高二の冬というのは受験生にとっては結構大事な期間であり、その期間を異世界に行って失踪していた奈南の勉強は少し遅れていた。
まあ、奈南は向こうで約六年間を過ごしているため精神年齢ではとっくに二十歳を超えているはずなのだが、肉体をこっちで死亡直前の状態────つまりは十七歳から年を取っていない真なる勇者の肉体に再構成したからか、受験期だというのに肉体的にも精神的にも元気が有り余っている。
「もう! ノウェムさん、いっそ───」
「受験に
「思考を読まないでよ!? ああっぁぁ〜〜〜受験ヤダ───!!!」
魔物ではなく受験に怯え、それでも一応勉強はする。
そんな奈南の様子を見ていると、奈南は基軸世界からちゃんと帰ってこれたんだと改めて実感できて、こっちが和んでくる。
まあ、地面に寝転がって暴れまわるのは可愛らしいと思う。なので、せっかくだし奈南の体をくすぐりにでも行こう。
「───ッッ!? ノウェムさん!? やっ、やめっ───っっっあっはははは!」
「それで千夜、続きは?」
「ああうん。そのリムルっていうスライムが魔王になったんだけど、それに飽き足らず
「ねえねえ! 一時期は
「奈南ちゃん? 一回『
「っ、脅迫はんた〜いっ!!」
「ほんと、叔母と姪がこんな仲いいのって珍しいよねぇ」
地面に転がり合う私と奈南ちゃんを見たお母さんは、そう言って、とても楽しそうに笑っていた。
***********
「───今考えれば私も利用されていたみたいだけれど」
ヒナタ・サカグチは
「利用されたって、一体誰に?」
「東の帝国の商人よ」
訝しむように聞き返すリムルにヒナタはそう答えた。
『東の商人』最近よく聞く名前だ、とリムルは思った。
先日倒したクレイマンのところにも出入りの商人がおり、それは『東の商人』であった。そして今回ヒナタを誑かして自らと戦うよう仕向けたのも『東の商人』。
嫌な重なり方だ。
「・・・今思い出しても腹が立つ」
「威圧するのを辞めよ、未熟者め」
「あっ! あぁ〜すまん・・・」
リムルが無意識に『魔王覇気』を周囲に放ったのに、即座にルミナスから注意が入った。
リムルやヒナタたちは改めて状況を整理した。
真なる魔王への覚醒を企むクレイマンと
「あの方か、クレイマンが口にしておったヤツじゃな。小物のアヤツにしてはあっぱれなことに、最後までその正体を口にせなんだがな」
ルミナスがポツリと漏らした言葉に、リムルが反応して有り得る可能性の一つを提示した。
「もしかして七曜だったのでは?」
「なんじゃと? 貴様、妾に内緒で七曜が勝手に動いていたと申すか!」
「その可能性は否定できないね。あの者たちはルミナス様の寵愛を欲しておりました」
自身の配下を疑うリムルの発言に憤るルミナスに、今度はルイから声がかかった。
「何の話じゃ?」
「寵愛つまり『ラブエナジー』です。最後の儀式からもう百年以上経ちます」
(ラブエナジー!? なんだそりゃ!?)
リムルがラブエナジーというとんでもない名前の何かに驚いているうちにも話は進む。
そのラブエナジーがなければ元々人間であった七曜の老子たちは老いてしまう。そのためこれ以上エナジーをもらうお気に入りを作らないようヒナタを殺害しようとしたこと。その一環で彼らはクレイマンを魔王に覚醒させてヒナタと戦わせるつもりだったことなども判明した。
ヒナタが呆れてしまったの仕方のない事だろう。自分が死にかけた原因がそんなどうでもいいことだったなんて。
また、日曜師グラン────元光の勇者グランベルをヒナタに惚れ込んだ枢機卿ニコラウスが始末したということも報告された。
それには珍しくルミナスが寂しいような、なんとも言えない顔をして呟いた。
「まぁのう・・・勇者を名乗る者には因果が巡る。故にあの者も、心の奥底では妾を恨んでおったのやもしれぬな」
「ルミナス様、少々よろしいでしょうか」
ルミナスが呟いたちょうどその時、ルミナスに声をかける者がいた。
リムルがこの状態のルミナスに声をかけるのかと少し驚いてそちらを見ると、そこには見覚えのあるメイドの姿があった。
亜麻色の長髪に、裾の細部まできっちりとしていてほころび一つ無いメイド服。ルミナスの耳元に手を当てて内緒話をしている様からも隠しきれない
魔王たちの宴にもルミナスの配下として来ていたメイドだった。その他にも、このメイドは少々印象的な人物だった。
リムルは少し前の出来事を、ヒナタたちと決着が着く直前のことを思い出していた。
────────
──────
────
「死に絶えるがいい! ────【
《告。
七曜の老子の三人が、リムルたちに向けて広範囲殲滅魔法【
(ちょっと智慧之王先生!? さっきのヒナタの攻撃で暴食之王を犠牲にしたんじゃ・・・)
《是。バックアップしてあるので問題ありませんでした》
(はあ!? バックアップだ!? それならそうと最初から言えよ! もう使えなくなるのかと────)
《告。霊力反応が上昇、本命の攻撃が来ます》
重要な事柄を隠していたことに平然と悪びれる様子のない智慧之王にリムルが文句を言おうと口を開いた途端、なんともタイミングの悪いことに智慧之王から警告が入る。
リムルたちを中心として、周囲に術式が展開される。それは最強の神聖魔法【
「滅べ魔王よ! ─────【
(やっべ! 流石にこれは暴食之王じゃ無理だ!)
《問題ありません。
(ウリエル? あぁ、能力の統廃合してる時にラファエル先生がしれっとゲットしてたやつだっけ。っていうかさ、絶対防御なんてあるならさっき暴食之王を犠牲にしなくても良かったんじゃ・・・・・取り敢えずYESだ。それはさておきラファエル先生)
《ん?》
もう間近に最強の神聖魔法がされようとしているのに、リムルの中では全くもって緊張感のない会話が流れていた。
(後でお話があります)
《是。喜んで》
そして、【三重霊子崩壊】が発動され───────ガシャン、と術式が根底から崩壊する音がし、術式崩壊の衝撃で煙が巻き上がった。
(ん? 何が起こった!? 【三重霊子崩壊】は発動され、たのか?)
《否。【三重霊子崩壊】は発動直前に、何らかの干渉を受けて崩壊しました。干渉方法の解析に失敗しました》
「バカな! 我らが【三重霊子崩壊】を制御しそこねるなど・・・」
「有り得ぬ、有り得ぬのだ・・・っ!」
「【霊子崩壊】は神聖魔法の奥義! それを我らが────」
「あなた達の制御はよくできていましたよ。ただ、────」
その時、煙の中から声が響いた。その声に、七曜たちの体が硬直し、小刻みに揺れる。
「────ただ、余りに勝手な行動が目につきます。ルミナス様の意に反する行動、これ以上は見過ごせません」
煙から出てきたのは感情を読ませない無感動な瞳を七曜に向ける、亜麻色の髪が美しい一人のメイドだった。
────
──────
────────
(あれには驚いたな〜。あの後もルミナスが来るまで七曜に何もさせずに制圧し続けてたし、もしかしてあのメイド、クレイマンよりよっぽど強いんじゃないか?)
《是。対象から読み取れた魔素量は、覚醒時のクレイマンの5倍以上です》
(マジか!? ───というか、ん? あのメイドいなくなってないか?)
リムルが見回しても、そこにメイドの姿はどこにもない。どうやらリムルが思い出している間に既に会議室を退出したようだった。
「なあルミナス、あのメイドの人はどこ行ったんだ?」
「なんじゃ? ノウェムはやらんぞ?」
「いやいや、そうじゃなくて!? 単にどこに行ったのかって聞いてんの!」
おかしな誤解で剣呑な雰囲気を纏ったルミナスにリムルは慌てて訂正する。
「ああ、実家に一時帰省すると言っておった。時間が少々押しておる故、先に退出するとな。ヤツは決まって10年に一度、こうして休暇を取っておるのよ」
「へー、・・・・ん? 10年に一度? それじゃああの人って、人間じゃない?」
「何を言っておる? ヤツは魔物じゃ。とうに2000年は妾に仕えておるぞ?」
「マジか!?」
(ってか2000年も残ってる帰省先ってどこだよ!?そっちの方が気になるわ!?)
マジで投稿が遅れました。
言い訳をさせていただくと、8月終わりは課外活動の合宿みたいなやつで丸々潰れて、それに加えて9月は作者は学校で生徒会で会計の仕事をしているため文化祭のあれこれで忙しく、他にテストや英検や部活の秋季大会が重なったりしてマジで書く時間が取れませんでした。
これからもペースは乱れると思いますがよろしくお願いします(中間テスト一週間にこの話書いている作者はバカです)。
聖魔激突編はこれで終わりにしようと思います。改変するべきところがあまり見つからず、ノウェムの行動原理を考えてもこれくらいしか改変できませんでした。その代わり強欲編と勇者覚醒編は結構関われると思います。開国祭はちょっとだけ描写するくらいですね。
ノウェムは自由学園の教師だけど、アニメ一期OADの校外学習の話書く?たぶんリムルやティス先生と少し話すだけで殆ど変わらない
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書け
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どうでも良いから本編書け