IS? え、ここ緋弾のアリアの世界じゃないの?   作:竹箒

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今回短いです。


第九話 ヒステリアモード前提の機体とか欠陥機では?

「ではこれよりISの基本的な飛行操縦を実践してもらう。織斑にオルコット、遠山。試しに飛んでみせろ」

 

午後の授業ではISの実技授業が行われている。初回という事で実際にISを動かしている所を見てもらうという事で専用機持ちの俺たちに白羽の矢が立った。

 

オルコットは流石というべきで即座にISを展開する。俺も少し戸惑ったがオルコットに続きウラガ―ノを展開する。

 

「よし、オルコットは流石というべきだな、遠山も初心者としては早いがまだまだ短縮できる、もっとしっかりと装備する際のイメージを固めろ。」

 

「ありがとうございます、織斑先生」

 

「イメージ…、わかりました」

 

「織斑は…、遠山にも言ったことだがイメージの構築が出来ていない。早くしろ」

 

一夏はどうやら苦戦しているらしく、待機形態の白式をつかんで唸っていた。織斑先生からのアドバイスを受けて大きく深呼吸をするとイメージがようやく固まったのか一夏の身体に白式が装着される。

 

「よし、それでは3人とも飛べ」

 

織斑先生の号令で俺たちは上空に向かって急上昇していく。……やっぱりこの機体の設定はピーキー過ぎる!!まっすぐ飛ぶだけでもものすごい集中力が必要になる…!

 

『なにをしている、遠山のウラガ―ノはともかく、お前の白式はオルコットのブルーティアーズよりもスペック上の出力は上だぞ』

 

自分の機体だけで精一杯で一夏の様子は分からなかったが一夏を見ていると苦戦しているのかフラフラと飛んでいる様子が目に入って来た。

 

「自分の前方に角錐を作るイメージって言ったって…どんなイメージだよ?」

 

「一夏さん、イメージは所詮イメージです。自分がやりやすい方法を模索する方が建設的でしてよ」

 

「って言われてもなあ…、カナタはどんなイメージで飛んでるんだ?」

 

「…俺か、そうだな」

 

俺の場合はそんな事考えていられる余裕がないのでスラスターで吹っ飛ばされているという方が近い気がする。

 

「すまん、わからん。スロットルワークを1mmでも間違えればすっ飛んでいくドラッグカーに乗ってるから考える余裕なんてない」

 

テンペスタの改修機という事は十中八九、開発にはカナも関わっているのだろう。じゃなきゃこんなHSS前提みたいな欠陥機は出来上がらないはずだ。

 

「ええ…、よくそんなおっかない機体に乗れるな…」

 

「まあ、乗りこなせれば強いんだろうな。乗りこなせれば…」

 

ヒステリアモードならまだしも素面の俺じゃまっすぐ飛ぶのも苦労する程度にはホントに気難しい機体である。

 

「おおう…、セシリアはどうなんだ?」

 

「わたくしですか?説明しても構いませんがスラスターにおける重力制御や流体力学の講義となるので長くなりますわよ?」

 

「よーしわかった説明しなくていい大丈夫だ」

 

「そうですか…」

 

オルコットよ、俺も聞いてもなんの参考にもならなそうな呪文を詠唱しようとするのは勘弁してくれ。

 

そのまま数分ほど飛んでいると指定ポイントに到着したのか織斑先生から急降下と急制動を行うように指示が出た。

 

『よし、ではこれより急降下と完全停止を行う。目標は地上10㎝だ。オルコット、遠山、織斑の順で降りてこい』

 

「了解いたしましたわ。それではお二人ともお先に失礼いたしますわ」

 

オルコットは織斑先生の指示に従い、一足先に地面に向かって急降下を開始する。流石は代表候補生、完璧な急降下に停止だ。

 

「なあ、カナタ…、俺完全停止なんてできる気がしないんだが…」

 

一夏が先に行ったオルコットを見て自信がないのか俺に尋ねてくるが、俺だって完璧に止まれる自信なんて全くない。

 

「安心しろ、俺も止まれる自信はない。…まあ地面に突き刺さるよりは早めにブレーキした方がよさそうではあるな…」

 

あの速度で地面に激突したらいくら絶対防御があっても大惨事になりかねない。最悪俺は無事でも周りが危ない。

 

「じゃあ、覚悟決めて俺も行きますかね…」

 

ウラガ―ノのスラスターを吹かして加速するとあっという間に地面が目の前にまで近づいてくる。ほどほどのところでスラスターを切り、バーニアを噴射して急減速、ものすごいGが身体に掛かるがなんとか耐えきり完全停止を行う。

 

「遠山は地上から23㎝か、もっとスラスターによる物理加減速のみではなくPICを使った慣性制御を行え。次までに目標をクリア出来る様になっておけ」

 

「このじゃじゃ馬に無茶言わんでください…。了解です」

 

俺の番が終わり、一夏の番が始まると俺のアドバイスのおかげか地上から14㎝程のところで完全停止に成功していた。正直悔しかったのでISの操縦訓練に力を入れよう。

 

飛行実演が終了すると次は武装の展開の実演となった。

 

「それでは三人とも武装の展開を行え、目標は0.5秒だ。開始!」

 

織斑先生の号令とともに各々武装の展開を行う。これに関しては意外なことに俺が一番速く、続いてオルコット、数秒遅れて一夏の順だった。この辺は普段から銃やナイフに触れているかいないかの差なのかもしれない。

 

「武装展開の速さは流石だな遠山。見てもらった通り普段からイメージや実際に動きを体に染み込ませているとここまでの差がある。諸君も普段から武装を展開するイメージトレーニングなどを行うよう癖をつけておくように」

 

イメージ、イメージか…。さっきの飛行を見ても一夏はそのあたりが苦手なのだろう。

 

「一夏は剣道してたんだったか?なら抜刀のイメージや鯉口を切るイメージを浮かべてみたらどうだ?出来れば真剣なんかを使って練習すればもっと速く展開できると思うが…」

 

イメージや普段の動作が重要というのであればとにかく回数を重ねるのが大事だろうと一夏にアドバイスを送ってみる。

 

「そうだな…、織斑先生!もう一度やってみてもいいですか?」

 

「わかった、やってみろ」

 

一夏が腰に手を構えると構えた瞬間、武装の刀が展開された。

 

「よっしゃ!!」

 

「いいだろう、だが一々構えなくとも瞬時に展開できるようにしておくように」

 

俺と一夏の講評が終わり、続いてオルコットの番となったが…

 

「ところでオルコット、お前はそんな構え方をして誰を撃つ気だ」

 

織斑先生がじろりとオルコットを睨むが、正直俺も気が気じゃない。だってライフルを横に突き出したポーズでトリガーに指掛かってるんだもん。反射的に撃たなかった俺を誰か褒めてほしい。

 

「で、ですが!これはイメージを固める為の――」

 

「いいから直せ、織斑に言ったことをもう一度言わせる気か」

 

「うっ…」

 

「頼むから直してくれオルコット。いつか反射的に撃ちそうで怖い」

 

俺と織斑先生の言葉に肩を落とし、オルコットは小さく「はい…」と返事をした。

 

「では次は武装の切り替えだ。白式以外は武装の切り替えを行え」

 

あれ、白式はやらないのか。……まさかほかに武装のってなかったりするのか?

 

余談だが、後に一夏に聞いてみたところホントに刀一本だけらしい。刀に『零落白夜』という特殊能力があるからそいつのせいで拡張領域(バススロット)が埋まりきっているらしい。俺のウラガ―ノもたいがい欠陥機だが、一夏の白式はそれ以上だった。

 

俺は難なく手に持っていた拳銃『ストーム』をしまい、もう一つの武装である単分子振動ナイフを取り出す。一夏の事言えるほどウラガ―ノも武装があるわけじゃないんだよなぁ…、ハンドガンと近接用ナイフの2つしか武装はないし、拡張領域には大量の弾丸で埋まっている。そうなるとブルーティアーズの様なエネルギー武装が欲しくなってくるがイタリアは実弾兵装主義だから難しいだろうな…。

 

「……オルコット、いつまで時間をかける気だ?もう遠山はとっくに終わっているぞ」

 

考え事をしていると織斑先生の声が聞こえたのでオルコットの方を見ていると難しい顔で唸っていた。

 

「ぐぬぬぬ……!ああもう『インターセプター』!」

 

ようやく展開を終了させると織斑先生はため息をつき、時間がかかりすぎな事と武装名を呼んで展開をするなという注意をオルコットに行っていた。オルコットは近づかれなければいいと言っていたが織斑先生の圧力に負けたようで最終的にはうなづいていた。

 

「それではこれで授業は終了とする。今回発覚した課題は次回までに改善しておくように」

 

「「「わかりました…」」」

 

そうして無事授業が終了したわけだが、俺たち専用機組には宿題が出てしまった…。

 

「…今日の放課後三人で練習するか」

 

「…おう」

 

「…そう、ですわね、遠山さん教えていただいても?」

 

「わかった。代わりに飛行制御について教えてくれ…」

 

「教わるばっかになっちまって悪いけど俺も頼む…。いつまでも出来なかったら千冬姉の出席簿でぶっ叩かれちまう」

 

「「「はあ…」」」

 

こうして今日の授業は終了していったのだった。




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