IS? え、ここ緋弾のアリアの世界じゃないの?   作:竹箒

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緋弾のアリア45巻発売まであと一週間ですね。
ホストネタはぜひともこの小説でもやりたいです。


第四話 実はイギリス人ってすぐキレるのかも知れない

「む、そういえばクラス代表を決めていなかったな」

 

オルコットを追い返した次の授業中、織斑先生は何かを思い出したのか板書の手を止め、話し出した。

 

クラス代表?委員長みたいな奴か?だとしたら俺は勘弁してほしいところだ。今でさえギリギリ授業についていける程度しか勉強できていないんだ。代表なんてやってられるか。

 

「クラス代表とはそのままの意味だ、クラス同士で行われるクラス対抗戦への出場や生徒会や委員会の会議への出席などを行う…まあクラス委員長のようなものだと思って構わん。ちなみに一度決まると原則一年間変更はないからそのつもりで」

 

織斑先生の説明が終わるとクラスがにわかにざわめき始める。

 

うわ、まじか…、クラス長としての仕事のほかに対抗戦とやらに出なくちゃいけないのか……。ISの練習って意味ではアリかもしれないがやっぱり俺にそんな時間はないしスル―安定だな。

 

「さて、誰が代表者になる?自薦他薦は問わない。誰かいるか?」

 

さーて、俺は背景、俺は背景っと。俺以外の誰かがやってくれ、俺はやらんぞ…!

 

俺は面倒なことに巻き込まれる前に気配を消し、誰からも見られないようにする。

 

織斑先生の言葉に女子たちが色めきだし、一斉に挙手が始まる。

 

「はい!織斑君を推薦します!」

「私もそれがいいと思います!」

「私もー!」

 

お、しめしめ。気配を消していたのが功を制したのか一夏に注目が集まっていっているみたいだ。俺はこのまま――

 

「はーい!かなたんがいいと思いまーす!」

 

アレーー!!??のほほんさん!?のほほんさん何で!?

 

「確かに!」

「私も遠山君を推薦します!」

 

待て待て待て!!俺はクラス代表なんてやる気ないっての!まずい、取り下げさせないと!!

 

「ちょっと待て、俺は――」

「よし、推薦者は織斑と遠山だな、ほかに誰かいるか。いないならこの二人から決めるが」

 

急いで推薦の取り消しをお願いしようとしたら織斑先生のまさかのインターセプト。

 

くっそ!このままじゃなし崩し的に俺たちがやる羽目になる!っていうか一夏の反応がないんだが……?

 

「ぽけー」

 

だ、駄目だ…。あいつは惚けてて使い物にならん!

 

「……他に候補者もいないようだな、では織斑と遠山の二名からクラス代表を決めることとする」

 

織斑先生が音頭を取って投票が始まろうとすると、やっと織斑が自分のことだと気づいたのか一夏が慌て始める。

 

「……へっ!!?お、織斑って俺の事か!!?」

「誰のことだと思っていた馬鹿者め、自薦他薦は問わんと言ったからな推薦者の拒否は許さんぞ」

「マジか!!?」

 

マジか…、俺もどさくさ紛れに辞退するつもりだったがどうやら織斑先生は許してくれないらしい。こうなったら一夏にやらせるしかない…!恨むなよ一夏!

 

「であれば俺は一夏を推薦します!」

「あっ!!カナタテメェ!!」

 

一夏が俺の推薦にキレはじめるが仕方ないだろ!!俺はクラス代表なんてやりたくないんだ!!

 

「じゃあ、俺も遠山を推薦します!!」

「あ!おま!!」

 

俺と一夏が汚い擦り付け合いを始めようとすると教室の後方でバンッ!!と机をたたく音が聞こえてきたのでそちらに顔を向けるとそこには真っ赤な顔でこちらを睨んでくるオルコットの姿があった。

 

「待って下さい、納得いきませんわ!」

 

オルコットは席を立ちあがり甲高い声を上げる。

 

「そのような選出は認められません!大体、男がクラス代表だなんていい恥さらしですわ!わたくしに、セシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?」

 

……またこいつかよ。なにやら代表に俺たちが推薦されていることに文句があるみたいだが…。

 

「実力から行けば、イギリスの代表候補生であるこのわたくしがクラス代表になるのは必然。それを、物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります!!わたくしはこのような島国まで態々来ているのは、IS技術の向上に来ているのです!!サーカスの練習に来ているのではありません!!大体こんな国にこの様な施設が有ること事が可笑しいのです!!極東のわざわざ遅れている国にこの様な重大な施設を作るなど!!」

 

……ハァ?

 

こいつが代表候補生ってマジなのか?こんなあからさますぎる女尊男卑の思想のやつをIS学園に入れるってイギリスは何考えてんだ?しかも男をバカにするだけじゃなくこの日本まで見下してると来た。……自分が国の代表だってことの自覚がないのかこのアホは。

 

「大体!文化としても後進的な国に暮らさなくてはいけないこと自体、私にとっては耐え難い苦痛で――!」

 

オルコットはヒートアップしているのかどんどん問題発言を繰り返している。周りを見てみるとクラスの過半数がオルコットの言動に眉をしかめている。織斑先生はもちろん、あの山田先生ですら剣呑な顔つきをしている。

 

俺にも我慢の限度ってものがある。オルコットへ言い返そうと席を立ちあがろうとすると俺より一瞬早く一夏が声を上げた。

 

「イギリスだって大してお国自慢ないだろ。世界一まずい料理で何年覇者だよ」

 

一夏がオルコットへ言い返したのでそのまま俺も一夏に続く。

 

「そもそもISは日本で作られたものだろうが、イギリスのどこが日本より優れてんだ。しかも代表候補生なんて立場のくせになんだその態度は、俺の知ってる貴族ならそんな他国をバカにするような真似は絶対にしなかったぞ」

 

オルコットがこの教室で行ったことは言ってみれば『イギリスが日本を文化的に遅れている国』と喧嘩を売ったことに等しい。下手をしなくとも戦争がはじまりかねない。自覚はないみたいだがだから許されるかといえばそうじゃない。力あるものには責任が生じる。『ノブレスオブリージュ』ってやつだ。

 

「……闘、ですわ」

「…なんだ?」

 

言いたいことを言い終わり俺は席に着こうとするが、オルコットが何か言っているのを聞こえた。

 

「そこの男二人!!決闘ですわ!!わたくしをバカにした事!後悔させてあげますわ!!二度と生意気な口をきけなくして差し上げます!!」

 

挙句の果てには逆ギレかよ…。口で勝てないからって今度は暴力って。

 

……まあ、ここまで煽っておいて尻尾巻いて逃げ出すなんてしたら二度と実家の敷居を跨げなくなる。

 

チラリと一夏の方を見てみると一夏もやる気なのかオルコットに対し不敵な笑みを浮かべていた。

 

「あぁ、いいぜ。四の五の言うより判りやすい。カナタ、お前はどうする?」

「俺もそれで構わない。後でガタガタ言うなよ、オルコット」

「ふん!極東の猿如きわたくしの敵ではございませんわ!!あなた達が負けたらわたくしの奴隷にして差し上げます!せいぜい楽しみにしてなさい!」

 

俺たちとオルコットの間で火花が飛び始める。すると流れを見守っていた織斑先生が話を纏め始めた。

 

「貴様らだけで勝手に決めるな、それではクラス代表は織斑と遠山、オルコットの三名による試合で決めることとする。試合は一週間後の放課後、第三アリーナにて行う事とする、異論はないな?」

 

その言葉とともにクラス代表決めから始まった決闘が幕を上げることとなった――

 

 

 

__________________________________________

 

クラス代表決めの事件後は何事もなく過ぎ俺たちのIS学園初日は終了した。

 

「つ、疲れた…、これでようやく一日かよ…」

「お疲れさん、まあ初日にしては濃い一日だったな」

 

女子たちの視線に晒された自己紹介にはじまり一夏の参考書廃棄事件、果てにはオルコットとの決闘騒ぎだ。しかも要所要所で一夏や俺も上級生や同級生に絡まれたりもしている。ホントに一日で起きていいイベント量じゃない。

 

「まあ後は家に帰るだけだ。一夏も一週間は自宅通学だろ?」

「まあな、カナタはホテルだっけか」

「おう、といっても監視に護衛にと心休まるタイミングなんてないけどな……」

「うわあ…」

 

一夏テメー引いてるが元はと言えばおめーがISなんぞを動かしたせいなんだが??

 

ボケっとしている一夏にちょっとだけイラつきながら帰り支度を二人で進めているとガラッ、という音とともに副担任の山田先生が教室に入ってきた。

 

「あ!織斑君に遠山君!よかった、まだ教室にいたんですね!」

「山田先生?どうしたんですか?そんなに急いで」

 

山田先生は急いでいたのか少し息を切らしながらこちらに歩いてきていた。なにか問題でもあったのだろうか?

 

「えっとですね。実はお二人に伝えなくてはいけないことがありまして…」

「「伝えること?」」

 

俺と一夏の声がそろう。山田先生は少し言いずらそうにしながらも用件を口にした。

 

「お二人には今日からIS学園の寮に入っていただくことになりました。」

「…へ?」

「寮、ですか?寮は準備に時間がかかるからって俺たちは当分の間は学校に通学するんじゃなかったでしたっけ?」

 

一夏が山田先生の言葉に質問を返す。

 

「実は…、お二人の身の安全の為に一刻も早く入寮させるようにという指示が政府から出ていまして…。お二人には申し訳ないんですけど…」

「い、いえ。驚きはしましたけどそういう事であれば別に問題ないですよ。なあ一夏?」

「おう!ってことは俺たちは荷物を取りに行けばいいんですかね?」

 

実際、俺たちは世界で二人しかいないISの男性操縦者だ、国も早いところ安全なところに入ってほしいという事なのだろう。

 

「あ、お二人の荷物は織斑先生が持ってきてくれてましたよ!遠山君の荷物はホテルに纏めてあるものを、織斑君の荷物は織斑先生が直接用意したみたいです。」

「…千冬姉が?着替えしか入ってないなんてことは……、ありそうだなぁ」

 

一夏がうなだれてるがもしかして織斑先生ってそういうところは結構ズボラなのか?

 

「遠山、なにか変なことを考えていないだろうな」

 

織斑先生の家事スキルに疑問を覚えていると背後から織斑先生の声が聞こえてきてつい体が跳ねる。なんで考えてることがわかるんですか。

 

「織斑に遠山、これがおまえたちの荷物だ。山田君から鍵を受け取った後は速やかにそれぞれの部屋に戻るように」

 

そう言いながら俺たちに荷物を渡してくる織斑先生だったが会話の中に聞き捨てならないセリフがあった気がする。

 

「それぞれの部屋って何ですか。それじゃまるで俺と一夏の部屋が別みたいに聞こえますけど」

「聞こえるも何もそう言っている。織斑は1025号室、遠山は1030号室だ」

 

……は?

 

「ちょ!?ちふ「(スパァン!)織斑先生だ」…織斑先生!どういう事だよ!?俺とカナタは同室じゃないのかよ!?」

「織斑先生どういうことですか!!貴方は俺の体質知ってますよねぇ!!?女子と同室なんて無理ですよ!!」

 

俺と一夏が織斑先生に抗議の声を上げるが織斑先生は特に堪えた様子もなく。

 

「仕方ないだろう、急遽決まった事ゆえに空きの部屋が存在していなかったのでな。お前たちには悪いが新しい部屋割りが出来るまで一ヶ月ほど掛かる。その間はその部屋で我慢しろ」

 

マ、マジか……、女子と同室なんて問題しかないぞ…!とはいえもう変えられないみたいだし仕方ないから出来るだけ大人しい相手であってくれ!!こんなほぼ女子高でヒスって手を出したりなんてしたらホントに人生が終わる!!

 

「それと、何点か注意事項がある。山田君頼んだ」

 

「あっ、はい。ええとですね、注意点はまとめた冊子をお渡ししますので重要な点だけ今お伝えしますね。えっと、寮には大浴場もありますが、お二人はまだ使用できません。各部屋備え付けのシャワーの利用をお願いします。」

 

大浴場の使用禁止か。まあそうだよな俺もヒス的な危険地帯には近寄らないようにしたいし大賛成だ。

 

「え?どうしてですか?」

 

馬鹿なのかこいつは?女子風呂に男子が乱入したらとっ捕まるぞ。俺はこんなアホな事件の調査はしないからな?

 

「はぁ……阿呆かお前は、女子と一緒に風呂に入りたいのか?」

「……い!?い、いやいやいやいや!そうじゃなくて!?」

 

このアホは自分が何言ったのかようやく理解したらしい。首を左右にブンブン振りながら否定している。

 

「お、織斑君!?女子とお風呂に入りたいんですか!?だっだめですよ!?」

「え!?い、いや、入りたくないです!!!」

「ええっ!?女の子に興味がないんですか!?それはそれで問題があるような……」

 

そういう意味じゃないと思うが…、あれ?でも一夏って男の俺にすごい懐いてるよな?経験上、俺のことを女みたいに思って接してくる奴は分かるし、一夏はそいつ等とは違うし…。まさかマジで?

 

「カ、カナタも何とか言ってくれよ!!?」

「あ、織斑君お疲れ様です。俺は先に帰りますね」

「まて!!なんだその距離の取り方!!誤解だ!!」

「いや、織斑君がどんな趣味してても気にしないから、でもごめんなさい、こんな見た目でも俺はノーマルなので……」

「誤解だって言ってるだろうが!!俺だってノーマルだよ!!」

 

あいつがなんか言ってるが俺は帰るぞ、少なくとも今のあいつのそばに俺は居たくない…!

 

俺は織斑先生から部屋のカギと荷物を受け取り、いまだに誤解だ!!と叫んでいる一夏を背に自分の部屋へとダッシュで逃げていくのだった。




話が進まない…。
次回か次々回にはバトル描写には入れたらと思います。
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