名探偵青ずきん(Detective blaukäppchen(ディテクティブ・ブラウケプヒェン)) グリム童話事件簿 ~Why is your criminal plan so sloppy?~ 作:タケノコ屋
序盤は青ずきんの命の恩人であったおばあさんが何者かに殺され、また、裁判にて、不条理な裁判により終身刑を受けてしまい、人狼専用の監獄に送られてしまうも、列車に何者かの細工により、列車事故が起こり、絶体絶命の危機になった青ずきん。そこへ仲間達の助けで危機を脱し、犯人の手掛かりを求めて、目的の街「シュペンハーゲン」へ向かうのでした。
物語の最中で物語や青ずきんに大きく関わる人物が複数登場しますが、それは読んでからのお楽しみ。
中盤から後半では様々な国から多くの商人達が往来し、様々な品々を取引している貿易の街ヘンゼラを舞台に青ずきんは新たな事件と遭遇します。
プロローグと併せて読めばより楽しめるのですが、本作は三話連続の序章でもあり、ストーリーの中から【キーワード・ファクター】と呼ばれる重要なキーワードが必見です。
また、シャーロック・ホームズの作品や要素が多く含まれており、ミステリーな要素やオマージュも見所です。
では、FAIRY TALE01「おばあちゃんの仇を追って三千里/冒険の始まりと狼と最初の事件」をご覧ください。
名探偵青ずきん(
FAIRY TALE01「おばあちゃんの仇を追って三千里/冒険の始まりと狼と最初の事件」
ここはトーチウィック。おばあさんがいる山の麓にある平和でのどかな町で、青ずきんはおばあさんのために買い物を出かける。
青ずきん「ふふふふ~~~………。」
青ずきんは楽しく鼻歌をしていた。おつかいのメモに書かれている雑貨店へ着き、中へ入った。
ガチャッ……リリリ~~~ン。
青ずきん「こんにちわ。おじさん。鉛筆とメモ、インクを買いに来ました。」
おじさん「ああ、嬢ちゃんか。ばあさんのおつかいか。いいぜ。安売りしとくぜ。」
このおじさんは雑貨店の店主、コガネで、いつも買いに来る青ずきんを実の娘のように可愛がっていた。
コガネ「こいつはおまけだ。ばあさんによろしくと伝えてくれ。」
青ずきん「はい、ありがとうございます。」
買い物を終えた青ずきん。そこへ老婆が入ってきた。
老婆「あらあら、青ずきんや。買い物かい?。」
青ずきん「はい、そうです。」
老婆「そうかい………ただ早くお帰り。この町に近づかない方がいいわよ。」
青ずきん「?………どうしてですか?。」
頭を傾げる青ずきんに対し、老婆は辺りを見渡した後、青ずきんに近づくと小声で言った。
老婆「ここでは大きく言えないんじゃが………悪くことは言わないわ………この町に来ない方がいい。」
青ずきん「?……なぜですか?。」
老婆「この町に新しい領主様が就任したんでな………その領主様からある決まりを告げたんじゃよ………。」
青ずきん「決まりですか?。」
老婆「ああ………何でも“
ザッザッザッザッザッザッザッザッザッ………
町中に歩く衛兵達。それを見て、慌てて青ずきんを身を隠させた。
老婆「………この町も領主様の命令で人狼狩りを行っているからね。お前さんんも気を付けた方がいいぞ。」
青ずきん「………………。」
青ずきんは悲しそうな気分になり、コガネは裏口に行て、キョロキョロと周囲を確認していた………。
コガネ「今なら大丈夫だ。今のうちに行きな。」
老婆「気を付けていきな。嬢ちゃん。」
青ずきん「あ、は、はいっ………おばあさん、おじさん………ありがとうございます。」
コガネ「気にしないでくれよ。またな。」
タッタッタッタッタッタッタッ………………。
“
通称「人狼特捜法」で、人狼による不当な行為の防止等に関する法律で、危険な存在である人狼に対して身柄拘束・尋問・処刑も許可され、人狼と見なした対象をたとえ悪意がないものでも容赦なく、捕縛、駆除、一掃するという特権を持つ。
多くの国では人狼による被害が起きており、その法律により人狼に対する取り締まりが強くなる一方、共存を望む人狼に対して強硬的な締め付けを受けており、この町トーチウィックも新しく入った領主ホッグ・シュヴァインが掲げる人狼特捜法により、人狼狩りを頻繁に行われ、これまでわずか三か月で、既に数百人に及ぶ人狼やその容疑を関わる者を拘束され、人狼専用の強制収容所へ送られて来た。
人狼の子である青ずきんも例外もないため、裏口から抜け出した青ずきんはおばあさんの所へ向かった。
おばあさんの家に繋ぐ山道
青ずきん「ふふふふ………たくさん買い物したし、おばあちゃんのお土産も買ったわ。おばあちゃん喜んでくれるね。」
嬉しそうにおばあちゃんがいる家へ帰路に就く青ずきん。家に着いたら大好きなおばあさんにプレゼントをあげようと楽しみにしている彼女であったが、そこで残酷な悲劇が待ち受けていた………。
おばあちゃんの家
ガチャッ………
青ずきん「ただいま、おばあちゃん………!!?。」
青ずきんは絶句した。何故から家の中から濃厚な鉄錆の臭いが漂っており、そこには血塗れになったおばあちゃんが倒れていた。
青ずきん「………う、嘘………お、おばあちゃん?………。」
あまりの光景に頭を理解が追い付けない青ずきんはおばあさんの傍へゆっくり寄ろうとした………その時!!?。
ギラッ。
青ずきんの後ろから忍び寄る殺意が満ちた凶刃。そのことは青ずきんは気付かずにいた………。
青ずきん「………!!?。」
バッ………ザッシュッ………。
殺気を気づいた青ずきんは振り向いた瞬間、切り裂かれた。
青ずきん「ぐっ………!!?。」
右腕を切りつけられた赤ずきんは自身を襲った犯人を見た。
???「………。」
黒いフードを付いたコートで身を包み、影で隠れて表情を見えないほどの不気味さを漂わせていた。右手には血塗れになったナイフが持ち、今まさに青ずきんを手にかけろうとしていた。
青ずきん「………ど、どうして………。」
黒いフードの人物「………………。」
そう言う青ずきんの問いに対し、黒いフードの人物は無情にもナイフで切り裂こうとしていた。
青ずきん「!!?。」
今まさに絶体絶命の危機に陥る青ずきん。今まさに彼女に凶刃が降りかかった………その時っ!!?。
ガシャァァァァァァン………ドカッ。
窓が吹き飛び、何かが黒いフードの人物を吹き飛ばされた。
黒いフードの人物「!!!?。」
黒いフードの人物はよろけてしまい、体制を直そうとする。
青ずきん「?………あ、貴方は!!?。」
青ずきんが驚くのも無理もない。そこにいたのは、右目に引っかき傷を持つ赤毛の狼だった。
赤毛の狼「て、てめ~~~………幼い子供に何してんだ~~~~~!!?。」
赤毛の狼は大きな拳を振り上げて、黒いフードの人物に殴りつけた。
ドガ~~~~~ン………………ドパアアアアアアアアンッ。
赤毛の狼の鉄拳を食らい、吹き飛ばされた黒いフードの人物。その勢いで壁にぶつかり、あまりの威力に壁をぶち破ってしまった。
赤毛の狼「………!?………青ずきんっ!!?。」
赤毛の狼は青ずきんを駆け付け、抱き寄せた。
赤毛の狼「大丈夫か!?、しっかりしろ!!?。」
青ずきん「え、ええ………大丈夫です………っ!?……そ、それより……おばあちゃんはっ!!?。」
青ずきんはおばあちゃんを駆け付けたが、おばあさんの体は冷たく、その命はもうすでに消えていた。
青ずきん「………お、おばあちゃん………そ、そんな………………あ、ああああああ~~~~~。」
赤毛の狼「………青ずきん………。」
青ずきんはおばあちゃんの死に嘆き悲しんで号泣、おばあちゃんの亡骸に泣け叫んだ。その様子を見守る赤い狼。
スウウ………ギラッ。
赤毛の狼がぶん殴った穴から黒いフードの人物が静かに迫ってきた。赤毛の狼の渾身のパンチを食らっても平然しており、得体のしれなさを感じさせた………。
手に持つ鋭いナイフが青ずきんと赤毛の狼の背後に静かに迫っていき………………。
赤毛の狼「………!!?っ。」
シュッ………ザシュ~~~~ッ。
殺気に気づいた赤毛の狼が振り向いたが気づくのが遅く、鋭いナイフに刺され、鮮血が舞い散った………。
黒いフードの人物「!!?っ。」
赤毛の狼「うう~~~………なめんじゃねえぞっ!!?。」
咄嗟に右腕を挟み込み、ナイフでの急所を防いだ赤毛の狼。さらに………。
黒いフードの人物「!!?っ………(ぬ、抜けない!!?)。」
赤毛の狼「うおおおおおお~~~~っ!!?………か弱い女の子を切りつける外道がっ!?、一片死んどけ~~~~~~~っ!!?。」
黒いフードの人物「ぐっ!!?。」
ドガアアアアアアアアン~~~~~~~~………………ガシャアアアアアアアン~~~~~~~ッ!!?。
咄嗟に両腕をガードして、赤毛の狼のパンチをもろに受ける黒いフードの人物はそのまま窓に突き破って飛んで行った。
ザシュッ。
赤毛の狼「いててて………(今の手応え………自分から飛んで衝撃を軽減したのか………あいつはプロの殺し屋か?)。」
先ほどの打撃の手応えなさから、かなりの実力を持ったプロの殺し屋だと悟る赤毛の狼。その時………。
コロコロ………………。
赤毛の狼「………こ、これは………義手か?。」
狼の足元に転がってきたのは右腕の義手のようだった。どうやら、黒いフードの人物は右腕は義手をしていたようだった。
赤毛の狼「………ん?………この匂いは?………!!?………やべっ!?………捕まれ~~~!!?。」
青ずきん「えっ!?。」
赤毛の狼は急いで青ずきんとおばあちゃんの遺体を担ぎ、家の外へと駆け出した。その数分後………。
ドガアアアアアアアアン~~~~~~~~………………。
何と、青ずきん達が住む家が大爆発した。どうやら、家の中に火薬を仕掛けられており、最初の狼との激突の際に仕掛けたようだ。
赤毛の狼「くっ………!?。」
青ずきん「………おばあちゃん………。」
育ての親であるおばあちゃんの遺体に泣き悲しむ青ずきん。そんな彼女を心配し、身を案じる赤毛の狼。
青ずきん「………ロートさん。」
ロート「青ずきん………大丈夫か?。」
青ずきん「え、ええ………た、助けてくださってありがとうございます。」
ロート「いや………あの家から嫌な臭いと感じを感じ取ったからな………ばあちゃんの事は済まなかった………すまねえ。」
青ずきん「いいえ………でも、犯人さんは逃がしてしまいました………。」
ロート「青ずきん………!!?。」
タタタタタタタタタタ~~~~~~~~………………。
現れたのはトーチウィックの役人達だった。家の爆発を見て来たようだが………。
トーチウィックの役人1「おい、あっちだ!。」
トーチウィックの役人2「急げ~~~。」
ロート「ちっ………役人共か………やっかいだな………。」
青ずきん「ロートさん。ここから離れてください。ここにいたら犯人の疑いが掛かるかもしれません。早く逃げてください。」
ロート「う………わ、わかった………。」
そう言うとロートは素早く森の奥へと走り去った………。
トーチウィックの役人1「お~~い、いたぞ。」
トーチウィックの役人2「こっちだ。」
青ずきん「あ、役人さんですか?。今、おばあちゃんが殺されて………。」
トーチウィックの役人3「ゲース様。あそこです。人狼の子です。」
青ずきん「えっ?。」
トーチウィックの役人の上役、ゲース・イーヤロー「よし、いたぞ、直ちに“
青ずきん「!!?。」
役人達に囲まれ、捕縛される青ずきん。突然の出来事に状況を理解できず、混乱していた………。
青ずきん「ど、どうして?………。」
トーチウィックの役人1「大人しくしろ!。」
トーチウィックの役人2「殺人の疑い及び人狼特別捜査法の名を置いて逮捕する。」
ゲース・イーヤロー「よし、このケダモノをひっ捕らえろ。」
トーチウィックの役人3「はっ。」
ガヤガヤ……ガヤガヤ………。
ロート「ぐぐぐぐぐ………あ、あいつら……人間じゃねえぇぇぇ………もう……我慢できねえ~~~!!?。」
今まさに青ずきんを助けようと飛び掛かろうとしたその時………。
ガシッ。
ロート「!!?………お、お前は!?。」
ロートを止めたのは、メガネをかけた淡いブルーの髪色の人狼の少女だった。
淡いブルーの髪色の人狼の少女「今は抑えてろ、バカ犬。青ずきんを助けるチャンスはきっと来る。今は我慢するんだ!!。」
ロート「ぐっ………わ、わかったよ………ブラオ。」
ブラオと呼ばれる人狼の少女に諭され、我慢することになったロート。一方、青ずきんは殺人について弁護士と協議していた。
トーチウィック・ドホルナ裁判所
弁護士トルネ・オキスケ「ああ、さっき起訴されたよ。君は殺人と放火、さらに人狼特捜法により人狼である君は保釈は認められない。つまり君は、これから裁判を受けることになる。有罪なれば、アルカノン監獄に移送され、そこで人狼専用の強制収容所へ送られることになる。」
青ずきん「それなら弁護をお願いいたします。私はおばあちゃんを殺していません。無実の罪を明らかになる証拠はありませんが、どうかお願いいたします。」
トルネ・オキスケ「………当然だ。君と法のためにベストを尽くすよ………。」
こうして青ずきんの無実を巡る裁判が始まった………。
バンバン………
第一審
裁判長ゴーグ「これより探偵作家ジェーン・メイベル・マープル殺害について審議を開廷します。本件は被告人、青ずきんに関する審議を行います。ではスペンス検事、冒頭陳述を。」
スペンス判事「はい、ではこれより今回の事件について………。」
検事による冒頭陳述を行われ、事件の説明や証拠の提供、そして目撃者の入廷も行われた。
スペンス判事「ロデオさん。貴方はマープル氏の殺害を目撃しましたのですね。その犯人を見たというのですが、この法廷の中に犯人はいますか?。」
目撃者ロデオ「ええ………この人狼が犯人です。」
ロデオが指を指したのはあおずきんだった。無論、弁護士側も弁護を行った。
トルネ・オキスケ「………それによって、青ずきん氏にはマープル氏を殺害する理由はない………。」
互いに弁論を繰り広げつつ、判決は決まらず、決着は二審まで持つ込まれた。
トーチウィック・ドホルナ裁判所・面会室
トルネ・オキスケ「青ずきんさん、検察は君を殺人犯である事を固辞して決めつけている………。」
青ずきん「………そうですか………で、でも、私はおばあちゃんを殺していないのです。私は人狼ですが、おばあちゃんに育てられました。一度も殺人を起こそうと思っていないのです。それに犯人は別に…。」
トルネ・オキスケ「………残念だが、家周辺や森の中を調査をした役人達の報告では何の痕跡がなかったようだ。」
青ずきん「そ、そんな………。」
トルネ・オキスケ「………分かった。ではこうしよう。君は司法取引って知ってるかね?。検察側は君が人狼である事を認めればある程度まで目をつぶり、交渉次第では執行猶予も付くそうだ。」
青ずきん「!?………そ、それは………。」
他人の前に人狼である事を認める事に抵抗を感じる青ずきんであったが、トルネはこう言った………。
トルネ・オキスケ「分かってる。だがそれが取り引きなんだよ。裁判で有罪になったら確実に終身刑はぶち込まれる!。時間がないんだ!。取り引きは裁判が始まるまでに決断しないといけない!。」
青ずきん「………………。」
結局、青ずきんはトルネに説得され、その取引を応じるのでしたが、これは絶望を叩き落される地獄の始まりである事は彼女は知らずに引きずり込まれていくのであった………………。
第二審
カンカン………。
裁判の第二審が始まりを告げる小槌の音。人前で人狼である事を認めた青ずきんは司法取引を応じる事に決め、無罪を勝ち取るべく裁判に臨むのだった………。
ゴーグ「被告人青ずきん。あなたは司法取引の内容全てを理解していますか?。」
青ずきん「………はい。理解しています。裁判長さん。」
ゴーグ「………では、当法廷は被告青ずきんが司法取引の内容を理解、また計画性のない犯行であることから情状酌量の余地を考慮に入れたいと思います………しかしながらまだ息のある被害者を改めて殺害するという行為を当法廷は許すことはできません。」
青ずきん「!!?………あ、改めて殺害って………ど、どういう事ですか?。」
トルネ・オキスケ「………。」
トルネは何も言わず、黙っていたままだった………その目はドス黒いゲスの目をしていた………。
ゴーグ「当法廷は殺人容疑及び、人狼を認めた被告青ずきんを終身刑と確定する!以上。」
青ずきん「そ、そんな………。」
トルネ・オキスケ「すまないな、青ずきん………私は精一杯やった。それではお元気で………。」
青ずきん「!!?………。」
トルネは青ずきんをそのまま見捨てて去っていこうとした………その時っ!!?。
???「ふざけんな~~~!、この野郎~~~~!!?。」
青ずきん「!!?。」
傍聴席から立ち、弁護士に暴言を放ったのは雑貨店の店主、コガネだった。
コガネ「おまえ、弁護士だろ。なんで反論しないんだ!。この子は人狼だが、俺達にいつも笑顔を見せてくれる優しい子なんだぞ!。そんな子がばあさんを殺すはずはないんだぞ!!?。」
トルネ・オキスケ「………ベストを尽くしただけです。では失礼します………。」
コガネ「おい待て…どこ行くんだ!?……戻ってこい、この野郎!!?っ。」
激高するコガネを警備員達に止められる中、トルネは裁判所を後にした。
タッタッタッタッタッタッタッタッ………。
通路を歩くトルネはある人物と出会う………。
トルネ・オキスケ「………もう安心していい。刑はすでに確定したよ………司法取引をしているから彼女に控訴はできない。そしてこの件での捜査はもうない。おめでとうロデオ君。」
ロデオ「へへへ………ありがとうよ…ほんとに助かったよ………先生。」
何とロデオとトルネはグルだったのだ。
トルネ・オキスケ「感謝は君の金持ちの父上と“あの方”にするんだね………。」
ロデオ「へへへ………。」
実はロデオは人狼排斥派の貴族の子息で、父親と共に一芝居を打ったのだ。だが、どうやら今回の裁判には“あの方”と呼ばれる存在が大きく関わっているようで、後にその人物がこの事件のみならず国家をも巻き込む大事件を引き起こす事になるのであった………。
???「………。」
その物陰から様子を伺う人影。一方、有罪になった青ずきんは彼女に好意をしている周囲の人々の訴えも虚しく、終身刑のためにアルカノン監獄へ送られる事になったが、その列車に細工を行おうとしていた者が忍び込んでいた………………。
アルカノン監獄直行、人狼専用護送列車
5両編成されたアルカノン監獄行きの人狼専用の護送列車で、犯罪に関わった人狼を護送する目的で建造された特別製の列車で、今は点検整備を行われていた。
作業員1「お~~い、そっちはどうだ?。」
作業員2「ああ、いつでも運転可能だぜ。」
作業員3「そろそろ撤収しろ。俺達の役目もここまだ。いくぞ。」
作業員1、2「ああ。」
ガヤガヤ……ガヤガヤ………ザッ。
列車の点検作業を終わった作業員達が撤収していく中、その様子を見て、列車に忍び寄る謎の人影。
ガチャガチャ……ガチャガチャ……ザザザザッ………。
人影「………にやっ。」
人影がにやけるとその場に離れた。これは恐ろしい青ずきんに待ち受ける恐ろしい事態を引き起こすことになろうとは、彼女達は知らずにいた………。
2時間後
ボポォォォォォォォ~~~~~~~~………………ガタガタ~~………ガタガタ~~………。
アルカノン監獄直行、人狼専用護送列車 4号車
青ずきん「………。」
???「………。」
実はこの列車にいるのは護衛の兵士20人、運転手、福運転手2名、計22人で、それ以外は青ずきんを含め、人狼の二名しかいないかった。
青ずきんの隣に座っているのは黄色いうさみみ付きのパーカーと青の右目と緑の左目のオッドアイ、ツインテールが特徴の小柄な人狼の少女であった。
うさみみパーカーのオッドアイの少女「………なんや……新入りの人狼はんか?。」
青ずきん「………は、はいっ。」
うさみみパーカーのオッドアイの少女「そんなに慎まなくていいやねん。同じ人狼同士仲良くなろうや。」
青ずきん「………は、はいっ。」
うさみみパーカーのオッドアイの少女「うちはジョーヌなんや。ほなよろしくな。」
青ずきん「………あ、は、はいっ………わたしは青ずきんです。よろしくお願いいたします。」
ジョーヌ「それで、青ずきんはん、何で君みたいな子がここに?。」
青ずきん「え、ええと………そ、それは………。」
これまでの事情を説明する青ずきん。それを聞いたジョーヌは真っ赤になって激怒していた。
ジョーヌ「何やそれはっ!、こんな不条理なことがあるはずがないわ~~~………それにムカつくな、その悪徳弁護士はっ!!?。」
青ずきん「………ええ………騙された私が悪かったです………もっと早く気づければ………。」
ジョーヌ「まあ、そんな気落ちせんでいいわ………あんさんはまだ若いからまだまだ人生は長いやで~~。」
青ずきん「え、ええ………ありがとうございます。ジョーヌさん。それでジョーヌさんはどうしてここに?………。」
ジョーヌ「ああ、それなあ………。」
ジョーヌは自身が捕まった事を話した………。
彼女は元々商人として働ていたが、身に覚えのない罪に着せられ、訴えるも不当な証拠や証言により青ずきん同様、終身刑を受けてしまい、アルカノン監獄送りになったというのだ………。
ジョーヌ「まあ、そういう事や………あんさんと同じく監獄入りされってことや………。」
青ずきん「そうですか………ジョーヌさん、ありがとうございます。」
ジョーヌ「うちらは終身刑やけど、生きていればチャンスがあるはずや、だから諦めずに生きて行こうや………。」
青ずきん「………は、はい………ありがとうございます。ジョーヌさん。」
こうして、ジョーヌの励ましを受け、少し元気になった青ずきん。だが、彼女達が知らない………。
この列車が忍び寄る惨劇の事態へと近づこうとしていた………………。
ポポ~~~~~~~~………ガタンゴトンガタンゴトン………………。
列車はアルカノン監獄の中間地点にある大きなカーブがあり、そこには大きな湖「オハイオ湖」があった。
列車はカーブに近づくにつれ、ブレーキの準備をしていた………………がっ!!?。
ゴゴゴゴゴゴ~~~~~~~~~~~………………。
運転手A「お、おいっ、どうした!!?。」
運転手B「ブ、ブレーキが利かないっ!!?。」
運転手A「何だとっ!!?………こ、この先はカーブがあるんだぞ!、早く修理しないと………。」
運転手B「あっ……あ、危ないっ!?………もうだめだ~~~~~~っ!!!?。」
ゴゴゴゴ~~~~~~~…………………ガタガタ~~~………………ドゴオオオオオオオオオンッ!!?。
ブレーキがかからないまま列車は猛スピードで脱線し、オハイオ湖へと突入してしまうのであった。
青ずきん、ジョーヌ「きゃあああああああああああ~~~~………………。」
護衛の兵士達「うわあああああああああああああ~~~~~………………。」
ドボオオオオオオオオン~~~~~~~…………ゴボゴボゴボゴボ………………。
青ずきん達や護衛の兵士達を巻き込まれ、湖の底へ沈む列車。
青ずきん「ゴボゴボゴボゴボ~~~………………。」
ジョーヌ「ゴボゴボゴボゴボ~~~…………(青ずきんっ!!?)。」
水没していく列車。列車内は水が入り込み、完全に水没し、水の中で溺れる青ずきんとジョーヌ。
二人は手錠をしているため、身動きができず、もがこうとしていた。
ガチャガチャ………ゴボボボボ………。
ジョーヌ「ゴボゴボゴボゴボ………(くっ………は、早く脱出せんと………青ずきんが………)。」
ジョーヌは急いで青ずきんを助けようとするも、手錠により脱出が困難であった………………。
水没していく列車内からの脱出は絶体絶命に不可能であった………………その時っ!!?。
ドゴオオオオオオオオオン~~~~~~~ゴボボボボボボボボ~~~~~~………………。
ジョーヌ「!!!?。」
突然、窓が爆発し、その状況に驚くジョーヌ。無数の泡が溢れる中、出てきたのは………。
ロート「ウボボボボボボボオオオオオオオオ~~~~~~~………………。」
何と青ずきんの知人であったロートであった。
ガシッ………ググググッ………バキキンッ………ガシッガシッ………ゴオオオオオオオオオオ………。
二人が繋がっていた手錠を素手で破壊し、二人を抱き上げると、猛スピードで海面まで泳ぎ出した。
ザバアアアアアアアアン………………。
青ずきん、ジョーヌ「げほげほげほ………はあはあはあ………」
二人は飲んでいた水を吐き出し、ようやく息を吸うようになった。あと少し遅れていれば、二人は溺死してしまい、列車と共に運命と共にしていた。
ロート「おいっ!、大丈夫か?、青ずきんっ!!?。」
青ずきん「はあ……だ、大丈夫です、ロートさん。」
ロート「そうか……間に合ってよかったぜ。」
青ずきん「それですが……どうして、ロートさんが?。」
ロート「ああ、それはな………こいつのおかげでな。」
ザッザッザッ………。
青ずきん「ブラオさん。」
ブラオ「久しぶりだね、青ずきん。」
森の奥から現れたのは淡いブルーの髪色の人狼の眼鏡の少女ブラオであった。
どうやら彼女は青ずきんの知り合いらしく、まるで姉妹のように仲が良い雰囲気を放っていた。
青ずきん「こ、こちらこそお久しぶりです………どうしてここに?。」
ブラオ「ああ……実は、僕のおじさんから君のおばあちゃんに届け物を頼まれて来たんだよ。家が爆発して、青ずきんが捕まっているところを目撃したんだ。その後、裁判を見たんだけど、あの弁護士が青ずきんを裏切って終身刑を追い込んだ。それを後をついて見たら、あの弁護士、目撃者のロデオとグルだったらしいよ。」
青ずきん「えっ!………グ、グルっ!?。」
ブラオ「ああ、これには何か裏があると思って、知り合いの情報屋に頼んで、密かに調査した所、あの裁判は全員グルだったことがわかったんだ。」
青ずきん「え、えっ………ええええ~~~~~~~!!?。」
何と裁判にいる関係者全員がグルだったことに衝撃を受ける青ずきん。
ブラオ「情報屋によればどうやらロデオという男は人狼排斥派の貴族の子息で、父親と共に同様の手口で行っているようだ。それにロデオと弁護士の会話から“
青ずきん「そ、そんな………どうして?。」
ジョーヌ「あ、あの………青ずきんの裁判って………うちも同じみたいやな………。」
青ずきん、ブラオ、ロート「えっ?。」
ジョーヌ「青ずきん、さっきうちが無実の罪で終身刑と言ったわね………うちはある商人から商談があって、その商談の場所に行ったら、役人が現れて、しかも、商人が手配した宿屋からご禁制の薬物が発見され、そのまま逮捕されたんや。それからお察し通り、弁護士に騙されて、終身刑へと言い渡されてここに至るわけや………。」
ブラオ「なるほど………連中はどうやら人狼排斥という同じ目的の為に結託したと思う。」
青ずきん「そ、そんな………ひ、ひどい………。」
ロート「ふざけんなっ!。そんな理由で青ずきんを陥れたのか!?。」
ブラオ「でも、残念ながら………無実を明かす証拠はない………ここでは裁判長を含め、関係者が全員グルだかあら、たとえ証拠があっても揉み消されるのは目に見えている。」
青ずきん「それでどうする気ですか?。」
ブラオ「まずはおばあさんを殺した実行犯と思しき犯人を見つけ出すことが先決だな。」
青ずきん「でも、その犯人の顔はわからないし、どこにいるのかわかりませんが………。」
ブラオ「………実は心当たりがあるんだ………。」
青ずきん「!!?………そ、それは本当ですか?。」
ブラオの衝撃的な言葉に驚く青ずきん。
ブラオ「ああ………犯人の残したものは、これさ。」
ロート「!!?………こ、こいつは!?。」
持ち出したのは青ずきんの祖母を殺した黒フードの犯人が残した右腕の義手とロートに刺したナイフであった。
ブラオ「これは裁判所からこっそり持ち出した証拠品さ。手掛かりになるかと思って持ち出したけど………見当も付かないんだよ。」
青ずきん「それって………」
ブラオ「情報屋によれば、どうやらこれは特注品らしく、作っている場所を特定するのに時間がかかるようだけどね………。」
ロート「………くっ、犯人の手掛かりが見つけたのに、手詰まりかよっ!!?。」
青ずきん「………………。」
もはや手詰まり状態に陥ってしまった青ずきん達。もはやここまでかに思えた………………。
ジョーヌ「………それって………“
青ずきん、ブラオ、ロート「!!?。」
ジョーヌの言葉に驚きを隠せない青ずきん達。
ブラオ「な、何でわかるんだ!、これを!!?。」
ジョーヌ「うちは商人や。こんなもんはうちに掛かれば朝飯前やで。」
ロート「そいつはありがたい。でっ、“
ブラオ「ここから南にある雪が降る港町さ。あそこは確か………昔、“セントエルモの火”という大きなマッチ会社があったんだけど、“エレンのマッチ”という新しい会社に買収されて、今じゃ、誰でも認める町一番の会社になっていると聞いているだけどな………………。」
ジョーヌ「うちは一度あそこで商売したことがあるんや。そこで義肢屋やショップで見た事があるんや。この義手は町の中でも有名な義肢屋「“ハケスタリ”」が手掛ける特注品で、お客からの要望に応じて製作していく、この店だけしか存在しないオリジナルの商品みたいやで。それと、このナイフは高級刃物店「“
ロート「おお、それなら奴を追えるってことか!?。」
ブラオ「………だが、それだけでは青ずきんの無実である証拠が乏しい。それを証明するには真犯人を捕まえる事しかない………。」
ロート「なら、話が早い………とっとと“
ブラオ「はあああ………馬鹿か、お前は………。」
ロート「な、何だと~~~!!?。」
ブラオ「ここから“
ロート「うう………。」
ブラオの指摘に落ち込むロート。
ブラオ「まず、最初の目的地は交易の街ヘンゼラだ。あそこに行けば、“
ロート「よし、今すぐ行こうぜっ!!?。」
ブラオ「馬鹿か、お前は!?………この大事故で憲兵達が押し寄せてくるぞ!。まずは人気のない獣道へ行こう。最短の道なら2、3日でヘンゼラへ着くはず………ただ………険しい道になるけど………。」
青ずきん「行くしかないです………。」
こうしておばあちゃんを殺した真犯人の手掛かりを求め、“
一方、とある場所では………。
ギャ~~~………ギャ~~~………バサガサガサガサ~~~………………。
とある館 一室
不気味な屋敷の一室でとある会話をする謎の男女の二人。
謎の女「………以上が、“
謎の男「………そうか………あの“
謎の女「はい………“
謎の男「………まあいい、あのまま生かしていれば、我々の組織にとっては脅威となる………脅威となるものは痕跡を一つ残らず必ず消す………それが我ら“
謎の女「はっ………。」
それは青ずきんとは深い因縁を持つ組織である事は今の彼女達はまだ知らずにいた………………。
一方、青ずきん達は3日後、交易の街ヘンゼラへ辿り着けようとしていた………。
交易の街ヘンゼラ
ここは各国から様々な商人や物資が流れ着き、貿易を行われている町で、ここでシュペンハーゲンへ行く行きする馬車が存在しており、それが青ずきん達の第一の目標であった。
青ずきん「ここがヘンゼラですか?。」
ブラオ「ああ、ここは商人達の貿易の中心地だからな、ここならシュペンハーゲン行きの馬車があるはずだ。」
ロート「じゃ、ここで行けるんだな。」
ブラオ「そうだが、油断するなよ。どこに“
ジョーヌ「M.P.O.?………何やそれは?。」
ブラオ「“メルヒェン警察機構(Marchen Police Organization)”………通称「
青ずきん「わかりました。皆さん、行きましょう。」
こうして、青ずきんは急ぎ、シュペンハーゲン行きの馬車を乗り込むべく急いだ。
一方、脱線した護送列車が沈んだオハイオ湖では、M.P.O.の捜査が行われていた………。
とある事件現場 オハイオ湖
ザアアアアアアアアア~~~~~~………………。
湖底に沈んだ護送列車を引き上げていた。その様子を見上げる人物がいた………。
髑髏の仮面を付けたローブの人物「………。」
彼の名はアイク。メルヒェン警察機構(Marchen Police Organization)、通称「
頭脳明誠、冷静沈着な性格で、犯人の逃亡を予測し、事前策を練っておくなど視野も広く、決して妥協しない姿勢を保つつ、決して諦めない信念を持ち、一見事故や自殺のような状況でも一目で看破する洞察力と推理力を持つ。
???「アイク様~~~。」
アイク「………どうした、ジロン?。」
ジロン「アイク様はなんで列車を見ているのですか?。」
ジロンと呼ばれる豚のような男が現れ、アイクに訪ねてきた。
アイク「生存した運転手の証言からブレーキが利かなくなったと言っていた。恐らく何者かが細工したと思われる。」
ジロン「細工………ですか?………何の為ですか?。」
アイク「恐らく………誰かを狙う為だろう………。」
ジロン「えっ!?………な、何のためにっ!!?。」
アイク「今の所、わからんが………たんなる列車事故ではなく、悪意ある殺意を感じる………。」
ジロン「悪意ですか?………それはどういう事でしょうか?………。」
アイク「…………。」
ジロン「アイク様?。」
???「アイク様~~~~~!!?。」
ジロン「ぶひ~~~~~~~んっ!!?。」
吹っ飛ばされるジロン。現したのはサキュバスの少女であった。
アイク「………リリス。」
リリス「アイク様~~~、ご命令通り、列車の整備していた整備士達に事情聴取してきました。」
アイク「………それで。」
リリス「整備士達の話によれば、点検した列車は完全に整備してブレーキは正常だったと聞いております。」
アイク「………ブレーキが利かなくなったのは、整備士達が点検を終えて離れた後だったか………。」
リリス「え、そうなんですか?。」
ジロン「あ、あの~~………アイク様………もう一つ、報告が………。」
アイク「報告?………それは何だ?。」
実はジロンとリリスもアイク率いるM.P.O.《メルポ》」の第7捜査局特務捜査班のメンバーで、共に事件の解明に動いていた………はずだった………。
ジロン「は、はい………実はあの列車にいる人狼が二人………行方不明になったそうです………。」
アイク「人狼?………それが何か?。」
ジロン「ええ………実は犯罪を犯した人狼が護送されていたようですが、事故により護衛していた兵士数名が死傷者が出ており、負傷した運転手二名から事情説明をいだたきましたブヒ。」
アイク「そうか………それでも行方不明の人狼二人に関する情報はあるか?。」
ジロン「あ、はいっ………裁判所から提出した移送指示書から人狼の二人は“
アイク「青ずきん?。」
ジロン「はいっ………彼女は人狼ですが、あの有名な探偵であり、探偵小説家でもあるジェーン・メイベル・マープル氏の養子として引き取った子みたいようですが、詳しい事はまだわかりません。」
アイク「何っ!?、ジェーン・メイベル・マープルだとっ!!?。」
青ずきんの育ての親、ジェーン・メイベル・マープルの名の聞いて驚くアイク。
ジロン「ブ、ブヒっ!!?………ご、ご存じですか?。」
アイク「ああ………昔、世話になった方だからな………。」
ジロン「え、えと………そ、その方はどんな方ですか?。」
アイク「有名な名探偵だった方だ………私はこれからあの方に報告する。後は任せた。」
ジロン「あ、アイク様っ!?………ぶひっ!!。」
リリス「ちょっと、ブタ!!?、アイク様の邪魔しなの!?、さっさと行くわよ!!?。
ジロン「ブ、ブヒ~~~~~………………。」
現場の指揮をすべくリリスに強引に引きずられるジロン。
一方、アイクは指揮所のテント内で、上司への報告を行おうとしていた。
指揮所のテント内
アイク「………以上がこの現場での状況の報告です。“
セフィーロ『…………そうか。』
アイクは水晶玉から映し出されるセクシーなスタイルの持ち主の女性が映し出された。
彼女の名はセフィーロ。M.P.O.第7捜査局局長で、アイク達の上司である。
セフィーロ『それで、アイク………今回の事件をどう見る?。』
アイク「ええ………恐らく………“
セフィーロ『………そうか、やはり、“
アイク「彼女とは、やはり、“
セフィーロ『………ああ、そうだ………彼女とは古き付き合いがあってな………今回の事件に彼女に依頼をしたのだ。』
アイク「依頼?………それはどのようなもので?。」
セフィーロ『………………“
アイク「!?………“
セフィーロ『…………。』
アイクの質問に対し、しばらく沈黙するセフィーロ。
MWPO、正式名称は「メルヒェン世界平和機構(Marchen World Peace Organization)」。
様々な国々が集まり、結成された国際的な機構で、優秀な捜査班を多数有し、あらゆる事件や国家に関わる難事件に介入、捜査指揮を行う権限を持つ。
10年前に起きた人狼による襲撃事件で活躍し、事件の解決を導いた功績を持っていた。
セフィーロ『…………“
アイク「!!?………ま、まさかっ!!?。」
アイクは驚愕した。何故ならその「“
この事件以降、“
その最悪の事件の裏に“
アイク「そ、それでは………マープル氏に依頼したのは…………。」
セフィーロ『ええ………彼女に依頼したのは、“
アイク「“
セフィーロ『………“
アイク「!!?………じ、人身売買ですてっ!!?。」
セフィーロ『執行してから10年間の間、捕縛した人狼を使った奴隷貿易を行われていた事が少なからずわかったみたいでね………』
アイク「ど、奴隷貿易!!?………その情報は一体どこから?。」
セフィーロ『とある捜査中の事件で人狼の奴隷を発見したからよ………その密売組織を潰したけど、それが末端の組織に過ぎなかったようなの………。』
アイク「末端の組織というと………ま、まさかっ!!?。」
セフィーロ『ええ、その通りよ………今回の事件には“
アイク「………ま、まさか………“
セフィーロ『そうだ………わらわが派遣した捜査官が次々と消されて、情報がなく………証拠がない以上逮捕ができずにいたのじゃ………。』
アイク「………それで彼女に依頼したのですか?。」
セフィーロ『ええ………彼女には何度も助けてもらったからね………極秘裏に調査を依頼したの………。』
アイク「………それで、“
セフィーロ『ええ………彼女が調査してわかったのは、“
アイク「………それが何者かに暗殺されたのですね………」
セフィーロ『うむ………恐らく“
アイク「では………やはり、あの列車の事故は………。」
セフィーロ『恐らくその者の仕業のようだ………あの列車に護送していた人狼の娘を始末するために………。』
アイク「………な、なぜ、少女の命を狙っているのですか?………。」
セフィーロ『………実はマーブルから人狼の少女について話したことがある。その人狼の子は旅の最中に傷だらけの状態で見つかったようなのじゃ。その時の傷が原因で記憶は失っていたが、マーブルは何者かに追われていた事を察し、保護したのじゃ。彼女の調べで彼女の証明となるものはなかったが、一つだけあるものがあったのじゃ………。』
アイク「あるものとは?。」
セフィーロ『彼女の持っていたペンダントが持っていたのじゃ………そのペンダントに紋章が描かれておった……狼に額の角、蝙蝠の翼がな………』
アイク「狼に額の角、蝙蝠の翼………!!?………ま、まさか………。」
セフィーロ『そう、“
アイク「そ、それではっ!………彼女はやはり………。」
セフィーロ『その通りだ………彼女はその“
アイク「………ま、まさか………その人狼の少女が関係者とは驚きですが………確保しますか?。」
セフィーロ『いや、お主にはここで事件の調査を続けろ。彼女の事はあとの者に向かわせている。お主は全力に尽くして事件を調査してくれ。』
アイク「はい、わかりました。任せてください。」
セフィーロ『うむ、期待しておるぞ………。』
セフィーロとアイクの会議が終わった頃、青ずきん達はヘンゼラに着いていた。
交易の街ヘンゼラ
ここは様々な国から多くの商人達が往来し、様々な品々を取引している貿易の街で、青ずきん達は“
青ずきん「………どれもありませんですね………」
ブラオ「おかしいな………普通ならシュペンハーゲン行きがあるはずだったが、どれも休業しているようだよ………。」
ロート「どこかの祭りでも遅れているじゃないか?。」
ジョーヌ「う~~ん………そういう風に見えんけどな………おっ、そこにおっちゃん。」
通りすがりの商人「ん?。何だい?、嬢ちゃん?。」
ジョーヌ「シュペンハーゲン行きの馬車が出ていないやけど、何があったんや?。」
通りすがりの商人「ああ…この町で“
ジョーヌ「“
通りすがりの商人「ああ………1か月前にこの町に現れた正体不明の殺人鬼で、これまでに10人以上も犠牲になったんだよ。そのせいで事件が解決するまですべての馬車の運航は停止されたんだよ。」
ジョーヌ「そうなんか………じゃあ、」これが解決するまで、馬車の運航は再開できんやないか?。」
通りすがりの商人「まあ、そう通りだ。まあ、命が欲しければ、しばらく町の外をウロウロしないことだな………。」
ジョーヌ「わかったわ………おおきな、おっちゃん。」
商人の話から街に起きた事情を聞き、今後どうするのか話し合いをする一行だったが………。
???「誰か~~~金庫から宝石が無くなった~~~~!!………だ、誰か警察を~~~~~~~~!!?。」
宝石店から宝石が盗まれたと慌てふためく店長らしき人物が叫んでいた。
その様子を見る一行と彼の叫びに聞いて、周囲の住民達が集まっていた。
ロート「何だ?、宝石泥棒でも出たのか?。」
ブラオ「そんなことよりも、これからどうするのかだけどな………馬車は行けないとしたら、別の方法で行くしか………。」
ジョーヌ「………………ん?、なあなあ………青ずきんはんがいないで!!?。」
ロート、ブラオ「えっ?………え、ええ~~~~~~~~~~!!!!?。」
いつの間にか青ずきんがいなくなっことで驚愕する一行。
一方、青ずきんというと………。
青ずきん「………ここ、どこでしょう?。」
青ずきんは街中で迷子になっていた。先ほどの宝石店の店長の慌ただしい叫びに気を取られてしまい、ブラオ達とはぐれて迷子になってしまったようだ。
青ずきん「どうしましょう………迷子になってしまいました………ロートさんとブラオさん、ジョーヌさんと会わないと………。」
???「そこのお嬢ちゃん、何しているんだい?。」
青ずきん「!!?。」
青ずきんに声をかけたのは、“
青ずきん「………あ、貴方は?。」
赤ひげの老紳士「ほっほっほっほっ………申し忘れてしまったね………私は“ジェイベズ・ウィルスン”と申します。商談の為にこの町に来ましたが、取引まで時間がかかるまで散歩していた所、君を見かけたんだ。ご両親とはぐれてしまったかね。」
青ずきん「いいえ、今は友達と一緒に来たのですが、はぐれてしまって………。」
ジェイベズ・ウィルスン「そうですか………なら………もし、よかったら、一緒に行きませんか?。お友達を探すなら、中央の広場に行きましょう。」
青ずきん「あ、はいっ、ありがとうございます。」
こうして、青ずきんはジェイベズ・ウィルスンという赤ひげの老紳士と一緒に中央の広場へ向かう事になった。
青ずきんはそんな老紳士に質問してみた。
青ずきん「それで、ジェイベズさん。この町で何の商談をしに来たのですか?。」
ジェイベズ・ウィルスン「ああ、この町のお得意様に商談の話をしに来たのですが、“
青ずきん「へ~、そうなのですか………。」
ジェイベズ・ウィルスン「そういえば、青ずきんちゃんはどこから来たのかね。」
青ずきん「あ、は、はいっ………トーチウィックから来ました。」
ジェイベズ・ウィルスン「トーチウィック………もしかして、君はジェーン・メイベル・マープルさんの娘さんかね?。」
青ずきん「!?………あ、は、はいっ…そうですが、おばあちゃんと知っているのですか?。」
ジェイベズ・ウィルスン「ああ………彼女とはとある事件で依頼した方でね………彼女には返しきれない恩があったんだよ………マープルさんは元気しているかね?。」
青ずきん「………………。」
ジェイベズ・ウィルスン「?………どうしたんだね?。」
青ずきん「………おばあさんは………亡くなりました………。」
ジェイベズ・ウィルスン「!!?………マープルさんがっ!!?………事情を教えてくれないかね?。」
青ずきん「………はい………。」
青ずきんはこれまでの事情を説明した。何者か祖母が殺され、無実の罪で逮捕された挙句、終身刑を受けた事、そして、事故により危なく溺れかけた所に祖母に恩を持つブラオ達に助けられ、祖母の仇である義手の人物を追って、シュペンハーゲンへ向かっていた事を………………。
それを聞いたジェイベズは驚きながらも、彼女の言い分を信じた………。
ジェイベズ・ウィルスン「そうですか………わかりました。わたしが協力しましょう。」
青ずきん「えっ!?………で、でも、貴方の迷惑にかかるわけには………。」
ジェイベズ・ウィルスン「言ったはずですよ。あなたの祖母には返しきれない恩があると………ここで手助けしなければ、マープルさんに申し訳にはいけませんからね………………。」
青ずきん「………ジェイベズさん。」
ジェイベズ・ウィルスン「それなら私がシュペンハーゲンへの手配をさせますから、安心してください。」
青ずきん「…………はいっ。」
こうして、青ずきんはジェイベズの協力を得る事になった。その時、二人の前に謎の人影が近づいてきた………。
人影「………………。」
青ずきん「!!?。」
ジェイベズ・ウィルスン「!!?。」
青ずきん達の前にふらつきながら歩いてきた男。どうやら様子がおかしく、数歩歩いた瞬間………。
タッ…タッ…タッ…………ドサッ。
男はあおむけに倒れた。
青ずきん「だ、大丈夫ですか?………!!?。」
青ずきんが駆け寄ったその時、彼女の鼻に異様な臭いを察した。
鉄のような生々しく濃厚な臭い………彼女は前に同じ匂いを知っていた………………それは“
その男の背中に刺し傷があった。どうやら
青ずきん「ジ、ジェイベズさんっ!……警察を呼んでください!!。」
ジェイベズ・ウィルスン「わ、わかった!!。」
タッタッタッタッタッタッタッ………………。
青ずきんに警察を呼ぶようと言われたジェイベズは急いで警察へ向かった。
その時、男が青ずきんの手を掴んだ。
青ずきん「!!?。」
男「う、うう………。」
男は瀕死になりながらも何かを言おうとしていた。
青ずきん「ど、どうしたのですか?………。」
男「や、“
男は懐から何かを取り出した。
男「こ。これを………。」
青ずきん「!?………。」
男が差し出したのは折り畳んだ紙切れだった。男は青ずきんの手を無理やり握らせた。
青ずきん「………こ、これは?………。」
男「ナ、“
青すきん「!?。」
男「て、手掛かりは……“
青ずきん「!!?………し、しっかりしてください!?。」
青ずきんは男を助けようとしたが、すでに事切れていた。
青ずきん「………?………!?………こ、これは?。」
青ずきんは男から渡された折り畳んだ紙切れを開いてみた。それには何かを署名したものだった。
・“
下記の者は、土地の所有者である事が証明します。
名前:ホズマー・ウィンディバンク
住所:ヘンゼラ221B番地ー193
追記:この証明書は紛失した場合、所有者の所有権は消失します。
また、本証明書の他にその“
さらに紙に包まれているものがあった。
“
どうやら、これらが事件に関わる重要なキーアイテムにしてファクターである模様。
青ずきん「………これは一体………何でしょうか?、この人が残した“
???「………。」
青ずきんの様子を見る人影。どうやら事件のカギを握る人物だが、のちに青ずきんに危機を落としれることになるのである………………。
青ずきんは旅先で死体と出会うことになった………しかし、これはほんの始まりに過ぎない………………。
何故なら青ずきんが挑む事件は一つではなく………“
これが青ずきんにとっての初めての事件でもあり、そして、後に名探偵の異名を広めることになる事件の始まりでもあった………。
FAIRY TALE00 END Why are your criminal plans so sloppy?
如何ですか。FAIRY TALE01「おばあちゃんの仇を追って三千里/冒険の始まりと狼と最初の事件」は?。
序盤で何者かにより大恩であるおばあちゃんが殺され、さらに無実の罪を着せられた上、不条理な裁判により終身刑を受けてしまう青ずきんであったが、そこで何者かにより暗殺されかけました。
しかし、青ずきんを助けたのは二人の人狼ロートとブラオ、青ずきんと同じく終身刑を受けたなにわ系商人人狼少女ジョーヌを加え、犯人の手掛かりを求め、犯人が残した義手を元にその製造元である「シュペンハーゲン」へ向かうのでした。
シュペンハーゲン行きの馬車へ乗るため、交易の街ヘンゼラへ向かいましたが、そこで青ずきんは殺人事件と遭遇しますが、これはこの町尾も巻き込む大事件のほんの入り口にすぎませんでした。
劇中で青ずきんの過去に大きく関わる謎の組織が登場、青ずきんのおばあさんを殺害した犯人も組織の人間であり、青ずきんを始末しようとするのは、組織の裏切り者と関係するのですが、現地点では不明です。
また、アイクを初めとする「魔王軍最強の魔術師は人間だった」の登場キャラ達をメルヒェン警察機構、通称「|M.P.O.(メルポ)」の捜査官としてスターシステム的に登場し、特にセフィーロは青ずきんのおばあさん、ジェーン・メイベル・マープルとは古い知り合いで、何かと彼女の助けで事件を解決してきたようで、彼女の死に組織の影や事件の裏に潜む陰謀を素早く察知していました。
ちなみに裁判シーンは「ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン」のオマージュシーンや片腕が義手の人物や列車の脱線シーンは映画「逃亡者」のオマージュも描かれています。
シャーロック・ホームズシリーズの作品も多く含まれて登場します。
また、太字になった字は【キーワード・ファクター】と呼ばれる重要なキーワードで描かれており、物語や事件解明に必要かつ重要な鍵として登場します。
因みに最初の事件とは青ずきんがヘンゼラでの事件ではなく、別の意味が隠されていますがそれはストーリーを読んでからのお楽しみです。
次回は殺人事件を遭遇した青ずきん達でしたが、それは氷山の一角にすぎず、それはこの町に複数の事件が同時に起きる事件の始まりに過ぎませんでした。
複数の事件を同時に扱う事になった青ずきん達の調査や探索、情報収集をすることになり、どのような事件に関わることになるのかは、次回にお楽しみに。