カエンジシみたいな父を探しております。ついでにミアレも救います。   作:幽 

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再会になります。これにて完結、番外編を投稿、するかな?
感想、評価、ありがとうございます。また、いただけましたら嬉しいです。


カエンジシみたいな父を探していますが、ハッピーエンドは訪れてくれるようです。 下

 

セイカの言葉にカヌスの目がゆっくり見開かれる。その時だ。子どもたちの目がカヌスの背後に向かう。けれど、キョウヤが口を開いて何かを語るから後ろを見なかった。

 

「無茶なことをしたし、リスクはあったし。それでも、俺たちは知りたかった、来たかった。もう、会えない人でも、その幻影でも追いかけたかった。」

ねえ、母さん!

 

にかりと、いつも静かに笑う息子が珍しく、快活に笑う。

 

「全部、無駄じゃ無かった!」

 

何を言うのだろうか、そう思うと同時に、後ろから声がする。

 

「カヌス?」

 

誰の声だろう?

嘘だ、分かっている、知っている。

 

ずっと、あなたの空耳が、こびり付いて離れなかったのに。

振り向く、後ろにいた誰かを見る。

 

「・・・・ああ、やっぱり、君は変わらず。」

 

焔の髪は、燃え尽きて、灰になり。

澄んだ、青い瞳は色あせて。

それでも、変わらず忘れられもしない、お星様が墜ちて。

 

「ふ、ら・・・・・」

 

カヌスが名前を呼ぼうとした瞬間、ぱしゅんとモンスターボールの開く音がした。それと同時にカヌスは何かがフラダリに飛びかかるのが見える。

 

「ぐるあああああああああああああああ!!」

 

そんな鳴声と共にフラダリが宙を舞うのが見えた。

 

「う、うわああああああああああああ!!??」

 

誰の声だっただろう、いいや、もしかしたら、その場にいた全員かもしれない。多種多様の叫び声が上がった。

 

「ぐっ!?」

 

フラダリは少し後方に落ちた。受け身は取った彼だが、すぐにアブソルがうつ伏せの彼の頭を右前足で押さえつける。

 

「ぐるぅあ!!」

 

アブソルはそれこそ怒り狂って何かを殺す一歩手前の顔でフラダリに襲いかかっている。

 

「アブソル!アブソル!さすがに死ぬ!」

 

カヌスは頭の中でぐるぐる回った思考を全て放り投げ、捕食寸前の絵面のそれを止めに入る。

カヌスはアブソルの腹に手を入れて持ち上げようとするが、ポケモンが本気になったのではさすがにびくともしない。

 

「レ、レディ!やめえ!フラダリさんから離れえ!!」

 

そうして、カヌスはようやくフラダリを取り巻いていた幾人かの顔を改めて確認した。自分と同じようにフラダリに駆け寄ってきた男の顔に驚愕した。

 

「お前、ちびか!?」

「ねーちゃん、お久しぶりです・・・・」

「カヌス様、お久しぶりです。」

「は!?え、お前、ジプソか!?」

 

その後に、カラスバの背後で、幾人か、彼女にとって懐かしいミアレの子どもたちの顔が合った。

 

「すみません、お手伝いします!」

「フラダリ様から離れろ!」

「え、誰!?」

 

他にも助っ人をしてくれそうな、赤と白の髪の青年達が駆け寄ってくる。

 

「セイカたちの知り合いで、今は後にしましょう!」

 

皆の顔がほころぶと同時に、アブソルがぎゃんぎゃんと吠える声で正気に戻る。カラスバのそれにカヌスはそれもそうかとアブソルのことを引き剥がそうとする。

 

そんな懐かしんでる場面じゃねえ!

 

「おい、持ってるポケモン達に手伝わせろ!」

 

その言葉に、彼らは相棒達を出してくるのだが。

また、カヌスのモンスターボールが開く。

そこから出てきた、小さな赤い悪魔にカラスバたちの顔が引きつる。

 

「ぶい♡」

「あ、赤い悪魔!!」

「フレアドライブを撃つなああああああ!!!」

「おい、バカ!?」

 

阿鼻叫喚という言葉が正しい。いつの間にか出ていたオンバーンとロズレイドも他の面々に立ち塞がり、フラダリとアブソル、そうしてカヌスに近づけさせないようにしている。

 

そうして、後ろから自分たちに駆け寄ろうとしていたセイカたちはと言うと。

 

「ぐわん!!」

「だ、だから、仕方が無くて・・・」

「だってえ・・・・・」

 

ルカリオの前で正座させられ、ぎゃんぎゃんと叱られていた。他の子どもたちは、ルカリオ側に寝返ったらしい気まずそうに、同じようにお叱りを受けているサーナイトとエルレイドに止められこちらに近づけないようだ。

どうしようかと思っていると、またモンスターボールが開く音がして、そうすれば、へっぴり腰ではあるが必死にフラダリを庇おうとするカエンジシが現れる。

 

ぱあん!!と乾いた音と共にカエンジシは張り倒されてその場に崩れ落ちる。

「・・・・みー。」

「ぐらあ!」

「み、みー・・・・」

「ぐらあああああ!!」

 

「純粋な力だけでカエンジシを吹っ飛ばした!?」

「いや、ちゃう、あれはシャドークローや。カエンジシはノーマル込みやから効いてへんだけで。ただ、逆らうなら本気の技をぶち込むという脅し、ありき!」

 

その場には、悲しげにみーみーと鳴きながらフラダリとカヌスの周りをうろつくカエンジシだけが残る。

 

「お前な!!」

役に立たねえ!

 

カヌスが叫ぶと同時に今度はギャラドスが現れる。

こいつならばなんとかなるとカヌスがギャラドスを見上げると同時に、またモンスターボールが開く音がした。

 

「みー♡」

「ぐ、ぐるるるるるる・・・・」

 

甘い鳴声と共に現れたミロカロスはギャラドスに近づくと、その体を絡みつかせてぎちぎちに締め付け始める。

 

「みー、みー?」

「ぐ、ぐる・・・」

「・・・・みー?」

 

こいつも役に立たねえ、それを理解したカヌスはアブソルに叫ぶ。

 

「アブソル、ともかく止めろ!言いたいことがあるのは分かるけど、さすがに怪我するだろうが!!色々聞きたいことがあるのは私だって同じなんだよ!」

「カヌス、いいのです。」

 

よくねえだろう、カヌスは必死になってアブソルを止める。

 

「・・・・私は、罪を犯しました。」

「・・・・罪って。」

「私は五年前、罪を犯したそうです。そう、というのは、記憶を失ってしまったからです。」

 

その言葉にカヌスは目を見開き、アブソルは更に怒り狂ったように吠え立てる。

 

「・・・レディが怒るのは無理も無い。セイカとキョウヤに私のせいで重しを作ってしまった。ならば、この怒りは当然。受入れましょう。」

「受入れるな!!」

「だが、君のことだけは思い出せた。セイカとキョウヤのことも、君の子だと。そう気づけた。」

「記憶が無いって・・・」

「先ほど言った、五年の前の罪への罰だろう。」

「罰って、罪ってお前何したんだよ!?私が知ってるのなんて、お前がフレア団って組織を作って、セキタイタウンで爆発騒ぎを起したことだけだ!フレア団の理念やら目的を探したけど、慈善活動をしてたって情報しか出てこない!お前は、何を望んでたんだ!?」

 

「・・・・美しい世界、望んでいた。」

五年前と、彼はとつとつと語る。

 

美しい世界をずっと願っていたこと。

そのために、援助を続けたこと。

その心が裏切られたこと。

人を憎んでしまったこと。

そうして、このままではだめだと、生きる人間を選別し、人を間引こうとしたのだ。

 

「全て、伝聞と予想だけだが。故に、これは罰なんだろう。罰で、そうして、贖罪なのだと。」

「美しい世界?お前、お前、お前!」

バカだろう!!

 

カヌスは涙混じりに叫ぶ。

 

「この世に完璧な、美しいものなんて都合のいいものあるはず無いだろうが!美しいものは老いる!花は枯れる!宝石は砕けて!芸術は色あせる!お前だって分かってただろうが!人の醜さなんざ、散々に、わかって!」

「・・・・・覚えていない、覚えていないんだ、でも、忘れられない、ことが、ある。」

 

この世界が、美しいものであるのなら、君は、きっと、傷つかなかった。

 

「ずっと、私の側にいてくれたはずなのに・・・・」

掠れた声がした。頬を、涙が流れて、床に落ちて。

 

ああ、だから、だから、嫌だったんだ。

 

「だから、私は、お前から離れたんじゃ無いか・・・・・」

お前を、苦しめて傷つけるから。だから、離れたのに。

カヌスはその場に崩れ落ちて、アブソルの背中に顔を押しつける。

 

泣きたくなった。ああ、端的に聞かされた事実。それで、目の前の男は己の悲劇によってことごとく歪んで、軋んでしまったというのなら。

 

ああ、なんて笑える話だ。

 

「・・・・結局、私はお前にとっても疫病神だったって話かよ!」

 

叫ぶ声にアブソルは悲しそうに顔をしかめてフラダリの上から退き、そうしてカヌスに寄り添う。カヌスの嘆きに気づいたらしい彼女の手持ち達は周りの人間達は追い回すのを止めて近づいてくる。

フラダリはゆっくりと起き上がる。

昔とよく似た、黒いスーツを纏って彼女に近づく。

 

「なあ、フラダリ。例え、君がその兵器を使って神の意志で人を間引いて、その美しい世界を作ったとしても。私はそこにいないだろう。」

 

その時、フラダリはなんだかとても傷ついた顔をしている。傷ついた顔をして、その場に膝を突いて問う。

 

「何故?」

「・・・・その美しい世界のために、たくさん人間を殺すスイッチを押して。それが成功して。お前はちゃんと幸せになってくれるのか?」

 

静かな声にフラダリは黙り込んだ。

カヌスは男を見る。

 

鋭い、アイリスの瞳。

美しい、先ほど咲いたばかりの、えいえんのはなのように色あせることの無いアイリスの瞳。

 

「たくさん殺して、作り上げた美しい世界の中で、食事をして、何かを好きになって、楽しく過ごして、それで、お前はちゃんとああ幸せだって、笑いながら過ごせるのかよ!?」

 

なあ!と、カヌスはフラダリの胸ぐらを掴む。

カヌスはそう言って泣きそうな顔で笑って。顔を伏せて、はははとから笑いをする。

ああ、そうだ。

何かを奪い、その奪ったものが謳歌するはずだった全てに受け止めるというのなら。その選択肢を選んだ誰かは幸せで無くてはいけない。不幸になってはいけない。それは、全部の悲劇を起した者の最低限の義務だろう。幸福になり、笑うことこそがそれが正しかったという証明ならば。

でも、出来ないのだ。

この、優しい、優しい、愚かなカヌスの大好きだった人は。

それができないから、そんなこともできやしないから、彼は狂ったのだ。

 

「なんだよ、なあ。嘘さえも、ついてくれやしないのか?」

 

カヌスはそう言って、泣きそうな顔で笑って。顔を伏せて、はははとから笑いをする。

 

「やっぱり、お前はだめだよ。奪う側に回るには優しすぎる。奪うことを後悔する時点で、優しいのに、ずっと、お前は、優しかったのに。」

 

私がお前を傷つけた。だから、離れたんだ。遠くに、ただ、お前が笑ってくれればそれだけでよかったのに。

 

崩れ落ちる、女が、軽やかで、朗らかで、強い、美しい生き物が、崩れ落ちそうで。

 

何故だろうか?

いつだって、世界は、自分は、この優しい、気高い、賢しく、慈悲深い、美しい人を傷つける?

 

フラダリはそれに恐る恐る、アブソルのことを伺いながらカヌスの手を握る。

 

「・・・・与えるだけではだめだった。私は他者の、救済される者の心を満たすべきだった。カヌス、ここまで来て、ようやく分かりました。。」

 

青い、瞳。

それが、今は色あせて。

カヌスの名前と同じ、灰の瞳で自分を見つめる。

 

なあ、フラダリ、灰ってさ。希望って意味でもあるんだよ!

全てが焼き尽くされた後、それでも残ったものは、世界をよりよくするのなら。

 

「カヌス。私は瞬きの間に世界が変わると盲進してはいけなかった。少しずつ、私の代ではなせなくても。種をまき、いつかを信じなくてはいけなかった。」

「信じられるのか?」

「・・・・ええ。それをセイカとキョウヤが教えてくれた。」

 

いつかに、何も残せず死ぬはずだった徒花の自分には、確かに次を、希望を託せる誰かが存在していた。

 

「カヌス。これを。」

 

そう言って、フラダリの手の中には一つの指輪があった。大きめの石がはめられたそれ。

 

「君が欲しいと言っていたキーストーンです。渡そうと思って渡せないままだった。」

 

フラダリがそれつまむと同時に、たったとと軽い足音と共に何かが駆け寄ってくる。カヌスが視線を向けると、そこには黒と緑の色をした四つ足のポケモンがいた。それは何かを加えており、カヌスに差し出す。

カヌスがいぶかしげな顔をしていると、手を差し出せばそのポケモンはフラダリの持っていた指輪とよく似たデザインの指輪を転がした。

 

「・・・ああ、君が、これを持っていたのか。」

「これは?」

「私の、キーストーンです。カヌス。」

 

フラダリはカヌスの左手を掴み薬指にはめる。カヌスがそれを見つめる中、フラダリが囁くように言った。

 

「・・・・ひどく、遅くなってしまったけれど。私と結婚してくれるか?」

「・・・・全部、今更だろう?」

 

カヌスの中にあるのは、ひたすらの罪悪感だった。

十数年だ。

それは、けして短くない年月だ。その間に互いに老いた。話すべき事も、カヌスが

フラダリにやってやらなくてはいけないことも置きざりにしてしまった。燃え尽きた、灰の男をカヌスは見る。

 

「私は、ずっと。子どもの頃からお前のことが大好きだったよ。お前以外に好きなものなんてアブソルたち以外にいなかった。お前がいたから、世界が好きで、人が好きで。そう思えた。なのに、私はお前と向き合わず逃げだした。お前を傷つけた。」

お前を止めてやれなかった私に、隣に立てる権利なんてあるのか?

 

わかっている。わかっている。

きっと、目の前の男は止めて欲しがったのだ。誰かに叱りに来て欲しかったのだ。他者を傷つけてはいけないという当たり前の善性を抱えた男がなにを思っていたのか。全てを知らずとも分かってしまうから。

きっと、それをすべきだったのは自分だった。

だって、皆が美しい生き物だったフラダリを盲進したから。それよりも、フラダリの幸福を優先するカヌスだけがそれに否と言えただろう。

 

少なくとも、カヌスは、フラダリが不幸になるぐらいなら嫌われることも、憎まれることも、平気だったのなら。

フラダリという男のことをよく知った自分が、アブソルが、叱りに来てやらなくてはいけなかったのに。

せんないことが、頭の中で回っていく。

 

「・・・・それは私のほうだ。」

 

フラダリはひどく後悔しているような、苦みの走った声で言った。

 

「間違いを犯し、罪人である私の方がそうだった。本当に止めれないのなら、どんな手を使っても君に泣きつけば良かった。幼い頃のように。それができなかったのが私の愚かさだった。だから、こう言えばいいんだろうか?」

今度は、ちゃんと、喧嘩をしながら隣で笑おう。

 

その言葉に、カヌスは顔をくしゃくしゃにして泣きながらフラダリの手を引っ張り、薬指に投げ入れるようにはめる。

ああ、そうだ。そうするべきだった。例え、どんな結末になっても、自分たちはそうするべきだった。

 

「なあ、フラダリ、今度は喧嘩をしよう、仲直りをしよう。だから、だから・・・」

置いていって、ごめん、ごめんよ。

 

囁くようなそれの後、フラダリはそっと女のことを抱きしめた。抱きしめて女がわんわんと泣くのを聞いた。

 

その美しい生き物は、変わること無く、鈍ることも、褪せることも、濁ることもなく。

美しいまま、フラダリの元に帰ってきてくれた。

 

 

「・・・・これが、君の望んだこと?」

 

セイカの問いかけにジガルデは、父の側にいてくれたらしいポケモンは、どうも、自分たちを幼い頃から知っているらしいポケモンは少しの沈黙の後、まるで笑っているよう鳴いた。

 

「ゼド!」

 

それに、キョウヤは秩序の守護者へいえども、なにか、少々贔屓が過ぎる気がした。

皆が、母と父を中心に、わあわあと騒がしく話をしている。

 

それに、二人は目を細めて、何かをこらえるように微笑んだ。

 

あーあ、と。

 

よかった、寄る辺の無い私たちは、それでも、こうやって。収る所に、帰るべき場所が確かにあったのだ。ここにいたいと、願えたのだ。

 

「は、まあ、いいか!」

 

物語の終わりは、やっぱり、どこまでも楽しいハッピーエンドであるべきだろう。

 

「ジガルデ。」

 

キョウヤとセイカは、そのポケモンの目を見た。そうして、互いにそっとジガルデに拳を差し出した。

 

「ハッピーエンドを連れてきてくれて、ありがとう。」

 

それに、獣は、やはり機嫌よさそうに目を細めて二人の拳に鼻をとんと押しつけた。

 

「うわああああああああ!!フラダリ様がもっかい放り投げられた!!」

「カエンジシが吹っ飛んだあああああ!」

「白い悪魔の本性が!!」

「カラスバ!!このバカ!」

「ぎゃああああああああ!カラスバ様が吹っ飛んだ!!!」

 

ぐるうああああああああああ!!!

 

その叫び声に、おそらく、感動の時間が終わり、レディの本格的なお叱りの時間が訪れたことを理解した。二人と一匹はどうしたものかなあと思っていると集団から、フラダリの服の裾を加えたレディが悠然と現れる。そうして、そのフラダリの腰を掴んで止めようとするカヌスの姿も見えた。

 

自分たちの番が来たことを理解し、そうして、逃げられないことを察して、二人と一匹は重い足を引きずり歩き出した。

 

 

 

 

何が目的だ?

災厄ポケモンと呼ばれるポケモンは、秩序を守ると歌われる、ずっと己の可愛い娘の周りをうろついていたポケモンに問うた。

 

それに、その守護者たるポケモンは四肢を優雅に折りたたみ、目を細める。

 

不満か?

貴様には理由が必要だ。それが使命を持つものの定めのはずだ。

使命もなく、人に疎まれようと災厄を感じればそれを告げずにいられないものがそんなことを宣うのか?

宣うだろう。我らはその本能を疎い、人から遠ざかることも出来る。だが、貴様は違う。違うのならば。何故、あの哀れで、愚かで、そうして優しい男を助けたのだ?

 

白い獣は目の前のそれに、そう問うた。それに守護者は笑うように口元をつり上げる。

 

あの男には罪がある。されど、それと同時にあの男は与え続けた。罪には罰を、功績には報いを。故にあれはああなった。三千年、長い巡礼の旅になるが。美しい世界、記憶を失えども、それを願い続けた男には確かな報いになるだろう。

・・・・人には、過ぎた時間だ。

だが、判決は下された。この身は守護者であれど、裁定者では無い。

 

その災厄を知る獣は忌々しいというように息をついた。

・・・・・何故、あの娘の周りをうろついていた?

・・・・・気に入った、というのはおかしな話か?

 

守護者たるそれは、女のことを思い出す。

 

人とポケモン達の境のような場所で生き、生を美化せず、死を憎みきらず、人とポケモンの間で、与え、奪う生き物。

 

あれの作るものは大変に旨いから。

楽しそうな守護者たるそれに、白い獣は呆れたように息をつく。

 

・・・所詮は、長く生きれど獣か。食い意地の張った奴め。

 

「おーい、ご飯だぞ!!」

 

その言葉に、二匹は顔を見合わせてのっそりと起き上がりとてとてと歩き出した。

 





カヌス
散々泣いていたが、アブソルの暴走に全部吹っ飛んだ。この後、改めて、方々をがっつり叱った。
左手には、変わることなく、美しい指輪がはめられている。
裏設定だが、実は父親がハルモニアの人間。
ミュウから渡された石は、ミュウツーのメガナイトだった。
バッドエンドだと誘拐未遂時に死んでフラダリの精神を殺す。パシオでは折衷案で二日ずつ、フラダリ同士の元を行き来してる。なんのペルセポネ?

フラダリ
ずっと会いたかった人に会えたし、何十年越しのプロポーズもした。その後、改めてアブソルに吹っ飛ばされた。
左手に変わること無く、美しい指輪がはめられている。
バッドエンドだと間に会わずにカヌスを攫われ、二度と会えなかった。この時空のXYだと手持ちの中にアブソルがいる。ちなみにバトルすると攻撃してこず、自傷して戦闘不能になる。ZAだと瞳だけ灰色になったアブソルを連れてる。
パシオでは互いのことがほんとに嫌い。

セイカとキョウヤ
母が父だと分かりやすいように父にスーツを着せた。その間に母とだけ話す時間を求めた。
最後はハッピーエンドで終わるべきだ、そうあるべきだ。これから、長い三千年が待っているのだから。
バッドエンドだと産まれてない。
この後、アブソルと母親と、それにプラスで父親代わりのルカリオに、サーナイトとエルレイドもろともがっつり叱られた。
それでいいのだ。君達は、それでもただの子どもでもあるのだから。

サビ組
爆泣きしてた。ちょっと焦げてる

ヌーヴォカフェ
悔しさや、やるせなさがある。でも、それでも、いつかに慕った人がようやく笑えたことをよかったと思う。

ジガルデ
ずっと見てた、知っていた。
男の功罪も、女が営む日々のことも。
それは案外、機械的ではなく、けっこうポケモンのことも人のことも好きなのだ。
ハッピーエンドは気分がいい。
アブソルにはしばき倒された。

アブソル
この後も散々暴れた。自分のトレーナーの苦悩も慰められないカエンジシやギャラドスのこともしばき倒した。それでも、ずっと、幼い頃から知っている男の幸福も、認めていないわけでは無いのだ。
メガシンカ出来るようになって強化されて今まで以上に手が付けられない。
バットエンド後はフラダリの側にいたが、止め切れもしないことを悔いて、最後は戦いを放棄する。ZA時空では、フラダリと三千年の連座を受入れて旅に出る。
旅の終わりに、あの子に会いにいこう。大丈夫、一緒に謝ってあげるから。
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