カエンジシみたいな父を探しております。ついでにミアレも救います。   作:幽 

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前回の続きです。

感想等ありがとうございます。また、いただけましたら嬉しいです。


カエンジシみたいな彼を連れて、子どもたちはミアレを去るようです。 下

 

いつだって置いていかれる。いつだって、寂しいまま、取り残されたままで。

 

その日、タウニーがキョウヤのことを見かけたのは、とある宝飾品店に入る時だった。

 

(珍しい・・・)

 

キョウヤはもちろん、セイカもあまり衣服には興味が無いようだった。大抵は家から持ってきたという服を着て、MZ団のジャケットを羽織るのが定番だった。

強いて言うのなら、靴だけは何足か買い足しているようだったが、それだけだった。

 

二人とも元々堅実であったし、セイカは料理関係に、キョウヤはどうも何かの書籍に金銭を使っているようだった。

後はきちんと貯めているようだった。

 

「・・・タウニーがまた借金してもいいようにね。」

 

などと、戒めるように言われたのは懐かしい記憶だ。

もう、そんなことはしないとぼやけば、わかっているよとキョウヤは笑う。

 

(でも、珍しい。なんだろう?)

 

宝飾品店。これが、メガシンカのための石を売っているいしやならばまだ納得できるのだが。

それは好奇心だった。

 

キョウヤとセイカ、タウニーの愛した英雄たちは今、とても幸せそうだった。

何せ、彼らはようやく会いたいと願った人たちに会えて、共に暮らしているのだ。

それにタウニーは安堵している、それは何と言えばいいのだろうか。

 

散々にハラハラと、心をそわつかせた物語の大団円を、きちんとしたハッピーエンドを眺めているような気分だった。

 

笑っている。

それがタウニーは嬉しい。

 

この街に来て、彼らは散々に苦しんで、悩んでいた。崩れ落ちるように嘆いていたことを覚えているから。

 

(・・・・嬉しいなあ。)

 

セイカとキョウヤが父母に囲まれてたわいもなく過ごしているのを見ると、タウニーはたまらなく嬉しく思う。

自分のヒーローたちの幸福、タウニーが手に入らなかった家族との平穏な日々。

いいなあと、ただ、思う。

それは、例えば、おとぎ話のワンシーンを切り取った肖像画に見惚れるような感覚だろうか?

 

完璧で、美しい何かを見つめるような感覚。

そんな中で、自分のヒーローが笑っていることがタウニーは嬉しかった。

頑張った、駆け抜けた、走ってきた。

足掻いて、足掻いて、足掻いた末に報われることがあったのだと。

 

(よかった。)

何回も、何回も、まるでそれが己を守ってくれるおまじないとでもいうように。タウニーは幾度も、その光景を見つめてそんなことをそらんじたのだ。

 

タウニーはそっと宝飾品店をのぞき込んだ。そうすれば、真剣な顔をしたキョウヤが何かを考えるようにじっとケースの中を見つめている。ケースには複数の指輪が収められていた。

その顔が、何か。今まで見た中で見たことのないような真剣な顔をしていて。

タウニーの心がざわついた。そんなにも考えるほどにアクセサリーになんて興味が無かったはずで。

ざわざわする、落ち着かない、どうしてだろうか?

 

ぐるぐると考える。

聞けばいいのだ。聞いて、しまえば。キョウヤはきっといつもと同じように淡く笑いながらまるで幼い子どもに語りかけるように優しく教えてくれるはずだ。

いつものタウニーならば、聞けたはずだ。

なのに、どうしてだろうか。

買うべきものを選んだらしいキョウヤが商品を受け取るのを見ると同時に、タウニーは咄嗟に店の横の路地に飛び込んだ。

扉の開く音がして。

 

「・・・・遠距離恋愛の、恋人への贈り物、ならこれぐらいはしてもいいかな?」

 

そんな言葉が聞こえてきて。

それに、タウニーの中で何かが崩れるような心地がした。

 

 

 

(・・・・そっか。)

当たり前と言えば当たり前だ。

 

ミアレのヒーローなどと今は言われているが、その前からキョウヤもそうしてセイカも人目を引いていた。

優しく、賢しく、強い二人ならば地元にそう言った人がいてもおかしくないのだ。

そう、おかしくなんて、なくて。

 

ふらふらと帰ってきたホテルの、己の部屋でタウニーは茫然と天井を見上げる。

 

(・・・あれ、あげるのかな?)

 

ぼんやりとタウニーは考える。

キョウヤは、あの宝飾品を贈るのだろう。

恋人に、待たせていた人に、彼の、好きな人に。

 

それに、つうっと、頬に暖かな雫が流れていくのが分かった。

「あ・・・・」

微かな声でタウニーが呟いた。

 

また、置いていかれる。

 

タウニーはぼたぼたと流れる涙を流してそのまま体を丸めた。

脳裏に浮ぶのは、いつかに、自分を置いて逝ってしまった母のことだった。

 

仕方が無かったのだ、どうしようもなかったのだ、あれは、あれは、どうしようもないことで。

 

(キョウヤと、セイカは、違うって。)

 

だって彼らは健康だ。きっと、そう簡単に死なない。何せ、ミアレの危機さえも大けがを負わずに終えたのだから。

だから、ずっと、ここで、ここに、いてくれると。

 

勘違いだ、故郷のないといったセイカとキョウヤ。自分と同じ、どこにもいけない、居場所のない子どもたち。

そんなことはなかった。彼らには、母がいて、父は見つかり、そうして今まで育った場所がある。ならば、ならば、バイバイと手を振るときが来ても可笑しくなんてなかったのだ。

 

喪失感と虚無感がじわじわと心をむしばむ、何も語ってくれずにいるキョウヤの顔を思い出す。

 

そんなときだ、スマホロトムがけたたましく鳴り出したのは。

 

 

 

「・・・・で、全員何も知らされとらんのか?」

 

その言葉に集まった人間が黙り込んだ。それにカラスバは忌々しいというように顔をしかめた。

その場にいるのは、カラスバを含む数人のサビ組、ヌーヴォカフェの面々、そうしてタウニーだった。

 

彼らが集まるきっかけはカラスバで、タウニーの元にも連絡があった。

セイカとキョウヤが故郷に帰るかもしれないが、何か知っているかと。それにタウニーは線と線が繋がったような気がした。

その日、自分が見たことを告げればカラスバは声量は変わらないものの確かな怒気を感じる声で吐き捨てた。

 

『そうかぁ・・・・』

まのびした声で、怒気は感じる言葉なのに。それはどこか悲しい声だった。何かを諦めたときの子どもが、必死に多くを飲み込んでこらえているときのようなそんな声だった。

だから、だろうか。

一度、借金騒動で散々な目にあったためあまり寄りつきたいと思う場所でなかったが、タウニーはカラスバの求めに応じたのは。

 

「・・・・それで結局、誰もなんも知らんかったわけか!」

 

憎々しいというような、そんな、怒声混じりの声でカラスバが吐き捨てる。

 

「私たちも、セイカやキョウヤたちから聞いていませんでした。あとは、その、奥様、とは会うことはないので。」

 

珍しくサビ組にやってきたらしいグリの言葉に、グリーズとカヌスの事情を知っているヌーヴォカフェの数人が頷いた。

それに一人でやってきていたタウニーが続いて言葉を吐いた。

「・・・キョウヤは、故郷にいる恋人のための贈り物、買ってました。」

「はっ!こりゃあ、本格的に確かやろうな!」

カラスバのびりびりとした怒気がサビ組に広がる。けれど、それ以上に何か奇妙な陰鬱さが覆い隠してしまう。

 

無言だ、無言なのに、全員が悲しみと苛立ちではらわたを煮えくりかえしているのだ。

 

「・・・・引き留め、られないかな。」

 

タウニーのそれにカラスバが嘲笑じみた声を上げた。

 

「はっ!引き留めるか!どうやって?どんな理由があるにせよ、あの人らがそうと決めたら覆らん!この街に残る理由が、あの人らには。この街に、おらんほうが。」

「違う!!」

 

カラスバのそれにグリーズがソファから立ち上がり叫んだ。

 

「あいつらが、ここから去るわけない!ただ、家とか、そういうのを処分しにいくだけだ!」

 

「・・・それなら、なんでオレらに一言もないん?後ろめたいことがあるからやろ。あの人ら、また、オレらのことを置いて。」

「違う!違う!違う違う!そんなことない!」

「何を根拠にそんなことを言えるんや!?」

「グリーズ!」

 

グリがなだめるようにグリーズの肩を掴む、そんなことを気にもとめずに彼女は叫ぶ。

 

「二人が言ったんだ!過去から解き放つって!私たちとバトルするのが楽しいって!大好きだって!言ったんだ!」

「過去から解き放つ!はっ!それなら、余計にここにあの人らが残る理由なんざない!」

 

あの人たちこそが、お前たちの過去の象徴でしかないだろう?

 

冷たい声のそれにグリーズは子どもみたいな顔をして、茫然とカラスバの事を見つめる。それにグリが苦虫を噛みつぶしたかのような顔をして。そうして、暗い目でカラスバのことえをねめつける。

 

「・・・そちらは、どうされるんですか?」

「あ゛?」

「今回も、いい子に忠犬のように尻尾を振って見送るので?」

 

びりびりとした声を聞きながら、タウニーはぼんやりと呟いた。

 

「・・・・ずるいなあ。」

 

その言葉に部屋の中にいた人間達の目がタウニーに向かう。それを特別機にもせずに、タウニーはまるであふれ出てしまったかのような言葉を吐き出した。

 

「・・・あの人、セイカとキョウヤのこと、連れてっちゃうんだ。」

ずるいよ、ずるいよ、全部、持っていっちゃうんだ。

 

タウニーの脳内には、セイカに似ていて、けれど似ていない女の姿が浮んでいた。

 

ずるい、その言葉に皆が感化されるように目を細める。

 

ずるい、いやだ、行かないで、置いていくの、全部持ってかないで。

残していって、何でも、どうでもいいから。

 

ずるい、ずるい、少しぐらい分けてくれてもいいのに。

 

汚泥のようにぐるぐるとかき混ぜられるそれの中、カラスバのスマホロトムが鳴った。彼が不機嫌そうにそれに出る。

 

「なんや!今は・・・・」

『カラスバ様!すみません、今・・・・』

電話先の相手が応える前にエレベーターの扉が開いた。

 

「あれ?なんか会合か?」

そう言って姿を現したのは、いつも通りの姿をしたカヌスだった。

 

 

 

「あれ、ほんとだ。」

「あー、グリさんとグリーズさん、ここにいたんだ!」

 

ひょっこりと後ろからセイカとキョウヤが顔を出す。そうして、そのまた後ろには珍しくフラダリまでおり、困ったような顔で会釈をした。

カラスバたちはそれに顔を見合わせた。

 

今、彼らがここに来る理由。

それは何か?

 

用事か、それとも。

 

(別れ、か・・・)

 

カラスバがぐるりと思考を巡らしているとカツカツとわざとらしく、普段ならば足音をさせない、キョウヤが音を立ててタウニーに近づく。

 

「タウニー、珍しいね。サビ組に来るなんて?」

 

ソファの背もたれに手をかけて上から覗きこむようにキョウヤはタウニーに話しかける。何か、少しだけ威圧感を漂わせたそれにタウニーはなんとなくまた借金してないだろうな、という圧を感じた。

 

「・・・ちょっと、その、用事が。」

「ふーん。」

 

キョウヤが探るようにタウニーを見つめていると、その後からセイカが突っ込んでくる

「タウニー!ここにいたんだ!」

「う、うん。」

「今日、朝ご飯食べてないよね?どうしたの?体調悪い?」

「そんなんじゃないよ。」

 

ただ、目の前の二人がいなくなるという可能性に胃が重たくなっただけの話だ。そんな話をしていると、後からのんびりとした足取りでカヌスとフラダリが近づいてくる。

 

「何かの話し合いか?なら、一回出直すが。」

「・・・・まあ、似たようなもんやけど。というか、事務所前に入られんように若いの何人も置いといたんやけど?」

「全員ぶちのめした。」

 

あっけらかんとしたそれにカラスバは頭を抱えたくなった。が、それと同時に、この時々思い出したようにする脳筋プレーがどうしようもなく双子を思い出して嬉しくなる自分もいる。

 

(そうですわ、ジプソなんかのチンピラをポケモンバトルだけやなくて、筋力面でもだまらしてたもんな。)

 

普通の人間よりも見た目よりも馬鹿力なカヌスは、そう言ったとき、ベンチなどを振り回すことがあった程度手に怪力なのだ。

そんなことを思い出して、何か、やはり姉貴分への懐かしさと慕わしさで無意識に笑みを浮かべてカラスバは口を開く。

 

「そんで、入ってきたらあかんかった時のこととか考えんかったん?」

「いや、本当にだめなら若い奴らが止めてるだろうから。やたらと気まずそうなだけだから、大丈夫かと。」

 

淡々と言いつつ、カヌスは机の上に紙袋を置いた。微かに、甘い匂いがしてくる。

 

「・・・これは?」

「焼きたてのガレットー!!」

 

カラスバのそれに元気なセイカの声が被さる。それにグリは呆れたような声で言った。

 

「ガレットを届けるために、わざわざ組員を倒して?」

「焼きたてが旨いぞ?」

 

カヌスはきょとんとした顔でそう言った。それに後ろにいた無言のフラダリが苦笑する。

それが何か目映くて、グリは目を細めたくなる。

 

 

所詮は残光なのだ。

昔、遠いいつかに自分たちを置いていった存在。けれど、そうやって心穏やかに微笑む様を見ていると、昔の、兵器によって全てを壊そうとしたより前の、フレア団を作った当時のままのあの人に戻った心地になる。

 

狂う前の、狂わない前の、いつかの残光。

憎しみと怒りが沸き立たないわけでは無いけれど、そうやって心穏やかに過ごしていることが嬉しく思う気持ちの方が強いのだ。

 

そこにいた、少なくとも双子たち以外の全員が、そうやって当たり前のようにここにいる人たちが微笑むのを見ているとくらくらと幸福感に満たされる。

 

ああ、どうしようもなく、愛おしい。

古傷がうずき、そのくせ、甘い菓子を口の中に放り込まれたかのように無粋さのある幸福に満たされる。

 

けれど、彼らはここからいなくなるのだ。

カラスバは今までの幸福感がすっと消え失せていくのを感じた。そのために、少しだけ、震える声で問いかけた。

きっと、それで全てがわかるから。

 

「なあ、ねーちゃん。」

 

甘ったれな、カラスバの声にカヌスが目を細めて、いつかの食事を乞うたときのように優しげに微笑んだ。

 

「ん?なんだ?」

「オレらに、なんか、言うことない?」

 

その言葉にカヌスは不思議そうな顔をして首を傾げた。

 

「いや、何も?」

 

心底、不思議そうな顔で、淡々と、熱のない声でそう言った。

 

がたんと、カラスバは立ち上がった。それに皆がカラスバに視線を向ける。彼はギラギラとした目でカヌスやフラダリ、そうして双子のことを睨む。

 

「・・・・あんたがそういう気なら、それで、ええです。」

「お、おう?」

「でも、それならそれでけじめ付けて貰わんとあかんでしょう?」

 

カラスバはダークボールをカヌスたちに向けた。

 

「・・・ポケモンバトルしましょう。勝った方が、負けた方の言うこと聞く、ゆうことで。」

「・・・カラスバ様!?」

 

カラスバのそれにセイカが困惑したようにカラスバと自分たちで視線をうろつかせる。キョウヤは不思議そうな顔でカラスバのことを見つめている。

困惑している様子のフラダリが口を開こうとしたより先に、カヌスが歩き出す。

 

「まあ、頼みたいことがあったからかまわないが。おまえさんだけか?」

 

カヌスのそれにがたりとグリーズも立ち上がる。

 

「私も、だ!」

「グリーズ!?」

「グリはいいのか!?ここで、このまま諦めるって言うのか!?」

 

その言葉にグリは目を見開き、そうして同じように立ち上がる。

 

「私も、お願いします。」

グリのそれにカヌスはやはり困惑したような顔でああと頷き、事務所奥のバトルコートに立つ。

 

「面倒だから、全員でかかってきてくれ。」

 

その言葉に、カラスバやグリの米神に青筋に浮ぶ。

 

「ねーちゃん、オレらのこと、舐めてる?もう、あんたの後ろに隠れてたガキやないんやけど?」

「なんだ、それなら私一人に大人数でやった方がずっと勝率が上がるぞ?それともなんだ?」

負けるのが怖いのか?

 

 

明らかな挑発にカラスバとグリ、そうしてグリーズが立ち上がりバトルコートに向かう。それにジプソも覚悟を決めたような顔で立ち上がる。そうして、その場にいたヌーヴォカフェやサビ組の組員も決意したような顔で立ち上がる。

そうして、それにタウニーも立ち上がる。

 

「あれ、タウニー?」

 

キョウヤが驚きの声を上げていると、タウニーは双子に向かって言い放つ。

 

「・・・今度は。」

 

ぐっと拳を握りしめてタウニーは言った。

 

「タワーの前では、セイカに負けたけど!でも、今度は勝つから!」

 

そう言ってバトルコートのほうに走って行くタウニーに混乱していたセイカがようやく声を上げる。

 

「え?え?え?あ、えっと、え!?」

「セイカ、落ち着きなさい。」

「で、でも、お父さん!な、なんか、あの・・・」

「彼らがカヌスに無理な願いをすることはないでしょうから。」

「で、でも、言わなくちゃいけない事って、えっと、あったっけ?」

「いえ、私も特には思い浮かばないが。ただ、まあ、ひどいことにはならないだろう。何かあったのならバトルをすれば頭に上った血も収るだろうから。ただ。」

 

フラダリは自分に縋り付くように抱きつくセイカのことを背中を撫でてなだめつつ、カヌスのことを気遣わしげに見つめる。

 

「カヌスは強いが、さすがにあの数は。」

「それは大丈夫じゃない?」

 

なにやら面白いことが起こりそうだとわくわくしたようすのキョウヤはニコニコしてこれから起こるだろう事を見つめる。

 

「母さんの専門分野は乱戦だからね。」

 

 

 

乱戦、というよりも、多数との戦いは多数が有利なのか?

大抵の人間はそうだろうと頷くだろう。

けれど、そんなことがないとカラスバはまざまざと理解する。

 

 

カヌスは両手の指では足らないだろう数を相手にして特別な感慨も無くポケモンを繰り出す。

変わらない、昔通りの鋭く、刺すようなアイリスの瞳。

覚えている、昔散々にやり込められた、敗北した、懐かしささえある目だった。

 

(でも、オレも強うなったんや!)

 

勝ってやる、そうだ今こそが勝つときだ。勝って、屈服させて、心を折って。

 

ただ、ずっと側にいて欲しいだけで。

 

すくむような手足に渇を入れてカラスバは対峙する。

 

なのに。

 

 

「・・・ありがたい、乱戦が本職なんでな。」

 

カヌスはそう言ってミロカロスとブースター、そうしてオンバーンを出す。

 

「三匹で行くが、いいか!?」

「好きにしてください!」

 

高々三匹、そうだ、三匹、なのに。

 

「ミロカロス!なみのり!」

 

バトルコートに大波が現れて下っ端たちが押し流される。それが終われば、小柄且つ身軽なブースターが残ったポケモンたちの周りを駆け回りおにびを振りまく。そんなブースターに気を取られて下を向けば上からオンバーンがエアスラッシュを叩き込んでくるのだ。

 

(上下で攻撃わけてきとる!それと同時に、ミロカロスで範囲攻撃までしてきやがる!)

 

ミロカロスの攻撃で相打ちを期待してもいいのだろうが、ブースターもオンバーンもまるで全て分かっているかのようになみのりなどを避けていく。

それに加えて、だ。

 

「じ、じしん!」

「ばか!そんなことしたら!」

「あああああ!シシコが!」

 

そんな阿鼻叫喚の声が上がる。

 

「指示する技には気をつけえ言うたやろうが!!」

 

カラスバの怒号が響く。

 

「・・・・これは、なんというか。」

 

バトルを眺めていたフラダリが驚きの声を上げる。それにセイカは誇らしそうに胸を張る。

 

「お母さん、すごいでしょ!」

「ええ、確かに昔からバトルが得意で私も勝てたことは無いけれど。だが、多数相手にここまでとは。」

「当たり前だよ!シロガネ山のポケモンって強いのと同時に群れで行動してる場合も多いから。基本的にポケモン数体出して乱戦が基本なんだ。」

「あと、偵察の役割、追跡の役割、追撃の役割を手持ちに振って山を歩き回ってるから多数への指示に慣れてるんだろうね。」

「なるほど。」

 

フラダリは興味深そうに額に拳を当てふむと頷く。

 

乱戦、戦い方で言うのならダブルバトルだろうか?

これらにおいて重要なのは、味方のポケモンへのバフと、高火力だが広範囲の技の割り振りだろう。

 

今のように、ダブルバトルならば二匹のポケモンでの技構成を考えればいいだろうが、十数匹のポケモン同士で、おまけにそれぞれ指示するトレーナーが違うのなら事故に繋がることは明白だ。

 

カヌスは三匹ではあれど、彼らへの指示に対して慣れていることが一番といえる。

ブースターでの状態異常でダメージを蓄積し翻弄、オンバーンで上から不意を突き且つちょうおんぱで混乱を誘発。

そうして、ミロカロスで後ろから一匹ずつ冷凍ビーム、または広範囲のなみのりで狙い撃ちをしていく。

何よりも、カヌスの手持ちたちは慣れているのだ。故に、指示を出さずとも自分の役割を理解して技のタイミングを見切っている。

 

「・・・ですが、さすがにそれだけでは墜ちない子たちも存在していますね。」

「それはねえ。」

 

キョウヤはにこにこと笑いながら続きを促すように乱闘に視線を再度向ける。

 

「ミロカロス、なみのり!」

 

再度カヌスの指示にミロカロスが大波を起す。

カラスバはそれに組員やヌーヴォカフェの店員たちのポケモンが戦闘不能になるのを確認した。

 

(でもなあ!)

 

ちらりと見れば、後方で攻撃していたミロカロスは置いておくとして、ブースターとオンバーンはそれ相応に体力は削れている。

 

「ここらで本気で行かせて貰います!」

 

カラスバがペンドラーに叫ぶ。

 

「メガシンカ!」

 

それに、丁度他の面々もメガシンカのためのエネルギーが溜まったのか、メガシンカを指示した。

オンバーンがグリのリザードンのドラゴンダイブで戦闘不能になり、ブースターもグリーズのカエンジシに吹っ飛ばされ戦闘不能になる。

カヌスはそれにルカリオと、そうして、アブソルを出してくる。

それに明らかにペンドラーとエアームドが戦くように固まる。

 

「びびるな、ペンドラー!赤い悪魔にも耐えたやろうが!」

 

そんな鼓舞の声を聞いてペンドラーがだんと足踏みをする。

カヌスはそんな声を聞いて、小さく息をつく。

 

「アブソル!いこう!」

 

その声にアブソルが吠えた。カヌスはそれに苦笑して、首に掛かった銀のチェーンをずるりと引っ張る。その先にはフラダリから貰ったキーストーンの嵌まった結婚指輪がぶら下がっていた。

元々、料理などをするために指に付けるのが難しいカヌスはペンダントにしていたものだ。

 

「・・・・昔のことなのに、覚えててくれたんだ。」

 

昔、遠い昔、カロス地方に伝わるメガシンカに目を輝かせた時、戯れに躱した少ない会話。それを覚えてくれていた男の律儀さにカヌスは淡く、どこか物悲しげな笑みを浮かべる。

 

その笑みは、本当に、キョウヤやセイカに似ていた。

それが、彼らにとっての残光が目の前のちかりと輝くような気がして。

カラスバも、グリもグリーズも。そうして、タウニーでさえも胸の奥がぐるりとのたうつ。

それは彼らにとって愛すべきものの一部であることが。

 

カヌスの指先につまんだ指輪が輝きを帯びる。それにカヌスはやはり苦笑染みた、微笑みを浮かべて手のひらに滑り込ませ拳を顔の前で握る。

 

「アブソル!」

 

その声に呼応するようにアブソルが光に包まれ、そこにはメガアブソルが現れた。

メガアブソルに皆が視線を向ける中、カヌスはルカリオに叫ぶ。

 

「しんそく!」

 

それにカラスバはルカリオに意識を向ける。攻撃は届いていない、いや、違う。

 

(距離を詰めるため!)

「ブレイズキック!」

 

隙を狙われ、元々それ相応に体力を削られていたエアームドが壁に叩きつけられた。メガシンカも解けてしまう。

 

「ミロカロス、たきのぼり。アブソル、じゃれつく!」

 

それだけでポケモンたちは全てを覚ったかのように指示に従う。

ミロカロスはメガカエンジシに、アブソルはメガリザードンに。ルカリオは一番近くにいたペンドラーに向かっていく。

 

「エンブオー!ルカリオにフレアドライブ!」

 

タイプは一致している。ルカリオ自身、そこまで耐久は無いはずだ。横から襲いかかるエンブオーを避けるのは無理だ。

そう思われた、が。

 

「ルカリオ、しねんのずつきで受け止めろ!」

 

それにルカリオは自分に向かってくるエンブオーを額を打ち合う形で受け止めた。

 

「耐えた!」

 

セイカのそれにフラダリも感心したように頷いた。

 

「・・・・技の威力を使い、受け止めましたね。」

 

が、しねんのずつきだけではエンブオーも削りきれない。そんな中カヌスはメガアブソルとミロカロスに叫ぶ。

 

「ミロカロス、カエンジシの左前足!アブソル、メガリザードンの右腹を狙え!」

 

的確な、細かい指示に彼らは応える。それに叩きつけられた技にポケモンたちはぐらりと傾いだ。

 

「バカな!」

「両方、急所に当たってる!?」

 

グリとグリーズのその声にカヌスは特別感慨を見せずにルカリオに視線を向ける。

 

「ペンドラー!じしん!」

 

それにルカリオは膝を突く。

 

「ルカリオ、しんそく!」

 

それにルカリオは攻撃では無く、エンブオーとペンドラーに挟まれる形になっている現状から逃走を図る。

そこでカヌスがまた指示を出す。

 

「ミロカロス、なみのり!アブソル、かえんほうしゃ!」

それにペンドラーとエンブオーは倒れていった。

 

 

 

「ごくろうさん。」

 

カヌスは淡々とそう言ってポケモンをモンスターボールに戻す。そうしていぶかしげな顔で茫然と立ち尽くすカラスバに歩み寄る。

それに遅れてセイカがたったとグリとグリーズ、そうしてヌーヴォカフェの面々に近づいた。そうして、その後ろをゆっくりとフラダリとキョウヤが話ながら歩いて行く。

 

「何故、急所に?」

「アブソルの特性が急所に当てやすいのもあるけど。ポケモンも動物だからね。戦っていれば、弱っているところが出てくる。そこを的確につけばいいらしいよ?」

「・・・そんなことが可能なのか?」

「それこそ、母さんの長年の技術、だね。まあ、予想が外れることもあるけど。結局バトルも観察と学習、それに裏付けされた経験故のものだって話かな?」

 

そんな話をしつつ、フラダリは一番馴染んでいるサビ組に、キョウヤはタウニーの元に向かう。

 

 

カヌスは目の前の存在をまじまじと見つめ、そうして背後にフラダリが立つのを感じつつ、ずっと床に視線を向けるカラスバに話しかける。

 

「で、なんでまたバトルなんてしかけた?」

「勝った方が望みを聞くと言っていたが。何を望んで?」

 

フラダリのもっともなそれに、カラスバはばっと顔を上げた。その顔にフラダリとカヌスはぎょっとしたように顔をしかめた。

それは、サビ組のボスが浮かべるには、なんというか、あまりにも幼い顔をしていたのだ。

 

いつかにカヌスの店の前で、怯えた顔をしていた子どもの顔。

迷って、怯えて、何かをこらえるような顔をしていて。それにカヌスは驚きつつ、昔に戻ったかのような心地でカラスバをなだめるように優しい声を出した。

 

「・・・・どうした?」

 

それにカラスバは憎悪を叫ぶように吐き捨てた。

 

「あんたが、あんたらが、またいなくなるからやろ!?」

 

その言葉にフラダリとカヌスの頭の上にはてなが浮ぶ。

 

「お前、何言って・・・」

「ごまかさんでええです!もうわかっとるんや!あんたらが自分らの古巣に帰るって!フラダリさんの事もつれて!このミアレから去るんやろ!?」

 

カラスバの絶叫染みたそれに少し離れていたグリとグリーズ、そうしてタウニーや多の面々も騒ぎ始める。

 

「赦さない!!」

 

一段大きく叫ぶグリのそれにカヌスが何かあったのかとフラダリと共に身を翻そうとしたが、腕を掴まれそれも出来ない。

それぞれの上着をカラスバが握りしめるように掴んでいた。

 

「どこいくんや!!いかさへんで!また、オレのことをおいていくんか!いやや!いやや!絶対赦さへんからな!!」

「お前・・・」

「今度はずっと一緒におって!あんたらのことを傷つけるような奴らが出ても、オレが何をしても守るから!オレ、オレ、もう、子どもやないんや!だから、今度こそ恩返し、できるから!なんでもするから!」

 

そんな中、グリの叫びが響く。

「お前が言ったんだ!過去から解き放つって!なら、これからは、未来はおれたちにくれたっていいはずだ!今更全部置いて、おれたちのことも置いて、どこにいくんだ!?お前もフラダリ様と同じだ!!」

「私たちのだ!私たちの未来なんだ!いやだ!行かないで!!私たちがここに残る理由にならないっていうのか!?」

 

遠目に、グリとグリーズがまるで蜘蛛の糸に縋る亡者のように縋られている。そうして、キョウヤの方を見ればタウニーを必死にあやしているのが見えた。

 

(ど、瞳孔がかっぴらかれてやがる・・・・)

 

カヌスはそれに慌ててカラスバに声をかける。

 

「おい、何か勘違いしてるだろ!?」

「かえるんやろ!?」

「家を放っているからな!?放置も出来ないだろ!?」

「なら、フラダリ様はいらんやろ!?」

「そ、その、セイカとキョウヤが育った土地を見たくて。」

「なら、オレらになんで何もいってくれんの!?」

 

カラスバのそれにカヌスははあ!?と大声を上げる。

 

「何もって・・・・キョウヤ!」

「え、なに!?」

「キョウヤ!やだ、いかないで!お母さんみたいに、置いていかないで!」

「えっと、だからいったん帰るだけで。」

「・・・・恋人がいるんでしょ!?」

「なんでそんな話に・・・」

「キョウヤ!」

「何!?」

「お前、ジョウトに一端戻るってみんなに伝えたんじゃ無いのか!?」

「え!?母さんが伝えたんじゃないの!?」

「は?セイカからそう聞いたぞ!?セイカ!?」

「え、お父さんが伝えたんじゃないの!?」

「・・・・私は、誰にも伝えていないが。カヌスが伝えたのでは?」

 

それに家族四人はそれぞれ泣き叫びながら自分に縋り付く人間達をあやしながら盛大に頭の上にはてなマークを浮かべた。

 

「・・・つまり、だ。」

 

何やら行き違いがあることを理解してカヌスたちは一旦はバトルコートの中心に集まって向かい合う。

そんな中でもそれぞれ、セイカはグリとグリーズを、キョウヤはタウニーを、フラダリとカヌスはカラスバをひっつけて顔をしかめる。

家族四人以外は胡乱な、疑いの目でカヌスたちを見つめている。

 

「私が最初に、相談がてらユカリ嬢にジョウトに戻ることを伝えて。それをキョウヤに伝える。」

 

カヌスがキョウヤを見れば、彼はあーと声を上げる。

 

「俺はその時、母さんが全員に伝えたって勘違いして父さんに伝えて。」

 

キョウヤはフラダリに視線を向ける。

 

「私はキョウヤからカヌスが伝えたと思い、セイカに伝え。」

 

セイカはそれに再度カヌスを見る。

 

「私も私で、お父さんからみんなに伝えたと思ってて。」

 

カヌスが引き継ぐように言った。

 

「・・・・私は私で、キョウヤが伝えてるとセイカに聞いた。」

 

四人はそれに顔を見合わせる。

フラダリがそれに息をつきながら拳を額に当てる。

 

「・・・・家族間で雑談混じりに話をし、且つ、主語を曖昧にしていたせいで、それぞれがぞれぞれで伝えたと勘違いしていた、ということですか?」

「まあ、俺たち結局荷物なんて殆ど無いから話題に上がらず。」

「みんながみんな伝えたと思ってたから再度話さず。」

「勘違いが勘違いを産んだ、と。」

 

カヌスはため息を吐いた。

 

「・・・・だな。で、安心できたか?疑うなら、ユカリ嬢に。」

『あら、みなさん、集まれてどうされました?』

「うわあああああああ!?」

 

当然聞こえた女の声にセイカが叫び、自分を掴んでいたグリとグリーズに抱きついた。

それにホログラムのユカリが不思議そうな顔をする。

 

『あら、どうされたんですか?』

「・・・・お前こそ、何の用や?」

『あら、カラスバ様こそ、先ほど私に何か用があってご連絡してこられたのでは?』

「・・・・お前の用が先にせえ。」

『・・・・まあ、いいですが。それで、カヌス様。フラダリ様の地方間移動に必要な書類、ご用意しましたわ。』

「え、本当にできたのか!?」

『ええ、少々手間取りましたが。ですが、カヌス様たちのような強いトレーナーがミアレをもり立ててくださるのですからこれぐらい苦ではありませんわ!』

「・・・・悪魔に魂を売った気分。」

『何か?』

「いいえ、なんでも。無理なことを言ってすまないな。あー、バトルには付き合うから。」

『わかりましたわ!それで、カラスバ様のご用は?』

「・・・いや、今、解決したから。」

『・・・わかりましたわ。』

 

ユカリは少しだけ不思議そうな顔をしたが、そうですかと頷き、書類を取りに来て欲しい旨を伝えて消える。

 

カヌスはそれに息をつき、自分の側にいたカラスバの顔をのぞき込む。

 

「・・・・これでわかっただろ?このままフラダリ連れて帰っても、書類の大本はユカリ嬢に握られてるんだから安心して過ごせないだろ?」

 

カヌスはじっと自分よりも小柄な青年を見つめる。思ったよりも小柄に育ってしまって、もう少し食べさせてやればよかったなあと後悔してしまう。

 

置いていかれる苦痛を知っている。何も出来ないことのむなしさを知っている。

だから、とカヌスはカラスバの頬を両手で包む。

 

「ちゃんとここに帰ってくるさ。」

「・・・ほんまに?」

「十数年、ジョウト地方にいて、結局故郷なんて思えなかった。私は、ここで育った人間だ。」

私の故郷はここだよ。

 

穏やかなそれにカラスバが唇を噛みしめる。服を掴む力が緩んだことを理解して、カヌスはフラダリの方にカラスバを押し出した。フラダリは不思議そうにカラスバを受け止める。

カヌスはカラスバの頭を乱雑に撫でた。

 

そうして、穏やかに囁く。

 

「・・・何も言わずにおいていってごめんな。」

 

それにカラスバは何も言いはしなかったけれど、一度だけ、小さく頷く。

そこでセイカがグリとグリーズの二人の方を抱きしめる。

 

「ほら、ちゃんと帰ってくるから。」

「・・・・本当に、ですか?」

「うん!だって、二人とまたバトルしたいもん!」

 

朗らかな声にキョウヤは息をつき、タウニーの背中を撫でる。

「・・・まだ、不安?」

「・・・でも、恋人。」

「なんでそんな話になってるの?」

「・・・・恋人に、宝飾品店で。」

「納得した。」

 

キョウヤは息をついてタウニーに微笑んだ。

 

「・・・今のところ、セイカ以外で一番大好きなのはタウニーだけだよ?」

 

柔らかなそれにタウニーは泣いていた涙がすぐに引っ込み、そうして顔を真っ赤にさせる。

その後に、ヌーヴォカフェの店員たちやサビ組の組員、そうしてジプソが不安そうな顔でカヌスに近づく。

 

「・・・カヌス。」

「店長・・・」

「姐さん。」

 

もう、どこにもいかない?

それにカヌスは苦笑交じりに微笑んだ。

 

「ああ、私の故郷はここだから。」

 

もう、どこにもいかないよ。

それにその場にいた全員が、安堵したように肩の力を抜いて、泣きそうな顔でカヌスに飛びついた。

 




・・・・結局、なんで宝飾品店に入ったの?何買ったの?
あれねえ。母さんに言われて。
カヌスに?何をキョウヤに言ったんだ?
地元に帰ったらキョウヤに未練たらたらの女に引き留められるのが予想できるからミアレに女がいる想定でペアリング買ってこいって。
・・・・タウニーの視線が一気に冷たくなったんだけど!?
自業自得だろ。
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