超次元なサッカーでドライブシュートを打つ   作:イノウエ・ミウ

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勝利を目指して!

試合は2対5と南雲原が徐々に追いついてきた。

西ノ宮側はこれ以上点はやらせまいと、先程『ドライブシュート』で2点決めた翼に二人マークを付けて、彼にボールを渡さないようにしていた。

 

「あの10番のマークが厳しくなりましたね」

 

「南雲原の得点源は今のところあいつだ。なら、あいつさえ封じてしまば、他はどうとでもなる」

 

「・・・いや、そうでもないみたいですよ」

 

そう言って、ハルがフィールドに目を向けると、木曽路が相手の横からスライディングでボールを奪っていた。

 

「桜咲先輩!」

 

ボールを奪った木曽路は、ゴール近くにいた桜咲にパスを出す。

桜咲はそのままシュートの体勢になり、特訓で覚えた自身の必殺シュートを放った。

 

「くらいやがれ!剛の一閃!」

 

真紅の閃光がゴールに向かって一直線に突き進む。

 

「必殺技!?あの10番だけじゃなかったのか!」

 

好街が驚きながらも、必殺技『スウェットスティルネス』を繰り出そうとするも、それよりも早く真紅の閃光を纏ったボールがネットに突き刺さった。

 

「よし!やっぱ気持ちいいぜ!」

 

大会初のゴールを決めて、ガッツポーズして喜ぶ桜咲。

一方、翼以外の選手が必殺技を使ったのを見て、日向は驚きのあまり思わず立ち上がった。

 

「必殺シュートだと!?さっきのドライブシュートといい、あいつら前半は本気じゃなかったのか!?」

 

「完全にハメられましたね。敢えて無抵抗の姿勢を見せることで、油断させ俺たちを下げさせた」

 

「チッ、だから後半も出せって言ったのに・・・無能監督が」

 

「(・・・今のは聞かなかったことにしよう)」

 

3点取られて焦り顔を見せている西ノ宮の監督に毒づく日向の呟きを聞き流して、ハルは試合の様子を見守る。

丁度その頃、DFの未理科がボールを奪い、ドリブルで前に進んでいた。

そんな彼女から西ノ宮の選手がボールを奪おうと迫るが、未理科は己の体を回転させて水色のフラフープを出現させると、それを器用に操って相手を抜き去った。

 

「セカンドライフフープ!」

 

ドリブル技で突破した未理科は前を走る来夏にパスを出す。

 

「忍原先輩!」

 

「ナイスパス!未理科ちゃん!」

 

未理科からのパスを受け取った来夏は、ドリブルで西ノ宮のゴールに向かって走る。

 

「こっちは前半途中退場させられた分、派手に暴れさせてもらうんだから!」

 

ダンスを生かした華麗なドリブルテクニックで西ノ宮の選手を次々と抜き去り、ゴール前まで辿り着くと、ボールを上に蹴ると同時に踊るような動きをした。

 

「行くよ!ぐるぐるシュート!」

 

打ち上がったボールに強烈な竜巻回転が掛かり、ボールは足に触れることなく、そのまま勢いよくゴールに向かった。

 

「今度こそ止める!スウェットスティルネス!」

 

今度は必殺技が間に合い、来夏のシュートを両手で掴む好街。

しかし、ボールを掴んだ両手は弾かれてしまい、ボールはそのままゴールに入った。

 

「ナイスシュート!来夏先輩!」

 

「残り1点差、行けそうじゃねぇか」

 

「うん!このまま押し押しで行こう!」

 

お互いに奮起し合いながら勢いに乗る南雲原。

後半が始まって、明らかに変わった南雲原の動きを、ハルは興味深そうに見ていた。

 

「幸太郎さん。南雲原は確か、最近できたばかりのチームでしたよね?」

 

「そうだな。けど、前半とは比べ物にならないくらい動きに隙がねぇ。選手一人一人がそれぞれの役割を理解して適切に動いている」

 

「だけど、少しタイムラグがありますね・・・」

 

そう言って、ハルは南雲原のベンチの方を見る。

ベンチには監督と思わしき女性(香澄崎)とマネージャーと思わしき男女(雲明と百道)が座っている。

 

「あの眼鏡の女の人が監督らしいですけど・・・違いますね。指示を出しているのは隣の彼ですね。ベンチにいながら的確なポイントに目をやって、仲間とアイコンタクトを取っている」

 

「目で指示を出しているってことか。それでいて、一切の迷いもねぇ。あれは、できる奴の目だ」

 

「そんな選手が試合に出ないなんて・・・怪我してるのかな?」

 

雲明のサッカーセンスを見抜いた一方で、彼が試合に出ないことに疑問を浮かべるハル。

その間にも試合は進み、ボールを持った柳生がドリブルしながら一人考えていた。

 

「(お遊びサッカーか・・・日向幸太郎、お前の言う通りだ。俺は今まで、そのお遊びサッカーでサッカーを侮辱し続けてきた。そうすることで、サッカーがしたいという自分の気持ちから逃げてきた)」

 

「(けど、そんな俺に笹波は教えてくれた。自分の気持ちに正面から向き合うことの大切さを!信頼できる仲間たちと一緒にサッカーができることの楽しさを!)」

 

「(俺を救ってくれたあいつらの為に!何より・・・サッカーがしたい、この俺自身の想いを貫く為にも!この試合、必ず勝つ!)」

 

勝利への想いを胸に抱きながら、柳生はボールを高く打ち上げる。

すると、ボールは雷を纏い初め、そこに腕を組みながら飛び上がった柳生は、オーバーヘッドでボールを蹴った。

 

「見ていやがれ日向幸太郎!これが俺の、本気のサッカーだ!天空サンダー!」

 

『天空サンダー』、その必殺技は、柳生が嘗て野球部のパフォーマンスでサッカーを侮辱してた時に、お遊び感覚で生み出した技だ。それを柳生は特訓を重ねて、己の必殺技に進化させたのだ。

オーバーヘッドで蹴り出されたそのボールは、雷を纏いながら一直線にゴールへ突き進んだ。

好街もこのシュートには反応できず、そのままネットに突き刺さった。

 

『ゴール!柳生の必殺シュートが見事決まりました!これで5対5!南雲原、同点まで追いつきました!』

 

『後半残り5分、逆転の可能性が一段と見えて来ましたね』

 

「行けそうですね笹波君」

 

「はい。翼がドライブシュートで2点決めて、彼にマークが付くのは見えてました。その抜けた穴から、他の選手が攻めて同点まで追いつく。ここまでは僕の計算通りです」

 

「後は慌てずにもう1点狙っていきたいところですね」

 

遂に同点まで追いつき、南雲原のベンチは明るい雰囲気になる。

一方、5点差から同点まで追いつかれた西ノ宮は、半ば諦めムードになりかけていた。

 

「まだだ!まだ僕たちは負けていない!」

 

しかし、司令官の金星だけは諦めておらず、ボールを持った彼は、全速力で走って中盤を突破した。

 

「エンデバーラン!」

 

『金星!ドリブル技で中盤を突破しました!』

 

「こいつ、まだこんな技を持っていたのか!」

 

ここへ来て、新たな必殺技が出てきたことに驚く柳生。

 

「5点だぞ!それも他校の選手の力を借りてだ!これだけの点差があったのに負けたら、僕たちは日本中の笑いものだ!」

 

闘志を燃やしながらドリブルする金星は、前にいたFWの糸居にパスを出した。

ボールを受け取った糸居は、そのままシュートの体勢になる。

 

「絶対に決める!エイムショット!」

 

ディフェンスの隙間を狙ったシュートは、ゴールの右側に向かって放たれた。

ボールはDF陣の隙間を掻い潜って、ゴール右に入ろうとする。

 

「そこだ!」

 

しかし、四川堂はタイミングよく飛び出し、シュートされたボールをキャッチしてみせた。

 

『四川堂!西ノ宮の必殺シュートをキャッチしました!』

 

「なにぃ!?」

 

まさか必殺シュートを必殺技無しでキャッチされるとは思っておらず、シュートを打った糸居や西ノ宮の選手は驚愕の表情となる。

そんな彼らに向かって、四川堂は叫んだ。

 

「さっきまでの円堂ハルや日向幸太郎のシュートに比べたら、この程度のシュートどうってことはない!」

 

前半にハルと日向の強力なシュートを相手したせいか、四川堂の目からは西ノ宮のシュートが遅く見えてしまい、ボールの軌道に対して的確に反応できた。また、パワーも日向の『タイガードライブ』に比べたら大したことは無く、容易くキャッチすることができた。

 

「後は任せたよ!翼君!」

 

四川堂がボールを蹴り上げると、そのボールはセンターサークルで待ち構えていた翼の下に渡った。

 

『南雲原!青空にボールが渡った!西ノ宮はDF以外の選手が前に出ています!これは絶好のチャンスです!』

 

「マズい!皆、止めろー!」

 

カウンターの形となって、全速力でゴールに向かって走る翼を止める為に、金星は必死に呼びかける。

しかし、先程の攻めでFWやMFは前に出てしまい、この距離からでは全速力で走る翼に追いつけない。

残ったDFが必死に翼を止めようとするが、翼は巧みなドリブルテクニックでDFを抜き去っていく。

そして、最後の一人を抜いたところで、シュートの体勢に入る。

 

「これで終わりだ!ドライブシュート!」

 

ドライブ回転を加えられたボールは、ゴールに向かって凄まじい威力を持って突き進んでいく。

そのシュートを見た好街は、両手を広げて立ちはだかった。

 

「絶対に止める!スウェットスティルネス!」

 

西ノ宮最後の砦である好街が、『スウェットスティルネス』を使って翼のシュートを迎え撃つ。

しかし、翼の『ドライブシュート』は彼の両手に当たった瞬間、その勢いを一切落とすことなく、突き進もうとする。

好街も必死に足を踏ん張って堪えようとするが、両手で受けているドライブ回転は止まらない。

 

「パワーが強くて押し出され――うわぁぁぁぁぁぁ!!」

 

そして、ドライブ回転を纏ったボールは、好街の体を浮かび上がせると、彼の体ごとゴールに入っていき、ネットに深く突き刺さった。

 

『ゴール!青空渾身のドライブシュートは、キーパーごとゴールに入りました!南雲原、後半ギリギリで遂に逆転しました!』

 

ピー!!

 

その瞬間、試合終了の笛がスタジアムに鳴り響いた。




今日の『燃えてヒーロー』:青空翼


後半戦はあっさり終了しました。まぁ、翼の『ドライブシュート』解禁以外、流れはヴィクロと同じですからね。
西ノ宮中、この試合の後、ネットでボロクソ言われそうですね。雷門中の強力なストライカーを二人も助っ人に呼んだのに(無能監督の慢心で)負けましたから。何なら、5点差で逆転されたので、3点差で逆転されたヴィクロより荒れそう。

もしも日向にヒロインを付けるなら

  • 星村ナオ
  • 赤袖茉莉
  • 有海崎玲亜
  • 梅雨咲多恵
  • 木下まつの(シグドママ)
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