深海で生まれたココロ   作:ほがみ(Hogami)⛩

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拾 治療室の中で

「…ご報告は以上です。ご心配をおかけし、申し訳ありませんでした」

 

「ご恩赦、感謝致します」

 

「はい。確保しました空母ヲ級型深海棲艦は現在、鍵付きの部屋にて治療中。意識が戻り次第、詳しい取り調べを行います」

 

「深海棲艦に追われていた深海棲艦です。運が良ければ仲間として戦力になるかと推察されます。ただ…彼女に私たちと共に戦う意思があるかどうは…」

 

「私としては…ですか?そうですね…実際に彼女と言葉を交わして、単なる深海棲艦とは思えない存在と思えます。心がある―曖昧な話ですが、たしかにこれは言えます。放っては置けないと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――夢を見た。

 

ワタシたちの島が燃える夢を。

 

なにかに襲われて?ワタシたちは逃げるしかなかった

 

ただその中で守るべき存在がいた。

 

守らなければならない存在がいた。

 

ワタシはその存在を守るために全力で全てを背負った。

 

そして―そしてワタシは…海の底に沈んだ

 

沈みゆく意識の中、ワタシは必死に願う

 

―どうか、あの人だけは…最後まで…

 

 

 

「……ン」

 

目を覚ますと、最初に飛び込んできたのは木目調の暖かい天井。ワタシはふかふかで暖かいベットに寝ていたようだ。

妙に視界が狭い気がする。それどころか左腕も酷く軋むような痛みが

―そういえば、飛行場姫の処理部隊に追われて艦娘に助けてもらったのだった。その際、砲弾直撃により左腕損傷、彼女を庇った時に左目を損傷した。

なにかモゾモゾとワタシのベッドの上で動いている感覚があった。目を凝らしてよく見てみると、そこに居たの手のひらサイズの白衣を着た小さな女の子だった

その子は小さいながら一生懸命に治療薬でワタシの傷を癒し、ワタシが起きていることに気づいた時、ニコッと笑顔を見せた。

まるで心配しなくていいよと言っているかのように

なんだが懐かしい

 

その時、扉からノック音が聞こえた

現れたのはあの赤い空母だった

 

「もう起きたのですね?体は大丈夫ですか?」

 

ワタシが体を起こそうとすると、無理しなくて良いとそのままの体制で少し話を聞かれる

彼女の名前は赤城といい、艦娘たちのトップなのだとか。彼女の言葉からは温かさを感じ、敵意は全くない。

依然ワタシの体は損傷したまま。意図的かそれとも偶然か。そう思っている時、赤城がそれを察したようで詳しく話してくれた

 

「小破、中破程度なら私たちの設備で修復できましたが、あなたの左腕と左目はほぼ轟沈寸前の状態であり、私たちでは治せませんでした」

「…ダイジョウブ。アリガトウアカギ」

 

部位は痛むもののその他はかなり治っている。

轟沈寸前を助けてくれたのだ。感謝しかないだろう

赤城は「そういえば、何故あの時庇ってくれたのですか?」と突如聞いてくる。あの時とはおそらく合流後の出来事だろう。

飛行場姫の爆撃から赤城を守った理由。それは……

 

「…マモラナイト…イケナイトオモッタカラ。メノマエデウシナウノハ…モウイヤダカラ」

「ヲ級さん…やはりあなたは…」

 

話し中、ワタシのお腹がぐぅーとなってしまった。

 

「お腹すきましたよね?ご飯食べますか?」

「…タベル」

「少し待っていてください。ご飯を持ってきますよ」

 

赤城は立ち上がり、少しの間退出した。

再び静かな空気がこの部屋に満ちる。

ここはいい場所だ。F島に比べ暖かく、耳をすませば誰かの笑い声が聞こえてくる。あの頃には数少なかった平和な時。戦いを傍において今を生きているという実感がある

そんな時、誰かがこちらに向かってきていた

 

「…もう起きてるかな…」

「…気になるのはわかりますが、ここは極力入るなと…」

「…もう高雄ったら硬いわね!その時はその時よ―!」

 

ドアが開かれ、パンパカパーンと3人の艦娘が現れた

1人はこの間の夜に話しかけてくれた金髪の少女。

1人は頭を抱える先日にいた黒髪の女性

もう1人は…見たことの無い金髪の女性だった

 

「あ、起きてる!もう体は大丈夫っぽい?」

「…ダイジョウブ」

「良かった!轟沈寸前で心配してたんだ!私は夕立!よろしくね」

 

相変わらずの笑顔を見せてくれる夕立と名乗る少女。その隣から屈んで私の顔をじーっと奇妙そうな顔で見る金髪の女性に、黒髪の女性は少し注意をした

 

「愛宕、そんなに奇妙そうに見ていては彼女が心配しますよ」

「そんなことは言ってもね、高雄は深海棲艦の顔ってよく見たことあるかしら?ものすっごく可愛いじゃない!私は愛宕よ!よろしくお願いしますね空母ヲ級さん」

「はぁ…愛宕が失礼しました。私は高雄。この間の作戦時にも出撃していました」

「…オボエテル。アノトキハ…アリガトウ」

「覚えていてくれて光栄です」

 

その時、ドアの方からコホンと咳払いが聞こえた。

高雄以外の2人は青い顔になり、恐る恐る後ろを見ると…そこにはにこやかな赤城が山盛りのご飯を持ってこちらを見ていたのだった

数刻時間が流れる。

その時間は彼女たちにとってどれほど長い時間だっただろう。赤城が話を始めるまで、とても静かな時間が流れた

 

「…ここには極力入らないように伝えたハズですが?」

「「―ごめんなさい!!!!」」

「遠からずこうなることを予測していましたよ…まぁあなた達ならば許しましょう。今からご飯なので、退出お願いしますね」

「「はい!!!」」

 

2人脱兎のごとく退出し、高雄は赤城に申し訳ないとお辞儀をしてから退出をした

赤城はさて、とワタシのベッドに机をセットしてご飯を目の前に置く。そのメニューは焼き魚にご飯と汁物で基本的なものであった。ワタシからしたらものすごくご馳走。

 

「イタダキマス」

 

ひとくち食べる。

するとワタシの瞳から涙が零れた。

焼いただけではない味付けされている魚や甘みのあるご飯。どれもとても美味しく感動してしまったのた

赤城はそれを見て、サッと涙を拭い「安心して食べてくださいね」と

こんなに暖かい食事はいつぶりだろう。レ級とご飯を食べた時以来かもしれない。そんなに昔ではないが、様々なことがあり食事など疎かになっていた

 

ただ驚いたのはそれだけでなく、目の前で山のようなご飯のカレーを食していた赤城の無尽蔵な胃袋にも衝撃を受けた

 

(アカギ、タクサンタベル。オボエタ)




愛宕さんがなんか美少女ハンターみたいになってしまった。
ぱんぱかぱーん✧\\ ٩( 'ω' )و //✧
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