深海で生まれたココロ   作:ほがみ(Hogami)⛩

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漆 疑問

―どうして泣いているの?彼女はそう言った

月夜に照らされた金色の髪が揺れ、ワタシの瞳に映る。ワタシの頬を伝う涙が水面に落ちた時…ワタシは状況を理解した

今ワタシは艦娘と対峙している。金髪の少女の背後にも人がいて、ワタシに向かって主砲を向けていた

下手なことをすればワタシは沈む―だが、レ級の沈んた場所で沈むのもそれも…と頭をよぎったが、何故彼女たちは撃たないのだろうか?今ならば倒す絶好のチャンスだというのに

ワタシがアワアワとしていると、金髪の少女が「もしかして話せないっぽい?」と聞いてくる

ワタシは答えた

 

「…ハナセ…ル。デモ…キキトリヅライハズ…」

「そんなの大丈夫!言葉が話せるなら会話はできるっぽいもん!」

 

なぜ彼女はそんなにワタシ(敵艦)と会話がしたいのだろうか

だがその後方にいる人達はそうではないように感じるが

 

「…ワタシ…コウゲキスルツモリ…ナイ…ココニキタノ…ミンナニダマッテキタ」

 

ワタシがそのように話すと、後方の指揮官が砲口を下げるように指示をした。よく見れば以前に引き返してと説明をした人じゃないか

金髪の少女はなぜここに来たのかと問いかけてきた

ワタシは詳しく説明しようとした…けど、声のことなど説明してもわかってくれないだろう。だからとりあえず来た理由を話すことにする

 

「ワタシ…トモダチヲサガシテタ…ツイサイキン…コノアタリニシュツゲキ…デモ…」

「…もしかして…それで…」

「…ウン」

 

金髪の少女はワタシが泣いていた理由を察してくれたようだ

その優しさに再び目が潤されて零れそうになる。ワタシは感情的になりレ級のことを無意識に口に出してしまう

 

「…レ級ハイイコダッタ…シズムナンテ…」

「戦艦レ級―?報告にはありませんでしたね…それどころかこの海域に踏み込んだのは本日と数ヶ月前の調査のみ。他艦隊は踏み込んではいないはず」

「エッ…」

 

あの空母の彼女から聞こえてきた衝撃の事実。当然嘘の可能性を捨てきれない。だが、嘘をつく理由もない―とは言いきれないか

それが本当だとしたら…誰がレ級を???敵艦が沈めていないレ級は誰から沈められた????

困惑がワタシの頭を支配する。だがこの気持ちを解決するにはとにかくここから離れるしかない。

 

「…トニカクカエル…バレタラ…マズイ」

「―――ヲ級さん」

 

振り返り去ろうとした私にあの空母が話しかけてきた

 

「えっと…その…貴女は本当に深海棲艦ですか?その…人を思う気持ちが深海棲艦のソレとは違う感じがして…」

「それボクも感じてた。深海棲艦はもっと冷徹で目的のためには手段を選ばないって思ってたから。君みたいな深海棲艦が沢山いたらまた違う世界になったのかもって」

「ワタシハ……」

 

いきなりそれを言われると困る。ワタシ的には深海棲艦ではあると思っている。だが他の深海棲艦はワタシを異端であると思ってる。それはこの子達も同じ。ならばワタシはどこに行けばいいのだろうか

答えに迷うワタシに対して空母の彼女は言葉を紡いだ

 

「もし――もし居場所に迷った場合、私達がいます。貴女のような"人"であれば、私は拒みません」

「………―――」

 

彼女の言葉に他の艦は少し動揺する

…悪くはない提案なのかもしれない。だがワタシは深海棲艦。容易にそれを受ける訳には行かない

だからワタシは考えておくとだけ言ってその場を去った

ワタシが去り姿が見えなくなった頃、加賀は赤城に対して言葉を放つ

 

「どういう訳ですか。深海棲艦に対して仲間になれという話をするなんて。本当にあの子が仲間になると思ってるんですか?深海棲艦なのであって敵艦娘ではないんですよ」

「それは分かっています。だけど…彼女からはどこか…私たちに似ている何かを感じたのです」

 

そう。ただそれだけの事

はっこりとした論理は必要なく、似ていると思ったから

それはヲ級も薄々感じていることだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の早朝

 

ワタシは秘密基地にて色々と考える

レ級は誰に沈められたのか。単純に思えば艦娘だろう。敵同士なのだから。しかし彼女たちは報告にはないと言っていた。嘘…のようには見えなかった。何せ引き返してと言って従ってくれた彼女が話したから

それと…帰る時、打つことをしなかった。それは信じるに値すると言ってもいいだろう

 

(ナラダレガ…)

 

考えろ。あの時レ級が帰ってこなかった理由を―レ級捜索が却下された理由を。

静かなる洞穴に水が滴る。波風入りそれに乗って帰航の音が鳴り響いた

その時、ワタシの頭がヒラメキを掴んだ

―レ級の部隊はレ級以外ほぼ無傷だった。雷巡2隻重巡1隻軽巡1隻軽空母1隻そして戦艦1隻。あまりにも不格好な艦隊な気がする。雷撃戦に備えた艦隊のような

その時、レ級が残した艦載機が手に触れる。そうだ。これが見て聞いたことを読み取れば…

ワタシは艦載機を額にくっつける。そして艦載機が聞いた言葉が脳裏に浮かんだ

 

『…コノアタリデイイダロウ。ゼンカン、ライゲキヨウイ!』

『レ?レ?!』

『ワルイナ。オマエ二ウラミハナイガ、コレハスベテザクセンノタメ』

『レレ!!レ!!!』

 

その時爆音が鳴り響いた

 

『…ニンムカンリョウ。ツギナルモクテキハ、アノ空母ヲ級ダ』

 

声が遠ざかり、残されたのはレ級の苦しむ声だけだ

そしてレ級はか細く尽きそうな声で、ヲ級の名を呼んだのだった

 

「……コレガ…シンソウ…!ツギハ…ワタシダ…!」

 

ヲ級は急いで後始末をする。

この場から逃げるために。しかしそれを飛行場姫は見逃しているはずがなかった




段々と謎が見えてきましたね
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