第五船速で私たちは北方…F島南方海域へと向かっている。
目的は空母ヲ級襲われていると思われるの援護。昨日言葉を交わしただけだが、彼女は悪い深海棲艦とは思えない。それに以前助けてもらったことがある。その借りを返していない
「…敵艦隊補足致しました!前方80km、被弾しつつも必死に逃げる例の空母ヲ級とそれを追う駆逐ロ級―いえ、ホ級へ級チ級リ級…戦艦ル級補足!総数20隻あまり!各艦、ヲ級に砲撃や雷撃を行っている模様!」
「―航空戦にてヲ級の援護を始めます!加賀さん」
「はい」
作戦はこうだ
私の加賀で艦載機にて後続の深海棲艦の撹乱。空母ヲ級を保護した後、全速力で逃げる。その際、魚雷等で追っ手の足止めをする
駆逐艦や雷巡を優先的に撃破し、戦艦は速度の問題で離せるはずだ
空気を割いて艦載機は飛んで行き、高雄が補足した敵艦隊を発見。高雄の話通り総数20あまりの大艦隊だ。旗艦はル級だろうか。第1陣は駆逐艦隊計5隻が1列にならんでおり、第2陣は雷巡や軽巡計13隻、そして第3陣がル級1隻と空母ヌ級4隻。考えられていないようで考えられている陣形だ
敵が1人なら、しかも逃げるなら空母や戦艦に護衛は不要。だが、私たちがそこに加わればその類ではないはず
私はまずヲ級の傍を通ってヲ級に対してサインを送った。「この先に私たちがいる。だから耐え抜いて」というサインを
ヲ級はそれに対してコクリと頭を動かし、再び必死に前へと進んでいく
「加賀さん。後方の空母ヌ級の撃破から始めましょう!」
「はい。航空戦、開始します。」
私達の艦載機は一直線へと第三陣へと進んでいく。流石に存在がばれ、迎撃されるもなんとかヌ級を2隻轟沈。そのまま旋回を続け、撹乱を始めた。
その隙に北方へと進み、ヲ級との距離はだいたい60km程まで縮み、凡そ15分程で遭遇するだろう。もうすぐ目視距離に入る。
高雄と天龍に砲撃の準備を頼む。第三陣は艦載機で撹乱しているため、早々来ることは無いだろうから、警戒すべきは雷巡系。射程距離はほぼ互角。そのため、遭遇後、すぐに第三陣の艦載機を第2陣に注目し側面から撃破を狙う
「敵艦隊が見えたぜ!!」
「よし…第2陣に攻撃開始!」
計画通り艦載機は第2陣に攻撃を始めた。第三陣からの追撃があったものの被弾はなく、第2陣の側面から魚雷攻撃は無事に成功し、この攻撃で側面にいた雷巡と重巡各2隻、合計4隻が轟沈、または大破で航行不能となった。しかしその代償に今いる艦載機が全て堕ちてしまった
そして射程距離に入った高雄と天龍が主砲にて軽巡を轟沈。これにて第2陣は8隻となる。
この段階で既にヲ級は10キロ圏内。既に姿は見えており、あとは駆逐艦をどうにかするだけだ。
「この距離なら僕たちで!」
「届くっぽい―!!!」
時雨と夕立が放つ主砲が駆逐艦を襲う。主砲や魚雷の準備をしていた駆逐艦はそれを妨害され、ヲ級への攻撃が出来なかった
「ヲ級――!」
私が手を伸ばすとヲ級は待っていたかのように私の胸に飛び込んできた
彼女は砲撃で傷だらけになっていたが、拙い言葉で来てくれてありがとうと感謝を伝えたのだった
―作戦終了!!あとは全速で逃げるのみ!!!
そう思い、踵を返したその時、私の目の前に爆撃が落ちてきた。運良くそれは不発だったが、私たちの傍をヒュンと空母ヌ級のものではない艦載機が飛んでいく
『ニゲルナ。キサマラハココデ…シズメ!』
「ゥ…飛行場姫ノ…カンサイキ…」
ツバメのように弧を描いて再び戻ってくる。時雨と夕立は必死に撃ち落とそうとするとするも、手馴れな飛行場姫はそれを掻い潜り私たちに爆撃を始めた
数発被弾してしまう。まだ軽傷ではあるものの、これを続けられたらいずれは大破してしまうだろう。
「くっ…頭に来ますね」
「挽回するには…」
後方からは戦艦ル級が迫っており、今の戦力では勝ち目がない。無理に抜けても飛行場姫の艦載機から逃げれるとは思えない…
高雄や天龍は後方への砲撃で対応し、時雨と夕立は飛び交う艦載機を追撃を図る
再び旋回してきた飛行場姫の艦載機は、またもや爆撃を開始する。その爆薬は全て私に向いて来ていた。もうだめかと思った私だったが、目の前にあった真実は少し違った。
ヲ級が身を挺して私を守ったのだった。傷ついた身体を広げ、爆薬を一身に背負う。左目は爆発により損傷し、もとより傷ついていた左腕からさらに血が流れる。
膝を着いて息を切らすヲ級に対して飛行場姫は冷たい言葉を投げつけた
『ブザマダナ。ヒトニモ深海棲艦ニモナレヌハンパモノガ』
「ダマレ…」
『キサマハドコニモイケヌ。ヒトノチデモハイジョサレルウンメイダ』
「……」
「それは違います」
私はヲ級と飛行場姫の会話を遮り、ヲ級の腕を自分の肩に回して支える
飛行場姫は艦載機越しに冷たい口調で質問を投げかけてきた
『ホウ?ナニガチガウ。ヒトノヨデモイギョウハハイジョサレルウンメイダロウ?』
「彼女は私のことを守りました。傷だらけになっても。その時点で、彼女はあなた達深海棲艦とは一線を画する存在です!」
その言葉に飛行場姫は笑う。私の言葉が全ておかしいと言うように高らかに
『フハハハハハハ…!深海棲艦ト艦娘ガテヲトリアエルト?バカバカシイ。ソウイウコトバハ…シンカイニオチテカライウンダナ!』
飛行場姫は再び爆撃を始めようと艦載機を進める。
私はボロボロになったヲ級を庇うように抱きしめながら、その攻撃に耐えようとする。
―今度ばかりは無茶かもしれない。だが、飛行場姫の艦載機は側面から砲撃を受け、墜落した
『ナニ…!?』
「一体…何が…」
砲撃の先を見ると、遠くから仲間の艦載機が迫ってくるのが見えた
それは私たちの頭上を飛び越え、残りの敵艦載機と航空戦を繰り広げた。
「あれは…五航戦の―」
『目標敵駆逐艦!!てぇーーー!!!』
猛々しい砲撃音と共に第1陣の駆逐艦に向けて一斉射撃が行われた
これにより駆逐艦隊は全艦轟沈。砲撃を指揮している少女が手を振りながら笑顔でこちらに向かってきていた
「ミナサーン!お待たせネー!」
「金剛さん?!どうしてここに」
「ミナサンが戻らないから、提督が心配して、私たちを編成したのネ!」
金剛の背後には、翔鶴と瑞鶴。愛宕に龍田がおり、軽く挨拶したあと、敵艦隊第2陣の轟沈へと足を進める
とにかく助かった。体制を立て直して、1度引くべきだろう
金剛を初めとして何故ヲ級がそばにいるのかを疑問に思われたが、そこは帰港中に話すことだ。
『……ヲ級ヨ。キサマハニゲレラレナイ…キサマガイクミチハ…シンカイヨリモ…フカイゾ…』
沈みゆく艦載機から飛行場姫はヲ級に向けて言葉を放った
実を言うと榛名の方が好き。
というより金剛型揃えたら第四艦隊解放されるから頑張って回してたんだけど、一向に榛名だけ来なくてひぇぇぇ!ってなってた
ようやく来てくれた榛名が今やアーケードの旗艦です。