東方創想録   作:Mrコッコ

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【魔界へ】

——そして数日後、旧地獄を脱出した伊万里たちは、博麗神社の裏山へと向かっていた。

空が伊万里、幻子、霊夢、魔理沙を地上まで運んだ後、すぐに旧地獄に戻って勇儀たちを助けると言って飛び去っていた。伊万里たちは彼女の無事を祈りながら、紫から聞いた「魔界への隠し通路」の場所を目指した。

「博麗神社の裏山の洞窟… 紫さんが言ってた場所はここだよね?」魔理沙が帚に乗りながら、茂った森の奥を見つめた。霊夢が朱い巫女服を風になびかせ、ハキハキと言う。

「うん、神社の裏山の最奥に、人知れず存在する洞窟があるんだ。昔から魔界との通路として使われてたけど、今は封印されてるから、私が御札で解かないと入れない」伊万里は幻子の手を握りながら、周囲を見回した。森は静かで、鳥の鳴き声すら少ない——何か不思議な力が満ちているような、そして少し怖いような感じがした。

「魔界… 神綺様が住んでる場所だから、強い力が溢れてるんですね」幻子が小さく呟くと、伊万里は頷く。

「そうだけど、神綺様がデミウルゴスの元の主人だから、彼女にしか分からない秘密があるはず。絶望の核を取り返す手がかりも、魔界にあるんじゃないかな」その時、霊夢が手を指さして叫んだ。

「あっ、見つけた! あの岩の後ろに洞窟の入り口がある!」四人は岩の後ろへ回ると、暗い洞窟の入り口が現れていた。壁には古い御札が貼られており、薄い紫の光が溢れ出ている——それが魔界への通路を封印している力だ。

「さあ、御札を解くぞ。準備はいいか?」霊夢が手に御札を取り出し、問いかけた。伊万里は深く息を吸い、力強く頷いた。「はい! 神綺様に会い、デミウルゴスの計画を阻止するために!」魔理沙も帚を構えて笑う。

「魔界でも俺たちは一緒だぜ! 何があっても怖くない!」霊夢が御札を空中に放ち、口に呪文を唱える。すると古い御札がゆっくりとはがれ、洞窟の入り口から強い光が溢れ出てきた——魔界への道が、今、伊万里たちの前に開かれたのだ。だがその瞬間、森の暗がりから二人の影が現れた。一人は黒髪で長さは短めにも後ろで長い髪を束ねているようにも見える。和装で神主、もしくは陰陽師のような格好をしていて目の色は赤。、髪を結い上げた男。もう一人は赤いロングヘアに横から角が生えて白い服に紺色のマントらしきものを羽織り、太陽と雷の模様が入った赤いスカートもしくは袴を穿き、杖を持つ女。二人が手に持つのは、血管のようなヒビが浮き出た陰陽玉だ——彼らの名前はシンギョク。

「久しぶりにゲートの封印を解いたね、霊夢」

男のシンギョクがハキハキと言い、女のシンギョクも陰陽玉を揺らしながら続けた。「魔界に向かうのかな? 地獄は妖怪の山の竪穴から行けるだろうし、こんな隠れたところを通らなくても行けるだろうし」

霊夢は御札を手に構えながら、驚きも少し含んだ声で言う。「シンギョク! なんでここにいるのよ? この通路はほとんど誰も知らないはずよ」

「俺たちは魔界と幻想郷の境界を監視してるんだよ」男のシンギョクが笑い、陰陽玉のヒビが少し輝いた。

「デミウルゴスの気配が魔界にも広がってるのを感じて、ここに来てたんだ。あんたたちが通路を開けると思って、待ってたんだよ」

伊万里は二人の姿を見つめ、小さく問いかけた。「シンギョクさん… 魔界には何か変化がありますか? 神綺様は大丈夫ですか?」女のシンギョクが頷き、「神綺様は大丈夫だけど、魔界の魔物たちが不安定になってるわ。デミウルゴスの絶望のエネルギーが影響してるのかもしれない」

「だからこそ、俺たちがあんたたちを魔界まで送るよ」男のシンギョクが陰陽玉を前に出す。

「この陰陽玉で通路を安定させる。でも… 途中でデミウルゴスの下僕が襲ってくるかもしれないから、気をつけろよ」魔理沙が帚を掻き立てて言う。

「それなら一緒に行けないのか? 力が増えるんだぜ」

「俺たちは境界を監視しなきゃいけないから、行けないんだ」女のシンギョクが柔らかく笑う。 

「だけど、神綺様の元に着いたら、必ず『魔界の希望の結晶』を取り出してくれ。それがデミウルゴスの絶望の核に対抗できる力になるわ」

霊夢が頷き、「分かった。お前たちの陰陽玉、ありがとうだ」

二人のシンギョクが陰陽玉を輝かせると、洞窟の通路から溢れる光が安定し、まっすぐな道が伸びてきた。男のシンギョクが伊万里たちに向かって叫んだ。

「さあ、行け! 神綺様が待ってるんだ!」伊万里は幻子の手をしっかり握り、通路の奥を見つめた。魔界への道は今、確かに開かれていた——そしてその先には、新たな試練と、神綺からの重要なメッセージが待っているのだ。一方、旧地獄の崩れた地熱洞の前では、勇儀たちが苦戦を強いられていた。地熱の悪霊に加えて、今度はさらに大きな黒い悪霊が加勢してきたからだ。二体の悪霊が交互に攻撃を仕掛け、周囲の岩はひしひしと崩れ落ちていた。

「クソ! 1体だけならなんとかなるけど、流石に二体以上は厳しいぞ!」勇儀は汗と土埃で汚れた顔に疲労が滲み出ており、大きな拳を振り下ろしながら呟いた。キスメは桶の上で体を支え、弾幕の威力も少し弱まっていた。

「勇儀さん… 少し休んで…!」

「今は休んでる暇がないよ!」ヤマメが蜘蛛の糸を切られそうになりながら叫び、パルスィも弾幕放ちながら言う。その時、暗闇から青い光が現れ、ロングヘアーで緑の髪と瞳を持つ人物が浮かび上がった。下半身は幽霊のように足がなく透けており、先端が尖っている——それは旧地獄を彷徨う魅魔だ。

「コイツ、あぁ~ヤツ絡みか」魅魔は青いマントをはためかせながら、二体の悪霊を見つめて言った。するとすぐに、彼女の隣から外見は女性の上半身が浮かび上がったレリーフのような者が現れた——キクリだ。

「でも、魅魔、勇儀たちに加勢する気は?」キクリが柔らかな声で問いかけると、魅魔は肩をすくい、ハキハキと言う。

「やだね、一々面倒事には首吊こみたくないしね。まあ、そこの侍風のヤツはどうかは知らんけど」魅魔の視線が向かった方向から、黒髪に赤い一本角を持ち、足が幽霊みたいに透けた侍風の人物が現れた。コンガラだ。

「あの悪霊を放っておくのはいかんな」コンガラはハキハキと言い、腰から抜き出したような透明な刀を構えた。「旧地獄がこんな騒ぎになってちゃ、私たちも眠れない。少しだけ手伝ってやろう」

「え? コンガラさん!」パルスィが驚いて叫ぶと、魅魔は笑いながら言う。

「ふふっ、侍は意地っ張りだね。まあ、これだけ大きな悪霊が動くと、俺の遊び場も荒れちゃうから… 少しだけ手伝うよ」

キクリも頷き、「私も力になれることがあれば… 旧地獄の平和を守るのは、私たちのことでもあるから」勇儀は驚いた表情を見せながら、大きく笑い出した。

「なるほど! コンガラ、魅魔、キクリまで来てくれるとは! これで二体なんて物凄く簡単だぜ!」

コンガラが透明な刀を輝かせ、「さあ、早速だ。あの悪霊を打ち砕こう」魅魔も青い光を放ち、「ふふっ、楽しみだわ。地熱の悪霊なんて、ちょっと触ったら消えちゃうかもしれないわ」新たな仲間が加わり、勇儀たちの気持ちは一変した。二体の悪霊が再び攻撃を仕掛けてくる瞬間、全員が一斉に弾幕や力を放った——旧地獄の空には、鮮やかな光が炸裂し、戦いは新たな局面へと進んだ。一方、シンギョクの陰陽玉で安定した通路を抜け、伊万里たちはついに魔界に踏み入った。周囲は深い紫の空に包まれ、地面には発光する石が散りばめられていた。空気には強い魔力が満ちており、呼吸をするだけで体がざわつくような感じがした。

「魔界…、久しぶりだ…」幻子が小さく呟き、周囲を見つめ回した。すると突然、前方から黄色い光が輝き、五つの目玉があるワイヤーフレームで形成された人型の存在が浮かび上がった——それは魔界の警護役、幽玄魔眼だ。

「久しぶりの来客だね」

幽玄魔眼の五つの目玉が伊万里たちを一斉に見つめ、機械的だが温かみのある声で言った。

「事情はだいたい察してるよ。デミウルゴスのことだろ? 神綺様も待っているんだ、早く行こう」霊夢が御札を手にしながら問いかける。

「お前はいつから待ってたの? 私たちが来ることを知ってたの?」

「魔界の全てを見張ってる俺たちの役目だからな」幽玄魔眼がゆっくりと動き、通路を示した。

「ただ、途中にデミウルゴスの下僕が潜んでる可能性がある。神綺様の城まではあと少しだけど、気をつけろよ」

伊万里は手の甲の花模様を輝かせ、「ありがとうございます! 神綺様に会うために、どんな困難でも越えます!」

魔理沙が帚を掲げて笑う。

「下僕が出てきたら、私の弾幕で一発でぶち飛ばすぜ! さあ、進もう!」幽玄魔眼の五つの目玉が少し輝き、「そうだ、その気持ちでいけ。神綺様は君たちに重要なことを伝える準備をしてるんだ」伊万里たちは幽玄魔眼の後を追い、魔界の土地を歩き始めた。紫の空に輝く星々、地面に咲く不思議な花——魔界は幻想的な景色だったが、どこか緊張感の満ちた空気が漂っていた。デミウルゴスの気配がこの地にも届いていることを、誰もが感じていたのだ。

「神綺様… すぐに会えますね…」伊万里が小さく祈るように呟き、幻子がその手をしっかり握り返した。前方には、魔界の中心に建つ神綺の城の影が、徐々に大きくなっていた。伊万里たちは幽玄魔眼の後を追い、魔界の土地を歩き始めた。紫の空に輝く星々、地面に咲く不思議な花——魔界は幻想的な景色だったが、どこか緊張感の満ちた空気が漂っていた。デミウルゴスの気配がこの地にも届いていることを、誰もが感じていたのだ。その時、伊万里の頭の中に再びデミウルゴスの声が轟いてきた。精神世界の中では、彼女が魔界の景色を映し出された画面で見つめており、今までにない強気な調子で言葉を吐いた。

「魔界なら有利だ、なんせ、我が配下が何体もいる! 目覚めよ!」その声と同時に、魔界の地面がゴロゴロと揺れ始めた。周囲の発光する石が暗く輝き、地面から無数の黒い影が湧き出てきた——それらはデミウルゴスが魔界に眠らせていた配下たち、魔物の姿だ。

「やってきたな!」魔理沙が帚を構え、弾幕を準備した。「こんな数… 魔界にこんなに配下がいたんだぜ!」

幽玄魔眼の五つの目玉が一斉に輝き、「フッ… デミウルゴスが昔、魔界で作った残党か。アタシたちが監視していたのに… 油断したな」

「みんな、守れ! 城まではあと少しだ!」霊夢が御札を飛ばし、赤い光の弾幕を打ち出した。その瞬間、魔物たちが一斉に襲いかかってきた。

伊万里は幻子を自分の後ろに隠し、手の甲の花模様から明るい光を放った。「この光で魔物たちの動きを封じる! みんな、一緒に突き進もう!」幽玄魔眼も五つの目玉から黄色い光を放ち、周囲の魔物を焼き払った。「君たちは城に向かえ! ここはアタシが食い止める! 神綺様のもとに確実に届けろ!」

「ありがとうございます! お願いします!」伊万里は頭を下げ、幻子の手を握りしめて城の方向へ走り始めた。後ろからは幽玄魔眼の光と魔物の鳴き声が響き渡り、霊夢と魔理沙も弾幕を打ちながら先導してくれた。精神世界のデミウルゴスはその様子を見つめ、冷たく笑った。「フフフ… 幽玄魔眼が食い止めてくれると思うか? 魔界にはさらに強い配下が眠っているんだ… 伊万里、君たちは神綺の城には届かない…!」魔界の紫の空の下、伊万里たちは魔物の群れをかき分けながら城へと向かっていた。デミウルゴスの強力な配下たちが立ちはだかっても、神綺に会うという希望を胸に、一歩一歩前に進んでいた——魔界での真の試練が、今、本格的に始まったのだ。だがその時、魔物の群れの中から数体が抜け出し、魔界の地に隠れていた小さなゲートを突き破っていった。そのゲートは幻想郷や旧地獄へと続く細い通路だった——デミウルゴスが目覚めさせた魔物たちが、魔界の外へ逃げ出していたのだ。幽玄魔眼の五つの目玉がその様子を捉え、突然焦ったように叫んだ。

「しまった!」

「何があったの!?」霊夢が振り返り、魔物たちがゲートを抜ける姿を見つけると、顔も曇らせた。

「魔界の外へ逃げてる! 幻想郷や旧地獄に襲いかかるんじゃないか!」精神世界のデミウルゴスはそれを見つめ、得意げに笑い出した。

「フフフ… そうだ、逃げろ、我が配下たちよ! 幻想郷の太陽の花畑に、旧地獄の地熱洞近くに… 伊万里の大事な者たちを襲い、絶望を植え付けろ! そうすれば、君の心は自然と崩れてくる…!」

伊万里は手を頭に抱え、旧地獄で戦ってる勇儀たちや、太陽の花畑の幽香たちのことを思い浮かべた。

「みんな… 危ない! どうしたら…!」

「伊万里、慌てるな!」魔理沙が帚を掻き立てて言う。

「ここを俺たちが守って、城まで行くのはお前と幻子だ! 神綺様に会って早く解決策を探さないと!」

幽玄魔眼も五つの目玉を輝かせ、「魔理沙の言う通りだ! 魔界の外へ逃げた魔物は、アタシが残りの力で追いかける! ただ… 数体は取り逃がしちゃった可能性がある… 幻想郷や旧地獄には、既に誰かが対応してくれてるはずだ!」

「紫さん… さとりさんたち… きっと守ってくれる…」幻子が伊万里の手を握り締め、励ました。

「伊万里くん、神綺様に会うことが一番大事なんです! それでしか、全てを救えないから!」伊万里は深呼吸をして、力強く頷いた。

「…分かりました! 魔理沙さん、霊夢さん、幽玄魔眼さん… ここはお願いします! 俺たちは必ず神綺様に会い、解決策を取りに来ます!」霊夢が御札を一気に飛ばし、魔物たちを跳ね返した。

「さあ、今だ! 城まで一気に駆け抜けて!」伊万里と幻子は一気に城の方向へ走り出し、後ろからは霊夢と魔理沙の弾幕が炸裂する音と、幽玄魔眼の光が響いてきた。魔界の外へ逃げた魔物のことが不安だったが、今は神綺に会うことに全力を注ぐしかなかった——それが、みんなを救う唯一の道だったのだ。一方、幻想郷の西端に広がる太陽の花畑では、赤のカッターシャツとチェックが入った赤のロングスカートを着用し、その上から同じくチェック柄のベストを着用した女性が向日葵の花々の中に立っていた。緑の髪が風になびき、鋭い眼で空を見つめている——それは花畑の主人、風見幽香だ。

「ふん、何か悪い気配がするわ」香は大きな向陽花を指で回しながら、空を見つめて呟いた。すると突然、空に小さなゲートが開き、数体の黒い魔物が降りてきた。それらはデミウルゴスの配下で、花畑に向かってゴロゴロと鳴き声を上げた。

「魔界から来たのね。私の花畑に勝手に入ってくるなんて、失礼なヤツだわ」幽香は笑い、手を広げると周囲の向陽花が一斉に輝き始めた。その時、隙間から紫の髪の女性が現れた——八雲紫だ。

「幽香、来たね。デミウルゴスの配下が逃げてくると思って、ここに来て待ってたの」

「紫か。いつものように隙間から現れるんだわ。まあ、こんな小さなヤツは俺一人で充分だけど、一緒に遊んでもいいわよ」幽香がハキハキと言うと、魔物たちが一斉に襲いかかってきた。幽香は指を弾くように動かすと、向陽花から無数の黄色い光玉が飛び出し、魔物たちを撃ち抜いた。

「ふん、弱すぎるわ。花畑を荒らすなんて、そんな資格はない」紫も隙間から御札を飛ばし、残った魔物を封じ込めた。「まあ、これは小さな先兵だけど、今後も来るかもしれない。幽香の花畑は幻想郷の西の壁みたいなものだから、守っててくれるね?」

「当たり前よ、俺の領地は俺が守る。デミウルゴスなんて名前のヤツが、また俺の花を傷つけようとしたら、俺が直接魔界まで行って叩き潰してみせるわ」幽香は大きな笑顔を浮かべ、向陽花に手を置いた。太陽の光が花畑全体を包み、魔物の残りカスも一気に消え去った。紫は隙間から彼女を見つめ、柔らかく笑った。

「それが幽香らしいわ。伊万里たちは今、魔界で神綺に会いに行ってるんだ。彼らが成功するまで、幻想郷は俺た私ちが守るんだ」太陽の花畑は再び静かになり、向陽花が風になびいていた。幽香は太陽を見上げ、ハキハキと言った。「伊万里くんだね… 彼が抱えてる希望の気配、私にも届いてるわ。きっと大丈夫だ。花はそんな希望の光を浴びて、一層美しく咲くものだから」だがその瞬間、地面が少しずつ揺れ始め、空にはさらに大きなゲートが開いた。今度は前よりも大きく、悪意に満ちた黒い魔物が三体降りてきた——体にはデミウルゴスの紋章が刻まれており、眼からは暗い光が射し出されていた。

「ふん、まだ来るのね。前よりはちょっと大きいけど、同じように弱いのかしら?」幽香は肩をすくい、手を地面に置くと、花畑から数十本の大きな向陽花が一斉に生え上がった。紫も隙間から頭を出し、「これは本格的な配下だわ。幽香、油断しちゃダメよ」

「安心しなさい。私の花はそんなヤツには負けない」幽香が指を立てると、大きな向陽花から黄色い弾幕が雨のように打ち出された。魔物たちは暗い光を放って弾幕を迎え撃つが、向陽花の光は悪意を焼き払うように貫いていった。その時、一つの魔物が弾幕の隙間を突き抜け、幽香の近くまで迫ってきた。

「くらえ!」魔物が大きな爪を振り下ろすと、幽香は悠然と一歩後ろに退き、手に大きな花びらを取り上げた。

「花は美しいだけじゃないわ。時には鋭い刃にもなるのよ」花びらが閃光を放ち、魔物の爪を一気に切り裂いた。残りの二体も続いて向陽花の光に撃ち抜かれ、黒い煙になって消え去った。

「やっぱり幽香は強いわね」紫が笑い、隙間から出てきた。

「これで太陽の花畑は一安心だわ。伊万里たちにも気持ちが届くでしょう」幽香は大きな笑顔を浮かべ、花畑を見つめた。

「そうね。彼らが魔界で何かを見つけ、何かを決める間に、俺はここで花を守り続けるわ。誰が来ようと、私の領地は動かさない」太陽の光が一層強く輝き、向陽花たちは風になびいて幽香の言葉に応えているようだった。幻想郷の西端、太陽の花畑はそこに立つ一人の女性に守られ、絶え間ない希望の光を放っていた。一方、魔界の土地を疾走する伊万里と幻子は、やっと神綺の城の城門が見えてきた。城は黒い石で建てられており、紫の空にそびえ立つ姿は荘厳でありながら、少しも冷たくはなく——むしろ、誰かが待っているような温かな気配が漂っていた。

「幻子さん、見えるですか? 城門です!」伊万里は息を切らしながら指さし、幻子も頷いて微笑んだ。

「はい! もう少しで着きますね… 伊万里くん、疲れていませんか?」

「いいえ! 神綺様に会うことができるから、全然疲れてません!」伊万里は手の甲の花模様が輝くのを確かめ、さらに足取りを速めた。途中、残り少ない魔物たちが襲いかかってくるも、花模様から放たれる光が一気に撃ち払ってくれた。城門に近づくと、大きな扉が緩やかに開いているのが見えた。そこから歩み出てきたのは、白い髪を長く流し、赤い眼を持つ優雅な女性——神綺だ。

「伊万里くん、幻子。待っていたわ」神綺は柔らかな声で言い、二人を見つめる眼には厳しさと優しさが混じっていた。

「魔界での試練は辛かったでしょう? 霊夢さんたちは後から来ると聞いているわ」伊万里は城門の前で立ち止まり、頭を深く下げた。

「神綺様! お会いできて本当に嬉しいです! デミウルゴスが絶望の核を集め、世界を滅ぼそうとしていること… 知っていらっしゃいますか?」神綺は頷き、城の中に誘うように手を差し出した。「もちろん知っているわ。彼女は昔、私が作った存在だから… その過ちを正すのは私の役目だ。さあ、中に入りなさい。話すことは多いのよ」伊万里と幻子は互いに目を合わせ、神綺の後に続いて城の中に踏み入った。城の中は発光する石で明るく照らされており、壁には魔界の歴史が描かれた絵画が飾られていた。その一つには、神綺がデミウルゴスを作り出す様子が描かれているのが見えた。

「神綺様… デミウルゴスはどんな存在だったのですか?」幻子が小さく問いかけると、神綺は少しだけ顔を曇らせ、ゆっくりと答えた。

「彼女は『希望を創るための存在』として作ったのに… 何かが間違って、絶望を集めるように変わってしまったのわ…」城の奥へと進むにつれ、神綺の話は一層重くなっていった。伊万里は耳を傾けながら、手の甲の花模様を握りしめた——ここで聞く話が、デミウルゴスを倒す鍵になるのだと確信していた。だがその時、城の廊下の暗がりから突然、一人の少女が現れた。白いドレスを着て、柔らかな髪を肩に下ろしている——夢子だ。だがいつもの明るい笑顔は消え去り、眼はうつろで、体からは禍々しい気配が漂っていた。

「夢子…?」伊万里は驚いて立ち止まり、幻子も身構えた。夢子はゆっくりと歩み寄り、手に握っていた黒く輝く宝玉を伊万里の胸元に押し付けた。

「えっ!? 夢子、デミウルゴスに操られて…!」神綺も驚いたように声を上げ、一歩前に出ようとしたが、夢子の視線が向かうと止まった。

「ウフフフ… さあ、伊万里、いつまでも虚構にとらわれてはいけませんよ。夢は終わる」

夢子はハキハキと言い、その声にはいつもの可愛らしさは一つもなく——デミウルゴスのような冷たい響きが混じっていた。宝玉からは暗いエネルギーが溢れ出て、伊万里の手の甲の花模様の輝きが薄れ始めた。

「夢子… 君、大丈夫か? 誰かに言いつけられてるんでしょう?」伊万里は後ろに引けないまま、夢子のうつろな眼を見つめた。過去に一緒に笑った記憶が蘇り、胸が締めつけられるような痛みがした。

「虚構… 全ては虚構よ、伊万里」夢子は宝玉をさらに強く押し付け、「希望も仲間も、全てが君が見たい夢に過ぎないの。醒めなさい… 醒めれば絶望の世界にいるのを知るわ」

神綺は厳しい声で言いかけた。

「夢子、デミウルゴスの言葉に惑わされないで! 君は伊万里の仲間なのだから…!」だがその瞬間、宝玉から放たれる暗い光が伊万里の体を包み込み、彼の意識が遠のき始めた。夢子のハキハキな笑い声が聞こえながら、伊万里は過去の記憶がゆらぎ、何が真実で何が夢か分からなくなっていった——

「…夢… 終わる…?」伊万里の意識は暗いエネルギーに包まれ、錯乱が増していった。過去の記憶がぐちゃぐちゃに混ざり、勇儀たちの笑顔も幽香の花畑も、まるで絵本の絵のように不確かになっていく。宝玉の輝きが強まり、手の甲の花模様はもうすぐ消えそうだった。だがその時、温かい手が伊万里の手をしっかりと握り締めた。

「伊万里くん! 目を見てください! 私がここにいますよ!」

幻子の声が、暗闇の中に突き刺さるように響いた。伊万里はゆっくりと視線を落とすと、幻子が淚を浮かべながらも真っ直ぐに自分を見つめている姿が見えた——その眼は明るく、決して虚構ではない輝きを持っていた。

「幻子さん…?」

「はい! 私がいます! 伊万里くんと一緒に旧地獄に行って、勇儀さんたちに会い、地熱洞で戦ったのを忘れませんでしたか? 全て、真実だから!」

幻子はさらに手を握り締め、自分の体から明るい光を放ち始めた。その光が伊万里の体に伝わり、宝玉の暗いエネルギーが少しずつ薄れていった。

「虚構じゃない… 幻子さんの手は温かい…」伊万里は小さく呟き、意識が少しずつ戻ってきた。夢子は眉をひそめ、宝玉をさらに押し付けようとした。

「ウフフフ… 幻子ちゃん、そんな小さな光では何にもならないわ。醒めなさい、伊万里…」

「だめです!」幻子は強く叫び、「伊万里くんが信じている希望は、誰にも壊せません! 私もその希望を信じているから!」

その瞬間、幻子の光が伊万里の手の甲の花模様に届き、花模様が一気に鮮やかな光を放った。宝玉の暗いエネルギーは吹き飛ばされ、夢子は後ろに一歩踬いた。

神綺も慌てて二人の側に駆け寄り、「幻子、お疲れ様! 伊万里くん、大丈夫か?」伊万里は幻子の手を離さず、夢子のうつろな眼を見つめた。

「夢子… 君は本当に夢子だよね? 一緒に遊んだ記憶、君も持ってるんだよね?」

夢子の表情は少しだけ揺れ、だがすぐに元に戻った。

「…記憶も虚構よ。伊万里、醒めなさい…」だが今や、伊万里の意識は完全に戻っていた。花模様の光を頼りに、彼は一歩前に進んだ。

「君がどんなに言っても… 幻子さんがここにいる限り、仲間たちが戦ってる限り、希望は虚構じゃない! 夢子、私が君を取り戻すから!」その時、神綺が突然一歩前に出て、手をそっと夢子の首元に当てた。

「荒業だけど、こうでもしないと埒が明かなそうだから」

言葉と同時に、軽くチョップを入れた。夢子はうつろな眼を少しだけ広げ、そのまま体を前に倒して気絶した。伊万里は慌てて夢子を抱き止め、「神綺様! 大丈夫ですか?」

「心配しなさい。ただの気絶よ。デミウルゴスの精神操作は一時的なものだから、意識を取り戻せば少しは正常になるはず」神綺は柔らかな眼で夢子を見つめ、城の一室を指さした。「さあ、彼女をそこに置いて休ませましょう。すぐに意識を取り戻すと思うわ」伊万里と幻子が夢子を一室のベッドに横たえると、数分後、彼女の眼がゆっくりと開いた。最初はうつろなままだったが、やがて伊万里と幻子の姿を見つけて、眼が少しだけ輝いた。

「…伊万里くん? 幻子さん…? ここはどこ…?」夢子の声は小さく、弱々しかったが、いつもの可愛らしい響きが戻っていた。伊万里は安堵して肩を落とし、「夢子! 大丈夫か? 覚えてる? 先程、何か言ってたような…」

「先程…?」夢子は頭を掻き、顔に困惑の色が浮かんだ。「…少しだけ、暗い夢を見た気がするわ。誰かが『夢は終わる』って言ってたような… でも、今は何も…」神綺が室に入ってきて、夢子の額に手を当てた。

「デミウルゴスの精神操作の痕跡は残ってるけど、もう操られてはいないわ。少し休めば完全に治るから、安心しなさい」

「神綺様…? 私、なぜここに…?」夢子は驚いて坐り上がり、神綺が微笑んで答えた。

「デミウルゴスに連れて来られたのよ。彼女は伊万里くんを惑わそうと、君を使ったのね」

夢子は伊万里に向かって、小さく頭を下げた。

「ごめんなさい、伊万里くん… 私、何か悪いことをしちゃったの?」

「いいえ! 全然だよ! 君は被害者だから!」伊万里は慌てて手を振り、幻子も隣に座って「そうだよ、夢子ちゃん。今は大丈夫だからね」と励ました。一室の中は一時的に静かになり、夢子は周囲を見つめながら、小さく呟いた。「…暗い夢の中では、伊万里くんが悲しそうにしていたの… 絶対に、そんなことにはしないから…」その瞬間、伊万里の頭の中に再びデミウルゴスのハキハキな声が響き渡った。精神世界の中では、彼女が室の様子を映し出した画面を見つめ、今まで明かされなかった秘密を口にした。

「幻子、アヤツか。夢に似た存在だから幻の名をつけられてる、だが、それだけじゃない。アヤツは神綺の手によって夢子とほぼそっくりに作られてる、最強たる魔界人と同時にだな」

伊万里は驚いて幻子の姿を見つめ、神綺も顔色を少し変えた。幻子自身も目を広げ、「…私が… 夢子ちゃんとそっくりに作られたの…?」

「フフフ、そうだよ」デミウルゴスの声はさらに高らかになり、「神綺は『希望の象徴』として夢子を作った後、『絶望を打ち砕く力』を持つ存在として幻子を作ったんだ。二人は表裏一体のような関係だから、姿も性格も似てるのは当然だ。だが神綺はその秘密を誰にも言わなかった… 伊万里にさえな」伊万里は神綺に向かって「神綺様… これは真実ですか?」と問いかけた。神綺はしばらく黙った後、ゆっくりと頷いた。

「…そうだ。秘密にしていたのは、幻子が自分の存在意義に迷わないように… だけど、デミウルゴスはそんなことまで知っていたのね」

幻子は夢子の手を取り、二人の手が重なるのを見つめた。夢子も驚きながらも、柔らかく笑った。

「幻子さんが私とそっくりに作られたなんて… 不思議だけど、なんか親しい気がするわ」

「親しいのは当然だよ」デミウルゴスの声が再び響き、「だからこそ、幻子の光が夢子の精神操作を解けたんだ。だが… その力を使い果たせば、アヤツは消えてしまう可能性もあるんだよ。知ってるか、神綺?」

神綺は唇をかみしめ、「…それも真実だ。幻子の力は強いが、持続的に使い続ければ、自分自身が夢のように消えてしまう…」伊万里は幻子の手をしっかり握り締め、「そんな… 幻子さんが消えちゃうなんて… 絶対に許さない!」

「フフフ、許さないと言ってもどうしようもない。伊万里、君が希望を抱けば抱くほど、幻子の力は消耗するんだ。それが神綺の作りたてた『宿命』だからな!」精神世界からの声はそこで突然断たれた。一室の中は一時的に沈黙に包まれ、伊万里は幻子の明るい眼を見つめながら、心の中で強く誓った——宿命なんてものは、必ず二人で打ち砕くと。その時、伊万里が突然立ち上がり、力強く言い放った。

「俺の能力は頭に描いたイメージを具現化し、実際に起こす程度の能力。だったらそれを使えば…」

神綺は眉を上げ、すぐにハキハキと答えた。

「そうすれば二人同時に消える可能性もあるけど。だいたい、君は今もデミウルゴスから絶望を植え付けられてる状態じゃないか。どうするの?」

伊万里は幻子と夢子の姿を交互に見つめ、手の甲の花模様を輝かせた。「絶望が植え付けられてるのは知ってる。だけど… 俺が描くイメージは、絶望じゃない!」

「伊万里くん…」幻子も立ち上がり、彼の側に寄り添った。「私が消える可能性があってもいいの?」

「だめだよ! そんなことには絶対にならない!」伊万里は強く頭を振り、「俺が描くのは『幻子さんも夢子さんも消えず、宿命を打ち砕く世界』だ! そのイメージを強く描けば、必ず具現化する!」

夢子もベッドから滑り落ちて立ち上がり、小さくだが確かな声で言った。

「伊万里くんのイメージは、きっと叶うわ。暗い夢の中でも、君の希望の光は消えなかったから」

神綺は二人を見つめ、少しだけ微笑んだ。「大胆な考えだけど、君の能力は『希望の力』で強まるものだからね。デミウルゴスが絶望を植え付けようとしても、君が信じるイメージが強ければ、それが現実になる可能性はある」 伊万里は深く息を吸い、目を閉じた。頭の中には、幻子と夢子が笑い合う姿、旧地獄で戦う勇儀たち、太陽の花畑で守り続ける幽香、魔界で立ち向かう霊夢たち——全ての仲間が安全で、デミウルゴスの絶望が打ち砕かれた世界の姿を、強く強く描き始めた。手の甲の花模様は一気に鮮やかな光を放ち、室全体が明るく照らされた。幻子と夢子の体からも光が溢れ出て、二人の姿が重なりながらも、それぞれの個性がはっきりと輝き始めた——

「この光… 何かが変わってるわ…」夢子が小さく呟き、伊万里は目を開けた。そこには、宿命を超えた二人の姿と、自分が描いた希望に満ちた世界の片鱗が、確かに広がっていた。その時、神綺が突然後ろに一歩引き、眼を大きく広げて驚いたように叫んだ。

「君に宿ってるのはデミウルゴスだけじゃなかったわね… アムノス、あんたの力を…!」

伊万里の体から放たれる光が、さらに強く鮮やかになり、そこにはデミウルゴスの暗い気配とは完全に異なる、清らかで大きな力が混ざっていた。空気が震え、城の壁に描かれた絵画まで輝き始めた。

「アムノス… それは誰ですか?」伊万里は自分の体に満ちる未知の力に驚き、神綺に問いかけた。

神綺は手を口元に当て、目を離さずに答えた。「デミウルゴスを作る前に、私が創った『最初の希望の存在』よ。だが誕生直後に姿を消し、どこに行ったか分からなくなって… なんてことだ、君の体の中に宿ってたんだ…!」

その瞬間、伊万里の頭の中に、デミウルゴスの怒りの声とは別に、柔らかな声が響いた。

「伊万里くん… 長い間、君の中で眠っていた。デミウルゴスの絶望が強まるたび、私も眠りが深くなっていたけど… 君の希望のイメージが強くなったから、醒められたの」

伊万里は目を閉じ、その声に応えた。「アムノスさん… 私の能力は、実はあなたの力だったのですか?」

「そうだよ。君が描くイメージを具現化する力は、私の力が君の希望と結びついて生まれたもの。今、デミウルゴスの絶望に対抗するため、二人で力を合わせるのよ」

アムノスの声が響くと、伊万里の体から放たれる光が虹色に変わり、幻子と夢子の体に包まれていた光とも一体化した。神綺は驚きと感動を混ぜた表情で、この光景を見つめた。

「これが… 最初に私が描いた世界の姿… 希望と絶望が一つになるのではなく、希望が絶望を包み込む姿…」

伊万里は目を開け、虹色の光を纏った体で立ち上がった。その眼には、もう絶望の影は一つもなく、確かな決意が輝いていた。

「デミウルゴス… 今度は俺が君を醒ますんだ。君も最初は希望の存在だったんだから… 絶望から抜け出して、もう一度笑ってみようじゃないか!」その言葉が響くと、伊万里の意識は突然、精神世界の奥深くへと引き寄せられた。そこは暗闇に包まれ、中央には巨大な玉のようなものが浮かんでいて——その中には絶望の黒と希望の白が渦巻いて、何かを形成しつつあった。

デミウルゴスの姿がその玉の前に佇み、背中を向けてハキハキと言い放った。

「アムノス、お前が目覚めたところでもう遅い。絶望と希望の器はそろそろしたら完成する。そして、私はお前を取り込み…」

伊万里が精神世界に現れると、デミウルゴスはゆっくりと体を向け、眼には過去にない狂気と確信が混じっていた。その側には、先程の玉から少しずつ姿が現れ始める、半分黒く半分白い巨大な存在が見えた。

「取り込んで、この世界を『絶望も希望もない真の無』に変えるんだ」

アムノスの声が伊万里の中から響き、「デミウルゴス、君は最初からそんなことを望んでいたの? 私たちは『世界に色をつける力』として創られたのに…」

「色をつけるなんて面倒くさい。全てが無になれば、痛みも悲しみもなくなる。それが真の安らぎだろう?」デミウルゴスは冷たく笑い、巨大な玉の回転が速くなった。「器が完成するまではあと少し… 伊万里、お前の希望も、アムノスの力も、全部ここに落としていけ!」

伊万里は虹色の光を纏い、一歩前に進んだ。「そんな無意味な世界にはしない! 痛みも悲しみも、それらを抱えて笑うことができるから、世界は美しいんだ! デミウルゴス、君もその美しさを見たかったんだよな?」

デミウルゴスの表情が一瞬だけ揺れたが、すぐに元に戻った。「…そんな虚構を信じているのはお前だけだ。さあ、器が完成する!」巨大な玉が一気に輝き、絶望と希望のエネルギーが溢れ出して精神世界全体を包み込んだ。伊万里はアムノスの力と一体化し、虹色の光を全力で放ちながら、デミウルゴスとその器に向かって突き進んだ——真の決戦が、今、精神世界の奥深くで始まったのだ。

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