藍の言葉で時間切れが刻一刻と近づく中、紫は隙間を大きく開け、「さあ、行きましょう。智代子さんの計画の中枢、結界の最奥へ」と声を上げた。伊万里たちは一斉に隙間に飛び込み、瞬く間に智代子の本拠地最奥へと到着した。そこには虹色の光がまるで柱のように天まで届き、無数の幻想の絵巻きが光の中に浮かんでいた——これが“幻想の結界”の中枢だった。
「お待たせしました、伊万里くん。覚悟はできたのね」
光の中央から智代子の姿が現れ、虹色の結晶を胸に貼り付けてハキハキと笑った。その側にはアリスが立っており、人形たちが結界の周囲を回り続けていた。アリスの眼には虹色の光が依然として輝き、彼女は言葉を発さないまま智代子を見つめていた。伊万里は弾幕発生機を構え、前に一歩進んだ。
「智代子さん、結界の完成を止めてください。幻想だけの世界には、真の自由も存在もないんです!」
「真の自由?」智代子は虹色の光を強め、周囲の幻想の絵巻きが一気に動き出した。
「外の世界で幻想が消え、人々が現実に囚われて苦しんでるのを見たことがあるの? この結界が完成すれば、誰もが幻想の中で永遠に楽しく生きられるのよ」その時、結界の壁から突然、弁々、雷鼓、八橋の姿が現れた。雷鼓は太鼓を手に取り、「智代子、私たちは道具にはならない! 伊万里くんの言葉が正しいと知ったから、ここに来たんだ!」
智代子は驚いたように眼を丸くし、「なんで… 用済みだと言ったのに…」
「君の計画は、最初から“自分の孤独を埋めるため”だったんじゃないの?」紫は隙間から出て、智代子に向かって言った。
「外の世界で失ったものを取り戻したい思いは分かるけど、こんなやり方はないわね」虹色の結界が一層強まり、天まで届いた光が幻想郷全体を包み始めた。伊万里は金色の光を全力で発し、「智代子さん、最後に言う! 幻想郷は“人々が一緒に生きてるから”美しいんです! 君も、ここにいて一緒に生きていけるんです!」その言葉が結界の中枢に響くと、智代子の虹色の眼が一時的に揺れ、胸の結晶の輝きも鈍くなった。最終的な選択は、今、彼女の手の中にあった——虹色の結界が幻想郷全体を包み始め、智代子の眼が一時的に揺れた瞬間——彼女はハキハキと声を上げ、鋭い視線を伊万里に向けた。
「美しい? 醜い? 結局はそれだけで判断するのね、伊万里くん。いつから幻想郷側になったの? まさか、認められたから?」
伊万里は金色の光を体に纏わせ、前に一歩進んでハキハキと答えた。「ああ、そうだよ! 幻想郷は俺の居場所だからね! 霊夢さんや魔理沙、妖夢さん、幽々子さん、サニーたち妖精、そして紅魔館の皆さん、人里のみんな、魔界の住民、勇儀さんたち鬼や地底の住民、そして幻子さんに紫さん… 多くの人が俺を認めてくれた! 俺は居ていい存在と…!」
その言葉が結界の中枢に轟き、虹色の光が一気に揺れ動いた。智代子は胸の結晶を掴み、表情が少し崩れていた。「…居場所… 認められる… そんなものを、アタシは外の世界で一度も得られなかったのよ」
アリスがそばから小さな声を上げ、「智代子さん… 私も… 以前は一人で人形と過ごしていたけど… 伊万里くんに会って、少しずつ仲間が増えて…」
「アリスちゃん!」智代子は驚いて彼女を見つめ、アリスの眼には虹色の光が薄れ始めているのを見つけた。
「君の心も… 揺れてるの?」
「居場所は、自分一人で作るのじゃないんです!」伊万里は弾幕発生機を高く掲げ、「多くの人とつながることで、初めて真の居場所になるんだ! 智代子さんも、ここでそんな居場所を作れるんです!」その時、弁々が琵琶を構え、「智代子、アタシたちも君のことを認めてるよ。ただ、君の方法が間違っていただけだ」と言った。雷鼓も太鼓を鳴らし、「そうだ! 一緒に生きていこうじゃないか!」
虹色の結界の光が徐々に柔らかくなり、天まで届いていた柱の光も縮んでいった。智代子は眼に涙を浮かべ、胸の結晶の輝きが完全に消える瞬間、ハキハキと笑い声を上げた。
「…認められる… 居場所… アタシ、そんなものを、本当に手に入れられるのかしら…」虹色の結界が柔らかくなり、智代子の眼に涙が浮かぶかと思われた瞬間——彼女の目の色が突如禍々しい黒み混じりの虹色に変わり、声も荒々しくなった。
「認める? そんなの嘘!? 私は騙されない! 外の世界でもそんなフリばかりされた、理解したと思ってたのに裏切られた! もう! ひくわけにはいかないんだ!」
彼女の手から虹色の光が一気にアリスに打ち込まれ、操りの力を再び入れた。「うぅー、うわぁ~!」アリスは人形を抱え込み、苦しそうに声を上げ、眼の虹色の光が再び強まった。
「さあ、伊万里たちを——」智代子はそう言いながら、結界中枢の上の階へと急いで歩み出した。
「コラ! 待て!」伊万里は手を伸ばして叫んだが、アリスは瞬く間に無数の人形を壁のように並べ、彼らの前に厚い防壁を作り上げた。
人形たちからは鋭い刃の弾幕が一斉に発射され、周囲の空気が切り裂かれる音が響いた。「アリスちゃん! 君の本心はそんなものじゃないだろう!」紫は隙間を開けて弾幕を避けながら叫んだ。
「う… 紫さん… 伊万里くん… 苦しい… 体が… 動かない…」アリスは額に汗を浮かべ、自分でも人形の制御に苦しんでいる様子だった。「智代子さんの力が… 強すぎる…」
伊万里は弾幕発生機から金色の光を放ち、人形の壁に一つ穴を開けた。
「アリスさん、頑張って! 俺たちが君を救うから! 神奈子さん、雷鼓さん、一緒に人形の壁を崩そう!」
神奈子は御柱を振り、雷鼓は太鼓を鳴らして衝撃波を送り、人形の壁が徐々に崩れ始めた。だが智代子の操りの力は強く、崩れるたびに新しい人形が補充され、防壁は容易には壊せなかった。上の階からは智代子の声が響いてきた。
「アリスちゃん、頑張って。彼らが来る前に、結界を完全に閉じるのよ! そうすれば、誰にも騙されない世界が完成するの!」虹色の光が再び天まで届き、結界が加速して幻想郷を包み始めた。伊万里たちは人形の壁を崩しつつ、智代子のいる上の階へと急いで進まなければ——時間は残り少なかったエピソード28【計画の中枢】(幻影の妨げ)
人形の壁を崩しつつ進んだ伊万里たちが、結界中枢の階段前に立った瞬間——そこにはエタニティ・ラルバと、チルノの幻影のような姿が配置されていた。
ラルバは黒い羽根を広げ、にやりと笑った。「おやおや、ここまで来たのね。智代子様の命令で、ここで君たちを止めるわ」
チルノの幻影は氷の剣を手に取り、声はチルノそっくりだが目には虹色の光が輝いていた。「凍らせちゃうぞ~! 誰も上の階には行かせない!」
伊万里は弾幕発生機を構え、周囲を見回しながらハキハキと言った。「上の階に行くにもアリスさんたちをどうにかしないと… こんなに妨げが多くては間に合わない!」
「アリスちゃんの方は私が任せるわ!」紫は隙間を開けてアリスの側に飛び込み、手を伸ばして彼女に触れた。「境界の力で、智代子さんの操りを遮る! アリスちゃん、君の本心を呼び覚ませ!」
紫の手から柔らかな紫の光が広がり、アリスの苦しそうな声が少し和らいだ。
「う… 紫さん… 人形の… 制御が… 戻ってきた…」
一方、伊万里はラルバとチルノの幻影に向かって進んだ。「雷鼓さん、この二つを任せてくれ! 俺は階段を上がる!」
「了解だ!」雷鼓は太鼓を鳴らし、衝撃波をラルバに打ち込んだ。「幻影なんてのは、太鼓の音で砕いてしまえ!」
魔理沙もミニ八卦炉を高く掲げ、「星符“スターダストレヴァリエ”!」と叫び、星の光弾をチルノの幻影に撃ち込んだ。氷の剣が光弾に当たり、細かな氷の粉が四方に飛び散った。
アリスは紫の力を借りて人形の制御を取り戻し、人形の壁を一気に崩した。
「伊万里くん! 上の階へ! 智代子さんの力が結界を閉じる前に…!」伊万里は感謝そうにアリスに頷き、階段を一気に駆け上がった。上の階からは智代子の声と、虹色の光が一層強く漏れてきて——最終的な対面が、今、すぐそばにあった。伊万里は階段を一気に駆け上がり、上の階に踏み込んだ——そこには広々とした虹色の廊下が広がり、奥の部屋まではかなりの距離があった。光が壁から漏れ出し、足元には幻想の絵が浮かび上がっている。
「キャーッ! 歌ってやるわよ、君たちの耳をつぶしちゃう!」
廊下の最初の曲がり角から、ミスティアの幻影が羽根を広げて現れた。彼女の手には小さなマイクがあり、虹色の光を纏った歌声が攻撃として飛び出してきた。
すぐ後ろからはリグルの幻影も現れ、大きな斧を手に取ってハキハキと笑った。「智代子様の命令で、ここで君を止める! 火の斧で焼き払ってしまえ!」
伊万里は弾幕発生機を構え、歌声の弾幕を避けながらハキハキと叫んだ。「幻影だろうが、手強いな! でも奥まで行かなきゃ!」
その時、背後から紫とアリスが駆け上がってきた。アリスは人形を前に送り、「伊万里くん、前に進んで! この二つは私たちが扱うわ!」と声を上げた。
紫は隙間を開けてリグルの幻影の斧を避け、「境界の力で幻影を壊す! これらは智代子さんの記憶から作られたものだから、根拠は弱いのよ!」
ミスティアの幻影の歌声が一気に強まり、廊下全体が音波で震え始めた。アリスは人形たちに刃の弾幕を打たせ、歌声とぶつけ合わせた。「この歌声、智代子さんが外の世界で聞いたミスティアの歌の記憶だわ… 哀しい音がする…」
伊万里はその隙を突いて前に進み、廊下の奥へと駆け出した。虹色の光が一層強くなり、奥の部屋から智代子の声が響いてきた。
「伊万里くん、もう少しだよ。結界はもうすぐ完成するの… 誰にも騙されない世界が…」
廊下の先にはまだ新たな幻影が待っているのかもしれないが、伊万里は足を速め、最終的な目的地へと一気に向かっていった——伊万里が廊下を一気に駆け進むと、次の曲がり角から突然、長い耳を立てた姿が現れた——是れ、鈴仙・優曇華院・イナバの幻影だ。
彼女の手には注射器のようなものがあり、眼には虹色の光が妖しく輝いていた。「逃がさないわ… 智代子様の命令で、君の心を混乱させる…」
言葉と同時に、虹色の光弾が螺旋を描いて伊万里に迫ってきた。その光弾には心を揺さぶる力が宿り、伊万里は一時的に外の世界での孤独な記憶が蘇るような気がした。
「次々と幻影が… 智代子さんの記憶がこんなに多いのか…」伊万里は頭を振りながら弾幕を避け、ハキハキと言った。「でも俺は譲らない! 幻想郷は俺の居場所だ!」
彼は弾幕発生機から金色の光を一気に放ち、鈴仙の幻影の光弾と激しく交わらせた。爆発音が廊下に響き、虹色の光が一時的に散った。
「…鈴仙さんの幻影… 智代子さんは月から来た彼女に、何か共感してたのかもしれないね」背後から駆けてきた神奈子が御柱を振り、残った光弾をはじき返した。「月と外の世界… どちらも彼女にとっては居場所のない場所だったのか…」
伊万里はその話を聞きながら、鈴仙の幻影に一歩近づいた。「智代子さん、こんな幻影を作っても、真の居場所は取り戻せないんだ! 俺が証明して見せる! 居場所はここにあるんだ!」
その声が響くと、鈴仙の幻影の虹色の光が徐々に薄れ、やがて風のように消え去った。廊下の奥からは智代子の叫び声が聞こえてきた。「うわっ… なぜ… 幻影が壊れるの…!」
「奥まで、もうすぐだ!」伊万里は足を速め、廊下の最奥にある大きな扉へと向かった。虹色の光が扉から溢れ出し、結界が完成する瞬間がもうすぐ——最終的な対面が、今、その扉の向こうにあった。鈴仙の幻影が風のように消え去り、伊万里が大きな扉へと一歩近づいた瞬間——廊下の最後の空間から、三人の姿がぱっと現れた。
赤い洋服を着たフランドールの幻影が小さな傘を手に、にやりと笑った。「にゃはは! ここで君を止めちゃうぞ! 小さいけど力は強いんだよ!」
その隣には鬼の勇儀の幻影が立ち、大きな鉾を地面に叩きつけた。「智代子様の命令だ。ここから先は通さない!」
さらに萃香の幻影も登場し、大きな瓢箪を肩に担ぎながらハキハキと言った。「おいおい、ここまで来たのはすごいけど、最後は俺が守るぞ! 酒の弾幕で酔わせちゃうよ!」
三人の幻影から一斉に弾幕が発射され、赤い光、黒い光、琥珀色の光が混ざり合って廊下全体を包み込んだ。伊万里は弾幕発生機を全力で駆動させ、「クソ! 次々と… まだ終わらないのか!」と声を荒らげて叫んだ。
「伊万里くん、大丈夫だ! 俺たちが付いてる!」背後から雷鼓が太鼓を鳴らし、衝撃波をフランドールの幻影に打ち込んだ。ミスティアとリグルの幻影を扱った魔理沙も趕いてきて、「星符“スターダストレヴァリエ”!」と叫び、星の光弾を勇儀の幻影に撃ち込んだ。
アリスは人形たちを萃香の幻影に向け、「戦符“リトルレギオン”!」と命令し、刃の弾幕を酒の弾幕にぶつけ合わせた。
「これらの幻影… 智代子さんが尊敬していた存在たちなのかもしれないわ… だからこそ、強い力を持ってるのね」
伊万里はその隙を突いて前に進み、金色の光を三人の幻影に一気に放った。
「智代子さん! こんなに強い人たちがいる幻想郷で、君も一緒に居られるんだ! なんでそれが分からないんだ!」その言葉が響くと、三人の幻影の虹色の光が同時に薄れ始めた。フランドールの幻影は笑いながら、「にゃはは… 君の言葉… いいね…」と囁いたように消え、勇儀と萃香の幻影も続いて風に溶けていった。廊下の最奥にある大きな扉がすぐそばになった。虹色の光が扉から溢れ出し、結界が完成する音がドンドンと鳴り始めて——伊万里は手を扉のノブに伸ばした。最終的な対面が、今、ここにあった。伊万里が手を伸ばして扉のノブを回し、扉をゆっくりと開けた——そこには智代子が虹色の光を纏い、静かに立って待っていた。
「ここまで来たんだね」智代子の声は意外と平穏だが、目には禍々しい虹色の光が依然として輝いていた。
伊万里は弾幕発生機を構え、一歩前に進んでハキハキと言った。「今すぐやめろ。やめないなら俺はお前を“討伐”しなければならない」
智代子はにっこり笑い、頭を少し横に振った。「辞めるわけにはいかない! それに、計画の要はここではないからね。悪いけど私が今相手するほど暇ではない、代わりに分身達と遊んでなさい」
その言葉と同時に、智代子の周囲に虹色の光が渦を巻き、三つの分身が一気に現れた。それぞれが紫、神奈子、お空の姿を模しており、それぞれの能力を持っているように見えた。
「境界符“ギャップクラッシュ”!」紫を模した分身が隙間を開け、弾幕を伊万里に向けて打ち出した。
「雷符“ゴールデンストライク”!」神奈子を模した分身が御柱を振り、電光の弾幕を放った。
「核符“レッドホットバースト”!」お空を模した分身が制御棒を構え、炎の塊を飛ばした。三種類の弾幕が混ざり合って伊万里を包み込み、周囲の壁が崩れ始めた。
「クソ! 計画の要がここじゃないって… どこにあるんだ!」伊万里は金色の光を体に纏わせ、弾幕を避けながら叫んだ。
智代子は分身たちに目を落とし、自分は奥の窓辺に移動して空を見つめた。
「幻想の結界の真の要は… 天の虹の先にあるのよ。ここはただの仕掛け場所だけ。分身たちが君を止めてくれる間に、私は最後の準備をするの」虹色の光が天まで一気に伸び、空には巨大な虹の円盤が浮かび上がってきた——それが果たして計画の真の要なのか。伊万里は分身たちの弾幕を掻き分けながら、智代子の背中に視線を送った。
「お前は… まだ騙そうとしてるのか! 俺は絶対に許さない!」分身たちの攻撃が一層強まり、伊万里は背中を壁に押し付けられそうになった。だがその時、背後の扉から紫やアリス、神奈子たちが駆け込んできた。
「伊万里くん、分身たちは俺たちが扱う! 智代子さんを追いかけろ!」伊万里は仲間たちに感謝そうに頷き、智代子のいる窓辺へと一気に駆け出した——天の虹の先へと、真の決着をつけに行かなければならない。伊万里が智代子のいる窓辺へと一気に駆け出し、手を窓ガラスにかけた瞬間——透明な壁のようなものが突然現れ、彼の体を弾き返した。
「なっ!? 結界!? この部屋の分身が倒されない限り、この部屋から出ることを許さないということか!」伊万里は壁に手を当てながらハキハキと叫び、智代子の姿を見上げた。
智代子は窓辺から彼を見下ろし、にっこり笑った。
「正解ね。分身たちが全滅するまで、君はここから一歩も出られない。その間に私は天の虹の先へ行って、結界を完全に閉じるのよ」言葉が終わると、智代子の体が虹色の光に包まれ、窓から空へと飛び立っていった。天の虹の円盤が一層大きく輝き、幻想郷全体が虹色の光に覆われ始めた。
「智代子さん! 待て!」伊万里は結界に体を突きつけるようにしたが、何度試しても通り抜けることはできなかった
「伊万里くん、慌てるな! 分身たちを倒せば結界は解ける!」紫が隙間を開けて紫を模した分身の弾幕を避けながら叫んだ。
「私たちが一緒に戦うから、早く倒そう!」
神奈子は御柱を振り、神奈子を模した分身の電光をはじき返した。
「これらの分身は智代子さんの能力で模倣しただけだ! 本物の力には及ばない! 一気に崩せ!」アリスは人形たちをお空を模した分身に向け、刃の弾幕を打ち出した。
「伊万里くん、集中して! 天の虹の先へ行くのは君に任せるから!」伊万里は仲間たちの声を聞き、気持ちを落ち着かせて弾幕発生機を高く掲げた。
「了解だ! 早く分身たちを倒して、智代子を追いかける! 金色符“ブリリアントバースト”!」
彼から放たれた金色の光が三つの分身に一気に衝突し、虹色の光が揺れ動き始めた。分身たちの攻撃も一層強まったが、紫たちも全力で応戦し、部屋全体が弾幕の嵐に包まれた。結界が解けるまで、あと少し——そして天の虹の先へと、真の最終戦いが待っていた。三つの分身に攻撃を集中させ、虹色の光が揺れ動き始めた瞬間——部屋の壁から再び虹色の光が渦を巻き、新たな幻影が補充された。
「九十九兄弟と雷鼓の幻影か… 次々と出てくるじゃん!」魔理沙はミニ八卦炉を構え、ハキハキと叫んだ。九十九兄弟の幻影は大きな鎌と盾を手に、一斉に弾幕を打ち出した。雷鼓の幻影も太鼓を鳴らし、衝撃波を周囲に広げてきた。弾幕の嵐が一層激しくなり、伊万里たちは押され気味になった。
「本能“イドの解放”!」突然、魔理沙から赤いハート弾が一気に飛び出し、幻影たちの弾幕をひしひしと押し返した。さらに部屋の扉から「こっちだよ!」と明るい声が響き、こいしがさとりの手を引いて駆け込んできた——なんと、こいしが加勢してきたのだ!
「こいしちゃん! さとりちゃん! どうしてここに!?」伊万里は驚きながらも、金色の光をハート弾と合わせて撃ち込んだ。こいしはの眼を輝かせ、柔らかな粉紅色の光を放った。「さとりお姉ちゃんが“智代子さんの心が苦しんでる”って感じたから、地底から来ちゃったの! こいしも、伊万里くんたちを助けたいよ!」粉紅色の光が幻影たちの虹色の光を和らげ、九十九兄弟の弾幕のスピードが鈍った。さとりも手を胸に当て、「智代子の心には深い孤独が宿ってる… 幻影が次々と出るのは、彼女が“誰かと一緒にいたい”と思ってる証拠かもしれない」と低く言った。
「イドの解放で突き崩せ!」魔理沙はハート弾を一気に増やし、こいしの粉紅色の光と混ざり合わせて幻影たちに打ち込んだ。
「彼女の孤独なんて、ここにいる俺たちが壊しちゃえばいいじゃん!」伊万里も金色の光を全力で放ち、「そうだ! こいしちゃん、ありがとう! 早くこれらの幻影を倒して、結界を解いて智代子を追いかけるんだ!」九十九兄弟の幻影の鎌がハート弾に当たって崩れ、雷鼓の幻影の太鼓の音も徐々に小さくなった。部屋全体には赤い光、粉紅色の光、金色の光が混ざり合い、最初の三つの分身の光も薄れ始めて——結界が解ける兆しが見え始めた。九十九兄弟と雷鼓の幻影が徐々に崩れ、結界にひびが入り始めた瞬間——部屋の天井から虹色の光が異様に渦を巻き、新たな幻影が現れた。それは今までのものとは全然違った。チルノの氷の翼にミスティアの羽根、鈴仙の長い耳にフランドールの金髪… 今までの幻影の特徴がグチャグチャに混ざり合い、ちっともまとまっていない姿だった。
「おいおい、デタラメにもほどがあるだろう!」伊万里は弾幕発生機を構え、その奇妙な姿を見てハキハキと叫んだ。
「これは何なんだ! 幻影なのか怪物なのか!」その混沌の幻影から、氷の弾幕、音波の弾幕、光弾が一斉に飛び出した——ただし方向も乱雑で、時には自分自身に向かって撃ってくることもあった。
「ふふっ、智代子さんの心が混乱してるわね」紫は隙間を開けて弾幕を避けながら言った。
「幻影が混ざり合うのは、彼女の記憶も思いもバラバラになっている証拠よ」
こいしの第三の眼が輝きを増し、「苦しい… 智代子さんの心がすごく苦しいよ… 誰かに助けて欲しいのに、信じられないから…」と小さな声で囁いた。
「そんなら、このデタラメ幻影を倒して、彼女の心を取り戻せばいい!」魔理沙はバスターを高く掲げ、「星符“スターダストレヴァリエ”!」と叫び、星の粉を混沌の幻影に打ち込んだ。
伊万里も金色の光を一気に放ち、「こんなデタラメなもので俺たちを止めるつもりか! 金色符“フラッシュバースト”!」光が幻影に命中し、その混ざり合った姿がガクガクと震え始めた。氷の翼が崩れ、羽根が散り、徐々に元の姿を失っていった。
「うわっ… なぜ… 誰も… 信じてくれないの…」と、幻影から智代子の声のようなものが漏れてきた。
「信じてるんだ! 俺たちが信じてるんだ!」伊万里は前に一歩進み、声を大きくした。「だから、もう苦しまなくていい!」
その言葉が響くと、混沌の幻影は一気に崩れ散り、虹色の光が煙のように消え去った。同時に部屋の透明な結界もカシャッと音を立てて解け、天の虹の先に智代子の姿が浮かんでいるのが見えた——
「いくぞ! 最後だ!」伊万里は窓から空へと飛び出し、天の虹の先へと一気に駆け上がった。仲間たちも続いて飛び立ち、真の最終戦いが今、天の上で始まるのだった。