東方創想録   作:Mrコッコ

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Stage1【兆しー具現化する影ー】

魔理沙は八卦炉を構えながら頷き、「そうだよ。私たちもそれを知ってるけど、異変は異変だ。でも… 傷つけるつもりはないんだ。ただ、話し合うためにも、とめる必要があるんだ」幻子も柔らかな光を放ち続け、「霊夢さんの言う通りです。私も伊万里くんを受け入れたいし、理解したいけど、このままでは幻想郷が危ない… それを彼自身も知っているはずです」ルーミアは闇を完全に収め、少し悲しげに肩を落とした。

「ふん、巫女の決意は固いのね。でも、伊万里さんの力は今まで以上に強いんだよ。君たちがとめられるのかな?」

「試してみればわかるじゃないか」霊夢は御札を新たに取り出し、「道を開けてくれないなら、私たちは自分たちで開ける。人里を守るためにも、伊万里を見つけるためにも」

言葉と同時に、六人は一斉に行動を始め、ルーミアとリグルに向かって進み始めた。闇の中に再び光の弾が飛び出したが、今度は六人の眼には明確な決意が宿っていた——巫女の答えが闇を切り裂き、人里への道へと一歩近づいたのだ。弾と虫の群れが一時的に散った隙、早苗は光を手元に収めながらハキハキと言った。

「しかし、伊万里さんの影響を受けた妖精や妖怪達がこれから先も立ちふさがるんですよね」霊夢は御札を収め、ルーミアとリグルの姿を見つめながらハキハキと答えた。

「そうだね、立ち塞がるなら… 私たちはどんどん突破していくだけだ」その言葉が落ち着いた瞬間、ルーミアの周りを包んでいた闇がパッと消え、波紋弾も青い珠も空に散って塵となった。リグルが操っていた虫たちも一斉に闇の中へと帰っていった。

「あら、切れちゃった」ルーミアは少し疲れたように肩を落とし、「伊万里さんの光が弱まったわけじゃないのに… 君たちの決意が強かったのね」リグルも羽根をたたみ、「そうだ。私たちの力では止められないみたいだ。でも… 先にはもっと強い仲間が待ってるよ。伊万里さんが信じている存在たちが、本気で君たちを迎え撃つんだ」

霊夢は頷き、「わかった。ありがとう、ルーミア、リグル。人里に向かわせてくれ」

「うん、行ってね」ルーミアは手を振りながら笑い、「伊万里さんには、君たちが本当に彼を受け入れてくれるってことを伝えてね」リグルも少し微笑み、「そして、彼の力が幻想郷にとって必要なものになるように… 私たちも見守ってるから」言い終わると、二人は闇の中へと静かに消えていった。六人は再び足取りを速め、人里へと向かった。空の不思議な色が一層鮮やかになり、早苗の言った通り——先にはさらなる試練が待っているのが感じられたのだ。六人がついに人里の手前までたどり着くと、道の先に思いがけない二人が立ち塞がっていた。変貌した姿の伊万里と、青い衣装を着たチルノだった。

伊万里は腕に一体化した弾幕生産機から緩やかな光を放ち、静かに六人を見つめている。チルノは両手に大きな氷の剣を作り上げ、ハキハキと声を上げた。

「行くなよ! 伊万里さんが私に頼んだんだ! ここから先は通せない!」

「チルノ… アンタまでか」魔理沙は八卦炉を構えながら目を細めた。

「伊万里、やっと会えたな。ここから先は人里だ。異変を止めろ」伊万里は少し微笑み、ハキハキと言った。

「君たち、よくここまで来てくれた。ミスティアやルーミアたちも、みんな本気で応えてくれたんだ」霊夢は御札を取り出し、一歩前に出た。

「それでも異変は止めないと。アイツが種族を変えるのは構わないが、幻想郷を揺るがすようなことは許さない。博麗の巫女として、ここでとめる」

「わかってるよ、霊夢」伊万里は腕を伸ばし、弾幕生産機から光の線が空に広がった。

「だからこそ、私がここに立ってるんだ。君たちの全力を受け止め、そして… 私の新しい力をみんなに見せるんだ!」その時、チルノが氷の剣を振り上げて叫んだ。

「氷符“パーフェクトフリージング・改”!」言葉と同時に、地面から無数の氷柱が突き上がり、空には氷の弾が光を反射させながら飛び出した。伊万里も弾幕生産機から黒と虹と金色が混ざった弾を放ち、氷の弾と重なり合って六人を包み込むように動いた。

「これが… 二人の力が合わさった弾幕か」妖夢は刀を手に取り、緊張感を募らせた。幻子は伊万里の姿を見つめ、少し声を震わせながら言った。

「伊万里くん… 本当にこれでいいのですか?」伊万里は幻子に目を向け、優しく頷いた。

「うん、いいんだ。君たちが全力で来てくれるなら、私も全力で応える。それが、この異変の真の意味なんだ」人里のすぐ前、氷と光が混ざり合う弾幕の中——ついに伊万里との本格的な対決が始まろうとしていた。空の昼と夜ともつかない色が全てを照らし、幻想郷の未来を分ける戦いが幕を開けたのだ。氷と光の弾幕が空に広がる中、霊夢は御札をかざしながらハキハキと言った。

「あんた、本体なの?」伊万里——その姿は少し揺らぎながら、ハキハキと答えた。

「おや、本体じゃないとよく気付いたね。そうだよ、俺は本体から生み出された虚像だよ」言葉と同時に、両腕の弾幕生産機から複数のレーザーが一気に発射された。レーザーは直進しながら途中で分岐し、六人の避ける道を塞ぐように動いた。

「虚像か… なるほど」早苗は太陽の光を盾にしてレーザーを跳ね返し、「本体はどこにいるんですか?」その時、チルノが氷の剣で地面を叩き、ハキハキと言った。

「伊万里さんからはここを守れと言われた、だから、アタイにはよく分からないけど言われたことをするだけ!」言い終わると、彼女は周囲を氷の壁で囲み、さらに無数の氷の矢を空に放った。氷の矢はレーザーと絡み合い、弾幕は一層複雑になった。

「まあ、虚像だとしても手強いな」魔理沙は八卦炉で火の弾を連続で放ち、氷の矢を溶かしながら言った。

「でも本体がいないなら、この虚像を倒せば道は開けるんだろう?」

「それが簡単じゃないよ」虚像伊万里はレーザーの発射を続けながら笑った。 

「俺は本体の力の一部を受け継いでるんだ。君たちが本気で戦わないと、倒せないよ」妖夢は刀を振り下ろして氷の壁を切り裂き、「承知いたしました! 人里を守るためにも、ここを突破します!」咲夜は時をスローにしてレーザーの軌道を読み、ナイフを虚像の手元に向けて投げつけた。幻子も柔らかな光を放ち、虚像の揺らぎを捉えながら声を上げた。

「伊万里さんの想いが宿ってるけど… 私たちも譲れない!」霊夢は御札を一気に打ち出し、レーザーと氷の矢を一斉に撃ち落とした。

「ふん、虚像だろうと異変だろうと、止めることには変わりないわ!」人里のすぐ前、虚像と氷の守りが立ちはだかる中、六人は一丸となって突破を目指した——本体の居場所はまだ謎だが、この虚像を倒すことが、伊万里と対面するための第一歩となるのだ。虚像伊万里は腕を振り上げ、一体化した弾幕生産機から無数の星型の弾を打ち出した。星弾は空をきらめきながら、六人の周りを螺旋状に回り込んでくる。魔理沙がその弾を見た瞬間、八卦炉を握る手に力が入り、ハキハキと叫んだ。

「その弾幕、アタシのじゃないか!」

「ふん、気づいたか」虚像伊万里は微笑みながら星弾の発射を続ける。「本体が君たちの力を観察し、模倣してるんだ。これは魔理沙の“星符”をベースにした弾幕だよ」星弾は魔理沙が放つものと同じ軌道を描きながら、さらに速さを増して迫ってくる。チルノもこれに合わせて氷の星を作り、星弾と混ぜ合わせて弾幕を強化した。

「なんだって! アタシの技を真似るなんて」魔理沙は少し怒りを込めつつ、八卦炉から本物の星弾を放った。二つの星弾がぶつかると、火花を散らしながら消えていった。

「これは他にもあるよ」虚像伊万里は腕を変え、今度は霊夢の御札のような形の弾を打ち出す。

「霊夢の“夢符”、早苗の“光符”… みんなの力を少しずつ取り入れてるんだ」霊夢は眉をひそめ、「なるほど、それでこんなに強い弾幕になるのね。でも模倣だけじゃ本物にはかなわないわ!」と言って御札を打ち出し、似せた弾を撃ち落とした。早苗も太陽の光を集中させ、「伊万里さんはみんなの力を観察してるんですね… でもそれはただの模倣じゃなく、“理解するため”なのかもしれません」妖夢は刀で氷の星を払い、「どちらにしても、ここを突破しなければ! 模倣された力では私たちを止められません!」咲夜は時を操って星弾の隙間を突き、ナイフを虚像に近づけた。幻子も柔らかな光を大きく広げ、「伊万里くん、これで君の想いが伝わるのかな…!」虚像伊万里は星弾を最後に一気に放ちながら言った。

「いいぞ、これが君たちの本気か! 本体はもっと強い力で待ってるぞ!」星の輝きが人里の前を照らし、六人は全員の力を合わせて弾幕を突破しようとしていた——模倣された弾幕の向こうに、本体の真の力が待っているのを感じ取れるようだった。六人が虚像伊万里とチルノの弾幕を突破しかけた瞬間、空から太陽の光さえ凌ぐ強いレーザーが一気に落ちてきて、両者の間に壁を作った。

「な、なんだ?」魔理沙は驚いて八卦炉を構え直し、空を見上げた——そこに立っていたのは、赤いワンピースを着た風見幽香だった。彼女は大きな花を手にしながら、静かに声を上げた。

「悪いけど、霊夢達を今伊万里に近づけるわけにはいかない」

「幽香… なぜ?」霊夢は御札を収め、驚きと疑問を混ぜた声で問いかけた。像伊万里はレーザーの衝撃で少し後退しながら言った。

「おや、幽香さんまで… 本体は知ってたのかな?」チルノも氷の剣を構え直し、「幽香さん! 伊万里さんには言われてないけど… あなたも守るつもり?」

「守るというより、見極めるんだ」幽香は花を少し動かし、空からまた小さな光弾を落として周囲を囲んだ。

「伊万里の力はまだ安定してない。今君たちが本気でぶつかれば、力が暴走して幻想郷全体に影響を及ぼす恐れがある」早苗は太陽の光を手元に集めながら言った。

「暴走…? 伊万里さんにはそんなことになる前に止めてあげないと」

「だからこそ、今は待て」幽香は一歩前に出て、「私が彼の力を見極める。君たちが必要な時には呼ぶから。今は人里を守ることに集中しろ——黒い毛玉や影の妖怪がまだ現れる可能性があるんだ」その時、虚像伊万里が体を揺らし始めた。

「俺の存在意義も薄れてきた… 幽香さんの言う通り、今はまだ本体と対面する時じゃない。チルノ、もういいよ」チルノは少し不満そうに氷の剣を溶かし、「分かったよ… でも伊万里さんにはちゃんと伝えるね!」虚像伊万里は微笑みながら光に包まれ、次第に姿を消していった。幽香は花を胸に抱き、「伊万里の居場所は幻想郷の中心にある“光の祠”だ。本当に止めるつもりなら、そこまで行け。でも… その時は覚悟していろ」言い終わると、彼女も空へと静かに消えていった。六人は人里の方を見つめ、霊夢がハキハキと言った。

「わかった。まずは人里を守る。そして、光の祠へ向かう準備をするわ」人里の前に残されたのは、光の残像だけ。六人は再び足を進め、人里を守るため、そして伊万里の力を本当に受け止めるための準備を始めたのだ——突如の介入が示したのは、伊万里の力が想像以上の規模であることを知らせる予兆だった。六人が人里へと足を進めようとした瞬間、突然地面がガクンと揺れ始めた。

「えっ! 地震?」早苗がつかまるものを探しながら声を上げると、地鳴りはさらに激しくなり、異様な光が射し始めた。

「あれは… 八方屋?」魔理沙が手をかざして見上げると、八方屋がある地点から巨大な屋敷がゆっくりと浮き上がってきた——なんと、それは伊万里がかつて拠点としていた八方屋だった!屋敷は黒と虹色の光に包まれ、空の不思議な色と一体化するように浮上し、やがて幻想郷のほぼ中央にまで移動して止まった。その時、全ての地震が収まり、八方屋から強い光が一気に広がった。

「なんで八方屋が…」幻子が口ごもるように言うと、空から伊万里の声が響き渡った。

「みんな、聞こえてるか? これが俺の新しい拠点だ。幻想郷の中心に立てるように、力を使って浮上させたんだ!」霊夢は眉をひそめながら空を見つめ、「浮上させるなんて… これが本当の異変の始まりなのね」

「そうだよ、霊夢」伊万里の声が続く。

「ここ八方屋を“光の祠”として、俺は幻想郷の全ての力と対話する。本当に俺の力を受け入れてくれるのか、それとも異変として消し去るのか… みんなに決めてもらうんだ!」八方屋からは無数の光の柱が空に立ち上り、幻想郷のあらゆる場所に届いているのが見えた。妖夢が薙刀を手に取り、「これは… 全ての妖精や妖怪に伝わっているんですね。伊万里さんは本気で幻想郷全体に問いかけているんです」咲夜もナイフを腰に収め、「八方屋が浮上した今、人里も他の場所も安全を確保しなければなりません。そして、いずれ光の祠へ向かわなければ…」魔理沙は八卦炉に火をつけ直し、「まあ、それじゃあまずは人里を固めよう! 八方屋が浮いたことで、また新しい妖怪が現れるかもしれないし!」六人は互いに目を見合わせ、霊夢がハキハキと宣言した。

「わかった! まずは人里を守って、住民たちを安心させる。そして、他の仲間たちとも合流して、八方屋へ向かう準備をするわ! 伊万里、待ってろ!」浮上する八方屋が空に輝く中、六人は人里へと急いで進んだ——幻想郷の中心に浮かぶ屋敷は、伊万里との最終的な対決の舞台となることを示唆していたのだ。

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