転生したら「ワルプルギスの夜」だった件   作:十二夜

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連続更新四日目に突入!!

ホアアアアアアアアアアアアアアアアア!!



至りて剣鬼、尚も高きミリムの刃

 

ハクロウの技術は、既に完成されている。

それは、想像以上に。

 

「―――斬りなさい」

 

フールの無い口角が上がる。

 

数百年もの修練を経たハクロウの土台は、フールの見立てを超えて盤石なものであった。

彼が剣の高みへ至るべく必要なのは、ほんの僅かな切っ掛けだけだった。

 

「―――…………シィッ!」

 

一見、何の変化も無いように見える。

 

だがベニマルやソウエイの眼に映るハクロウは、信じられないほどに変わって見えた。

 

その気質は入り混じり、『静』の中に在って『動』。

雪解け水を思わせる繊細な太刀筋の中には、今や戦乱の血生臭さが混じっていた。

 

その表情は若返ったようにさえ見え、刃の持つ冴えは既に察することも難しいほどに高まっている。

 

必要なものは全てハクロウの手中にあった。

 

あとは、一歩。

 

刃の真髄は、開かれている。

 

「斬るのです! もう目の前にあるのです! ()()を、斬りなさい!!」

「…ッ……ッ! ――ッッ………ッ!!」

 

あと一歩、その一歩。

 

皆が、この一歩を踏み出せずに『斬る』ことを知らずして終わる。

 

だが、今のハクロウならば掴める。

若さを取り戻し、戦意を取り戻し、野心を、殺意を、鬼の血を取り戻したハクロウならば、そこに至れる。

 

「次、次ッ、次ですッッ、次ッ!! 刃を止めるな! 速度を落とすな! ()()です、()()を斬れ! ()()を逃さずに斬るのです!!」

 

僅かに極小。

 

しかしフールは目の端で、刃が合わさった瞬間に黒い火花に混じって散った「白」を見逃さなかった。

 

それはハクロウ自身にすら感知できずにいた感覚で、飛ばされた助言を受けて初めて一手を遡る。逃すまいとして立ち返る。

 

「―――っ!」

 

振って通る刃に不純は無く、故にこそ次に繋いで澄む一太刀。

 

刀に形容し難い『重み』が乗る。

不可視の光とでもいうべき異様な気配が刃に宿る。

 

求めていた答えは、既にその眼前にある。

 

見る者が気圧される程に、己の全てを賭けて刀を走らせるハクロウ。

 

削ぐ、削ぐ、削ぐ。

無駄を削いで、雑念を削いで、剣のみを残して純を重ね重ね、鋼の光と共に修羅へと踏み出す。

 

冷たい風が、吹き抜けた。

 

「………斬れッ!!」

 

今、ハクロウは抜き身の刀となっていた。

 

『斬る』ということ。

 

他の全てを置き去って、目覚めようとしているものがある。

 

修羅の元に在って、鬼となろうとするものがある。

 

心に、『刃』が顔を出す。

 

重なる刃と音が、着々と近付くその時を予感させる。

 

刀から血が香る。

 

一閃の気質が変わる。

 

一線を、踏み越える。

 

「掴むのです! ()()をッ!!」

「ッ―――!」

 

そしてハクロウは、刀を手放した。

 

歯を剥き出した獰猛な笑みを浮かべ、()()を掴む。

 

「「「ッッ!!」」」

 

息を吞む声が重なる。

 

握る空手には、不可視の『刃』。

 

その手に掴むは、『斬る』ということ。

 

ハクロウの腕が振り抜かれる。

 

フールもまた、限界まで頬を吊り上げる。

 

白い火花が散った。

 

フールは初めて、ハクロウの一閃を受けずに避けた。

 

一線は、超えられた。

 

「……至りましたか」

「然り……師よ」

 

無手。

 

しかし、ハクロウの手は確かに『刃』を握っていた。

 

キャンバスを用いずして宙に絵を描くように、その手は何も持たずとも何かを斬る。

 

魔力、闘気に次ぐ三つ目の力。

 

『刃』。

 

「それが、『刃』です。未だ先の長い未熟とはいえ、貴方は今、『斬る』を掴んでいるのです」

「………」

 

残心。

 

空の手に『斬る』感覚を握り、体感して得た境地の始まりをしかと感じる。

その余韻を感じるまま、少しばかり辺りを見回す。

 

これが、修羅の見る世界。

 

ハクロウの纏う気配は、刃物の如き切れ味を滲ませていた。

 

「師よ、感謝申し上げる。儂のみでは、決してここまで至れなんだ」

 

後はひたすら、先を見据えて剣を振るうのみ。

 

溢れんばかりの崇敬の念を抱いて、ハクロウは頭を下げた。

 

「いえ、掴んだのはハクロウ殿自身です。ようこそ、剣の高みへ。歓迎しますよ」

 

ハクロウが地面に落ちた刀を拾う。

 

そして理解した。

 

刃の深み、全て斬るために存在しているその本質を。

 

無双。

 

その感覚が、ハクロウの心に生まれる。

 

「ほら、何を呆けているのです。次は貴方たちの番ですよ」

「げっ、こっちに来やがったぞ!」

「ふ、ふふふふ……」

「ああっ! 始まる前からソウエイが壊れた!」

 

剣鬼ハクロウ。

 

今より、最盛期。

 

鬼の大剣豪は、時を越えて再び名を轟かせる。

 

――だが、その前に。

 

突如、異物が混ざる。

 

「っ!? 何者です!?」

 

誰よりも早く、シオンが見知らぬ気配を察知する。

 

その視線の先で空間が揺らぎ、何かが現れようとしていた。

ベニマルとソウエイがリムルを守るように囲み、戦闘態勢へ移行する。

 

しかし、リムルはその気配を知っていた。

 

「……いや、その人は敵じゃないよ」

 

空気から溶け出すように姿を現したのは、美しい緑色の髪の少女。

 

樹妖族(ドライアド)

 

「お久しぶりでございます、盟主様。私は樹妖族(ドライアド)のトライア」

「ああ……それよりどうしたんだ?」

 

トライアの身体は微かに透けていた。

力が弱まっている証拠だった。

 

そして何より、その身には異様な殺気の残滓が残されていた。

 

「その殺気……何かと戦っていたのか?」

「……はい。それを盟主様へお知らせするために、ここへ参りました」

 

そしてトライアは告げた。

 

「ご報告申し上げます。『夜』の落とし子が一体、暗黒大彩妖(ギリメカラ)が出現いたしました。かの大妖は、この地を目指しております」

「………ナニソレ」

 

 

 

 

 

 

×××

 

 

 

 

 

 

『夜』の落とし子。

 

三百年前、ワルプルギスの夜に日が昇った際、なぜか消滅せずにこの世界に残された『魔女』の眷属の事を指す。

 

本能のままに殺戮を繰り返すそれらは、各国が手を結び長い年月をかけて少しずつ討伐されていき、50年前に全て殲滅された。

 

たった、二匹を除いて。

 

群を抜いて強大な力を持っていたその二匹は、不定期に出現と消失を繰り返して災厄を振り撒く。

 

何度も討伐部隊が組まれたが、どうしても討伐が叶わずついに名前を与えられて災厄級魔物(カラミティモンスター)に区分された。

 

しかし、その脅威は間違いなく災禍級(ディザスター)以上。

 

「知恵ある行動を取らない」というたった一点において、その二匹は災厄級魔物(カラミティモンスター)に分類されている。

 

その内の一体、暗黒大彩妖(ギリメカラ)

 

絶えず周囲の魔素を吸収し続け、今も成長を続ける極大の災厄。

 

説明を聞いたリムルは、すぐに幹部を始めとした重要人物を招集した。

 

トライアの報告を聞き、会議室が騒然とする。

 

「なんと! 『夜』の落とし子ですと!?」

「その巨体は山をも崩すとか……」

「魔法が通じないという話も聞いたことがありますぞ」

「トライア様、理由も無く暗黒大彩妖(ギリメカラ)がこちらに向かってくるとは思いませぬが……」

 

リグルドの問い掛けにトライアが答える。

 

「事実でございます。我が姉トレイニーが足止めを行っておりますが、あまり長くは保ちません」

 

何とかして倒すしかない。

 

全員がその思考に行き着いた。

 

戦となれば、それは侍大将ベニマルの役目。

 

「では、作戦を……」

「その必要はありません」

 

ベニマルが声を張り上げると同時に、フールの静かな声が響いた。

 

先程までミリムに何かを話していたようだが、どうやら許可が下りたようだ。

 

全員の顔を見渡し、フールはいつに無く真面目な口調で告げた。

 

「私が、征きます」

「っ! いや、いくら師匠でもそれは――!」

 

そう言いかけたベニマルが口を噤む。

 

フールは、嗤っていた。

 

無いはずの口を幻視し、全身より殺意を滲ませていた。

 

修羅。

大剣豪。

天下無双。

 

「迎え撃つなんてつまらない。こちらから打って出ましょう。これも良い機会となります」

 

一刀同体。

 

最も新しい神話が、その力を振るうと言う。

 

刀を、振るうと言っている。

 

「貴方たちに、技を見せます」

 

 

 

 

 

 

ドワーフ王国へ伸びる街道。

 

この数ヶ月、ゲルド率いるオーク達が必死に整備した道の先の境界にて。

 

未だ整備されていない荒れた大地の先に、暗黒大彩妖(ギリメカラ)は居た。

 

既にトレイニーは引き揚げており、その進撃を阻む者はもう居ない。

 

「デッ……カ………」

「これは……凄まじいな……」

 

この場に居るのは、リムル以下ランガ、ベニマル、ソウエイ、シオン、シュナ、ハクロウ、ガビル、ゲルドの八名と一匹。

そしてミリムとフール。

ガビルやゲルドは、万が一のために呼び出されていた。

 

その全員が、脅威だという事も一時忘れて暗黒大彩妖(ギリメカラ)を見上げて仰ぐ。

 

山、としか言い表しようが無かった。

 

まだ相当の距離があるにも関わらず、上部が見切れるほどの巨大な象。

 

何m、いや何㎞あるのだろうか。

 

身体は虹色に染まり、大地を踏み揺らしながらこちらへ向かってくる。

 

大きいとは、それだけで有利だ。

 

確かにこれは、手の打ちようが無い。

 

「少し、攻撃してみますか?」

 

しかしフールは少しも意に介さずに、まるで訓練の延長であるかのような態度でリムル達へ話しかける。

 

「ああ……まずは俺達だけでやらせてもらおう」

 

リムルのその返事が、開戦の合図となった。

 

黒炎獄(ヘルフレア)!」

 

広範囲殲滅技の本領が発揮される。

 

放たれた黒炎球の到達地点を中心に、半径200m程の範囲を黒い炎が覆った。

 

だが、その範囲でも暗黒大彩妖(ギリメカラ)の前足の下半分を包むのみ。

 

さらに悪いことに、黒炎が晴れた先には少し焦げた程度の皮膚があるだけだった。

 

「チッ、聞きしに勝る厄介さだ」

「ぱおーん!!」

 

気の抜けた鳴き声で空間を震わせ、攻撃されていることに気が付いた暗黒大彩妖(ギリメカラ)の速度が上がる。

 

シオンとソウエイが同時に駆けた。

 

シオンは「剛力丸」による特大斬撃、ソウエイは粘鋼糸による何重もの切り裂き。

 

一週間前に比べて格段に強力になっているはずの攻撃はしかし、表皮を抉って痛痒を与えるに留まった。

 

傷とも呼べないような傷。

 

「なんという硬さ……ッ」

「クッ、これではキリが無い!」

 

二人は巨石が落ちるような踏み潰しを回避するが、揺れる大地に足を取られてその場で不安定によろめく。

 

その隙に再び振り上げられた暗黒大彩妖(ギリメカラ)の右足が落とされるも、間一髪でランガが二人を掬い取って背中に乗せた。

 

「すまない、感謝する!」

「ありがとうございます! ランガ!」

 

返事の代わりに、黒嵐星狼(テンペストスターウルフ)ランガは吠える。

 

「アォーーーーーーーーン!!」

 

閃光、轟音が轟く。

 

いくつもの雷の柱が立ち上り、天と地を結んだ。

 

そして、巻き起こる竜巻。

 

黒雷嵐(デスストーム)』。

 

死の嵐が暗黒大彩妖(ギリメカラ)へ通る。

 

「ぱおーーーん!!」

 

だが、それでさえも巨大な体に幾つかの火傷跡を付けたのみ。

 

『夜』の落とし子。

 

何故、この個体が生き残ったのかを身をもって理解する。

 

可能性があるとすればやはり……ハクロウ。

 

リムルの視線がハクロウを向いた。

 

既にハクロウは、暗黒大彩妖(ギリメカラ)の足元に居る。

 

抜刀の形は自然と出来上がっていた。

 

刀に『刃』を棲まわせ、万物一切を『斬る』。

 

『刃』を纏った刀が引き抜かれた。

 

朧流水斬(おぼろりゅうすいざん)

 

白い火花が咲いた。

 

斬撃は流水のように暗黒大彩妖(ギリメカラ)を襲い、その肉を断って骨を断つ。

 

強固な皮膚へまるで豆腐のように抵抗なく滑らかに通った刃は、そのまま最後まで振り抜かれる。

 

「これでも足りぬか……」

 

だが、浅い。

 

確かに切ったが、余りにも大きいその巨体に比べれば傷はまだ浅い。

 

「ぱおーーーーーーーんっ!!!!」

 

激痛を感じて暗黒大彩妖(ギリメカラ)は激怒する。

 

既に「山」は「崖」となっていた。

 

もはや全体像を視認できないほどに距離は縮まっている。

 

もう一刻たりとも猶予は無い。

 

「―――道を開けて下さい」

 

フールはたった一言、そう言った。

 

その瞬間、空気が変容する。

 

肉を削ぐような威圧が放たれ、フールが一歩を踏み出す。

 

修羅が、戦地に降り立った。

 

ずるり、とフールの体内から一振りの刀が取り出される。

 

「ハクロウ殿。これを以て目指すべき道標とします。その目に焼き付けて下さい」

 

鞘に収まったその刀は、一目でわかる程に異様な気配を放っていた。

 

過度な装飾は無く、その代わり遍く全てを『斬る』ために研ぎ澄まされた一振り。

 

忘れられた竜の都が造る最後にして最高の大業物。

 

太刀の長さは丁度三尺。

 

神輝金鋼(オリハルコン)竜王(ドラゴンロード)の鱗で鍛え、顎骨で研いだ刀身は僅かな曇りも無く白銀に煌めく。

その刀身は夜闇に沈み込むように紛れ、振り抜かれるその瞬間にのみ一筋の銀光を残す。

よってこれを、「夜裂(よるさけ)」と称する。

 

「兄弟よ、貴方も知るが良い」

 

怒り狂う暗黒大彩妖(ギリメカラ)を見据え、フールが「夜裂」を構える。

 

柄に手を置き、鞘を腰に据える。

 

『斬る』ということ。

 

黒い火花が散り落ちる。

 

「私はフール。ミリム様の刃」

 

鞘から一寸だけ、刀を引き出す。

 

フールはただ、その刀身を外界に晒す。

 

そして、黒い火花は咲き乱れた。

 

千鳥(ちどり)

 

『刃』の巣立ち。

 

黒色の斬撃が濡羽(ぬれば)を羽ばたかせる様にして、刀身から一斉に飛び立つ。

 

闇よりも夜よりも暗い暗い『刃』が、合計二十の斬撃となって暗黒大彩妖(ギリメカラ)を啄む。

 

そこに斬るという動作など皆無。予想も予見も叶わない。

 

刃の真髄。『斬る』そのものが巨体に容赦なく通る。

 

僅かな反応すら許されず、暗黒大彩妖(ギリメカラ)の四本の脚は()()()()()()()()()()崩れ落ちた。

 

「ぱおーーーん!!!」

 

刀身を空気に晒すだけで、この結果。

 

耐え難き苦痛に叫ぶも、既に移動手段は断たれ前進も後退も叶わない。

 

地面で身じろぎするだけの暗黒大彩妖(ギリメカラ)が最期に見たのは、空中にて己と同じ高さで目線を合わせるフールの姿であった。

 

全身を内へ内へと巻くように捩り、左手で鞘をしかと握り、右手は柄から半紙一枚の厚さの分だけ上に構える。

 

フールは深く呼吸をひとつ。それだけを終える。

 

凪いだ心で斬るべき敵を見据え、遂に「夜裂」は鞘から引き抜かれた。

 

 

月影(げつえい)

 

 

景色が、ズレた。

 

太刀先をなぞる様にして、斬撃が世界に引かれる。

 

横一文字に一筋の銀光を残し、一閃が果てしなく地平を割る。

 

届くはずのない場所へ、斬れるはずのない長さを、まるで理を捻じ曲げるように、斬り捨てるように。

 

遥か先の星さえも斬り捨てんばかりに、音も無くその一閃は静かに通った。

 

フールは腕を振り抜き、天地を分かつ確かな手ごたえを感じながら鞘へと刀身を収める。

 

結果など見るまでも無く明らか。

 

両断。

 

暗黒大彩妖(ギリメカラ)の身体は天地と共に、地平線の境界で上下にズレていた。

 

遠くにどうと聳える山脈は地盤ごと左側に傾き、割られた断面からは地層が見えている。

 

その景色を、どう形容すれば良いのだろうか。

 

既存の語彙では到底、その景色には追い付けない。

 

手を叩いて大はしゃぎのミリムを除いて、誰一人として言葉を発せられる者は居なかった。

 

「これが、技です。いずれ、ハクロウ殿にも打てるようになりますよ」

 

何でもない事のように戻って来たフールが、大喜びのミリムに撫でられる。

 

「ホアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

フールにとって幸いだったのは、その場にいる全員が放心状態だったため、誰もその奇声には気が付かなかったということだろう。

 

後に目撃者はこう語った。

 

「世界は斬れる」、と。

 

 

 

 

 

 

×××

 

 

 

 

 

 

そして数週間後、ミリムは突如としてテンペストを離れた。

 

仕事で他の魔王に会いに行くと言い残して、フールを抱いて飛び去って行った。

 

来る時も突然なら、去る時も突然。

 

その事を知らされたベニマル達は、やっとフールの訓練から解放されたのかと安堵で崩れ落ちた。

それとは対照的に、町の住民はフール不在の悲しみで崩れ落ちた。

 

あんな奴でも、マスコットキャラとしての役割はしっかり果たしていたようだった。

 

「にしても、やっぱ勘違いじゃないよな……」

 

暗黒大彩妖(ギリメカラ)を見た時、リムルは引っ掛かっていた記憶の正体を探り当てていた。

 

それは、前世で人間だった頃に観た一本のアニメ。

 

暗黒大彩妖(ギリメカラ)もフールも、偶然にしてはそのアニメに一致しすぎている。

 

(ワルプルギスの夜、か。いや有り得ない。有り得ない……けど……一応、警戒はしておくか)

 

その結論に落ち着くと、リムルはポヨンと跳ねて思考を切り替えた。

 

「……俺もそろそろ、出発時期を考えないとな」

 

心なしか寂しくなった部屋で、リムルが独りごちる。

 

イングラシア王国。

リムルの探している人物たちは、その国にいる。

 

じきにリムルは国を離れるだろう。

 

それが齎す結末を知るのは、今はただ一人しか居ない。

 

 

Walpurgisnacht

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お読みいただきありがとうございます。

目指せハクロウ最強格!第一段階終了!

次回!フールVSギィ!!

ホアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
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