転生したら「ワルプルギスの夜」だった件   作:十二夜

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皆さん、「ワルプルギスの廻天」の予告第三弾は見ましたか?

ここに来てほむら=ワルプルギス説が最有力候補に急浮上したの笑ってしまった。
どーすんだよこれ。
公開までに完結させなきゃやっべぇぞこれ。




赤と黒

 

その日、ギィ・クリムゾンは敗れた。

 

完全に、言い訳のしようも無く、完膚なきまでに。

 

「…………」

 

ギィ・クリムゾンとは無敵、完全無欠、力の極限に君臨する者でなければならない。

 

そうでなければ、友に向ける顔が無い。

 

「……『斬る』ということ……………か……………」

 

ギィは実に数万年ぶりに、己の先を征く者の背中を追いかけた。

 

剣の高み。

 

『刃』。

 

殺すためでも、守るためでも無く、ただ己が強くなるためにその背中を追いかけた。

 

追いかけ、追い縋り。

 

そして、追い越さなくてはならない。

 

何故なら彼は、ギィ・クリムゾンであるが故に。

 

よって、今日がある。

 

 

 

 

 

 

白氷宮。

 

その外にある極寒の大地に、三つの人影が立っていた。

 

言わずもがなギィ、ミリム、フールである。

 

生命は芽吹かず、生物が死滅し尽くす極寒に閉じ込められた大地の上に、三人は涼しい顔で立つ。

 

一仕事するためにテンペストを飛び出したミリムだが、その前に少しぐらいの寄り道は許されると言わんばかりにギィ目掛けてまっすく飛んで来たのだ。

 

理由は単純。ギィの望む再戦(リベンジ)のためである。

 

正確には再々戦だが、ギィにとってはこれが初のリベンジ、挑まれるのでは無く挑む側でこの場に立っている。

 

互いの間合いの僅かに外側にて向き合う二人。

 

既にギィは「世界(ワルド)」を、フールは「夜裂(よるさけ)」を取り出している。

様子見、小手調べ、温存。それら全てがそのまま死に直結する相手だと、互いが互いに理解していた。

 

「なぁ、フール」

「なんです」

 

戦意が研ぎ澄まされていく中、ギィがフールに話しかける。

 

「オレはお前に礼を言わなきゃならん。不本意極まりないが、お前が居なければオレは『刃』を掴めなかった。魔力、闘気の他にこんなふざけた力があるとは、思いもしなかった」

 

互いの視線が交差する。

 

ギィは笑っていた。

 

見たことが無いほどに優しい眼差しで、フールに笑いかけていた。

 

「ありがとうよ。おかげでオレもここまで来れたぜ。剣の高みへな」

 

ギィの手元から、紅い火花が散る。

 

それを見たフールは、同じようにギィに微笑み返した

 

「いえ。それが本当ならば、例え僅かな間でも貴方の前を行けたことを、私は誇りますよ」

 

冷たい風が吹いた。

 

極寒の地を吹き抜けて、たった一人の立会人としてその時を待つミリムを吹き抜けて、最後に巡り巡って立ち会う二人の間を吹き抜ける。

 

フールの手元に、黒い火花が散る。

 

「では、始めましょうか」

「ああ」

 

短く目の前の好敵手と言の葉を交わす。

 

二人は、同時に動いた。

 

まるで鏡写しのように寸分違わぬ動きで、手に持つ「世界(ワルド)」と「夜裂(よるさけ)」を眼前にて上向きの縦に構える。

 

続けて全く同じ動きで柄を握り、同じタイミングで刀身を鞘から丁度一寸、それぞれ同じ長さを鞘から引き出す。

 

刀越しに互いの視線が合わさる。

 

呼吸を一つ。

 

そして、二人の言葉が重なった。

 

千鳥(ちどり)

 

血鳥(ちどり)

 

二つの『刃』が羽ばたく。

 

刀身から飛び出した濡羽色の斬撃は、同じ数の鮮血を思わせる赤色の羽ばたきによって空中で相殺され、二色の火花を咲かせる。

 

瞬間、両者はほぼ同時に刀身を引き抜き、その場を駆け出す。

 

誉れを求める一番槍のように後も前も何も考えずにただ真正面へと突き進み、当然の如くぶつかり合う。

 

「やはり『刃』に至っていましたかッ! ギィ・クリムゾン!!」

「至っただけじゃねぇ! 高みに居るんだよ!!」

 

剣気と殺気を滲ませた顔面を見合わせ、極めて純粋な斬撃同士が交差する。

一つ響く剣戟音の合図で、究極の一戦が幕を開ける。

 

開けたと同時に――――最高潮まで駆け上がる。

 

「―――ッ!」

「ッ―――!」

 

殺害など厭わない、死など構わない。

 

この戦いは、そうでなくては意味が無い。

 

ギィは真っ向から己の重さを全て乗せ切った見事な突きの一撃を見舞いする。

 

フールは心の臓腑を狙い済ましたその一撃を真正面から受け、そして空を舞う木の葉が風で煽られるように、ひらりと体の外へと受け流す。

 

まるで隕石が降って来たような重さを持つ一撃をいなし、刃をギィの側へと向けてそのまま斬り上げる。

 

有象無象ならば、この返しで沈む。

 

だが、ギィは極めて冷静に身体が外側へ流れた勢いを自ら利用してそのまま前のめりになるように前へ転がり、心胸を削り切ろうとした返しの一撃を避けてみせた。

 

「フッ――!!」

 

刃を研ぎ直すように鍔迫り合いから刀を引き抜き、連なる火花が巻き起こる。

 

限界まで研ぎ澄まされた剣の切っ先が、フールの左胸をほんの少し傷付ける。

 

フールはギィの突きを刃で滑らせながら踏み込み、弾いた後の振り下ろし。

 

「――――っ」

 

斬り下ろしと共に跳ねた剣が、正確に刃を見切るフールの顎付近を空振りする。

 

それと同時に、フールはギィの腹部に太刀を薙いでいた。

 

掠めて裂けた肌から、血が粒となって風に流れる。

 

互いに後ろへと飛び下がり、合間を測る。

 

体が歓喜に打ち震える。

ギィにとって、これほどまでの強者との死合は本当に本当に久しぶりだった。

 

「楽しいなぁ、おい」

「そうですか? イカれてるんじゃないんですか?」

 

憎まれ口を叩くも、フールの声は明らかに上擦っていた。

 

互いに一度、納刀。

 

フールは右手の中でくるりと柄を一回転させて鞘へと納めると、右足の踵を前へ向くように置き、左足を大きく後方へ引き下げる。

 

左手で鞘を掴み、右手は緩く柄全体を握る。

 

居合の構え。

 

これまた鏡写しのように同じ動きをしたギィを見て、フールは少し先の未来を正しく予見する。

 

そして、堪え切れずに笑い出した。

 

「あははははは! 貴方は最高だ、ギィ! 素敵、素敵です! 私に最初に追い付いたのが、貴方で良かった!!」

「いいや? オレはお前を追い越すぜ?」

 

ずるり、ずるり、氷が擦れる音を立て、半歩ずつ歩み寄る。

 

そして火花と共に、鯉口は切られた。

 

月影(げつえい)

 

紅月(べにつき)

 

引かれた斬撃が、互いの中心点にて交わる。

 

一筋の銀光を残す濡羽色の『刃』と艶やかに光る紅緋色の『刃』が世界を分かちて(せめ)ぎ合う。

 

僅かな違いも無く威力は同等、二つの『刃』が潰れて弾けると同時にその余波が境界に沿って氷の大地に刻まれる。

 

糸のような一筋の深い亀裂を果てしなく残し、残滓の火花が二人の間に散り落ちる。

 

これで終わらぬことなど、双方共に分かっていた。

 

既に、間合い。

 

重ねて四つ、引いて七つの剣戟を結び、斬撃が千となって周囲を飛び交う。

 

フールが天を仰ぐ。

 

不覚にも迎撃し損ねた紅緋色の斬撃が六つ、上空から飛翔して来ていた。

 

斬り付けた太刀を手放し空中にて半回転、空を見据えて『刃』で『斬る』。

 

六つ纏めて逆手で刃を振り抜き、唐竹に斬って割る。金属を弾くような甲高い音が響き、フールの立つ場所より他を切り刻むようにして地面に斬撃がどこまでも沈み込む。

 

ギィの剣が空いた胴を薙ぐ。

 

それをフールはいつかのように剣の一筋を避けるようにして「夜裂(よるさけ)」で「世界(ワルド)」の横っ腹を打ち据える。

 

剣筋を真下に押し下げ、振るう刃の先端に至るまで力を抜くことなく振りきる。

 

世界(ワルド)」が地面に突き刺さる。

 

「今更だが、なんで『世界(ワルド)』と切り結べるんだよその(なまく)ら!」

「武器への愛の違いが出てるんじゃないんですかッ!?」

「ほざけ!!」

 

返す刺突を、顔を傾けるだけの最小の動きで躱すギィ。

 

呼吸すら憚れる戦闘の中、想像を絶するほどに濃密な数瞬が繰り広げられる。

 

剣同士が散らす火花の煌きや、閃く刃、無数の斬撃の応酬は背筋が震えるほどに美しい。

 

「埒が明きませんね」

 

フールの身体が霞む。

 

背筋を伸ばしたまま踏み込み、上段に構えた「夜裂」を音を置き去りにして振り下ろす。

 

それはおそらく、これまでで最も速い一撃だった。

 

だが、既にギィの目は慣れている。

同等以上の相手と死合う感覚も大方思い出した。

 

振り下ろされる「夜裂」の刀身に「世界(ワルド)」の切っ先を添える。

 

弾くのではなく、逸らすのではなく、ただ添える。

尋常ではない速さで振り下ろされるこの太刀は、その速度によってただ触れるだけで大きく太刀筋を退けることができる。

 

瞬間、両足に力を込め、ギィは一気にフールの懐に潜り込む。

 

ただ全身にあらん限りの力を込め、叩き割るようにして真っ直ぐに「世界(ワルド)」を振り下ろす。

 

フールは「夜裂」の長い柄を巧みに操り、鍔でなんとか一撃を受け止める。

 

互いの鍔と鍔が競り合い、火花を散らす。

 

ギィは至近距離にてフールの顔を見つめた。

表情も何も無いが、だがフールは確かに笑っていた。

 

それを見てギィの頬が緩む。

口の端が上がり、歯を見せる。

 

「お前、今笑っているだろ?」

「ええ、そうですとも! 楽しいでしょうが、斬り合いというのは。技を磨いて命を取り合うとは、愉しいでしょうが。ギィ、貴方もそうなのでしょう?」

 

フールがつま先で地面を蹴り、後ろに飛ぶ。

視線は決して外さず、間合いを測り直す。

 

そしてフールは、刀を振り被り上段にて構えを取った。

 

修羅の纏う雰囲気が更に一段階、変容する。

 

「とっておきをお見せしますよ」

 

かつて、天を裂いた時を思い起こす。

 

上段に置いた刀をさらに上へ上へと振り被る、太刀の(むね)と己の背を合わせる程に大きく、再三の隙を見せて更に上へ振り被る。

 

夜裂(よるさけ)」の纏う『刃』から、黒い火花が流れ落ちる。

 

一月と一日、剣を振り続けた果てに遂に天を裂いた時、フールはその先の夜空を見た。

 

蒼穹と蒼穹の間からは、余りにも大きな暗黒が顔を覗かせていた。

 

よってフールはそれを、剣技の名とした。

 

一瞬の静寂。

 

刹那、彼我の距離は消失する。

 

ギィの正面にてただ無心にただ渾身の力を込めて、逸らせた背中を一気に前へとたたみ、フールは太刀を振り下ろした。

 

 

冥天(めいてん)

 

 

空が裂ける、音が割れる。

 

ギィはその一刀を迎撃しようとし―――全力で横合いへと飛び避けた。

 

あらん限りの力を込めて真っ向へ振り下ろされた一撃は、寸前までギィが立っていた場所を真っ二つに斬り払う。

 

位置も、長さも、何もかも無視し、斬ったという(あらわれ)だけが波が引いた後に見せる白泡のようにその場に残る。

 

大陸は遠くまで二分され、遥か彼方へと届くような地響きを立てて氷の大地が裂けた奈落へ崩れ落ちる。

 

「これを避けるとは。やはり貴方は素晴らしい」

「はは……頭が痛ぇ……」

 

ギィが天を仰いで冷や汗を垂らす。

 

広大な晴天は果て無く斬り裂かれ、その先から宇宙が夜空となって二人を見下ろしていた。

 

文字通りに、天地が割れている。

 

「ならば、こちらもとっておきを見せねばなるまいよ」

 

ギィが右手に持った「世界(ワルド)」を真っ直ぐ横に構える。

 

フールと同じく、その構えに防御という概念は無い。ただ腕をまっすぐ伸ばし、伸びる一本の枝木のように剣と同化する。

 

「フール。お前も知らない『答え』を見せてやるよ。異なる二つの力、『刃』と『魔力』を無理やりに融合させればどうなるのか」

 

世界(ワルド)」の刀身を紅緋色が蠢いた。

 

鮮血を思わせる質感の『刃』に棲みつく『魔力』。

沸騰しているわけではないだろうが、沸々と気泡が浮くように蠢き、生命じみた複数の胎動を見せる。

 

フールは直感した。

 

不味い。

 

これは、刀で弾ける次元に無い。

 

「避けろよ? フール」

 

ギィは静かに「世界(ワルド)」を横一文字に振るい。

 

そして、蠢く『刃』と『魔力』が弾けた。

 

崩滅虚触獄斬(カタストロフィアイクリプススラッシュ)

 

万物を消滅させる虚無の一閃が通る。

 

フールは咄嗟に自分の足元に斬撃を飛ばし、爆ぜた勢いでほぼ吹き飛ぶように転がった。

 

横転する中で耳に届いたその一閃の音は、根源的恐怖を呼び覚ましてなおも余りあるものだった。

 

「ッ……恐ろしい」

「ああ。オレもそう思うね」

 

振り返った先にあったのは、斬撃上の一切合切を消滅させた大地。

 

『斬る』と『虚無』。

 

地盤は不自然にズレ、空気が乱れて荒ぶり、空間は僅かに歪んでいた。

 

「………」

「………」

 

互いに一度、無言の内に構えを直す。

 

予感が来る。

おそらく、次に抜いた時がお互いの最後の時。この楽しき斬り合いの最後の場面。

 

二人が選んだ最後の構え。

 

フールは居合。ギィは正眼。

 

しばし沈黙が場を包み、両者共にこの瞬間を噛み締める。

 

「―ッ」

「ッ―!」

 

フールの腕が掻き消える。

 

先の先。

 

先に力んだのはフール。

 

一瞬の閃光が流れ、最短にして最速の抜刀がギィの頸へ伸びる。

 

「っ」

 

後の先。

 

振り抜かれる太刀に構わず、ギィが音も無く間合いを詰める。

 

そしてもう一度、フールへと()()()()

 

「!?」

 

()()()()()()()()()ギィの顔に、太刀ではなく握る柄が強打される。

 

衝撃によろめくも、構えを崩すほどではない。

 

そのまま上段から「世界(ワルド)」が振り下ろされる。

 

がら空きの脳天に向かい、一直線の刃が迫る。

 

「――――」

 

ここに至って、フールの柄を辿る指先に迷いは無く。

 

空振った太刀の切っ先を返し、順手のまま内へと()()()()

 

落ちる剣の速度に太刀を合わせ、再びギィの頸へと飛翔する。

 

二筋の光が鮮烈に走る。

 

「「…………」」

 

ギィに敗因があるとすれば、それは剣の才能だろう。

剣を振らずとも最強に至れたギィは、剣の果てを求めることを怠った。

それは、フールに負けてからの期間だけでは、到底補えるものでは無い。

ギィは、剣の果てを見ることが出来なかった。

 

そしてギィに勝因があるとすれば、それもまた剣の才能だろう。

ギィはフールを見、ただ自らの力のみで剣の高みへと至った。

その才能は最後の最後で、フールの予想の上を行く一手を編み出した。

 

「お前の親が余計なことをしてなけりゃ、レインとミザリーをお前の許で修行させるんだがなぁ」

「おや、関係の無い言い掛かりは止めてもらいましょうか。しかもその時の私はまだ知性が無かったので止められなくてもノーカンですよノーカン」

 

ギィの剣はフールの頭蓋で、フールの太刀はギィの頸筋でそれぞれ止まっていた。

 

互いに僅か薄皮一枚押し込めば斬れる距離。

 

残心、のち、二人は同時に刃を鞘へ納めると、一歩ずつゆっくりと離れていく。

 

つまりこの戦い、相討ちである。

 

「剣の腕さえ、追い付かれてしまいましたか」

「……次は超えるぜ?」

「それは、剣の果てを見てから言ってください」

 

双方、一礼。

 

これにて決着。

百年越しの再戦は、ひとまずは遂げられた。

 

見ていたミリムは大満足のようである。

 

「よーしよしよしよし!!」

「ホア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!」

 

飛び付いたミリムに撫でられてフールが絶叫する。

 

その様子をギィは残念なものを見るような目で眺めていた。

 

「この感情を……なんと言い表せばいいんだろうな……」

 

やがてギィは、諦めたような清々しいような顔で言い放った。

 

「お前の呼び名、今日から変態な!」

「ホアッ!?」

 

 

 

 

 

 

×××

 

 

 

 

 

 

フールを連れて「忘れられた竜の都」にある神殿に戻ったミリムは、出迎えたミッドレイにフールを預けて早々に再び飛び立った。

 

これからミリムのやろうとすることを知られるわけにはいかないからである。

特にフールには。

 

しかしそんなことは露知らず、フールは話しかけてくるミッドレイへ面倒臭そうに対応する。

 

「待ちくたびれたぞフールよ! さぁ、空いた時間を埋め合わせるために思う存分――」

「一応聞きますが、無手ですか? 帯刀ですか?」

「おお! 流石はフールであるな、話が早い!! もちろん帯刀――」

「無手ですね、早く行きましょう」

 

ちなみにフールに限り、神殿内での帯刀は禁止されている。

理由はミッドレイが死ぬからである。

 

前に一度だけミッドレイは帯刀のフールと戦ったのだが、その時に割と洒落にならない程の傷を負っている。

 

だと言うのに、それ以降もフールが刀を持っていると、ミッドレイは懲りずに帯刀での戦闘を要求するのだ。

 

本人は笑っているが、周りが笑えないのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くくく……クハハハハハハハ!! これで、最強の人形が手に入りましたよ!」

 

クレイマンがミリムを殴り飛ばす。

 

ミリムは操られているかのように、微動だにせず吹き飛ばされる。

 

「新参の魔王だと私を舐めていたのに、このザマとは、情けないですねミリム!」

 

何度も何度も、執拗にミリムを足蹴にする。

 

痛くも痒くもないそれを受けながら、ミリムはそっと心の中で思った。

 

(やはりフールを連れて来なくて正解だったのだ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お読みいただきありがとうございます。

こ、これでギィの強化は完了です……(明後日の方を見ながら)
後々後悔するような強化の仕方をしてしまったので、後々後悔します(予言)

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