厄ネタの集合体   作:覚め

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死神「死神です」
仙人「あほしね」


仙人です

「クラァ命寄越せぇ!」

 

そんな声で俺の仙界に足を踏み入れないでほしい。とっとと逃げる。今来たのは死神だ。お命頂戴の方。多分魂をあの世に送ったり変な妖怪みたいなのを切ったりするやつは別。死神らしく鎌を持っている。が、俺も死にたくはないので奴らを見るのはやめだ。こいつらしつこいんだよ。例えるなら、キレた時の華扇。その先二ヶ月は根に持つ。面倒だ。死神の数を数えると、なるほど俺も随分と長生きした。恐らく寿命超過率は青蛾と並ぶだろう。青蛾が何歳か?知らん。俺より長生き。

 

「あー怖い怖い」

 

「あら、懐かしい」

 

「あ、青蛾」

 

「貴方の仙界に匿って欲しいのだけれど」

 

「残念。今俺の仙界には死神だ」

 

「あら同じ」

 

そう言って素早く俺はその場を去る。死神に追われるような奴が二人同じ場所にいるなんて不吉だろう。とは言っても俺の全力はそこまで高出力じゃない。ではどうするか?…これが奇怪、どうしようもない。とりあえずは逃げ回りながら死神の数を減らそうと考えていたのだが、青蛾が先程からよくついてくる。死ね。死なねえんだったか。いやそれでも死ね。と言ったように、俺と青蛾の死神を合わせた途端数を減らす作戦はバカらしくなる。何がとりあえずだ。とりつく島もねえんだぞ。

 

「お前、キョンシーは?」

 

「芳香ちゃんにあんな野蛮な集団を食べさせるわけないでしょ。」

 

「過保護だなぁ」

 

懐から紙を取り出す。妖力で紙に術式を描き、手頃な強さの妖怪はいないかと見渡す。と、デカいだけであろう妖怪が目に入った。なるほどこれくらいなら多少はマシだろう。紙を二枚貼り付け、俺の指示を聞くように作り変える。青蛾にも協力してほしいが、そのような気配はない。華扇もこればかりは手伝ってはくれないだろう。死神が追う理由自体は正当だからだ。と、現実逃避もできないでいると面倒な妖怪に出会った。風見幽香である。青蛾は仙界に死神でもいるのか、帰りたいが帰れないと言った顔をしている。俺もである。

 

「…今日はいい日ね。変に花や木々が騒ぐから何かと思えば…そう、死神が…」

 

「あ、やべえこれ」

 

「どのように泣かせたのかしら」

 

「ここら辺の大地の力を弄ってたら殺されかけた」

 

「…フラワーマスターの根城で?」

 

あいつそう呼ばれてるんだ。そう思った時に妖力の気配。青蛾を無理にでも蹴飛ばし、マジックアイテムを構える。魔力を全身に込める間もなく襲ってきたのは妖力の放出。襲ってくる妖力を片っ端から魔力に変換し、マジックアイテムで吸収、しきれないので吸収した魔力で少しだけでもと弾く。まあ当然意味はないに等しいわけだ。もちろん近づけば死ぬので接近も無理。そろそろ服や皮膚が焼けてくる。どこがフラワーマスターだ。こいつのやってることって大体熱線だろ。ヒーターマスターに変えちまえ。

 

「前よりもかなりしぶとくなったわね」

 

「青蛾、すまん逃げるわ」

 

「私に大人しく殺されるなら、死神の大群も私が対処してあげるけど、どう?」

 

「死んでくださいます?」

 

「青蛾!?」

 

「全く死んでほしいです」

 

「何年一緒に生きたと思ってんだ!?」

 

「何回厄介ごとに巻き込まれたかしら」

 

あーこれめんどくせ。仕方なしに口に指を突っ込み、別なマジックアイテムを吐き出す。俺の能力上、互いに干渉し合って予測できないマジックアイテムを作られる現象は防げる。まあこのように腹の中に入れて魔力を常に変換し続けることが条件だが。ちなみにこのマジックアイテムは魔力を込めると煙幕を出す。腹の中に置いたまま起動すると口とケツから煙が出る。煙たいし不格好だから余程使わない。とにかく、煙幕を出しまくって風見幽香の目の前から消え去る。吐き出したマジックアイテムを飲み込むのは忘れずに。

 

「ゔっ…」

 

「芳香ちゃんにその機能をつけなくて良かった」

 

「見捨てた癖に、付いてくるな」

 

「見捨てたわけじゃないです、私の帰りを待つ子か貴方を比べて、子を選んだまで。」

 

「…ところで、死神の襲撃が終わるまで後どのくらい?」

 

「勝つまで終わりませんけど」

 

「…なるほど」

 

根本的な勘違いか。いやそもそも俺自身立場が微妙なのだ。幽霊といえば幽霊、しかし仙人と言えなくはない。だから俺は仙人を名乗っている。しかしここで厄介なのが神霊廟の奴らのように依代のようなものはない。つーか実際、死んだし。遺体も持ってる。青蛾もそうだろ?…違う?あ、じゃあそれだ。あいつらいつも中途半端に辞めるんだよな。多分、俺が仙人としても死者としても中途半端だから変なタイミングで切り上げるわけだ。…つまりお前の隣ってかなり不味くない?

 

「ところで、その死体はどのような状態で?」

 

「随分昔のだからな。呪いと周りのマジックアイテムで保護されてる。」

 

「…私に託してみない?」

 

「触れたら腐る呪いに自我が奪われる呪い、視覚のどこかに何かが見える呪い。災いを招く呪いだとか色々。」

 

「やめておくわね」

 

「呪いの対象である魂が今こうやって自律してるから呪いが出てないだけ」

 

「良いから」

 

背後に死神集団が見えた。ので、高所から死神を見下ろしてみる。するとどうだろう。やはり俺の分は消えていた。ので仙界に帰る。青蛾もついてきた。疑問なのだが、青蛾は立ち向かわなくて良いのか。勿論俺は青蛾に長生きしてほしいので仙界から叩き出す。帰って仙界を眺め、死神が荒らした箇所を直す。あいつら、俺の作った庭園をぐちゃぐちゃにするんだ。なんの嫌がらせだよマジで。どっかで閻魔に告げ口してやろうかな…いやでも出会い頭に滅されるか。あいつら律儀だもん。

 

「おや、今日は死神の日でしたか」

 

「華扇ちゃんは荒れた風景見てもなんとも思わないの?」

 

「柏のことだから、てっきり自分でやったのかと」




Q.なんで華扇は嫌い寄りの柏の仙界に?
A.青蛾と一緒にいたな。訳を聞こうか。というだけ
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