オーバーロード <物語の分岐が確認されました> 作:ヒツジ2号
十傑は皆あまり情報ないですが、頑張って考えてギャグ時空に放り込みました。
今週は結構忙しくて毎日更新は出来ていませんね…
「…という訳で、ハリシャは対等な交渉を反故にし、俺に攻撃をしてきたので止む無く交戦となった。その結果、ハリシャは死んだ。
ハリシャとの戦いの後、ショータローが
その後1日かけて祭壇へその他の側近を集め、彼らに起こったことの顛末と、今後のことを説明している。
今彼らの誰もが攻撃してこないことを考えると、敵対する意思は無さそうだが、最終的にどのように判断するかは分からない。
ハリシャの側近のうち特に年長の者たちが集まって方針を決め、後日正式にバザーに報告するという事になった。
「いずれは配下とすべきかと思うが、あの者たちは恐らく長年暴君たるハリシャの元で耐えてきた筈だ。ここで力で押さえつけるようなやり方を取れば後々禍根となることもあろう。まずは奴らの判断を尊重すべきだ」
「ふーん…お前、意外と王様してるんだな。ギルマス経験ありか?」
「バカ者が。貴様が忍び込んで来るずっと前から王だ。それに何だ、“ぎるます”とは。貴様の言う事は時々意味が分からんぞ…まあ兎に角だ、次は
「マーギロス?どんな奴ら?」
「魔法行使能力に特化した連中だ。女王のナスレネ・ベルト・キュールは第4位階までの複数の属性の魔法を同時行使できると言う。正直言って俺たち
「ん?第4位階って、最大で?」
「そうだ。噂では
「ちなみにお前はそのナスレネってのに勝てる?」
「…不意を打って魔法発動の前に攻撃ができるかが鍵になるだろうな。奴の配下どもが多数いて、そいつらに支援を受けている状態となると勝率は低くなるだろう」
「ふーん…レベル的には行けそうな気がするけどな。まあいいや。じゃーさ、一旦オレだけで様子見て来ようか?」
「貴様…俺の話を聞いていなかったか?奴は透明化が効かない可能性があるぞ」
「あー、それなんだけど、もう一段階上の魔法で
「は……?」
「だから、一旦オレだけで様子見てきて、そこで透明化も試してみるよ。透明化でも行けそうだったら、また一緒に忍び込めばいいだろ?」
「いや…待て待て待て。意味が分からん。第5位階で見破れない魔法?それをお前が使えるのか?……いや使えるとしてだ、それを俺にもかけてくれればいいんじゃないのか?」
「
「…良く分からんが、貴様の切り札という訳か?いや、しかし透明化を試すという事は、万が一奴が透明化を見破れる場合、貴様は奴らのど真ん中に突然現れた侵入者という事になる。貴様は…まあ転移もあるし逃げてくることが出来るのかもしれんが、その後の交渉で貴様が
「あ、それはたぶん大丈夫。
「…いよいよ貴様が人間なのか、俺は本気で疑い始めたぞ…はぁ…まあ貴様が大丈夫というなら大丈夫なのだろうが、くれぐれも大暴れはするなよ?」
「おーけーおーけー。任せてくれよ」
「…非常に心配なのだが」
その後バザーとショータローは、
見張りと思われる者が立っている遺跡地帯の入り口から充分離れると、バザーはナスレネの特徴を説明し、ショータローに透明化をかけてもらうと、その場で待機する。
「じゃー行ってくるわ。もし透明化が切れて敵に見つかりそうだったら家に帰ってていいから。オレも透明化がバレるかどうかだけ確認したら帰ってくるつもりだけど、長引くかもしれねーし」
「分かった。くれぐれも暴れるんじゃないぞ」
「分かったよ。しつけーな」
ショータローは
遺跡地帯の中には石造りの小屋のようなものが散見され、
るし★ふぁーは
二足歩行で4本の腕を持つ人型亜人。
全ての者は布製の衣服を上半身、下半身に纏っている。
僅かな者は金属製の腕輪などをしていたり、
るし★ふぁーは近づいて観察してみたが、金属製のアイテムは非常に弱い魔法効果を持つ物が多く、素材となる金属のレアリティも低かった。
衣服は、ほとんどが魔法効果なし。
肌を隠すための単純な衣服でしかないようだ。
天使の本性の姿の時のるし★ふぁーは、ほぼ純粋な魔法職である。
これは最高位のゴーレムクラフトを可能にする
人間種の時は、そういった強さについては一切考えておらず、戦士系、魔法系関係なく、芸術家っぽく、かつこっそりとゴーレムを仕込むよう悪戯が出来そうなスキルや魔法を取っていくという滅茶苦茶な構成になっている。
結果的に戦士としては50レベル、魔法詠唱者としても50レベルでギリ第8位階が使える程度なので、
そう言う訳で現在は、完全不可知化のために天使の本性となっているため100レベルの魔法職である。
カンスト魔法職から見て、多くの
念のためいくつかの小屋に侵入してみたが、めぼしい物は見当たらなかった。
おそらくアクセサリーとしての目的で身に着けるのだろう、金属製の腕輪や指輪などがあったので念のためいくつか失敬したが、十分な量の素材という目的には遠く及ばない量だったので、さっさと女王のナスレネを探すことにした。
上空から遺跡地帯の様子を見ていたところ、中心付近に一際大きい遺跡の建物がある。
これは他の小屋とは違い、遺跡そのものを活かしたつくりとなっていて、おそらくは古代の神殿か何かなのだろう。
他に大きな建物は無いし、そこにあたりをつけると、るし★ふぁーは中に入りこんで目当ての人物を探す。
入り組んだ石室の最奥と思われる広い部屋に中に、三人の
中央の1人は座って、テーブルに置かれた鏡を見ながら、何やら魔法や化粧品のようなものを自身にかけていて、左右に立つ2名はその様子を見守りながら、やはり中央の1人に魔法をかけたり、話したりしている。
この3人は衣服のようなものを身に着けておらず、バザーに聞いていた通り、体中にいくつかの刺青が浮き上がっている。
中央の者は最も多くの刺青が見られ、この者がナスレネである可能性が高いだろう。
確証を得るために、るし★ふぁーはその3人に近づき、会話に耳を傾ける。
「ジェマンゴ、もっと背中の方にも保湿液をちゃんと塗り込みなさい」
「はい、ナスレネ様…ですがもうべちゃべちゃでございますよ?」
「よい、常に潤っていられるようにしっかり水分を乗せておきたいのじゃ!ヴェルマンドラも、香水をもっと全身まんべんなく掛けよ!」
「ええ…ナスレネ様、もう全身くまなくかかっていると思いますよ?かけ過ぎは逆に匂いがきつ過ぎるのでは…?」
「えーい!!いいからかけるのじゃ!お前たちの様に何もしなくても若くて美しい者には私の今の苦労は分からないのじゃ…お前たちもあと50年もしたら同じことに悩むことになるのじゃ…」
「私たちも若いと言える年齢ではありませんが…」
「だったら私はどうなるんじゃ!!」
どうやら真ん中の者がナスレネで確定の様だったが、会話内容とは裏腹に、他種族である、るし★ふぁーには3人の年齢差というものが全く分からなかった。
3名の背後にはおそらく彼女(?)らの物と思われる、
やはり女王とその側近の装備だけあって、何らかの魔法効果があるように感じる。
後でじっくり鑑定しようと思い、るし★ふぁーは静かにそれらを
そして未だ美容談義をしている3名の目線に入る位置に移動して手を振ってみるが、やはり
次に確認しなければいけないことは、3名が透明化を見破れるかという事。
見破れなかった場合は、透明化したバザーと共にここに再度転移してきて、圧倒的有利な状態でバザーに話をさせればいい。
3名の魔法の実力的に、ショータロー状態でも問題なく対処できそうだし、装備も奪ったから魔法力も落ちているだろう。
見破れるものが居た場合は、一旦退いて、先の
ショータロー状態で一緒に居ても、姿を見られた、るし★ふぁーと同一人物とは思われないだろう。
天使化状態で少しクレバーになっているショータロー改め、るし★ふぁーは、頭の中で今後の動きを確認する。
そして、自身にかかっている完全不可知化を解き、瞬時に透明化をかける。
始めに気づいたのは、左側に控えていたジェマンゴだった。
彼女は女王の背中に念入りに、明らかに過剰な量の保水液を塗り込んでいたが、女王の前にある鏡をふと見遣ると、自分たちの背後に違和感を覚え、透明化看破の呪文を唱えた。
そして素早く振り返り、
「侵入者め!何奴だ!!」
状況を理解したヴェルマンドラも素早く透明化看破を唱え、同時に
「ナスレネ様、お下がりください!!」
配下の2名は素早くナスレネの前に立ち、放った魔法の行方を見守る。
炎と雷撃の作りだした衝撃と熱が消えた時、部屋の扉付近に居た曲者は、何一つダメージを受けていない様子で佇んでいた。
「なっ…!」
「天使…だと?!」
側近の2人は元より、ナスレネ自身も天使など見るのは初めてであった。
いや、正確に言えば、人間の国家である東のスレイン法国には、天使を召喚して戦うものが居るという事は知っている。
だが彼らは、アベリオン丘陵に住む亜人に対して、積極的に攻撃してくるということは無く、知性を持たない種族や、血気盛んな愚か者が国境を越えて侵略に行った際に討伐に乗り出すという状態であったはずだ。
ナスネレもこのことはよく理解しており、女王となって数十年、部下へも無意味に東の国境を越えて人間の国家へ侵略をしないよう言いつけてきたつもりだ。
だというのに、その天使は今、自分たちの前に現れた。
人間国家を侵略したわけでは無いのに…
いや、まさかこの天使は法国とは関係なく、愚かな人間どもが信仰するように悪たるものを討ちに来たというのだろうか?
確かに愚かで脆弱な人間など滅んでも構わないと思っている。
だがそれを実行に移した覚えはない。
いや、もしかしてアレか?
女王として地位が確固たるものになるに従い、男たちは私のことを敬遠するようになっていった。
そうこうしているうちに結婚適齢期はとうに過ぎ、高齢期に差し掛かり始めている。
そうしているうちに若くて美しい部下たちが妬ましくなり、かなり悪辣な嫌がらせをしたことが何度もある。
今左右に控える2人は、そんな私であっても献身的に世話をしてくれる側近で、2人とも第3位階に達し、いずれは私の後を継いでくれるかもしれない。
この2人のおかげで、少しだけ心を入れ替えて悪辣な嫌がらせも10回に2-3回くらいに減らしたというのに、過去に成した“悪”を天使は許さなかったという事か…
種族特性で相手の魔法の力をある程度感知できるナスレネは、たった今、2つの魔法を受けながらもまるで意に介さないように佇むその天使が、隔絶した力と強い“聖”の気配を持っていることを感じ取った。
「天使よ、スレイン法国から来たのか?それとも…私を断罪しに来たのか?」
ナスレネの言葉にその天使は、一緒考えるような素振りを見せて答える。
「スレイン法国は関係ないし、断罪というのも分からないな…心当たりがあるというのならば私が天誅を与えても良いが?」
ナスレネをはじめとした3名は、天使の言葉に驚いた。
いや、正確に言うと、天使が非常にクリアに会話をしたことに驚いた。
彼女たち…というかこの世界の者の認識では、天使というのは言葉など特に発することは無く淡々と行動するモンスターのような認識であったから。
だから、その天使が会話可能であるという事で、ネスレネは一旦は天使の意思を確認しようと考えたのだ。
「他種族…このアベリオン丘陵の者や、隣接する人間やエルフどもなどは、脆弱で滅んでも構わぬ存在と考えているのは事実じゃ…それと…その…この歳となって、若き者に対する嫉妬のような感情は常にある…それらが罪というのなら罪なのじゃろうな」
「“この歳”?…いや、私にはお前が歳を取っているかなど分からんな。正直左右の二人と変わらぬように見える」
「…へっ??!」
「それと他種族の件だが、お前がそのように思うのならば、せめてこの丘陵内で信頼できる種族と手を取り合い共存の道を歩くのも悪くないのではないか?お前がその道を歩けたならば、私はそれをもってお前に祝福を与えよう!」
「祝…福…」
「ああそうだ!ナスレネよ!それではお前の行動、確かに見守っていよう!その時まで、さらばである!!」
そう言うと、その天使は瞬時に姿を消した。
呆然とする側近の2名であったが、ナスレネが小さく呟いた。
「裸…見られた」
そういえば3名は美容のあれこれを試すために全ての衣服や装備を脱いでいたのであった。
「あの天使は、私の歳はお前たち二人と変わらぬと…」
側近2名は、『それは流石にリップサービスだろう』と思ったが口に出さなかった。
「祝福を、いただけると…天使との子供を作ることは可能じゃろうか…」
側近2名は『いやアンタ何言ってんの?!!』という言葉をあと少しで口から出しそうだったが、何とか飲み込むことが出来た。
一度思い込んだ、拗らせ高齢処女の気持ちは加速していき、もう側近たちの声は届かなかった。
その数日後、和平交渉という名目で訪れたバザーの提案を、ナスレネは二つ返事で受け入れる。
バザーは、ナスレネの目が若い生娘の様に澄んでいたことに若干の違和感と少しの気持ち悪さを覚えながら、とはいえ
ショータローが戻ってきた際、『普通に交渉すれば仲間になってくれる可能性が高い』と言っていたが、まさかこんなにアッサリと
ある程度ひっかきまわして、何らかの問題を発生させて帰ってくると予想していただけに、バザーは非常に不本意ながらも、ショータローの株を上げざるを得なかった。
なお、ナスレネは宰相のような地位に就くことになり、それ以降魔法的な知識が乏しいバザーの魔法知識面での補佐を行う事となる。
敢えて説明する必要はないと思うが、ペロロンチーノは出てこない。
天使は間違いなくクレバー寄りの種族だと思うんですよね。
でも★の本質として、厨二病かつ悪戯好きなので、装備はしっかり拝借しつつ、こんな感じの調子乗った会話を繰り広げるのではと考えました。
ナスレネ、生存です。
ペロロンチーノは、ちょっと気持ちが悪くなって夜風にあたりに行きました。