オーバーロード <物語の分岐が確認されました> 作:ヒツジ2号
ドラゴン・センスにてアンデッド以外のモンスターはいないことを確認する。
暗視のスキルで暗闇を見通してみるが、視覚的にも
『この俺が、目に見えぬ何者かに怯えているというのか!!何者かは分からぬが弱き下賤なる者が俺の計画を邪魔するなど…必ずこの借りは返してくれようぞ!!』
この新しい住処は、以前のものよりはやや狭く、おそらくは人間種が坑洞として使っていた為か、壁に良く体をこする。
現に尻尾などには鱗が剝がれてしまっているか所もあるようだ。
『クソが…忌々しい…』
警戒故、日に何度か洞窟の中を移動する以外、彼は最奥の空間に広がる広い場所で丸まりながら休む。
前回の“吸魂”では再使用が可能になるまで数年程度が必要だった。
だが、自身の存在が周辺国家に伝わるのを避けるため、慎重を重ね、その
今回、この場所に飛来するまでに見た周囲の地理を考えると、この半島はその周囲から隔離された土地の様だったので、さっさと北のエリアの魂も吸い尽くして、半島全体を根城とした方がいいかもしれない。
ここより北東は、確か白金が管理していた場所だった気がする。
もう奴とも200年は会っていないが…
***
ショータローは、旧ボディポ侯爵屋敷にて、アンデッド・ゴーレムズが回収した情報と鱗を受け取り、転移にてデボネ近郊のログハウスに戻る。
何度目かの往復で得た情報として、どういう訳か少なくともあの竜王の周りに集まるのは
この傾向から、現在は
これは
かつての仲間、軍師ぷにっと萌えから教わった様々な教訓は、いかにバレない悪戯を実行できるかという目的のために、るし★ふぁーの中に息づいている。
また、竜は洞窟からは出てこないことも把握したので、様々な鉱物由来のゴーレムが洞窟の入り口付近からゆっくりと侵入し、壁や鉱物の塊に擬態しながら、少しずつ竜の周りへ集結していっている。
これらは、生ける者が誰も居なくなった南部貴族の屋敷の資源を思う存分利用した結果である。
これに並行してショータローは、非常に低レベルの人間型ゴーレムを多数と、集めた鱗と手持ちの素材を使った強力なゴーレムを作成している。
これが完成すれば、60レベル台ゴーレムが3体となるので、バザーたちに相談後作戦を開始しても良いかと考えている。
***
***
黒き竜の存在が確認されてから、さらに半年以上の時間が経った。
バザーの自宅前では、パベルとネイアがフェイク・ペロロンから弓を教わっていた。
始めパベルは、単純に娘がゴーレムから弓を習う様子を見ていただけだったが、そのバードマンを模したゴーレムは、どう考えても自分自身よりも強く、弓の腕前は上であると感じた。
結果、現在はバラハ父娘がともに弓を習うという、このような状況下でなければパベル的に最高の時間となっていた。
「フェイク・ペロロン殿、つまりある程度の魔法的才能を持つ者がスキルと組み合わせることで、非実体の矢を放つことが出来ると?」
「はイお義父さン…アッ姉ちゃン違ッ…フグァッ!!…お父さン、その通りでス。残念ながらあなたはその才能が有りませんガ、ネイアちゃんは魔法の才能が有るのでその方向の力を伸ばした方がいいでしょウ。オレが見たところでハ、神聖属性の効果を持つ聖撃を乗せた非実体の矢を放つことが出来るようになっていまス。次は一度に放つ矢の本数を増やしていけバ、
「成程…しかしまさかネイアにそのような才能があったとは…さすが俺と妻の娘だ…何て優秀なんだ…」
パベルはこの国で最も優れた弓兵であったため、長らく師という存在が居なかった。
だが、ショータローくんが作成したというバードマンのゴーレムは非常に高い弓矢の技術を持っていて、パベル自身、そのゴーレムに師事したことで技術や実力の明らかな上昇を感じていた。
だがそれ以上に驚いたのはネイアの成長である。
ネイアは世界との接続は出来ていたものの、魔法そのものを使用するには至っていなかった。
だがフェイク・ペロロン師の指導で、その魔法力をスキルとして昇華し、非実体の矢を放つ技術を習得。
そしてネイア自身の、母のような聖騎士へのあこがれと、“正義”に対する思い、そして非常に強い“聖”の属性を持つショータローが手を加えた防具等を身に着けていたことで、聖撃スキルを非実体の矢に乗せて放つことが出来る。
彼女の職業レベルは、この世界の謎ルールと、熾天使を宿す子供との出会いにより『サーバント』と『パラディン』を経ずに、いきなり『セイクリッド・アーチャー』を取得している。
パベルの目から見て、レンジャーや弓兵の技術自体はまだまだだが、それは単なる経験不足によるものであって、神聖属性を込めた弓撃は特殊且つ非常に高い攻撃力を持っていると感じる。
ちなみに、フェイク・ペロロンは時々謎の『姉ちゃん』なる存在について口にし、その後悲鳴を上げ、言葉を言い直す、という良く分からない挙動を示すので、そのことを尋ねたが、ショータローによればそれは仕様なので気にするなと言われ、以降はパベルはスルーすることにしている。
そうこうしていると、日は西に傾きショータローが転移してきた。
「ショータローくん!」
「あ、ネイア。おつかれー…ん?またレベル上がってるな…」
「れべる?」
「あ、えっと…強くなったってこと」
「うん、ショータローくんとフェイク・ペロロンさんのおかげで、一度に3本の矢が出せせるようになったよ」
「そっか…自分の身を守ることに使えよな」
「…ショータローくん、私もショータローくんやお父さんみたいに、この国の正義のために戦いたいって思ってる。私も、もう弓兵部隊の一員だから、みんなに守られるだけじゃなく、弱い人を守りたい」
ネイアの、他人を射殺すような目は、その外見に反して強い正義の意思を宿すようになっていた。
多くの人が死に、街は混乱の空気と麻薬の蔓延で国は乱れている。
レメディオス率いる部隊は、カリンシャの前線で必死にアンデッドを押さえてはいるが、如何せんアベリオン統一国との国境のような長城壁が無いために、どうしても取り逃しがあり、北部でもアンデッドが散見され始めている。
幾つかの放棄された小都市ではアンデッドが集まり始めているし、一部は国境を越えてリ・エスティーゼ王国へと流れていくアンデッドもいる。
幼かった少女は、かつて考えた自分の中の“正義”を見つけて、彼女なりにそれを果たそうとしているのかもしれない。
「…わかった。じゃあさ、だいぶ前に作った、フェイク・ネイア。あれ、今後はお前の護衛にしても良いか?」
「え?」
「もうお前の方が背が高くてそっくりじゃなくなったからイタズ…活用が難しくなってきたし、ドゥエルの方も弟子が育ってきて、フェイク・ネイアなしでもインゴット作れるようになってきたし」
「え…えっと…」
ネイアはパベルを見てオロオロしている。
パベルは既にフェイク・ネイアというゴーレムの存在を聞いていた。
最初聞いたときは娘そっくりのゴーレムと盗みに入るとどういうことだ!と一瞬キレそうになったが、すかさずケラルトから治安維持および悪徳貴族の粛清目的だったのでしょうというどこかの大墳墓のNPCのような深読みを聞かされ、その矛を収めた。
そして以前、一度フェイク・ネイアを見せてもらったのだが、それは10歳頃のネイアそっくりで、14歳のネイアと10歳のネイアに囲まれて昇天しそうだったため最終的に怒りは一切なくなった。
ネイアがパベルに意見を求めているのは、弓兵隊の上司として、自分にゴーレムの護衛が付いているという状態が許されるのか?と聞きたかったためだ。
最終的にパベルは、フェイク・ネイアは任務の時はネイアを護衛し、任務外の時は一緒にバラハ家へ帰宅するという条件でOKを出した。
「で、ショータローよ。例の竜の様子はどうだったのだ?」
空気を読めるバザーは、バラハ家とのやり取りが終わるまで見守ってから、ショータローに確認した。
なおバザーも、時間があるときはショータローのゴーレムを借りて自己鍛錬をしている。
フェイク・バザーズのうち3体だけなぜか妙に強い個体が居ることが分かり、ショータローに許可を得たうえで、それらとの模擬戦を繰り返している。
結果ある程度レベルアップし、新たな職業レベルを獲得している。
『アベリオン・ロード:1レベル』
『アドボケーター・オブ・るし★ふぁー:2レベル』
…後者の職業レベルを得てしまった理由は、お察しである。
「ああ、そうだ、バザー、パベルさんも。ちょっといいかな」
「うむ」
「どうしたんだ?」
「オレの方の準備はだいたい終わったから、パベルさんは、前から言ってたデボネを貰う話、王女さんとかに伝えて欲しい。バザーの方は街の守りに入ってもらって、万が一竜が
パベルとバザーは、ショータローからの話を聞いて『ついにこの時が来た』と理解した。
この作戦は、軍師ぷにっと萌えから学んだ準備の大切さと、るし★ふぁーが本来持つ悪戯スキルを組み合わせた渾身の作戦である。
その内容は、
ネイアは軍の中の身分が高いわけではないのでこの作戦の全容を聞かされてはいないが、起こりそうなことをある程度は聞かされている。
これはショータロー自身や、ショータローとネイアの関係を知る者達が、ネイアの安全は最優先事項であると考えているためであり、予想外のパターンが起きても彼女に危険が及ばない様な行動をとらせることが目的である。
そこからさらに1か月後、ショータローは3体の60レベル台ゴーレムを連れてデボネに降り立っていた。
この1-2週間で、ゴーレムを用いてこの街のアンデッドは一掃され、代わりに人間そっくりのゴーレムが、人間の様に街中を行き交う。
それはまるで、人類が死に絶えたディストピアにおいてアンドロイドが人類を模倣するかの如く。
街中のいたるところには、石像などに擬態したゴーレムが設置されこの街のゴーレム密度はとんでもないことになっている。
まずは指揮官スキルを持つ“フェイク・ウルさん”に不可知化を施し、街の人間型ゴーレムの指揮権を預け、その中に潜ませる。
次に上空に不可知化した“フェイク・ペロロン”を配置する。
そして街の城門には比較的強いゴーレムが配置され、新たなアンデッドの侵入を防いでいる。
3体の60レベル台ゴーレムのうち、最後に作られた一体。
剥がされた黒色の鱗から作られた闇色のローブを纏う、恐ろしく威厳に満ちた骸骨の顔。
「始めようか。フェイク・モモンガさん」
『えエ、じゃあ行きましょウ。魔力を温存したいのデ転移はお願いしますネ』
その外見には似合わない、丁寧な口調の
ショータローは、自身に
そして嫉妬マスクで顔を隠し、ガントレットで骨の腕を隠した、フェイク・モモンガさんは洞窟に出入りする他のアンデッドにまぎれて、黒き竜の近くまで進む。
兼ねてより決めていた位置まで来ると、ショータローから始まりを告げる
その日、日課の周囲警戒を終えて洞窟の広大な空間で体を丸めた
“違和感”というものに敏感なその竜は、慌てて起き上がり自身の身体を見回す。
そこにはいつも通り自身が操る
『何をする貴様ら!!』
身体を大きく薙ぎ払うと、
いや…おかしい。
一部は
これは…石か金属のような感触………ゴーレムか!!!
その思考中も
大したダメージではないが鬱陶しくてたまらないし、鱗が剥がれた場所は何だか防御が落ちている気がする。
いや、それ以上に問題なのは、それらを操る存在がおそらく居て、そいつは自身に敵対している。
「ゴミがァァ!!!」
再び大きく体を薙ぐ。
このままではせっかく作ったアンデッドの防御衣が全て無くなってしまう。
次の瞬間。
ドドドドドドドドドド………!!!
残っていたゴーレムが一斉に爆発する。
「グウウゥゥ…クソがァァァ!!!」
ダメージはそこまででもないが、それ以上に小賢しい手段で自身にダメージを与えてきたという事実が許せない。
そして、再び
それらは凄まじいスピードで、
激しい怒りと共に焦りを感じる。
これは明らかに周到に準備された敵対的攻撃。
まさか、かつての塒で覗いていた者がついに牙をむいたか…?
そう考えた瞬間、出口に繋がる道から声が聞こえた。
「悪しき竜ヨ、魔王たるこのフェイク・モモンガさんの前でハあらゆる命など等しく無力な存在であル。我が名を讃えヨ!!
瞬間、紅蓮の炎と高熱の光が洞窟を満たした。
「ハーッハッはッハッはー!!!」
遠ざかっていく笑い声に、
「ゴミムシがァァァ!!絶対に殺してやる!!!」
黒き竜はその巨体を起こし、声が遠ざかっていった方向へ飛翔していく。
洞窟の外で様子を伺っていたショータローは、
そして予定通り、フェイク・モモンガさんは洞窟から凄まじい勢いで飛び出すと、
少し遅れて黒い竜が、山を破壊しながら飛び出してきた。
その眼は怒りに紅く染まり、辺りを見回すと、遥か北に向かって逃げていくフェイク・モモンガさんを追いかけて飛んでいった。
その身体には、残った石や金属のゴーレムがへばりつき、時々怒りを露わにしながら体を震わせてそれらを破壊する。
纏わりついていた
「よし…まずは順調だな」
ショータローはそう呟き、一旦デボネ北の拠点まで転移した。
最初の目的である、“邪魔な体の周りの
次は奴の
拠点に残っているゴーレムはルベドただ一体。
それ以外のゴーレムは既にホバンスへ運んであり、ネイアを中心に守らせている。
そこにはバザーも居り、バラハ家の守りは鉄壁だ。
また万が一の場合のために、旧十傑の一部はホバンス内に分散して潜み、場合によっては人間を伴って逃亡する手筈である。
ショータローはルベドに起動の言葉を掛けた。
「ルベド、モード【完成者】。コード:“guest”」
ルベドの目が赤く光り、その身体は赤く光りまるで生気が満ちたように生き生きとしてくる。
「ついてこい」
「ハイ、マスター」
ショータローはこの世界に来て初めて、ルベドを起動させた。
ルベドには3段階の起動段階がある。
現在のモードは全力の60%。
このモードは、モード名とコードを知っていれば誰でも起動できる。
これ以上の出力を出すには、2つあるマスターコードをそれぞれ特定の声紋で命令する必要がある。
それらは、本性の状態の、るし★ふぁーとタブラ・スマラグディナに割り当てられていて、100%の出力はこの2名がいなければ発動できない。
なお、この60%の状態ですら、単純な威力はたっち・みーの
ショータローとルベドはデボネに到着し、ショータローは再び
十数分後、予定通り先にフェイク・モモンガさんが到着し、街の上空で待機した。
さらに上空では、フェイク・ペロロンが巨大な弓を構え、黒き竜の到着を待つ。
「クソがァァァァァァ!!!!」
遅れて数十秒後、大層お怒りの黒竜は、上空のフェイク・モモンガさんをめがけて突進をしてくる。
その瞬間、さらに上空からキラキラと赤く光る塊が黒竜を穿つ。
太陽を背にして放たれた火属性の攻撃の雨は、黒竜の鱗の剥がれた体を焼く。
「ゴミどもがァァァァァァ!!!!」
いつの間にか黒竜の下に回り込んだフェイク・モモンガさんは再び
そこには非常に密集した人間…の様に見えるゴーレムが、上空で起きていることを驚き見上げ、逃げまどい、屋内に逃げ込む。
「まだあれほど残っている街があったか…貴様らはここの守護者という事か、あるいは既に俺に滅ぼされた虫どもの生き残りか…どちらにせよすべて殺してくれるわ!!」
フェイク・モモンガさんが急ぎデボネの街に降りる。
黒竜は上空からの攻撃に警戒しつつ、まずはフェイク・モモンガさんを攻撃すると決めた様で、住民が隠れたデボネの街に降りた。
街のインフラを破壊しながら、黒竜とフェイク・モモンガさんの攻撃の応酬が始まる。
物理攻撃手段のないフェイク・モモンガさんが距離を詰められそうになると、上空から援護の射撃が入り、距離を離す。
この戦いは一見とても良い勝負に見えたが、ショータローは少々焦りが出てきた。
黒竜のダメージが思ったよりも少ないのだ。
確かにフェイク・モモンガさんもフェイク・ペロロンもレベルは60台。
オリジナルよりは相当弱く、先ほどの魔法も劣化版である。
しかし、この場に居る存在でフェイクシリーズよりも強いのはルベドのみ。
倒しきるのは難しいかもしれない。
だが一方で、良いデータも取れた。
高い確率で、こいつはまだ魂を吸い込む
このデボネには現在100万近い人間型ゴーレムが存在している。
数をそろえることが最優先だったので、素材は泥などの低レベルばかりだが、遠巻きには判別がつかない程度には偽装したし、指揮官スキルがあるフェイク・ウルさんが操っているので自然な動きをしているはずだ。
それを見て魂を吸い込む素振りを見せないとなると、まだ使えないと考えるのが妥当。
「バザー…オレだ。現在デボネで交戦中。ワイルドマジック使用なし。だが、予想以上に強いので追い出す方向で動く」
ショータローはバザーに情報を伝えると、次の作戦のためにルベドに攻撃命令をすることにした。
これをすると
「ルベド、自動攻撃モード準備。属性は『陽』及び『火』。起動」
瞬間、それまで街の人間のふりをしていたルベドは赤いオーラを纏った長剣で黒竜に斬りかかる。
「グッツ!!貴様、まだ居たか!!」
ルベドの攻撃はフェイクシリーズよりは明らかに効いているが、HPを0にするには相当な時間がかかりそうだ。
ルベドは飛び回りながら剣を突き立て、また飛び回りながら攻撃を避け、というのを繰り返しているが、やはり長期戦は確実だ。
ショータローは予定通り、ルベドに撤退を告げる。
まずフェイク・ペロロンが弓の攻撃で足止め。
その隙にショータローは、フェイク・ウルさんとフェイク・モモンガさんを伴ってやや南の上空へ転移。
ルベドとフェイク・ペロロンもこちらへ移動し、全員揃ったところで、ショータローの
黒竜は予想通りこちらの集団を目視し、追いかけてくるが、可能な限り速度を上げて引き離し、最後に
これで、黒竜は南下してくれるので一時的に聖王国から引き離すことが出来る。
かなり攻撃をしたが、おそらくはダメージは30-40%程度。
倒しきるには、ルベドの起動をもう一段階上げるか、60レベル以上のゴーレムを10体以上用意する必要がありそうだ。
ともかくもこれで稼いだ時間で、ローブル聖王国とアベリオン統一国は逃亡する時間を得たはずだ。
仮に黒竜が
「わりぃ、倒しきれなかった」
ショータローはホバンスの広場で待機していた、バラハ家のメンバーとバザーに告げた。
「…貴様があれらのゴーレムを全力で起動して倒せんとは…それほどの存在という事か」
「んー、相性的には良さそうだけど、倒しきるのには時間かかりそう。やっぱり一旦逃げてもらった方がよさそう」
「そうか…じゃあ私はカルカ様へお伝えしてこよう」
パベルが足早に移動を開始しようとしたとき、ショータローは首に巻いた太陽のシンボルが描かれたチョーカーが何らかの反応を示した感じがした。
上手く言えないが、敵対的な探知を探知防御で弾いたときの感じだ。
嫌な予感がした。
そのチョーカーは、ショータローがこの世界に持ち込んだ唯一のワールドアイテム。
20のうちの一つ、その名は
一度きりの使い切りで、モモンガさんを含めたあらゆるギルメンに、持ってるのは構わないけど絶対に使うな、マジで使うな。と何度も念を押された代物。
当然、それを使うことは無いと考えていた。
それがなぜ、妙な反応を示した?
見るとルベドも、その体内に埋め込まれた
そして次に、フェイク・モモンガさんが喋った。
「見られていまス」
次の瞬間、空間が歪み、その広場に先ほどまで追いかけっこをしていた黒竜が姿を現した。
「見つけたぞ、クソゴミどもがァァァ!!!!」
嫌がらゲリラ攻撃はかなりいい感じでしたが、やはり火力不足でした。
そして効果何でもありの始原の魔法をあらかじめ予想しきるのは無理だと思うのです。
ともかくも、常闇がホバンスに現れるとう最悪のケースが発生しました。