9章サラジネ+全ステEXクリアしてきましたので執筆再開です……にしても情報量多かった
で、コメ欄にもあったんですけど5本指出すことにしました。本当は出すつもりありませんでしたがいた方が面白そうなんで……とはいえ大半は裏方にいるんで表舞台に出てくることはあんまりないかも?
ていうかやっぱり裏にディアス居たんだ、そらあれだけのコネクションを持ってる訳よLCBが
緑谷がフルカウルを習得してから翌日、特に代わり映えすることもなく普通に学校に行って普通に授業をして普通に帰る……と思っていた矢先終礼を済ませた直ぐの事
(4章戦闘BGM:C1が望のスマホから鳴り響く)
「うぉう!?……え?ヴェルギリウスさん?珍し」
「え?今の鬼血さんの着メロ?」
「なんか随分イメージと違うの設定してるね」
「もしもし〜?……は?」
とりあえず何事かと思い電話に出て話をするや否や望は慌てて荷物を持って教室から弾き出されるように飛び出した、どうやらヴェルギリウス事務所の兄妹事務所の1つでもあるモーゼス探偵事務所所属にして今年新たに追加された色を持つフィクサーが稽古を付けてくれるという話で望にとってはとてもありがたい話だった……のだがあまりにも急な話である
事務所と雄英との距離は対して離れていないがそれでも珍しく息を切らしながら事務所へ戻り応接間へと入ると見知った顔+αでとんでもない人がいた
「ゼェ……ゼェ……ゲホッゲホッ!!……も、モーゼスさん?」
「久しいね、随分と成長したみたいじゃないかサンチョ……いや今は望か」
「ど、どちらでも結構です」
「やっほー望!遊びに来ちゃった!」
「あっお久しぶりですエズラさん……それでその方が?」
「ああ紹介するよ、今年度から特色【黄色い銛】の名を賜ったベスパだ」
「お初にお目にかかります」
そう言って奥の席に座っているやたらとガタイのいい黒髪黄メッシュの入った男性が丁寧に挨拶してきた……今思うけどベスパって髪下ろすとオフ感が凄くてちょっと面白い(やってる事は全然面白くないけど)
「モーゼス探偵事務所所属フィクサー、特色【黄色い銛】のベスパ・グラブロと申します……以後お見知り置きを」
「あっ……えと、ご丁寧にどうも……です。ラ・マンチャランド所属の1級フィクサー鬼血望……は日本名でフランス名ではサンチョ・パンサですが呼びやすい方で結構です、よろしくお願いします」
「では望で」
漸く息を整えれたということでソファに座りネリーから紅茶を受け取り一口飲むとある程度気持ちも落ち着いてきたということで望はヴェルギリウスに問い掛ける
「それであの……ヴェルギリウスさん、一体どういうことですか?急に俺以外の特色、しかも今年新たに増えた方のをって」
「言葉通りの意味だ……少なくともお前は赤い霧と紫の涙、そして俺からの師事を受けているだろう?」
「まあはいそうですね、後はシャルルさんからもで……まさか」
「そのまさかだ……せっかくの機会だし揉んでもらえ」
「俺はそんな趣味は無いのだが?」
「なぁ〜に言ってるの末っ子!組手の意味で揉んでもらえってヴェルギリウスさんが言ってんの!」
「……え?ええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
哀れ望、けど新たな特色と打ち合えるのは中々にない機会だから堪能出来る内に堪能しちゃいなさい……後ついでに学べる所きっちり学んで来なさい
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場所は変わりトレーニング場、何時ものジャージに着替え普段とは違い袖を捲り準備運動をしているが望の表情からは緊張感に加えて恐怖心がこれでもかと表に現れていた
「ほ……本当にやるんですか?」
「当たり前だ」
「ヴェルギリウスさんからは「強く当たっても大丈夫」と仰せつかっているので……本気で行かせて貰います」
「うそぉん!?」
何ともまあ容赦のない発言だこと……然しそれがベスパという男だ、一時期モーゼス相手に腕を断ち切りかけた挙句エズラや中指長兄マティアス相手に真正面からステゴロで挑んで相応の勝率を誇るほどの暴力性を見せつけたのだから。
その話を聞いたことのある望は恐怖に怯えていた、自分の何倍ものある体格に密度の高い筋肉量、年齢に釣り合うほどのキャリア……そして何より彼の手元には遺跡深層にて発掘された金色の銛槍【グングニル】の正規契約者でもあるのだから勝てる見込みどころか生きて帰れる保証がこれっぽっちも見当たらない……八方塞がりであるのだがやるしかない
「殺さない程度には加減してやれよ?」
「善処します」
「ちょっとくらい優しくしてくださいよもぉー!!」
そんな望の虚しい叫びも残念ながら通ることは無く無慈悲に試合開始のゴングがヴェルギリウスによって鳴り響かされた、開始の合図と共にベスパは心を纏い一気に接近しグングニルを叩き付けようとして来るがそこは望、槍をすぐさま出して応戦するが常に心を発生させながら戦闘を行っているベスパの前では意味を成さず蹴り飛ばされた
「っ〜〜!!!(いっ……たぁ!?ヴェルギリウスさんの比じゃないくらい重いし痛い!)やばっ!?」
「さすがに避けられますか、他の特色に鍛えられているだけはありますね」
「初撃でほぼ死にかけたんですけど!?」
蓄えていた血餐で蹴りの痛みと壁に激突した痛みを瞬時に軽減しベスパのグングニルと槍がぶつかり合う、武器のリーチとしては望の方が上ではあるが体格や練度に関してはベスパの方が上手だ……そして何よりベスパの足は剛脚から放たれるバネのような加速によって自身の重量を載せた格闘を繰り出してくる為余計に筋力差で負ける
「んのぉ!!」
「……それが血鬼の筋力ですか」
「体格には恵まれませんでしたけどね!個性のお陰で見かけよりはありますよっと!」
「いや、その体格でも利点はある……小さければ小回りがかなり効くのに加えて体格の大きい相手に対して回避率はかなり高い」
「それでも追いつかれたらひあっ!?きついですけどね!」
「だがこうして雑談しながら相手出来ているじゃないか」
いや防戦一方になっているのに余裕な訳無いんだよベスパ……とはいえ相手出来てるぐらいには余裕あるのもまた事実では?実際特色複数名からの師事受けてる訳だし弱くは無いが特色と望の違いは圧倒的なまでの経験値で能力面に関してはほぼほぼ同数値に近いとは言える
「んのぉ!」
「鋏か……その次はグレイブに傘、刀に双剣……随分便利だな硬血と言うのは」
「私がまだ未熟なのは認めますけどそんなヌルヌル避けられると余計に腹立つんですけど!?割と本気でやってるんですけど!?」
「弱い訳ではない、君は上澄みではあるんだが相手があまりにも悪すぎる」
「がっ!?」
腰に下げていた刀【幻影】を鞘ごと振るい腹に打撃を叩き込まれた挙句壁へと再度蹴り飛ばされ頭部から出血、背中や腹に尋常じゃない程の激痛により動くこともままならず一瞬にして無くなった肺の空気を取り込もうとするが上手く吸えず咳き込み吐血する
「ヒュー……ヒュー……ゲホッゲホッ!!(上手く……息が吸えない……それに全身が痛すぎる……頭から出血してて……身体も殆ど動かない……ヴェルギリウスさんと違って……容赦が無さすぎる……でも!)ウッグウゥゥゥゥゥゥ!!!!!」
槍を杖に立ち上がるが硬血甲冑も完全に解けカーリーを相手にした時並のダメージの蓄積によって意識も朦朧とし立っているのもやっとの状態だがそれでも諦めず闘志を燃やす望に変化が起きた
「っ!先生!あれ!」
「……
「不完全ではあるが心が使えるようになったのは流石に褒めざるを得ませんが……今無茶をすると死にますよ?」
「上等!……それに態々硬血甲冑砕いてくれたのも有難いわよ」
反応速度上昇の為に使った血餐も殆ど残っておらず心発現によって一瞬にしてすっからかんになった血餐だが望は足元に転がっている硬血甲冑の破片の大きなものを拾い上げ口に放り込みガリゴリとまるで氷でも食べているかのように噛み砕き始めた。
流石のベスパもその光景に驚愕したが直ぐに理解した、硬血甲冑は血で出来ているなら逆に砕けた部分を取り込めば体内の失った血液を新たに生成出来るということに……しかし拾い上げれたのは一つのみである程度の痛み止めと頭部の切れた部分の修復程度しか出来なかったが今の望にとってはそれだけでも十分だった
「これ使えれる程度に戻るなら十分……サンチョ流硬血9式【水よりも濃い血の刃】」
「……え?あれって」
「……まさかあの子が持っているなんてね」
「本当は体育祭でお披露目するつもりでしたが気が変わりました……サンチョ流硬血炎術【メギド】!」
水よりも濃い血の刃を取り出しながら槍と1つにすると直ぐに左回転で1周させ10個の火球が空気中に滞留を始めた……かと思えば槍を一回転させて弓に変えて引くと火球も同様に矢の様なものを生成し弦を離し矢を放つと同じく火球の矢もベスパへと飛翔した、これには流石に驚いたのかベスパは初めて回避した……しかしそれは命取りだった
「……そこ」
「っ!?」
「うっそでしょ!?あのベスパに傷を付けた!」
「あの弓の前にあるサークル……周りを滞留していた火球が変化したものとして生じたと言うのなら殆ど望と同じ作用をしていると言ってもいいんじゃないかい?」
擬似的とはいえ心に続き特色組が数度見せた心を圧縮し光の輪を纏う技法
しかしジリジリと熱で体力を削られ続け心と擬似望を出されたということで自身も望を重ね応戦、状況は序盤は望の劣勢だったが殆ど差を感じさせない程の拮抗具合に押し込み始めたのだ
跳躍しながら高速で接近し穂先を地面に擦り付け摩擦による発火を起こしながら叩きつけると直ぐに横薙ぎ、着々とベスパの動きに対応する所か先読みし振い始めるがこのままでは決着がつかない……そう思ったのだろう、望は炎の輪を穂先に収束させ煌々と光り輝く赤黒い炎を大剣のように刃を伸ばし構える……が
「がっ!?」
「ハァー……流石にそれはオーバーパワーがすぎる、この辺で止まれ」
「……ヴェルギリウスさん、なぜ邪魔を?」
「邪魔も何もあの炎掠めればお前とて死ぬぞ?」
ヴェルギリウスの介入によって抜き放たれる事もなく終結、望は完全に気絶しそのままロージャらによって運び出される形でトレーニング場を後にするがベスパらを含む数名はまだそこに残っていた
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サイドキック全員と望が居なくなった後のトレーニング場、望が炎の大剣となった槍を構えた地点の足元を見ると焼けるどころか完全に融け落ちていた
「モーゼス……わかっていると思うが」
「ええ、あれは【レーヴァテイン】……そのオリジナル」
「ですよね!?あの熱量どうみてもそれしかないですよね!?」
「かつてかの邸宅の祖先が鍛え上げたと言われている魔剣、廉価品として中指長兄のマティアスが所持していましたがその原本がなぜ彼女の手に?」
不可解な点はあまりにも多かった……孤児となり遺跡に足を踏み入れる機会も無く殆どの生活をラ・マンチャランドとパリの往復とフィクサー協会の体験に鍛錬で費やしたことの報告を受けていたのにも関わらずだ
「その答えはかなりシンプルなものだ、彼女の母親が回収して遺伝させる形で彼女の手に継承された」
「そんな事が可能なのですか?」
「血鬼だからだろうな、普段は硬血として運用出来ていざと言う時はリミッターを外し本来の姿形に戻るよう設定したのだろう」
「そもそも遺跡の高ランク聖遺物には機能の追加付随は本来は不可能だが血鬼だからこそ出来たのだろう……全く何処にも無いと思えばそんな近くの、しかも学生の手に渡っていたとはね」
モーゼスは呆れ果てていた……普段は個性犯罪や事件の解決のために奔走する探偵事務所なのだが頭の指示があれば遺跡調査も担うようになっている、履歴の中にはレーヴァテインの継承の話は一切なく殆どのものは【盗まれた】と判断されていたが今回でその謎は無事に解けたようだ
「漸くノーブル・ファンタズム社のヘルマン理事への報告が出来る……」
「彼女もこれで肩の荷がある程度は降りるだろうな、ディアスには?」
「あの馬鹿は知っているだろう、言う必要はあるまい……では私たちはこれにて失礼するよ」
「ヴェルギリウスさん!望にまた遊びに来るから今度は普通にショッピングしよって伝えといて下さい!」
「中々に楽しめました……肩を並べて仕事が出来る日を心待ちにしていると言伝の程よろしくお願いします」
「……いいだろう、伝えておこう」
こうして波乱の強襲は無事に?終わりその日の幕は降りることとなったのだが……翌日望は朝から地獄を見る羽目になっていた
「あ……うあ……」
「大丈夫?鬼血さん」
「全身が……痛い……」
どうやら土壇場の心と望の発現によって身体が追い付かず筋肉痛を起こしてしまったようだ、とはいえこの後は血餐による肉体の修繕によってかなり改善され普通に授業を受けることとなったそうな……体育祭本番までこれ繰り返すとかマジ?
TIPS【レーヴァテイン】
北欧神話における炎の剣、伝承では枝や杖とも称されており媒体によってその姿形は千差万別である。
このヒロアカ世界においてのレーヴァテインの原本は刀身は疎か持ち手周りも全て硬血で鍛造されており100年以上前に生きた望の祖先が作り上げた1本となっている
遺跡にある理由としてはその祖先がより集中出来るようにと外界から隔絶された場所で作るためという非常にシンプルなものであった……それ故に回収には多くの人と年数を要して漸く回収出来たものの扱う事そのものが難しく血鬼の血筋ですら手が炭化しかける熱量を発生させるが望の母が見事扱うことが出来たということで彼女の手に渡った
然しながら旦那は事故で死亡、自身も病によって後が無い事を悟ったのかレーヴァテインの契約権をまだ生まれたばかりの望に譲渡し自身も追うようにこの世を去ることとなった
中指長兄のマティアスが廉価版レーヴァテインを所持している理由は単純にカッコイイからでもあるが遺物を再現したという浪漫から来ていたりもする
性能は聖遺物らしく非常に高く参考元としてグングニルは【刺し貫いた対象に振動を付与し持ち主の手に戻る】機能が備わっている従順な犬のような性能に反してレーヴァテインは【所有者の感情の起伏に呼応して熱量と炎の勢いを変える】という使い手すらも焼き融かす可能性すらある狂犬のような物となっている……しかし扱えると途方もないレベルの強力な武器となり所有者に必ず勝利を齎せる刀剣となっている
望が普通に扱えて尚且つレーヴァテインの炎に1ミリも恐怖を抱いていなかったのは残された家族を守りたいという意思と覚悟があったからなのだろう
形状としては硬血槍の【ラ・サングレ】の持ち手までの長さを持つ両刃の剣で刀身は真っ赤、鍔や持ち手は真っ黒で見かけは完全にロングソードのそれで刃は平たく鋭利な形状で西洋剣らしさがある
後の話になるが普段から溶かして体内に収納していた事がバレて体育祭後にノーブル・ファンタズム社が専用の鞘を送ったことできちんと腰に懸架するよう強く釘を刺されることとなった