血鬼少女のヒーローアカデミア   作:黄昏の跡地

4 / 21

元々書きたかったネタ+没ネタ+その他諸々の残りカスを集めて誂えたものです、続かはしらん


chapter0
荒廃した世界から


 

 

 

ー個性、ことの始まりは中国・軽慶市にて発見された「発光する赤児」が生まれたというニュース。以後各地で「超常」が発見され、原因も判然としないまま時は流れる―。

 

世界総人口の八割が何らかの特異体質である超人社会となった現在。生まれ持った超常的な力“個性”を悪用する犯罪者・(ヴィラン)が増加の一途をたどる中、同じく“個性”を持つ者たちが“ヒーロー”としてヴィランや災害に立ち向かい、人々を救ける社会が確立されていた。

 

 

 

 

 

 

 フランス郊外・スラム街

 

 

そこは花の都とも言われていたフランスの首都パリから数km離れたスラム街があった場所【だった】、つい先程ヴィランによる破壊活動によって数万名もの犠牲者を出した大規模な被害が起きていた……ヴィランは逃亡し行方がわからなくなってしまいヴィランの捜索は打ち切り、ヒーローはスラム街の瓦礫撤去と死去した人達の弔いを行うこととなった。

そこに青いロングコートを着た1人の女性と白髪で赤目が特徴的な貴族のような格好をした男性がヒーローに挨拶しながら旧スラム街を歩いていた

 

 

ザリッザリッザリッ

「……ここも酷い有様だね、ドン・キホーテ」

「ああ、そうだなバリ……ヴィランの襲撃があったとはいえスラムでここまでの被害を出す必要性があるだろうか?」

「無いだろうね、ヴィランも行方知れずで姿形も不明……私たちじゃ手に負えない状態ってことだよ」

「目的が分からない以上手出しが難しいってことだな、兎に角生存者を探そう」

 

 そう言って2人は旧スラム街を進んでいくと4人の子供達が一塊になって瓦礫とL字上に残ったレンガの間に入って小さく震えていたのが見えた、よく見れば金色の髪をした少女は小さな赤子を抱えており耳をすませば小さな声で「大丈夫……大丈夫……」と言っているのが聞こえた……随分と長く耐えていたのだろう、これ程まで寒い日にあのような薄着で外に放り出されてしまっていたら一晩で凍死してしまうだろうと思ったドン・キホーテは駆け出し瓦礫から顔をだし声を掛けた

 

「君たち!」

「っ!?あ……いや……」

「俺たちはヒーローだ、よく耐えた……もう大丈夫だよ」

「ちょっとドン・キホーテ!急にかけ出さないでよ!って子供!?すごく震えてるじゃない!?」

 

 バリは迷うことなく自分の着ていたコートを子供たちに羽織らせた、身長差がある都合上なのか子供たちはすっぽりと入ってしまい何人かの子供は緊張の糸が切れたかのように眠り始めたが……唯一1人だけ瞼の重みに抗いながら睨み付けていた

 

「私……達を……どうするつもりなの」

「助けに来たんだ、国のトップも元々今日スラムの整備と支援をするつもりでいたがヴィランの襲撃の影響でそれどころじゃなくなってしまったんだ」

「嘘ばっかり言わないで!」

 

 顔を上げた少女の瞳はオブリビオンイエローから紅く染まった……ドン・キホーテと同じ眼のそれは恐らく血族である証なのだろう、少女が手を出すと2人の足元から血の槍が数本突き出してきた。バリとドン・キホーテはヒラリと回避するが少女は駆け出し身の丈に合わないほど長尺な螺旋状の槍を血で作り2人に攻撃しだす

 

「っとと、待ってくれ私たちは本当に君たちを助けに来たんだ!」

「五月蝿い!皆に近付くな!」

「……我が名はキホーテ、そこに高貴なる者の意味を持つ性を付けドン・キホーテ!俺たちは決して君たちを害しないと言うことを誓おう!どうか槍を納めてくれ」

「私たちはずっと苦しい思いをしながら生きてきた!皆お腹を空かせてゴミを漁って食べれる物を探していた!明日を生きるために寝所も探した!それを奪いに来たあの男もお前たちも皆敵だ!」

「っち!」

 

 バリは腰に刺していた棒状に近い武器を振るい槍を受け止める、がしかし彼女は驚愕した……なにせ幼い少女でありながらドン・キホーテと同等クラスの重さを槍から感じ取ってしまったからだ

 

「バリ!決して怪我させては駄目だ!」バサッ

「このヒーローバカ!何してるの!」

「は……なせ!」

 

 流石に不味いと思ったのかドン・キホーテは自身の羽織っていたコートを金髪の少女に被せ抱え上げ無理やり戦闘を中止させたのだ、少女はさっき以上の温もりの影響でか手に持っていた血の槍をボトリと落としてしまい戦う術を失ってしまったが未だに抵抗を続けた

 

「バリ、他のヒーローは来れそうか?」

「……はぁ、ここは管轄外みたいだから私たちで何とか抱えて行くしかないよ……見た所赤子が1人とその子含めて女の子が3名と男の子1名だね、内男の子はだいぶ頬がこけてるから栄養失調の疑いがある」

「分かった、あと一人は俺が抱えよう。もう半分はお願い出来るかバリ」

「良いよ、赤ちゃんも私が抱えるわ……早く病院に連れてって治療しないと不味いことになる」

「……本当に……私たちを助けに来たの?」

「ああ、もう大丈夫……何故かって?俺たちが来たからね」

 

 警戒心も漸く解けたのか少女はドン・キホーテに問いかけその答えに満足したのかこれまでの疲労と寒さの影響なのか……プツリと意識の糸が途切れ静かに寝息を立て始めた

 

 

 

 

 結果、旧スラム街での生存者は救助した子供たちのみで残りは軒並み死亡が確認されて旧スラム街は完全撤去の措置が取られた後政府が旧スラム街に生きていた人たちを丁重に弔い立派なお墓に入れてあげることとなった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10年後……旧スラム街改め【ラ・マンチャランド】事務室にて

 

 

 

 

 

 

 

「父上、少し宜しいでしょうか?」

「おやサンチョお帰り、何用かな?」

 

 あの日から10年という歳月が経ち金髪の少女サンチョはドン・キホーテの事を父と呼ぶようになった、そんな彼女は今年で14歳の中学3年生……事務室にまで立寄って養父の彼の元に来た理由は他でもなかった

 

「進路について話し合いたかったのですが……バリ姉さんは?」

「今パトロールに行ってるよ、しかし遂にこのことについて相談される日が来るとは思わなかったよ」

「随分と涙脆くなりましたね父上、ドゥルシネーアはラ・マンチャランド併設の専門学校への進学らしいしニコリーナとクリアンブロは来年考えるらしいし……」

「それで自分の進路が決めあぐねいてしまって俺のところに来たと」

「……すみません」

「ははは!いいよいいよ!義理とはいえ娘の悩みを聞くのも父の役目さ!……しかしまあ珍しいね、サンチョのことだからこの手の話すぐ結論を出すと思ってたんだけども」

「色々考えたんですよ?これでも」

 

 そう言ってサンチョは自分の考えてた案をぽつぽつと口に出して言った、同い年で妹の様に可愛がっていたドゥルシネーアと同様に専門学校へ赴き経営学を学びラ・マンチャランド運営に関わったり孤児院の運営や裁縫師その他諸々……でも本人的にいまいちしっくり来ず気が付けば進路相談書の提出期限間際まで迫ってしまっており最終手段として養父のドン・キホーテに頼ったというのがことの経緯だった

 

「ははははははははははは!!!!!ゲッホゲホ……ぷははははははは!!!!!」

「笑いすぎですよ父上!私これでも物凄く悩んでるんですよ!脳天気な父上と若干放浪癖のあるバリ姉さんと違って!ドゥルシネーアやみんなの世話を誰がやってると思ってるんですか!」

「はぁ〜ははは、いやすまないサンチョ……随分と人間臭くなってきたなって思えてね、初めて我が家にお迎えした時はまるで自分が居ないかのように消え入りそうだった子がこんなにも立派に育ってくれたのが嬉しくて」

「あっお世辞は良いので早く答えて下さい」ピシャリ

「酷い!?……まあそうだね、サンチョ1つ提案があるんだがいいかな?」

「何でしょう?」

「ヒーローを目指すというのはどうかな?俺とバリも立場上ヒーローだしさっきの進路の話も全くヒーローの話が出てこなかったものだから」

 

 そう言うとサンチョは一瞬キョトンとした顔を出したかと思えば苦虫を噛み潰したような表情になった……内心「そういえばその手があった」と思ってしまっているサンチョは自分がどれだけ無駄な時間を浪費してしまったのか後悔していた

 

「……父上、無駄な時間を浪費してしまった自分をお許し下さい」

「まぁ〜たそうやって自罰的なこと言う、とは言えヒーローの道があるのを認識しなかったサンチョもサンチョだけど」

「ヴッ!?」

 

 ヌルッと帰ってきたバリが帰宅、10年の歳月が経ったことでなのかより女性らしさの出た彼女に軽く咎められたサンチョは余計なダメージを負ってソファにうつ伏せで倒れてしまったがそれをみたバリは「大袈裟ね」と軽く笑いながらドン・キホーテに報告を入れることにした

 

「お帰りバリ、首尾は?」

「相変わらずだったよ、スラムを襲撃した男の証言をしてくれたサンチョの言葉を元手に街中を今でも探してみたけど成果なし……シャルルやローラン達もお手上げだそうだ」

「特色の【白い閃光】と【黒い沈黙】ですら手がかりなしか、【紫の涙】と【青い残響】は?」

「世界中飛び回って情報収集してるらしいけど連絡は殆どなし、【赤い霧】と【紅い視線】は現在日本で活動中だそうだよ」

 

 フランスのヒーロービルボードチャートは他の国と違い特殊でNo.1一人を決めるというものではなくNo.1に相当する人に【色】を付与する制度になっていた、因みにバリも特色クラスに該当するがあくまで特色相当の実力を持っているだけだった

 

「……で、サンチョ」

「……何」

「ヒーローやるなら折角だし日本の雄英高校に行ってみなよ」

「えぇめんどくさい!ヒーロー科なんてフランスにある国立高校位で充分でしょ!?」

「実はこれヴェル叔父様から聞いた話なんだけどもね、来年度雄英にオールマイトが就任するらしいんだって」

「……え?それホントなの?」

 

 ガバリとソファから起きたサンチョはバリに聞く、その表情はキラキラと輝いており次の回答を待っている犬のように見えたバリは笑いたい感情を押し込みつつ頭を撫で「ホントだよ」と答えると

 

「わかった、じゃあ雄英行ってヒーロー目指す!」

「「そっかそっかぁ」」ナデナデ

 

 こうして、彼女サンチョはフランスから離れ極東にて活動中のプロヒーローヴェルギリウスの元へ赴くこととなった……そして彼女は知ることとなる

 

 

 

 

「オ”……オ”ェ”ェ”ェ”ェ”ェ”ェ”ェ”ェ”……」

「おい……まだ終わりじゃないぞ、早く立て時間はないぞ」

 

 

 

 

 

 

 

……訓練の苛烈さと【紅い視線】ヴェルギリウスの鬼畜具合、そしていつの日か現れる【巨悪】と命を賭けた死闘をすることになることを





設定上アンジェリカは生きてるし子供は生まれてるしヴェル叔父の孤児院の子達は日本でのんびり過ごしてるし5本指は無いしで結構平和です。

ユーリちゃん?勿論生きてますとも
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。