「「「「「「「勝てるわけがない!!!!!」」」」」」」
ま、そりゃそうだろうな。この文月学園では制限時間60分で何百問もあるテストを能力しだいで好きなだけ解ける。ようは満点がないテストってことだ。その点数が試験召喚戦争で使われるオカルトと科学が融合した存在、生徒自らの分身である召喚獣の強さになる。点数が高ければ高いほど体力と攻撃力が上がるからな。防御力は召喚獣の装備によって変わるからそこは差が出てくるけどな。AクラスとFクラスは最低でも5倍ほどの点差がつく。特にAクラスの上位陣は10倍を軽く超えてくるからな。教科によっては10人以上で一人を取り囲んでも互角に戦えるかどうかも厳しくなってくる。
「いや、勝てる!このクラスには勝てる要素が揃っているからだ!それを今から説明する。……いつまで姫路のスカート覗いてるつもりだ、康太。」
何やってんだアイツ……
「…………!!!!(ブンブン!)」
「きゃ!」
「こいつは土屋康太、あの有名なムッツリーニだ!」
「な、なに!」
「こいつがあのムッツリーニ!」
「まさか、こんな近くにいたとは……」
ムッツリーニ。それがあいつのあだ名。女性への下心が半端じゃなくそれがきっかけで保健体育の勉強をしまくったからかその点数はあの霧島翔子を上回ってるらしい。以前霧子がこいつに盗撮された件でひと悶着あったが今では大切な仲間だ。それ以来盗撮などはしていないようだ。ま、こそこそされるよりあそこまで堂々としてた方がまだましだな。
「姫路に詩島、そして進ノ介のことはいわずもがなだな。Aクラスレベルの実力を持っているからな。うちの主戦力だ。」
「「「「おおおおおおおお!!!!!!」」」」
「さらに木下秀吉に島田美波。こいつらもムッツリーニ程ではないが単教科ならAクラスとも互角に戦える点数をもっている。」
秀吉に島田。こいつらも一年の時からの付き合いだ。秀吉は演劇でやったことがきっかけで古典が得意になったらしい。島田は帰国子女で漢字が読めないことが原因でほとんどがFクラスレベルだが実際は古典とかいった類以外はAクラスレベルの実力者だ。数学に至っては単純な計算問題だけでAクラス級だからな。
「そしてもちろん俺も全力を出す。」
「坂本って確か……」
「ああ、確か神童って呼ばれてたらしいぜ昔!」
「すごいな、このクラスAクラスレベルが四人もいるのかよ!」
神童か……今から考えてみればあいつもどこかエンジンが錆びついてんのかもな。俺もエンジンが錆びついちまってたからわかるんだよな。しかもあいつの方がなかなか根が深そうだな。
「そして、吉井明久もいる!」
しーん
「ちょ、ちょっと雄二!何でぼくをオチにつかうのさ!」
「いや、まじめに言ったつもりだったんだが……」
明久を話題に出してきたってことは……
「いいか、みんな。明久は生徒の中で唯一物理干渉が出来る召喚獣を操れる観察処分者だ!」
やっぱりな……
「観察処分者ってたしか……」
「バカの代名詞だろ?それにたしかその観察処分者ってどうしようもないダメ野郎だとか……」
バキ!!
「と、泊さん!」
「……え、どうした霧子?」
「どうしたじゃなくて、手!」
「て?……げ!?」
気が付いたら俺は壁に向かって殴りつけていた。よほどぼろだったのか見事にめり込んでいる。
ズボ!
「よかった、けがはないみたいですね……」
「俺はいいけどパンチ一発でここまでめり込むかよ普通……」
壁には見事な穴ぼこが出来ている。貫通しなかっただけましだとはいえ相当やばいな。
「……いいか?明久は確かに観察処分者だがちょいと事情があるってだけだ。お前らよりもむしろ上等な人間だ。」
「な、なんか照れるなそこまでいわれると。」
「まあ、泊にぼこられたくなきゃ下手なことはいうなよ。」
「……」
「泊さん……」
ドライブになったのがきっかけでまた走り出せるようになったとはいえやっぱ奥深くではあの事件に納得いっていない部分があるのは事実か……あの事件、いまだに何か裏があったんじゃないかという気がしてならないんだよな。
「明久、お前今まで何回ぐらい召喚獣を操ったことがある?」
「え、大体100……いや、150かな?授業の時も含めれば一日に3、4回だした時もあるしね。」
「そういう事だ。こいつは観察処分者としての仕事用として物理干渉能力をもった召喚獣を100以上操ってきた。操作能力は学年一だろう。」
「すげえなそれ!」
「吉井ならもしかしたら霧島翔子にも勝てるんじゃねえか!」
確かに、明久は成績は確かに悪いがそれはあくまであいつにギアがかかってないからだと思う。現に小学生のころはおふくろさんに新しいゲーム買ってやるっていう条件出されて普段ビリ近かった成績が全テスト90以上言ってたからな。今のあいつにギアがかかれば確かにあの学年主席にも勝てる可能性は十分にある。
「だけどあんまり呼び出したくないんだよね……」
「え、どうしてですか?」
「ああ、さっき雄二が言ってた物理干渉な。あれまだほかにも影響あるんだよ。」
「ほかにも?」
「吉井さんは召喚獣が受けたダメージの何割かをそのまま自分で受けるんですよ。つまりフィードバックされてしまうんです。」
「だからそうやすやすと出せないんだよね。」
「ともかくだ!まずはDクラスの征服を目指す!全員ペンを取れ!出陣だ!」
「「「「「おおおおおおおーーーーーーー!!!!!」」」」」」
「「お、おおー。」」
「ああ、姫路さんかわいいな。」
「おい、本音出てるぞ明久。」
「う、今のは聞かなかったことに……」
「ああ、わかってる。」
霧子も普段はぶすっとしてるけどああいう風に照れた顔してるときはかわいいんだよな……って何考えてんだ俺は!
「さて、さっき話した連中はミーティングがあるから屋上に行っておいてくれ。」
「あれ、雄二どこか行くの?行っておいてくれって……」
「ああ、Dクラスに宣戦布告してくる。」
「え、あんた一人で?」
「危険ではないのか?」
「…………下位クラスの使者は高い確率で暴行を受けると聞く。」
この件は一部の教師からは問題視されているが結構な数の教師は黙認しているらしい。弱肉強食が校訓の中にあるとはいえどうかと思うがな。
「心配するな、俺が何の考えもなしに突っ込むと思うか?」
それから十分後、屋上に集まっていた俺たちの所に雄二がやってきた。
「取り敢えず、午後から開戦予定と伝えてきたぞ。」
「じゃあ、先にお昼ごはんにしましょうか?」
「大丈夫だったの雄二?」
「さっきも言ったろ、心配するなって。」
確かに雄二は頭が切れるからな。それなりに対策を打ってたはずだ。
「襲ってきた奴らを全員ひねりつぶしたからな。」
前言撤回。
「ほら、明久。」
俺は明久におにぎり一個と卵焼きを渡した。
「え、いいの進ノ介!」
「お前どうせ今日も塩と水しかもってきてないんだろ?これから戦うってのに腹が減ってちゃ戦は出来ないからな。あんまゲームとか買い込むのやめろよ?」
「ありがとう!あ、でも砂糖だってちゃんと食べてるよ!」
「明久よ、それは食べるとは言わんぞ?」
「…………なめるが正解。」
「そういえば坂本さん。」
「ん?なんだ詩島。」
「どうしてAでもEでもなくDクラスの攻めるんですか?」
そういやそうだな。本来の目的のためならAクラス、順当に攻めていくならEクラスだしな。
「ああ、それについてはある作戦の為に必要なのとEクラスでは俺たちの相手にならないっていうのが理由だ。」
「相手にならない?」
「でも僕たちよりかはクラスは上だよ?」
「確かにな。だが俺たちのこのメンツならEクラス程度なら楽すぎるってことだ。」
「なるほどな、Eは差が少ないからな。Aクラスレベルが複数いる今なら簡単に落とせるからってことか。」
「でもさ、Dクラスに勝てなかったらどうするのさ?」
明久の疑問ももっともだな。だけど今の俺が考えてることは雄二と一緒のはずだ
「いいか、お前ら。俺たちのクラスは最強だ!負けるわけがない!」
「面白いじゃない!」
「Aクラス連中をひきずりおとしてやるかのう。」
「……(コク)」
「気合い入れろよおまえら!」
「「「おおおー!!!」」」
「「お、おー!!」」
さて、次回からようやく戦争開始です!次回もがんばって書きます。