キングダムハーツ オラリオ ミィス   作:小説好きー

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18話 黄昏の会談とドリームイーター

「あー……ホンマ、頭痛うなってきたわ……」

 

 黄昏の館の一室。

 執務机の上に突っ伏したロキは、両手で赤い髪をガシガシと掻き毟りながら、地から湧き出るような深い呻き声を上げた。

 

「違いない。儂もこれまで長く生きてきたが、これほど突拍子もない話を聞かされたのは初めてだぞ」

 

 部屋の壁際に寄りかかっていたドワーフの重鎮、ガレス・ランドロックが太い腕を組みながら、深くシワの刻まれた眉間を揉みほぐす。

 この部屋には現在、ファミリアの首脳陣に加え、アイズ、ベート、ティオネ、ティオナといった第一級冒険者の幹部たちが集められていた。

 

 天界と下界。それがこの世界の全てであると疑わなかった彼らにとって、『外の世界』などという概念は文字通り青天の霹靂だった。

 

「外の世界かー! ねえねえ、それってどんな英雄譚があるのかな!? 見たこともない大冒険が待ってるってことでしょ!?」

 

 目をキラキラと輝かせて身を乗り出したのは、アマゾネスの少女・ティオナだった。だが、すかさず隣にいた双子の姉・ティオネから強烈なチョップが飛んでくる。

 

「痛っ!?」

「あんたねぇ、呑気なこと言ってんじゃないわよ! 今それどころじゃないって分からないの!?」

 

 ティオネが鋭くツッコミを入れる中、リヴェリアは静かに口を開いた。

 

「ティオネの言う通りだ。ソラの語る外の世界からやってきた厄介者……『ハートレス』は、ダンジョンから産み落とされるモンスターとは根本的に異なる存在だ。魔石を持たず、純粋に人の『心』の闇から生み出され、人々の『心』を奪うために集まってくるという」

「最悪やんけ」

 

 ロキは机から顔を上げ、片目を細めて顔をしかめた。

 

「オラリオなんて、冒険者どもの欲望、野心、嫉妬に絶望……そんなドス黒い感情の吹き溜まりみたいな街やぞ。ハートレスとやらから見れば、ここは極上のバイキング会場みたいなもんやないか」

 

 ロキの不吉な例えに、フィンが、考え込むように自身の親指を軽く噛んだ。

 

「純粋に人々の『心』を標的に群がってくる存在。放置すれば、この世界そのものが食い尽くされかねない……確かに、その話が事実であればの話だがね」

 

 フィンは親指を口から離し、冷静な碧眼でリヴェリアを見つめた。

 

「リヴェリア。それがよくできた嘘や、法螺話である可能性は? 【ヘスティア・ファミリア】が隠蔽するために作り上げたカモフラージュだという線は考えられないかい?」

「いや、少なくとも『外の世界』が存在するっちゅう話に関しては、事実やろうな」

 

 フィンの問いに答えたのは、机から上体を起こしたロキだった。

 

「大昔にな。天界におった頃、オーディンのジジイが言うとったんや。『世界の果ての果て、そこには壁しかなかった。我らにそれを超える手段も、超えた後の対策もない』……ってな」

「世界の、壁……」

「せや。当時はただの酔っ払いの戯言やと思っとったわ。なんせあのジジイ、九日間、九日夜、自分に槍をど突いてきながら首を吊るような、正真正銘の気狂いやったからな。……せやけど、ソラの話と照らし合わせれば、あのジジイの言葉は真実やったんやろうな」

 

 ロキの口から話されたオーディンの逸話に、フィンたちの間に重い沈黙が落ちた。

 

「私としても、ソラの言葉に嘘は見られなかった。だが……彼らについてはもう一つ懸案事項がある。ベル・クラネルのことだ」

 

 リヴェリアが視線を向けると、部屋の隅に静かに立っていたアイズが微かに肩を揺らし、前に出る。

 

 アイズは真剣な、どこか思い詰めたような金色の瞳でフィンを見つめた。

 

「私のせいで、あの子を傷つけて、迷惑かけたから……お詫びにあの子に戦い方を教えたい。ダメ、フィン?」

 

 不器用な剣姫からの唐突な提案。それを聞いたフィンは少し考え、再び親指を口元へやり、しばし思考の海に沈んだ。

 

「……いや、ダメじゃないよ、アイズ。仮に、ソラの言うことがすべて事実だったとすれば、彼らとの交流は僕たちにとっても必須になる。それに事実じゃなかっとしても未知の力を持つソラとパイプを作っておくことは、今後の大きなアドバンテージになるからね。君の贖罪を兼ねた『交流』としては、非常に有意義な関係が築けるはずだ」

 

「せやな。ウチとしても、次の遠征にはソラを同行させたいと思っとるしな」

 

 ロキの爆弾発言に、壁際で腕を組んでいたベートが牙を剥き出しにして吠えた。

 

「はぁっ!? ふざけんなロキ! 俺たちはあいつの手を借りなきゃなんねェほど弱くねェぞ!!」

「落ち着くんだ。ベート」

 

 激昂するベートを、フィンが冷静な声で制止する。

 

「ルクソードと名乗った男が言っていた『外の世界から流れ着いたもの』があるなら、ソラが居てくれればそれを解明できる。ただでさえ遠征という未知の領域に、外の世界から流れ着いた未知まで追加されるなら、彼が居てくれたらどれほど助かるか。そして何より――」

 

 フィンはそこで言葉を区切り、ベートとリヴェリアを交互に見つめた。

 

「ベートやリヴェリアへの『影響』を考えるなら、彼はきっと僕たちの遠征に大きな助けになる。もっとも、ソラが遠征に同行してくれるならって前提があるけどね」

「ベートさんやリヴェリアへの……影響?」

 

 アイズが不思議そうに小首を傾げる。

 ロキは口角を吊り上げると、不機嫌そうに舌打ちをしているベートに顔を向けた。

 

「リヴェリア達に言うてもええか? ベート?」

「……チッ。勝手にしろ」

 

 ベートがそっぽを向くと、ロキはもったいぶるように両手を広げた。

 

「実はな、こないだのステイタス更新で、ベートにトンデモないスキルが発現しとったんや。その名も――『トリニティ・リミット』や」

 

 ロキがその効果を読み上げると、部屋の空気が凍りついた。

 

『トリニティ・リミット』

・連携技発動権

・発動中、参加者全員の精神力(マインド)を消費

・発動動作中、対象者へのあらゆる物理・魔法干渉を大幅に軽減

・消費した精神力の総量に比例して、超広範囲の光属性複合攻撃を発生

 

「えっ……!?」

「動作中のあらゆる干渉の軽減!? それに、消費精神力(マインド) 総量に比例した超広範囲攻撃だと……!?」

 

 普段は冷静なガレスやティオネでさえ、その規格外の能力に目を見開き、息を呑んだ。連携技というだけでも希少だが、動作中の完全無敵化など、下界の常識を根底から覆すデタラメな効果だ。

 

「もしかして……リヴェリアも同じスキルを……?」

 

 アイズが驚きの中で尋ねると、リヴェリアは静かに首を横に振った。

 

「いや、私はこれだ」

 

 リヴェリアがスッと片手をかざす。

 ――ピキィンッ!

 詠唱の文言を一切紡がなかったにも関わらず、彼女の手のひらから極寒の冷気を放つ見事な氷の結晶が瞬時に顕現した。

 

「無詠唱……!?」

「……詠唱なしで魔法を!?」

 

 魔法が無詠唱で発動したという事実に、今度こそ全員が言葉を失った。

 

「ノーバディとの戦いの時、ソラに手を掴まれた瞬間に思わず出たのだ。あの時はソラの魔法かスキルによる補助だと思っていたが……あの闘いの感覚を思い浮かべて手をかざすと、出たのだ」

 

 リヴェリアは手のひらの氷晶を握りつぶして消散させると、自らの手を不思議そうに見つめた。

 

「おそらくベート同様に、私にも彼からの未知の『影響』が出たのだろう」

「……せや。外の世界の力かあの子の力かは知らんが、あの子はウチらの常識すらもぶっ壊しよる」

 

 ロキはニヤリと、三日月のような笑みを深めた。

 

「やけど、それもこれもあの子が遠征に参加してからの話や。せやから、ウチが見るんや。相手はうちらの世界の子やないから、(ウチ)の眼がどこまで正確に反応するかは分からん。けどな……ソラが何かウソや詐称を企んでるんやとしたら、それを見抜くのはウチの得意分野やからな」

 

 悪戯と欺瞞を司るトリックスターは、獲物を狙う肉食獣のように目を細めた。

 

「あの子が本物の『勇者』なんか、それともただの食わせもんか。今日、ウチが丸裸にしたるわ」

 

 コンコン、と。

 ロキが不敵に宣言した直後、執務室の重厚な扉がノックされた。

 

「すいません。ヘスティア・ファミリアが訪ねて来ているのですが…」

 

 扉の向こうから、団員の声が響く。

 その報告を聞き、ロキは「噂をすれば、やな」と立ち上がった。

 フィン、ガレス、リヴェリア、そして第一級冒険者たちもまた、静かに主神の後に続く。

 

「さぁて、お手並み拝見といこか」

 

 未知の世界の扉を開くかのように、ロキを先頭にして、オラリオ最強のファミリア首脳陣は『来客』の待つ応接室へと歩みを進めていった。

 

 

 

 

 黄昏の館、広々とした応接室は、息が詰まるような沈黙に包まれていた。

 ふかふかの高級ソファに座るヘスティアは、腕を組んで威厳を保とうとしているが、貧乏ファミリアには不釣り合いな空気に少し落ち着かない様子だ。その隣で、ベルは緊張のあまりカチコチに固まっていた。

 無理もない。これから対面するのは、オラリオ最大派閥の頂点たちなのだから。

 だが、もう一人の少年――ソラだけは違った。

 

「うわぁ、このソファすごいフカフカだ! なぁベル、これ絶対高いよな!」

「ソ、ソラ……お願いだから大人しくしてて……!」

 

 緊張感の欠片もないソラの振る舞いにベルが半泣きでツッコミを入れた、その時だった。

 ガチャリ、と重厚な扉が開く。

 

「やっほー、ドチビ。わざわざウチの館までご苦労さん」

 

 ロキを先頭に、フィン、リヴェリア、ガレス、そしてアイズやベートたち第一級冒険者がぞろぞろと応接室へ足を踏み入れた。

 途端に、部屋の空気が一変する。都市最強の冒険者たちが無意識に放つ、圧倒的な威圧感。並の冒険者ならその場にへたり込んでしまうほどのプレッシャーの中、ヘスティアが毅然と立ち上がった。

 

「相変わらず嫌な空気だねロキ」

「貧乏神がウチの館で随分偉そうやないか。……まぁええわ。さぁて、あんたらの知っとること、洗いざらい全部喋ってもらおか」

 

 向かいのソファにドカッと腰を下ろし、不敵な笑みを浮かべて当然のように場を支配しようとするロキ。しかし、ヘスティアは負けじと声を荒げた。

 

「なんで君がそんな偉そうに仕切ってるんだよ! そもそも、君がボクたちをここに呼びつけたんだろうが!」

「うっさいねん。昨日の話でメインはそっちやないねん」

 

 キャンキャンと吠えるヘスティアの文句を軽く聞き流すと、ロキの細められた朱色の瞳が、ソファから立ち上がったソラを真っ直ぐに射抜いた。

 彼女は再び立ち上がり、スタスタとソラの目の前まで歩み寄ると、鼻先が触れ合うほどの距離まで顔を近づける。

 神の眼による値踏み。

 少しでも邪悪な野心や打算、ウソがあれば、彼女のトリックスターとしての嗅覚が絶対に見逃さない。

 

「久しぶりやなソラ。怪物祭(モンスターフィリア)じゃ世話になったなぁ、改めて礼を言うわ」

「ああ! 気にすんなって。改めてよろしくな、ロキ!」

 

 ソラは神の威圧感を前にしても一歩も引かず、それどころか屈託のない、太陽のような笑顔を向けた。

 その真っ直ぐすぎる青い瞳を至近距離で覗き込み……ロキは、心の中で大きく舌打ちをした。

 

(……アカン。裏も表もあらへん。綺麗すぎて逆に気持ち悪いくらいや)

 

 嘘も、悪意も、野心もない。ただ純粋に誰かを助けたいという、神から見れば馬鹿みたいな『光』だけがそこにあった。詐称やペテンを暴いてやろうと意気込んでいたロキは、あまりの肩透かしに毒気を抜かれてしまう。

 

「……チッ、おもんないわ」

「え? オレ、何か変なこと言ったか?」

 

 きょとんとするソラから視線を外し、ロキは再びドカッとソファに座り直した。

 

「まあええわ。ウチの出番は終わりや。フィン。あとは任せるで」

「ありがとう、ロキ」

 

 主神からパスを受け、まずはアイズが静かにベルの前へと進み出た。

 

「あ、あの……アイズ、さん……?」

 

 憧れの剣姫が目の前に立ち、ベルの顔が一気に林檎のように赤くなる。緊張で今にも逃げ出しそうなベルに向かって、アイズは深く、深々と頭を下げた。

 

「……えっ!?」

「ごめんなさい」

 

 鈴を転がすような、透明な声が響く。

 

「あの時、私の不手際でミノタウロスを上層へ逃がして……あなたを、死なせかけた。ずっと、謝りたかった」

「そ、そんな! 顔を上げてください! 僕は全然気にしてないですから!」

 

 慌てふためいて両手を振るベルに、アイズは顔を上げ、真剣な金色の瞳で彼を見つめた。

 

「ううん、私の気が済まない。私のせいで、君を傷つけて、迷惑かけたから……お詫びに、君に戦い方を教えたい」

「戦い方を……えっ!?何でですか!?」

「君が強くなりたい気持ちはわかるから。ダメ、かな?」

 

 小首を傾げ、少しだけ不安そうに見つめてくるアイズ。その破壊力に、ベルの思考は完全にショートした。口をパクパクさせ、顔から火を噴きそうな勢いで固まってしまう。

 胸の中の憧憬が張り裂けそうになりながら、僕はとっくに決まってしまっている答えを、ひたすら悩み、探し、考え続けた結果――。

 

「……お、お願いしますっ! 僕に、戦い方を教えてください!」

 

 顔から火を噴きそうな勢いのまま、ベルは深く頭を下げてアイズの提案を了承した。

 アイズはホッとしたように、小さくコクリと頷く。

 その初々しい様子に微笑ましく苦笑しつつ、今度はフィンが一歩前に出た。

 

「さて、アイズの気がかりとベル・クラネルの特訓が無事に決まったところで……ここからは、僕たちから君たちへの『提案』だ。神ヘスティア、それにソラ」

 

 フィンは団長としての鋭く、しかし穏やかな顔つきでソラを見据えた。

 

「単刀直入に言おう。僕たちは近々、ダンジョンの深層への『遠征』を控えている。そこに……ソラ。君にも同行してもらえないだろうか」

「オレが?」

 

 ソラが目を丸くする。話の飛躍に、ヘスティアも慌てて前に出た。

 

「ちょっと待ってよ! いくらなんでも、ウチのソラ君をロキのとこの遠征に巻き込む気かい!?」

「もちろん、ただ働きさせるつもりはないよ。得られた報酬は相応の割合で分配する。件で君たちが抱えている……いや、資金的な悩みも一気に解決するはずだ」

 

 フィンの言葉に、ベルとソラの肩がビクッと跳ねた。どうやらファミリアの借金事情すら、この男には見透かされているらしい。

 

「そして何より……」

 

 フィンは声のトーンを落とし、真剣な声色に切り替える。

 

「君の探している『ハートレス』の手がかりは、間違いなくダンジョンの未踏領域――深層にあるはずだ。この事態を解決するためにも、僕たちと手を組むのが一番の近道じゃないかな?」

 

 フィンの理路整然とした提案に、応接室は再び静まり返った。

 誰もがソラは首を縦に振るだろうと思った。資金面でも戦力面でも、これ以上ない好条件だったからだ。

 しかし、ソラは少し考える素振りを見せた後、申し訳なさそうに眉を下げて首を横に振った。

 

「ごめん、フィン。遠征には行けないんだ」

「ふむ……理由を聞かせてもらえるかい?」

「上層で『鍵穴』を見つけなきゃいけないんだ」

「鍵穴?」

 

 聞き慣れない単語に、フィンだけでなくロキや他の幹部たちも首を傾げる。

 

「ああ。鍵穴は、ハートレスが外の世界から侵入してくる扉みたいなものなんだ。ギルドでウラノス様から聞いたんだけど、そういった穴の気配がダンジョンの中で複数感じられて、その内の一つが上層にあるって言ってたんだ」

「上層に、ハートレスの侵入経路が……」

 

 フィンの顔つきが、先ほどよりも一段と険しくなる。

 

「うん。噂だけど、すでに上層でハートレスの被害にあったって話もある。まだ戦いに慣れていない冒険者たちが危ないんだ。だから、少なくとも上層で鍵穴を見つけて塞ぐのを、最優先にしたい」

 

 深層の謎よりも、まずは目の前で脅威に晒されている浅い階層の冒険者たちを守りたい。

 ソラの真っ直ぐな、純粋すぎる英雄の意志。それを聞いたフィンは、小さく息を吐いて頷いた。

 

「……なるほど。深層の調査よりも、まずは一般の冒険者への被害を食い止めるのが先決、というわけだね。君の言う通りだ。それなら仕方ない」

 

 ファミリアの利益よりもオラリオ全体の被害を防ごうとするソラの決断を、フィンも、ロキたちも咎めることはしなかった。

 残念だが同行は諦めよう。そう誰もが思った、次の瞬間。

 

「あ、でも鍵穴がすぐに見つかったら、遠征に参加できるよ!」

 

 ソラがパッと顔を輝かせて、あっけらかんと言い放った。

 

「「「…………は?」」」

 

 あまりにも軽いトーンでの条件追加に、フィンを含めたロキ・ファミリアの面々は、毒気を抜かれたようにぽかんと口を開けるのだった。

 

「……いいのかい?」

 

 最初に我に返ったフィンが、ソラの顔をまじまじと見つめながら尋ねた。

 

「上層の調査だけでもかなりの労力になるはずだ。その直後に深層への遠征となれば、君の負担は計り知れないよ」

「オレの力が必要なんだろ?」

 

 ソラは事も無げに言って、ニカッとひだまりのように笑いかけた。

 

「それに、遠征に行けばもしかしたら深層で『別の鍵穴』を見つけられるかもしれないしさ。一緒に行ったほうが絶対にいいだろ?」

「っ……」

 

 打算など一切ない、ただ純粋に助けになりたいという真っ直ぐな言葉。

 フィンは一瞬だけ目を丸くし――やがて呆れたように、しかしどこか心地よさそうに肩を揺らして笑い出した。

 

「はははっ……君という少年は、本当に底が知れないな」

「なんや、ウチのフィンまであっという間に毒気抜かれとるやないか」

 

 ロキもやれやれと首を振るが、その朱色の瞳には先ほどまでのピリついた警戒心はなく、どこか面白がっているような親愛の光が宿っていた。

 

「いいだろう。それじゃあ、上層での『鍵穴』探しが遠征の出発に間に合えば、同行してもらうということで仮決定だ。僕たちも、上層の異常についての情報収集は協力させてもらうよ」

「本当か!? ありがとう、フィン!」

「礼を言うのはこちらの方さ。……ベル・クラネルも、アイズとの特訓頑張ってくれ。彼女は少し不器用だが、きっと君の力になるはずだ」

「は、はいっ! あ、ありがとうございます……!」

 

 アイズとの特訓決定と、遠征への協力。

 両ファミリアの間にあった見えない壁が、ソラの屈託のない笑顔によって完全に取り払われた瞬間だった。

 

 

 

 

「さて、話は終わりだね。それじゃあボクたちはこれで帰らせてもらうよ」

 

 これ以上厄介事に巻き込まれる前にと、ヘスティアが足早に背を向けた、その時だった。

 

「待ってくれないか」

 背後からフィンが待ったをかける。ヘスティアはピタリと足を止め、不機嫌そうな目を向けて振り返った。

 

「……今度はなにさ」

「すまない、少しだけ確認したいことがあってね。ソラ……君のその『キーブレード』を、少し持たせてくれないかい?」

 

 フィンの唐突な頼みに、応接室の面々が不思議そうな顔をする。だが、ソラは特に警戒する様子もなくあっさりと頷いた。

 

「いいぞ。それぐらいなら」

 

 ソラは右手にキーブレードを出現させると、無造作にフィンの手へと渡した。

 小人族(パルゥム)であるフィンにとっては自身の背丈ほどもある重厚な鍵の剣を、彼は両手でしっかりと握りしめる。柄の感触、重量、そして内包される得体の知れない力の波動。オラリオの最強の一角である彼でさえ、それが尋常ならざる『武具』であることを肌で感じ取っていた。

 しかし――数秒が経過した、その時だった。

 スッ、と。

 フィンに握られていたはずのキーブレードが突如として光の粒子となって消失し、瞬きする間に持ち主であるソラの手元へと戻ってしまったのだ。

 

「おっ。ごめん、やっぱオレ以外が持つと勝手に戻ってきちゃうみたいだ」

「……いや、気にしないでくれ。ありがとう、ソラ」

 

 フィンは穏やかな笑みを浮かべてソラに礼を言った。

 だが、その内心では、誰にも見えない形で(やはり、かぁ……)と、小さく、ひどく落ち込んでいた。

 一族の復興を掲げ、自らを奮い立たせて作られた『勇者』として生きる彼にとって。真なる勇者の証とも言える異世界の剣に「選ばれなかった」という事実は、頭では理解していても、少なからず彼の心をへこませるには十分な出来事だったのだ。

 

 

 

 

 黄昏の館の応接室を後にしたヘスティア、ベル、ソラの三人。

 重厚な扉が閉まり、緊張から解放されたヘスティアとベルがふぅと深く息を吐きながら廊下を歩き出そうとした、その時だった。

 

「あ、あの……っ!」

 

 廊下の壁際から、おずおずと声をかけてくる影があった。

 金色の長い髪と、エルフ特有の尖った耳。緊張した面持ちでモジモジとしているのは、ロキ・ファミリアの魔導士、レフィーヤ・ウィリディスだった。

 

「ん? 君は……確か、レフィーヤだっけ?」

「は、はいっ。先日は、本当にありがとうございました」

 

 ソラが気さくに名前を呼ぶと、レフィーヤは弾かれたように姿勢を正し、深々と頭を下げた。先日、オラリオ中が混乱に陥った『怪物祭(モンスターフィリア)』での騒動の際、ソラに助けられたことへの感謝だった。

 

「あの時……私を庇ってくれたソラさんの盾……。失ってしまった盾のお礼と弁償は、私が必ずしますから……!」

 

 真剣な眼差しで訴えかけてくるレフィーヤ。

 怪物祭でソラが彼女を守った際、強烈な一撃を防いだ『盾』が光となって消失してしまったのを見て、彼女はずっと「自分のせいで彼の貴重な武具を壊してしまった」と気に病んでいたのだ。

 しかし、ソラはあっけらかんと言って笑った。

 

「ああ、あれね。いいよ、気にしなくて」

「えっ? で、ですが……!」

「ほら、見てて」

 

 食い下がろうとするレフィーヤの言葉を遮り、ソラはポンッと右手を前に出した。

 ――カァァァッ!

 その瞬間、眩い光の粒子がソラの全身を包み込んだ。

 

「えっ……?」

 

 レフィーヤが目を丸くする前で、光が晴れたソラの服装が、いつもの黒を基調としたものから、緑を基調とした形態へと一瞬にして変化していた。

 さらに、彼が突き出した右手には、怪物祭(モンスターフィリア)の時に彼女を守り抜いたフライパンのような奇妙な意匠の盾――フライパンが、無傷の状態で顕現していたのだ。

 

「ほら、傷なんてないだろ?」

 

 ソラはニカッと笑うと、その盾をレフィーヤへと無造作に差し出した。

 

「えっ……あ、はい……」

 

 恐る恐る、レフィーヤはその盾を両手で受け取りしめた瞬間。盾は消失するどころか、その手にしっかりと留まり続けたのだ。

 

(……あれ? おかしいな。さっきのフィンの時みたいに勝手に戻ってこない?)

 

 ソラは不思議そうに小首を傾げた。本来であればすぐさま持ち主の手元へ帰ってくるはずなのだが、なぜかレフィーヤが持ってもそれは起きなかったのだ。

 だが、根が楽天的なソラは「ま、いっか」と、それ以上深く考えることはなかった。

 一方のレフィーヤは、そんなことなど知る由もない。彼女はただ、手渡されたグランシェフの盾をまじまじと見つめ、その表面に傷一つないことを確認して、ようやく安堵の息を吐き出した。

 

「ほ、本当ですね……。よかったです、壊れていなくて……」

 

 レフィーヤはほっと胸を撫で下ろし、盾をソラへと返す。ソラがそれを受け取ると、盾は光の粒子となって消散し、彼の服も元の色へと戻った。

 

「こんな風にいつでも出せるし、壊れてもすぐ直るからさ。だから気にすることないよ!」

「えっ……? ええええええええっ!?」

 

 ここでようやく、レフィーヤの思考が追いついた。

 詠唱もなしに一瞬で服が変わり、空間から武具が出現し、そして消えた。彼女の常識を根底から覆すデタラメな現象を時間差で理解し、レフィーヤは完全に放心状態となり、口をパクパクと開閉させる。

 

「ちょっとソラ君! 何油売ってるんだい、置いてくよー!」

「ソラ、早く帰ろう!」

 

 前方から、すでに廊下を歩いていってしまったヘスティアとベルの声が響く。

 

「あ、今行く! じゃあね、レフィーヤ!」

 

 ソラは元気よく手を振ると、二人の後を追って駆け出していった。

 後に残されたのは、手の中に残る不思議な感触と、自身の常識を粉々に打ち砕かれたショックで、壁際で燃え尽きたように立ち尽くすエルフの少女だけだった。

 

 

 

 黄昏の館のバルコニー。

 夜風が冷たく吹き抜ける中、ハイエルフの王族たるリヴェリアは、一人静かに夜空を見上げていた。

 

 無数に瞬く星々。これまで天界と下界しかないと信じていた彼女にとって、頭上に広がる景色は、昨日までとは全く違った意味を持ち始めていた。

 

(あの星の一つ一つが、ソラの言う『外の世界』なのだろうか……)

 

 無意識のうちに、リヴェリアは天空に向かってそっと手をかざしていた。

 手のひらに氷晶を咲かせた時のように、未知なる力と、はるか遠くの異世界に想いを馳せて。

 

「あんなん、ただ空の上で燃えとるだけやで」

 

 突如、背後から気の抜けた声が降ってきた。

 振り返らなくともわかる。呆れたように手を下ろしたリヴェリアの視界の端に、神酒(ソーマ)の入った杯を片手に持ったロキが歩み寄ってくるのが見えた。

 

「なんやリヴェリア。ソラの話を聞いて、外の世界にロマン感じてしもうたんか? うちらの世界の星なんて神の目から見りゃ、ただガスや岩が燃えとるだけか他の神の別荘みたいなもんで退屈なもんやで」

 

 ニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべて茶々を入れるロキに、リヴェリアは深く、ひどく深いため息を吐き出した。

 

「……ロキ。折角の気分を壊すな」

「なんやねん、ウチは事実を言うただけやろがい!」

 

 唇を尖らせて抗議するロキだったが、ふと真面目な、けれどどこか酔いの回った顔つきになってリヴェリアの隣に並んだ。

 

「なぁ、リヴェリア。もし外の世界に行くってなったら、ウチも付いて行ってええか?」

「……何故だ?」

 

 突拍子もない提案に、リヴェリアは胡乱な目を向ける。

 

「いやな、ソラが言うとったやろ? 外の世界には別の『ゼウス』がおるって。てことはやで? もしかしたら、外の世界にも『ロキ』がおるかもしれんやないか」

「それがどうした。何故、外の世界に行ってまで自分を探す? お前のことだ、未知の世界に行けばもっと他の享楽を求めるのだろうと思っていたが」

 

 リヴェリアの理詰めなツッコミに対し、ロキは神酒《ソーマ》の杯を揺らしながら、へらっと頬を染めて笑った。

 

「いやな、別のウチにな……リヴェリアやフィン、アイズとウチの可愛い眷族(子どもら)を、思いっきり自慢したろうと思うてなー! どや、ウチに、マウント取ったるねん!」

 

 えっへん、と胸を張って高らかに笑う酔っ払いの主神《カミ》様。

 予想の斜め上を行く、あまりにもくだらなく、そしてあまりにも彼女らしい理由に、リヴェリアは大きく目を見開いた後――今日一番の、特大の呆れ息を吐き出した。

 

「……まったく…」

 

 呆れたような、けれどどこか温かい響きを帯びた声で呟き、リヴェリアは再び夜空へと視線を戻す。

 神にとってはただの燃える石かもしれない。しかし、今の彼女には、その煌めきの向こう側に広がる無限の未知が、ほんの少しだけ悪くないものに思えていた。

 

 

 

 

 黄昏の館での会談を終え、家路につくソラとベル、そしてヘスティアの三人。

 談笑しながら歩く彼らの姿を、遥か上空から静かに見下ろす影があった。

 夜風が吹き抜ける、とある巨大な建築物の屋上。

 そこに佇むのは、頭からすっぽりと黒いコートを被った人物だった。一切の感情を感じさせない静寂な眼差しで、街の雑踏に消えていくソラたちの背中をじっと見つめている。

 その背後の空間がぐにゃりと歪み、黒い靄のような闇の回廊が開いた。

 中から足音もなく現れたのは、同じく黒いコートを身に纏った銀髪の男――ルクソードだ。

 

「ご足労を掛けた先輩への労いはないのかね、ザリファ」

 

 飄々とした口調で話しかけるルクソードに対し、ザリファと呼ばれた人物は振り返ることもなく、淡々と答えた。

 

「心なき私たちに、礼の言葉は必要か?」

「おいおい、傷つくじゃないかザリファ」

 

 肩をすくめ、芝居がかった仕草で茶化すルクソード。

 ザリファは眼下の景色から視線を外し、少し逡巡するように沈黙した後、コートの懐から何かを取り出し、ルクソードへ向けて無造作に放り投げた。

 

「……礼だ」

「おや」

 

 手首を返してそれを受け取ったルクソードは、まじまじと手元を見つめた。

 それは冷気を放つ水色のアイスキャンディー――シーソルトアイスだった。

 

「これで喜ぶのは、アクセルやロクサスぐらいだろうに」

 

 ルクソードは呆れたように口の端を曲げたが、それでも文句は言わず、包装を解いてしゃりっと一口かじった。しょっぱくて甘い独特の味が、冷たい夜の空気に溶けていく。

 やがてアイスを綺麗に食べ終わったルクソードは、ハズレと書かれた棒を虚空に消散させながら、本題を切り出した。

 

「それで、どこに行っていたんだ?」

「自分が何者なのか、探していた」

 

 夜風にコートの裾をはためかせながら、ザリファは眼下に広がる街並みを見下ろした。

 

「して、自分が何者なのか分かったのかね?」

「いや。学区で私が人間だった頃の名前を叫ぶ奴がいたが……残念ながら、なにも思い出せなかった」

 

 かつての自分を知る者との接触。しかし、そこに心境の変化は微塵も感じられない。淡々とした声の響きに、ルクソードはただ短く「そうか」とだけ返した。

 

「ふむ、では、世界を見て回った感想は?」

 

 ルクソードの問いかけに、ザリファは迷宮都市の象徴である巨大なバベルの塔、そして広大な下界の空を縛るかのような『世界の壁』の方角を見据え、静かに言い放った。

 

「この世界は、牢獄だ」

 

 

 

 黄昏の館から、ヘスティアも一緒にホームへと帰還した夜。

 これからのことを話し合う中で、問題となったのは「上層での鍵穴探し」だった。

 ベルとソラの二人だけで広大なダンジョンを探索し、隠された鍵穴を見つけるのは至難の業だ。そこでサポーターであるリリルカの話題が出たのだが、鍵穴という重大な秘密を彼女にどう誤魔化すか悩むベルに対し、ヘスティアは静かに問いかけた。

 

「ねえ、ベル君、ソラ君。そのリリって娘は……本当に信用に足る人物なのかい?」

「え……」

 

 ファミリアから孤立している不可解な身の上。それに加え、リリルカをつけ狙うタチの悪い冒険者の存在。

 言葉に詰まり、何も言えなくなるベルを見て、ヘスティアは申し訳なさそうに眉を下げた。

 

「ごめんね、こんなことを言って。でもボクはその娘のことを知らないから、どうしても客観的な口振りになってしまう。直接その娘のことを見てきた君たちの判断が、やっぱり正しいのかもしれない。……でもボクは、あえてひどいことを言うよ」

 

 君達の方が心配だから。そう続けて、ヘスティアは再び、子を問いただすような静かな神威を纏った。

 

「君達の言う冒険者の男に疑われる何かを……いや、後ろめたい何かを、彼女は隠し持っているんじゃないかい?」

 

 君達もわかっているんじゃないか。神様は、正確にベル達の心の内を射抜くように告げた。

 ……それはもしかしたら、頭のどこかで考えないようにしていたことなのかもしれない。

 サポーターとして今まで沢山手を貸してくれたリリに、モンスターから命まで救ってくれた彼女に、ベルは無意識のうちに盲目であろうとしていたのか。

 ヘスティアに真っ直ぐ見つめられるベルは、しばし動きを止めて、それまでリリが見せてきた顔を、見えてしまったリリの素顔の一部を、全部を全部、思い返していた。

 

「……確かに、リリはオレたちに何か隠してる」

 

 沈黙を破ったのは、ソラだった。

 

「もしかしたら、後ろめたいことを隠してるかもしれない。だけど、多分だけど……それはリリにとって、そうするしかない『仕方のない事情』があるんだと思う。オレは、リリを信じたい」

「どうして、そう言い切れるんだい?」

 

 ヘスティアが尋ねると、ソラは真っ直ぐな青い瞳で答えた。

 

「なんとなく…かな?」

「なんとなく?」

 

 疑問に思うベルとヘスティアに、ソラは力強く頷く。

 

「オレ、いろんな世界で、いろんな人を見てきたんだ。その中で見たリリは……諦めないで、どうにかして自分の夢を叶えようとしてるように見えたんだ。だから、オレはリリを信じたい」

 

 真っ直ぐで、一片の曇りもないソラの言葉。

 それを受けたヘスティアは、ふうと息を吐いて神威を引っ込めた。

 

「……そこまで言うなら、ボクからはもう何も言えないよ。だけど、警戒だけは怠らないでね」

 

 リリへの懸念が一段落し、話は再び「鍵穴探しを行うパーティ」のことに戻った。

 ソラたちの事情を加味して協力を頼めそうな人物を考えると、必然的にシャクティ、椿、フィンたちの顔が浮かぶ。だが、ベルのような新人のパーティに第一級冒険者が加わるとなれば、どう考えても目立ちすぎる。

 頭を抱える中、ヘスティアがふと顔を上げた。

 

「あ、召喚なら助けになるんじゃないかい! 戦いの時だけ、ジーニーとかスティッチとかを召喚すれば、目立たないし問題は解決するだろう!?」

「ああ、それは無理なんだ」

「えっ? どうしてだい?」

 

 名案だと思ったヘスティアに、ソラは申し訳なさそうに首を横に振る。

 

「召喚は召喚石やチャームを使えばできるんだけど……今、オレが持ってる絆のお守り(これ)は、オレとの『心の繋がり』を『魔法』によって一時的に生み出してるんだ。だから、使ってる間はオレの魔力をずっと消費し続けるんだ…」

「そ、そんなぁ……」

 

 恒久的な戦力追加にはならないという事実に、ヘスティアががっくりと肩を落とす。

 少ししんみりとした空気が流れる中、ベルは話題を変えようと、ソラの手元にある別のお守りを指差した。

 

「ねえソラ、そのお守りは誰を呼ぶの?」

「ああ、これ? これはドリームイーターを呼ぶんだよ」

「ドリームイーター? 前に言ってた」

「うん」

 

 ソラは眠りの世界での冒険を思い出し、微笑んだ。

 

「みんなをここに呼べたらいいのになぁ! 一緒にいるとすごく楽しいんだ!」

 

 ソラがドリームイーターのお守りを胸に抱きしめ、心から願ったその時。

 お守りが眩い光を放った。

 

「え?」

「「え?」」

 

 部屋中が光に包まれ、全員が目を閉じる。

 光が収まると、そこには見たこともない生き物がいた。

 犬と猫を混ぜたような、丸々とした体。青と白の体色に、黒い瞳は十字の形をしている。お腹には紋章のようなマークがあり、短い尻尾を振っていた。

 その生き物はキョロキョロと周りを見回し、ソラ、ベル、ヘスティアを見て、嬉しそうに声を上げた。

 

「わんっ!」

 

 ワンダニャンが、元気に挨拶をした。

 

 




最近キングダムハーツⅢの召喚はⅠやⅡように実際に呼び出しているんじゃなくて魔法で再現しているみたいなの知って驚きました
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