キングダムハーツ オラリオ ミィス   作:小説好きー

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番外編です。
ソラ達がソーマファミリアに向かっている頃。一方でみたいなのです。
時系列とかでおかしな箇所はあるでしょうがどうか大目に見ていただければ幸いです


【一方その頃XIII機関】

 とある遺跡の中心で、ダルザクスはダスクからの密かな報告を受け取っていた。

 

「そうか……ベルも一緒か」

「あれほどの激闘からすぐに向かうとは勝負師としては好感が持てるな」

 

 ダルザクスの感情の起伏がない呟きに、傍らに佇む美しい灰色の長髪を持つザリファが反応し、その横でルクソードが言葉を続けた。彼の言葉に、空間の隅でだるそうにデミックスが、深く溜息をつきながら口を開いた。

 

「なぁ、やっぱり俺っていらなくね?」

「今回の任務はディラクスを除いた全員で相手はしなくてならないのだぞ。そう弱気になるなデミックス」

「いや、怖いし死にたくないし、というかヴィクセンに言われたくないし、ここにいるぐらいならディラクスと一緒にソラ達のとこの方が……」

「まぁまぁ、そう熱くなるなよデミックス。ここにはゼムフェイティスがいるし、ゼムナスたちだっているんだ。みんなで力を合わせて頑張ろうぜ」

 

 情けない声を上げて肩をすくめるデミックスを、頑強なシールドを構えた金髪の男が鋭い視線で睨みつける。必死に腕を振り回して拒むデミックスを、優しげに微笑みながら場を宥めたのはベルセクスであった。だが、デミックスはその言葉にさらに噛み付くように声を荒らげる。

 

「っていうか、ベルセクス! お前一応、神だろ!神の力とかであのハートレスを倒せるだろ!」

「今の俺はノーバディだから正確に言えば元、神だよ。だらか今の俺に神の力(アルカナム)は使えない。……それに」

 

 ベルセクスは静かに首を横に振り、自らの視線を部屋の奥へと向けた。

 

「あのハートレスには、そもそも神の力(アルカナム)は通じないよ」

 

 全員の視線が、ベルセクスの見つめる先――空間の最奥へと注がれる。そこに鎮座していたのは、この世界の理を完全に踏みにじる、おぞましき巨大なハートレスの姿だった。

 その名はルナ・フォールンアンタレス。

 古代に封印された強大なモンスター、アンタレスが、ハートレス化した存在。漆黒の禍々しい甲殻に覆われた、見上げるほどの山のような巨大な蠍の姿をしており、その全身からは空間そのものをドロドロと腐食させるような高密度の紫黒色の闇のオーラが絶え間なく噴き出している。そして何より異様なのは、その蠍の頭部、巨大な闇の結晶の内部に、純白の美しい髪をなびかせた女神アルテミスが、悲痛な表情で目を閉じたまま完全に囚われ、取り込まれていることだった。神の放つ聖なる輝きが、ハートレスの果てしない暗黒と混ざり合い、触れるもの全てを滅ぼす絶望的なエネルギーとなって周囲を圧倒している。

 

「……女神アルテミスを取り込んだあれは、いまだその力の制御はできていないが、その力はまさに絶大だ。このまま放っておけば、この世界など……無惨に滅びるだろうな」

 

 ベルセクスに隣に立つゼムフェイティスが、冷酷な現実を突きつけるように静かに告げた。

 

「だが、世界を救う手立ては、まだ残っているんだろ?」

 

 ベルセクスが、中央に立つ組織の指導者を振り返る。XIII機関の頂点に君臨する男――ゼムナスは、その問いに対して「あぁ……」と深く、地鳴りのような重々しい声で頷いた。そして、ゼムナスがスッと右手を差し出すと、眩い光の粒子が収束し、その手元にキーブレードが音もなく出現した。

 

「では、行こう」

 

 ゼムナスの絶対的な号令が空間に響き渡る。

 その言葉に応じるように、シタール、シールド、カードが出現し、ダルザクスは手元にレプリカ・マスターキーパーを出現させた。ザリファは、悪魔の翼と見開かれた青い瞳が意匠された禍々しくも美しいレプリカキーブレードを静かに構える。ゼムフェイティスは大剣を構え、ベルセクスは武器を手にせず、両手に濃密な闇のオーラを纏わせた。

 彼らの背後に控えていた四人のノーバディたち、ジノール、ザディン、バクサル、ジルディスもまた、一切の感情を失った瞳の奥に鋭い闘志の光を宿し、一斉にそれぞれの武器を虚空から引き抜く。

 彼らが戦闘態勢に入ったのと同時に、空間のあちこちが歪み、無数の配下ノーバディたちが実体化して集結を始めた。ソーサラー、バーサーカー、ドラグーン、ダンサー、ギャンブラー、サムライ、ニンジャ、デバウアー、チューナーなど、多種多様なノーバディたちが、ゼムナスの背後を白く塗りつぶすように埋め尽くしていく。

 世界を滅ぼさんとする巨大な闇の深淵を討つべく、ノーバディの軍勢が、今まさに静かに進軍を開始しようとしていた。




・ルナ・フォールン・アンタレス
 アンタレスアルテミスの力に追加でハートレス化した存在。キーブレードがなければ倒されるとダンジョンに出現するようになり、もしゼムナスがキーブレードを使えなければ21巻で精霊竜とハートレス化したアンタレスと同時に相手しないといけない事態になるところでした。
 今作のゼムナスは3での記憶やダンまち世界で活動していた影響で心が芽生えています。後、弟子が一人います。
 というわけでXIII機関全員出ました。ヴィクセンは漫画版から登場で、厳密に言えばヴィクセン本人ではありません。アリーゼたちを期待していた皆さん申し訳ありません。彼女達には別の役割がありますので残念ながらノーバディ化はしてません。
 名前のつづりとしてジノール(Xinor)、ザディン(Xadin)、バクサル(Xabal)、ジルディス(Xildis)、ゼムフェイティス(Xempheiteus)となります。
特に続きは今のところはありません。次回にはリリ達サイドに話が戻ります
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