キングダムハーツ オラリオ ミィス   作:小説好きー

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原先2、外伝2辺り
第9話 デートとグミシップ


「凍れ!」

 

 ソラが叫ぶと同時に、宙を舞うレッドノクターンの群れに向けてブリザガが放たれた。氷の魔法はハートレスの群れの中心で炸裂し、鋭い氷の破片となって周囲の敵を一網打尽にする。

 さらにソラはサークルレイドを繰り出し、迫りくるソルジャー、ハイソルジャー、そしてトルネードステップの群れをまとめて薙ぎ払う。

 一方のベルも負けてはいない。

 トルネードステップをヘスティア・ナイフで一刀両断すると、即座に横へと回転し、レッドノクターンが放った火球を回避。そのまま一気に距離を詰め、その短剣で突き刺して瞬殺する。

 息つく暇もなく、今度はソルジャーの回転蹴りをサイドステップでかわし、ヘスティア・ナイフの一閃でその首を切り落とした。

 

 周囲のハートレスが光の粒子となって消えていくのを見届け、ベルは小さく息を吐いた。

 ヘスティアによる《神の恩恵(ファルナ)》の更新のおかげで、以前ソラと共に第7階層に来た時よりも、ステイタスは確実に向上している。そして何より、この『ヘスティア・ナイフ』がある。

 

(光って、すごい……!)

 

 ベルは自身のナイフを見つめ、その黒い刃の縁を覆う白い光に感嘆した。

 光の効果は絶大だ。対ハートレスにおいて、その威力は目を見張るものがある。以前のように何度も斬りつける必要はなく、狙い澄ました一撃で確実に葬り去ることができる。

 この新たな武器があれば、もう以前のように撃ち漏らしに手こずることもない。自分の受け持ち分を素早く片付け、ソラの援護に回ることもできる。

 戦力として、より能動的に動けるようになったのだ。

 

(それでも……)

 

 素早い動きで次々とハートレスを処理していくソラを見やり、ベルは思う。

 

(ソラに追いつくには、まだまだ遠いな)

 

 ふと、ベルは壁に亀裂が入り、ダンジョンのモンスターたちが這い出してくるのに気づいた。キラーアントだ。

 

(ソラの邪魔はさせない!)

 

 ベルは即座に動き出し、ソラがハートレスの処理に集中できるよう、ダンジョンモンスターの迎撃に向かった。

 

 壁から這い出るキラーアントたちに対し、ベルは的確に急所を狙い、一撃のもとに沈めていく。

 特筆すべきは、ヘスティア・ナイフがハートレス以外に対しても高い威力を発揮していることだ。ベルの成長と共に進化するこのナイフは、光のコーティングによって実質的に二重の刃を持っていると言える。

 

 まずは光の刃が対象を切り裂き、その光に耐えうるものがあれば、その下の金属の刃が断ち切る。つまり、ベルの斬撃は二倍の切断力を持っているに等しい。

 その切れ味は、キラーアントの硬い外殻を切り裂くのに十分すぎるほどだった。

 キラーアントを片付けると、今度はホーンラビットたちが角を突き出して突進してきた。

 ベルはサイドステップでこれをかわし、すれ違いざまに空中で一匹を斬り捨てる。そのまま回転の勢いを利用してもう一匹を蹴り飛ばすと、起き上がろうとしたところをナイフで突き刺してとどめを刺した。

 頭上からはパープルモスが舞い降り、毒鱗粉を撒き散らそうとする。

 ベルは即座にバックステップで回避し、逆手に持ったもう一本の短剣――予備のダガーを投擲した。

 しかし、ダガーは空中で不安定に回転し、柄の部分がパープルモスの頭にコツンと当たっただけで、モンスターを少し怯ませるに留まった。

 ベルは内心で毒づきながらも、その隙を見逃さずにディフェンダーを投擲し、パープルモスを潰した。

 ベルがパープルモスの死骸を確認すると周囲を見回し、増援がないことを確認すると、ベルはようやく安堵の息をついた。

 

(ナイフを投げるのって、思ったよりずっと難しいな……)

 

 ヘスティア・ナイフに加えて二本目のダガーを帯びるようになったベルは、モンスターを相手に投擲の練習を試みていた。だが、不規則に動く標的を射抜くのは容易ではなく、放った刃は虚しく空を切るばかりでなかなかうまくいかない。

 息を吐き、ふと視線を横に向けると、どうやらソラの方も片が付こうとしているところだった。

 彼の周囲を取り囲んでいるのは、レッドノクターンの群れだ。空中をふらふらと浮遊するその捉えどころのない影たちは、四方八方からソラに向けて一斉に火球を放っていた。

 回避すら困難に見える弾幕の中、ソラは臆することなくレッドノクターンに向かって駆け出した。そして、あろうことかそのレッドノクターンの集団の中心で、猛烈な速度で回転し始めたのだ。

 すると、驚くべき光景が広がった。

 ソラの回転が生み出した旋風がまるで強力な磁石となり、離れた場所にいたレッドノクターンたちを強引に引き寄せたのだ。逃げようと足掻く魔物たちが、抗う間もなくソラのもとへと吸い込まれていく。

 次の瞬間、ソラは回転の遠心力を乗せたまま飛び出し、範囲内に密集したすべてのレッドノクターンをその一撃でなぎ倒した。

 すべてのハートレスが光の粒子となって消滅する。その中で、ソラは何事もなかったかのように軽やかな着地を決めた。

 

「お疲れ、ソラ」

 

 戦闘の熱が引いたダンジョンの通路は、再び静寂に包まれている。ハートレス特有の不穏な気配も、今は完全に消え失せていた。

 地面には、ダンジョンモンスターが残した魔石やドロップアイテムと、ハートレスが消滅した後に残された光の粒が混在して散らばっている。

 

「この辺りのハートレスは一掃できたみたいだな。嫌な気配もしなくなった」

 

「そうだね、これなら、他の冒険者たちが通っても大丈夫だと思うよ」

 

 ベルが魔石を拾い集めながら答える。

 

「よし、それじゃあ……」

 

 ソラは大きく伸びをすると、天井――遥か上にある地上の方角を見上げた。

 

「地上に帰ろうか、ベル」

 

 ニシシ、と悪戯っぽく笑うソラに釣られて、ベルも表情を緩ませた。

 異世界から来た英雄と、駆け出しの冒険者。

 二人は拾い集めた魔石と戦利品を腰のポーチに詰め込むと、並んで歩き出した。

 

「戻ったらギルドに換金に行こう、ソラ!」

「おう! 競争だ、ベル!」

 

 薄暗いダンジョンの通路を、二つの影が光に向かって駆け抜けていく。

 

 

 

 

「なぁなぁかぁいそうぅぅぅっ!?!?」

 

 ギルドのロビーに、エイナの悲鳴にも似た絶叫が響き渡った。

 周囲の冒険者たちが何事かと視線を向ける中、受付カウンターの向こうで、エイナは信じられないものを見るような目で二人を凝視している。

 

「は、はい……。ソラと二人で、その……証拠のドロップアイテムも、一応ありますけど……」

 

 ベルが恐る恐る鞄へ手を伸ばそうとすると、エイナは身を乗り出し、それを制するように詰め寄った。

 

「君はちょっと前に、ミノタウロスに殺されかけたのよ!!どうしてそんな無茶をしたのっ!? 二人パーティとはいえ、いきなり第5、第6を飛ばして7階層だなんて! 自殺行為にも程があるわ!」

 

 剣幕に押され、ベルとソラは顔を見合わせて苦笑いを浮かべるしかない。

 無理もない。エイナは知らないのだ。二人がダンジョンの正規ルートとは別に、通常のモンスターより遥かに厄介なハートレスと戦い続けていることを。

 その激戦に比べれば、階層を進むこと自体は自然な流れだったのだが――。

 

「で、でもエイナさん! 僕のステイタスも上がって、第7階層でも十分戦えるくらいにはなってるんです!」

「本気で言ってるの? アビリティ評価が『H』の君が成長だなんて!」

「いや、それは違うよ、エイナ」

 

 エイナの言葉を遮るように、ソラがひょいと横から口を挟んだ。

 

「待ってよエイナ、今のベルのステイタスは、『H』なんてレベルじゃない。敏捷は『C』に届いているんだ」

「……は?」

 

 ソラの言葉にエイナの思考が停止した。

 美しいエメラルド色の瞳が点になり、次いで疑惑の色を帯びて細められる。

 

「C……? ソラ君、ベル君を庇うのはいいけれど、それは流石に冗談が過ぎるわよ。登録してから一ヶ月も経ってないのに、アビリティがCに到達するなんてありえないのよ」

「本当なんです、エイナさん! 嘘じゃありません、前回会った時よりすごく成長したんです!」

 

 ベルは必死に食い下がる。

 その瞳を見ると、偽りは一切ないように感じられる。

 エイナは二人の顔を交互に見つめた。

 ベルは嘘をつくような子ではないし、ソラもまた、ベルと同じくらい真っ直ぐな瞳をしている。ここで詰まらない虚勢を張るような二人ではないことは、担当アドバイザーとして理解しているつもりだ。

 

「…………」

 

 エイナは一つため息をつくと、意を決したように眼鏡の位置を直した。

 

「……ベル君。背中のステイタス、見せてもらえる?」

「えっ、あ、ステイタスって基本、秘密にするものじゃ……」

「そうだけど! 数値を見るだけよ。スキルとか魔法は見ないって約束するから!」

 

 パンッ! と両手を合わせ、エイナは拝み倒すようなポーズをとる。アドバイザーとしての職務意識と、単純な好奇心がせめぎ合っているようだ。

 ステータスを見せることにベルがたじたじになるが、エイナが魔法もスキルを見ないという言葉を信じて、ベルは認めた。

 

「うぅ……僕にはスキルないですし、僕の魔法を見ないなら数値だけなら構いませんけど……その」

 

 ベルはもじもじと身を捩り、頬を朱に染めて視線を泳がせた。

 

「こ、個室をお借りしてもいいですか? ここで服を脱ぐのは、流石にちょっと恥ずかしいので……」

 

「っ! そ、そんな言い方して赤くならないでよ! こっちまで変に意識しちゃうじゃない!」

 

 ベルのウブな反応に、エイナまでカッと顔を赤らめる。

 いたたまれなくなった二人は、逃げるようにそそくさと面談用の個室へと消えていった。

 ――あとに残されたのは、ぽつんと一人佇むソラだけ。

 パチクリと数回瞬きをすると、彼はやれやれといった様子で肩をすくめた。

 

「……とりあえず、換金でも済ませとくかな」

 

 ソラは「よいしょ」と魔石やドロップアイテムの詰まった重い袋を持ち上げ直し、一人、換金所のカウンターへと歩き出した。

 

 

 

 

 翌日。ベル達はダンジョン探索は休みにした。

 その理由としてはエイナがベルに買い物を誘ったからである。

 ベルのステータスを確認したエイナは能力は十分と判断したがベルとソラの装備を見て、これでは頼りないと判断したからだ。

 実際のところソラの持つアクセサリーや防具、そしてソラの回復魔法やポーション類で下手な防具を買うよりは問題ないのだが、いつまでもソラに頼りっぱなしにいかないのと持てるなら持っておいたほう良いという考えからベルはエイナの提案に異論はなかった。

 

 そういった訳で現在ベルはオラリオの北部で、大通りと面するように設けられた半円形の広場に一人立っている。

 待っている間、ベルは思わずこれはデートではという考えが浮かんだがすぐさまそれを否定しエイナを待つ。

 そうして少し待っただろうか、ベルの元に小走りでエイナが駆けこむ。

 

「おはよう、ベル君。来るのが早いね。そんなに新しい防具が楽しみなの?」

「あ、いや、その…」

 

 エイナの言葉にベルは落ち着かない表情で視線を左右に揺らす。

 そうしてベルにつられたのだろうか。今度はエイナも視線を左右に揺らす。

 

「ところでベル君?ソラ君は?」

「あ、ソラなら……今日は別件があるからって、別行動なんです」

 

 ベルがそう伝えると、エイナは綺麗な眉を八の字にして曇らせた。

 彼女にとって、ベルとソラは二人で一組の新人冒険者パーティという認識だ。特にソラもベルと同様、見た目は軽装――というより、冒険者らしい防具をほとんど身に着けていない。

 

「別件? でもベル君、ソラ君だって装備は不十分じゃない。むしろあんなに身軽な格好で……まさかとは思うけど、一人でダンジョンに向かってたりしていないでしょうね?」

 

 エイナの声色が、一段階低くなる。

 ギルドの職員として、駆け出しの冒険者が慢心や準備不足でダンジョンに潜り、命を落とすのを嫌というほど見てきている。ソラが『Lv.1』である以上、彼女が最悪のケースを想像して不安になるのは当然の親切心だ。

 

 けれど、ベルは慌てることなく、苦笑交じりに首を横に振った。

 

「あ、いえ、流石に今日はダンジョンには行ってないと思いますけど……でも、もしそうだとしても大丈夫なんです」

「どうしてそう言い切れるの? 神様の『恩恵(ファルナ)』を貰ったばかりなのは彼も一緒でしょ? サポーターも付けずに一人だなんて……」

「それは、そうなんですけど……」

 

 ベルは言葉を選びながら、脳裏にソラの戦う姿を思い浮かべる。

 鍵型の剣を振るい、魔法を自在に操り、重力を無視したかのような身のこなしで敵を翻弄する姿。そして何より、彼の瞳に宿る数多の経験。

 それは、この迷宮都市(オラリオ)の常識という枠には収まりきらないものだ。

 

 ベルは真っ直ぐにエイナを見つめ返し、静かに告げた。

 

「ソラは……ここよりずっと遠い、もっといろんな場所で戦ってきた人ですから」

「ここより、遠い場所……?」

 

「はい。だから……ステータスっていう数字じゃ、あの人の本当の強さは測れないんです」

 

 ベルの言葉には、理屈を超えた友人への信頼が滲んでいた。

 エイナはその真剣な眼差しを見つめ返す。

 彼女の脳裏に、数日前に起きた『怪物祭(モンスターフィリ)』での出来事が、鮮烈な記憶として蘇っていた。

 

 ――あの日、ロキから聞いたことは、エイナは自身の常識を根底から揺るがすものだった。

 

 2新種モンスターの強襲を受けたアイズを初めとしたロキ・ファミリアの間に割って入ったのは、他でもないソラだった。

 彼は重傷を負ったレフィーヤを一瞬で完治させるほどの高位回復魔法を行使し、見たこともない形状の『盾』を操って、第一級冒険者であるアイズやティオナたちと完璧な連携を見せたのだと言うのだ。

 

 最終的に、彼は巨大なフライパンのような武器で怪物を粉砕したのだと言うのだ。

 さらにエイナが駆けつけ、彼が「登録したばかりのLv.1」であるという事実を告げた瞬間――ロキ・ファミリアの幹部たちが一斉に言葉を失い、ロキが屈辱と驚愕で顔を歪ませたあの表情は、今でも忘れられない。

 

(Lv.1でありながら、第一級冒険者たちが苦戦する新種を相手に渡り合う実力……)

 

 エイナは思考の海から浮上し、目の前のベルを見つめ直した。

 ベルの言う通り、ソラという少年の実力は、ステータスでは測れない場所にいるのかもしれない。

 

 その真剣な眼差しに気おされたのか、エイナは少しの間ぽかんとしていたが、やがて「そっか」と小さく息を吐いて微笑んだ。

 

「ベル君がそこまで言うなら、よっぽど腕が立つのね。……分かった、ソラ君の心配はいったん置いておきましょう」

 

 エイナは気持ちを切り替えるようにパンっと手を合わせ、いたずらっぽくベルの顔を覗き込む。

 

「その代わり、今日はベル君の装備選びはしっかりするわよ? あんな危なっかしい格好でダンジョンなんて行かせないんだから」

「は、はい! お願いします……!」

 

 ベルの情けない声と共に、二人は賑わう大通りへと歩き出した。

 

 二人が向かった先は、オラリオの中心に聳え立つ白亜の巨塔――『バベル』だった。

 雲を突き抜けるほどの高さを誇るその塔は、ダンジョンの直上に位置する『蓋』であり、この都市の象徴でもある。

 

 広場からメインストリートを抜け、塔の足元までやってきたベルは、改めてその威容に圧倒され、ぽかんと口を開けて見上げてしまった。

 

「うわぁ……やっぱり、近くで見ると凄いや」

「ふふ、オラリオに来たばかりの人はみんなそうやって見上げるわね」

 

 首が痛くなりそうなほど見上げていたベルを見て、エイナがくすりと笑う。

 ベルは少し恥ずかそうに頬を掻きながら、ふと疑問を口にした。

 

「でもエイナさん、防具を買うなら武具屋に行くんじゃないんですか? どうしてバベルに? 冒険者用のシャワールームとか、公共施設があるだけじゃないんですか?」

「あら、ベル君。バベルには公共施設だけじゃないのよ?」

 

 エイナは得意げに人差し指を立てて、目の前の巨大な塔を指し示した。

 

「実はね、バベルの一部のスペースを『テナント』として商業者たちに貸し出しているの」

「テ、テナント……?」

「そう。簡単に言えば、場所代を払ってもらってお店を入れているってこと。主に冒険者向けでヘファイストス・ファミリアみたいな一流の武具店もここに店を構えているのよ。あと今回の買い物もヘファイストス・ファミリアでするのよ」

 

 エイナの説明に、ベルは目を丸くする。

 ただのダンジョンの蓋だと思っていた巨大な塔が、実は巨大なショッピングモールのような機能を果たしているとは思いもしなかったのだ。

 

「ま、待ってください、エイナさん。僕、ヘファイストス・ファミリアで買い物ができるぐらいの大金なんて持ってないですよ!」

「大丈夫よ。ピンからキリまであるし、何より今日は私がついてるんだから。見る目を養うのも勉強よ、ベル君」

「は、はい……!」

 

 気後れするベルの手を、引っ張りエイナたちはバベルの中へと入っていくのだった。

 

 

 

 

 静止した昇降機の手動ドアをガラガラと引き開けると、そこには武具の森が広がっていた。

 剣、槍、斧、槌。あるいは刀、弓矢、盾に鎧――。

 広いフロアの至る所に所狭しと並べられた『戦うための道具』の数々に、ベルは圧倒されながら足を踏み入れた。

 

「うわぁ、すごい……」

「あ、これなら……」

 

 ふと、ベルの視線が一振りの長剣に吸い寄せられる。刀身の輝きは美しく、実用性も高そうだ。だが、添えられた値札――『12,000ヴァリス』という数字を見て、ベルは現実に引き戻された。

 

「ここは新進気鋭の鍛冶師たちがテナントを出しているフロアよ。有名ファミリアの銘入りには劣るけど、ベル君のレベルなら十分いいものが手頃な値段で揃うわ」

「なるほど……手頃、ですか」

 

 エイナの解説に頷きつつ、ベルは慎重に周囲を見渡す。確かに、高級店のような目の飛び出る価格帯ではない。今のベルの懐事情でも、背伸びをすれば届く範囲だ。

 

 エイナに先導されて入った一軒の防具屋で、ベルは棚に置かれた一つの箱に目を留めた。

 手に取ってみると、見た目よりも遥かに軽い。それでいて、拳でコンコンと叩いてみれば、確かな硬度が指先に返ってくる。

 

「これ、いいかも……」

 

 直感的に相性の良さを感じたベルだったが、値札を確認した瞬間、ピタリと動きを止めた。

 

「9,900ヴァリス……やっぱり、高いなぁ」

 

 喉の奥で唸るベル。だが、すぐに頭の中でソロバンを弾き直す。

 ソラという相棒を得てから、探索できる階層は確実に深くなった。

 ハートレスは魔石を落とさないため金銭的な実入りはないが、その分、通常のモンスターを狩る余裕が生まれ、何より『経験値(エクセリア)』の稼ぎは破格だ。ステータスの向上が生存率を上げ、結果として収入も安定しつつある。

 

「……うん。必要経費、だよね」

 

 自分に言い聞かせるように呟くと、ベルはその防具箱をしっかりと小脇に抱えた。

 

「あらベル君、決まった?」

「はい。あ、でも予算を考えると……あと一つ、探したいものがあって」

「探したいもの?」

「エイナさん、投げナイフってどこにありますか?」

「投げナイフ? それなら、あっちの棚にあるはずよ」

 

 エイナが指差した先には、投擲武器専用のコーナーが設けられていた。

 ベルは棚を物色し――そして、その奇妙な形状のナイフセットを見つけ出した。

 

 一見するとクナイのようだが、決定的に違う。

 刃と柄が一体となったグレーの金属片。片側が内側に鋭く湾曲した三角形のシルエットを描き、反対側の中央には指を通すための円形の穴が穿たれている。

 装飾を一切廃したシンプルなデザインだが、どこか凶悪な鋭さを秘めていた。

 

 ベルはその一本を手に取ると、以前ソラから教わった『ある人物』の構えを思い出しながら、指と指の間に刃を挟み込むようにして握ってみる。

 

(――しっくり、くる)

 

 まるで最初から自分の手に合わせて作られたかのようなフィット感。

 値札を見れば、セットで2,000ヴァリス。本数と特殊な形状を考えれば、掘り出し物と言っていい。

 

「これだ……!」

「ベル君が投げナイフなんて珍しいわね。どうして急に?」

 

 即決したベルに、エイナが不思議そうに問いかける。

 基本的にベルはナイフによる近接戦闘が主体だが、最近だと大きな盾で殴ったり滑ったりしているとは聞いている。おそらく投擲武器に興味を示したのはこれが理由なのだろうとエイナは思案する。

 ベルは手の中の冷ややかな金属の感触を確かめながら、少しだけ遠くを見るような目をした。

 

「……なんていうか、凄いナイフ使いの人に刺激を受けまして」

「へぇ、ベル君がそこまで言うなんて。どんな人なのかしら」

 

 不思議そうに小首をかしげるエイナに、ベルは曖昧に笑って誤魔化した。

 まさかそれが、異世界の、しかも雷を操る冷酷な女性だとは、説明しても信じてもらえないだろうから。

 

 

 

 

 ベルとエイナが買い物を楽しんでいる頃、ソラもまた、ある女神との面会に臨んでいた。

 場所はヘファイストスの執務室にて。

 

「君がソラ君ね?」

「はい。はじめまして、ヘファイストス様」

 

 ソラが慣れない敬語で頭を下げると、ヘファイストスは苦笑しながらひらひらと手を振った。

 

「そう硬くならなくていいわ。……さて、本題に入りましょう。『空飛ぶ馬車』の設計図があるって話だったわね?」

「うん。全部この『モバイルポータル』に入ってるんだ」

 

 ソラはポケットから、小さな板状の端末を取り出した。

 

「モバイル……ポータル?」

 

 聞き慣れない単語にヘファイストスが眉をひそめる。ソラがその黒い板を操作し始めると、彼女の目に疑念の色が浮かんだ。

 

「……ヘスティア、アンタ、私をからかってるの?」

「からかってなんかないさヘファイストス。ソラ君が持ってるのは特別な魔道具なんだよ」

 

 隣でヘスティアが額を押さえながら答える。

 そうこうしているうちに、ソラが画面をヘファイストスに向けた。

 

「あった、これ!」

 

 小さな画面に映し出されたのは、複雑怪奇な乗り物の設計図――『グミシップ』のブループリントだった。

 

「……ッ!」

 

 ヘファイストスの眼光が一瞬で鋭くなる。彼女はソラの手からモバイルポータルをひったくると、食い入るように画面を見つめた。

 

「この設計図……ただのデタラメな落書きじゃないわね。極めて精緻……。理解できる部分と、全く理解の及ばない部分が混在しているわ。だけど、この一枚の絵だけで全体を把握するのは……」

「もっと見たいなら、画面を指で横に滑らせてみて」

「指で滑らせる……こうかい?」

 

 言われた通りに画面をスワイプすると、画像がスライドして切り替わった。

 

「変わった……!?」

 

 ヘファイストスは目を見開き、そこからはもう止まらなかった。次々と画像を切り替え、グミシップの構造図を貪るように見つめる。

 その指先が、微かに震えていた。

 

「この小さな板切れに、どれだけの図面が収められているというの……!? それにこの設計思想……!」

「どうやら、理解できてるみたいだな……?」

「みたいだね。ヘファイストスがあんなに夢中になるなんて、ボク、初めて見たよ」

 

 ヘスティアが深々とため息をつく。ソラの持ってくる知識は、この世界の常識を遥かに超えている。神である自分たちですら理解が追いつかないのだから、無理もない。

 

「これは一体どういう魔道具……いや、今はいい…これを書き写さないと……!」

 

 ヘファイストスは机に広げた大きな羊皮紙に向かい、猛烈な勢いで模写を始めた。

 その鬼気迫る様子に、ヘスティアが慌てて目の前で手を振る。

 

「ちょっと! 自分の世界に入る前に、ボクの質問に答えてくれないかな?」

「……なによ?ヘスティア?」

「作れるのかどうか、ってことさ。ヘファイストスの腕を疑うわけじゃないけど、その設計、かなり……突飛だろう?」

 

 ヘファイストスは手を止め、モバイルポータルを睨みつけた。

 

「……正直に言わせてもらうと自信はないわね。この乗り物の設計は、私から見ても高度すぎる。天界でだって、ここまでの代物はそうそうお目に掛かれないわ。基本構造は理解できても、細部はまるで『異界』の技術よ」

 

 『異界』という言葉に、ソラとヘスティアの体がピクリと強張る。

 

「可能とは断言できない。だけど……」

 

 ヘファイストスの紅い左目に、職人の炎が宿った。

 

「これは鍛冶神としての矜持が疼くわね。理解できないからといって引き下がるわけにはいかないでしょう? それに、ソラ君。君という存在自体が常識外れだわ。貴方がこんな設計図を持ってきたこと自体、これを作る可能性がゼロじゃないって証明みたいなものじゃない」

 

 不敵に笑うと、ヘファイストスはソラに向き直った。

 

「どうやって作るのか、詳細は教えてくれないかしら」

「うーん、正直言うと、エンジンとか細かくて精密なところはチップとデールにシド任せっきりだったからなぁ」

「チップとデール、シド?その三人に話を聞けないのかしら?」

「あー……」

 

 ソラは頬をかきながら苦笑した。

 

「実は、それもあって頼んでるんだ。俺、元いた場所に帰るために、このグミシップが必要なんだよ」

「元いた場所?」

 

 ヘスティアがすかさず割って入る。

 

「えっとね、ソラくんは『デスティニーアイランド』っていう小さな島の出身なんだ。ここ(オラリオ)からはすごく離れてて、地図にも載ってないような場所でね。だから帰るのに空飛ぶ馬車が必要なんだよ!」

「……そうなの? じゃあ、一体どうやってここに来たのよ?」

「……それは、長く複雑な話になるんだよ」

「……わかったわ、もういい」

 

 ヘスティアが真顔で即答すると、ヘファイストスのこめかみがピクリと引きつった。彼女は鼻から大きく息を吐き、額を押さえる。

 

「えっと、その、それでさあ、ヘファイストス…費用はどれくらいかかりそう…?」

 

 ヘスティアの現実的な問いに、ヘファイストスは再びモバイルポータルに目を落とし、しばらく沈黙した。

 

「……この規模だもの、安くは済まないわよ。大量の魔石、推進機関を作るための材料……」

 

 ヘファイストスは目を細め、冷徹に告げた。

 

「最低でも、数100億ヴァリスといったところかしらね」

「ひゃ、ひゃひゃひゃ……100億ッ!?」

 

 ヘスティアは絶叫し、顔面蒼白になった。

 

「ベ、ベル君のナイフより圧倒的に高いじゃないか……!」

「規模が違うのよ、当たり前でしょ?」

 

 ヘファイストスの言葉にヘスティアが頭を抱えてその場に蹲る。

 ベルのナイフの借金35年ローンですら気が遠くなるというのに、100億ともなれば桁が違う。ヘスティア・ナイフの最低でも50倍の金額に、ヘスティアの膝が笑い出した。

 

「うわ、高いな……」

 

 ソラも驚いた様子を見せたが、ふと思いついたようにポンと手を打った。

 

「じゃあさ、材料は俺が出すから、その分安くならないかな?」

 

 二人の女神が同時にソラを見た。ヘスティアは一縷の望みを縋るような目で、ヘファイストスは胡乱な目で。

 

「材料? 設計図を見る限り、特殊な素材や魔石が大量に必要になるはずよ。君にそれが用意できるの?」

「うん、実はグミシップの材料はこれなんだ」

 

 ソラが再びポケットに手を突っ込み、掴み出した『それ』を机の上にばら撒いた。

 

「……は?」

 

 ヘファイストスの口から間の抜けた声が漏れた。

 机の上に現れたのは、カラフルな積み木のような物体だった。

 赤、青、黄、緑。様々な色と形をしたブロックが、ゴロゴロと転がる。一見すると子供の玩具のようだが、その表面は見たことのない奇妙な光沢を放っていた。

 

「なに、これ……?」

 

 ヘファイストスは警戒しつつも、鍛冶師としての本能に抗えず、赤いブロックの一つに手を伸ばした。

 

 大きさはへファイストスの顔ぐらいあり、見た目はゼリーのように柔らかそうだが、指先から伝わる触感は硬質だ。かと思えば、力を込めると僅かにたわむような弾力が返ってくる。

 金属のような冷たさはなく、どこか温かみすら感じる。

 

「硬い……いや、弾力がある? なんなのこの感触は……」

 

 彼女は隻眼を細め、ブロックを光にかざした。内側からぼんやりと発光しているようにも見える。爪先で弾くと、コンッともキンッともつかない、不思議な音が響いた。

 

「鉱石とも魔石とも違う、そもそも根本的に構成が違う……」

 

 ブツブツと呟きながら、ヘファイストスは夢中で検分を始めた。

 

「えっと、グミブロックは、こうやって……」

 

 ソラが横から別の青いブロックを手に取り、ヘファイストスが持つ赤いブロックに押し付けた。

 カチリ、と小気味良い音がして、二つのブロックは吸い付くように一体化した。

 

「なっ……!? 接合剤もなしに繋がった……!?」

「うん。グミブロック同士を合わせると一つになるんだ。それでグミシップを作るんだ」

「グミ……ブロック……」

 

 ヘファイストスは繋がったブロックを引っ張ってみた。びくともしない。まるで最初から一つの物質であったかのような強度だ。

 

(……ふざけているのかしら?)

 

 ヘファイストスの脳裏に、呆れにも似た感情が過った。

 ただ合わせるだけ。子供の積み木遊びと何ら変わらない単純作業。

 こんなふざけた工法で空飛ぶ馬車を作れるというのなら、わざわざ自分に頼む必要などない。「勝手に自分たちで組み立てればいい」、そう突き放して追い返すのが筋というものだ。

 

 だが、ヘファイストスは繋がったブロックから指を離すことができなかった。

 

(なんなの、この素材は……!)

 

 鍛冶の神としての全霊が、目の前の物質に釘付けになっていた。

 天界にも、下界にも、こんな素材の記述はない。

 

 未知への探究心と、職人としての業が、理性を凌駕していく。

 こんな出鱈目で、最高に刺激的な素材を目の前に置かれて、「自分でやれ」と背を向けることなど、鍛冶の神の名折れだ。

 気づけば、彼女の頬は興奮で紅潮し始めていた。

 

「……面白いわね。こんな素材、天界でも見たことがないわ」

「でしょ? だから、材料費はこれで安くにならない?」

「……なるほどね。この未知の素材を加工して、あの設計図通りのものを組み上げる……」

 

 ヘファイストスは一度目を閉じ、大きく深呼吸をして高鳴る鼓動を鎮めてから、ニヤリと笑った。

 

「いいわ。材料費はその分だけまけてあげる。その代わり、技術料はきっちり貰うわよ。これだけの未知の素材を扱うんだから、私の持てる技術を全部つぎ込むことになるからね」

「ほ、本当!? じゃあ、いくらになるんだい、ヘファイストス!?」

 

 ヘファイストスの言葉を聞いて、復活したヘスティアが食い気味に尋ねる。

 ヘファイストスは少し思案してから、人差し指を立てて告げた。

 

「そうだね……まあ、材料費を差し引いて、ざっと最低で1億ヴァリス……いくか、いかないか、ってところだろうね」

「ぐっ、それでも1億……。で、でも、100億よりはマシ、か……」

 

 ヘスティアは苦虫を噛み潰したような顔で、しかし最後には自分を納得させるように呟く。

 数日後、既存のローンに「最低1億」が上乗せされ、借金総額が3億ヴァリスを超えたという残酷な現実に改めて戦慄するのであった。

 

「ねえ、ソラ君。完成した暁には余ったこの『グミブロック』、少し譲ってくれないかしら?」

「もちろんさ! いくらでも持ってってくれ!」

 

 ヘファイストスの言葉にソラは事もなげに笑って承諾した。

 

「商談成立ね。さっそく取り掛からせてもらうわ」

 

 目の前の未知の素材の山を前に、ヘファイストスは職人としての魂を熱く燃え上がらせていた。

 ソラとヘスティアが部屋を出ていくと、彼女は改めてグミブロックを手に取り、ため息をついた。

 

「やれやれ……ヘスティアはとんでもない子を拾い上げたものね」

 

 だがそれは呆れからではなく、抑えきれない興奮と歓喜によるものだった。

 

「……ふふふっ、あはははは!」

 

 誰もいない執務室で、ヘファイストスは声を上げて笑った。

 それは気品ある女神の笑いというよりは、新しい玩具を与えられた子供のような、あるいは難題に挑む挑戦者のような、無邪気で獰猛な笑い声だった。

 

(まさか下界で、こんな『未知』に出会えるとはね……!)

 

 彼女は再び赤いグミブロックを手に取り、眼帯をしていない方の瞳をギラリと輝かせる。

 彼女は長い神生という中で、数多の武器を打ってきた。数多の代物を作ってきた。だが、どこかで退屈していたのかもしれない。既知の素材、既知の技術、予測できる完成形。

 だが、これは違う。

 

(『グミシップ』……。設計図と素材を見て、肌で理解したわ。これはただ空を飛ぶだけの代物じゃない)

 

 ヘファイストスは立ち上がり、製図台に向かった。

 先ほどソラに見せられた設計図の残像と、手にあるブロックの感触。それらが鍛冶神としての本能を強烈に刺激し、一つの真実を告げていた。

 

万能者(ペルセウス)のタラリアともフリングホルニとは違う。概念が違う。次元が違う。これは――星々を超える船…)

 

 下界の空などという狭い枠に収まる器ではない。

 遥か彼方、星の海を渡るための箱舟。

 

「それを私の腕で顕現させる……下界にも天界にも二つとない、至高の船に!!!」

 

 彼女は羊皮紙を広げ、羽根ペンを走らせ始めた。

 その背中には、オラリオ随一の鍛冶派閥を率いる主神の覇気と、一人の職人としての熱狂が渦巻いていた。

 この日、ヘファイストス・ファミリアの団員たちは、執務室から夜通し聞こえてくる主神の楽しげな鼻歌と、羊皮紙を走るペンの音に戦々恐々とすることになる。

 

 

 

 

 一方その頃。

 オラリオの北メインストリートにある、とあるレストラン。

 

「――っくしゅん!!」

 

 盛大なクシャミが、賑やかな店内に響き渡った。

 

「おや、大丈夫、ベル君? 風邪?」

「あ、いえ……大丈夫です、エイナさん。なんだか急に、背筋にものすごい寒気が走って……」

 

 鼻をすすりながら涙目で答えるのは、白髪の少年――ベル・クラネルだ。

 彼は今、ギルドの受付嬢であるエイナ・チュールと共に、食事を楽しんでいた。テーブルの上には、パスタやサラダなど、美味しそうな料理が並んでいる。

 

「寒気? 変ねぇ、今日はこんなにいい天気なのに。ほら、温かいスープでも飲ん…」

「あ、ありがとうございます……」

 

 エイナに勧められたスープを口に運びながら、ベルはブルブルと首を振った。

 まさか今この瞬間、自分のあずかり知らぬところで、自身が愛用している『ヘスティア・ナイフ』を遥かに凌駕する借金がファミリアに計上されようとしているとは、夢にも思っていない。

 

「なんだか、すごく嫌な予感がするというか……莫大な何かがのしかかってくるような……」

「またまた。考えすぎだよベル君。せっかくの美味しい料理なんだから、楽しまなきゃ損だよ?」

「は、はい! そうですね!」

 

 エイナの朗らかな笑顔と料理の香りに、ベルは不安を振り払うように頷き、フォークを手に取った。

 女性との食事。本来なら天にも昇るようなシチュエーションだ。不吉な予感など気にしている場合ではない。

 

(……でも、なんだろう。神様が叫んでる幻聴が聞こえたような……)

 

 一抹の不安をスープと共に胃の腑へ流し込み、ベルは再びエイナとの会話に花を咲かせるのだった。

 

 オラリオにまた新たな風が吹き始めていた。

 鍵を持つ少年と、英雄願望の少年。

 二つの物語が交錯し、その中心で女神たちが借金とロマンに翻弄される日々は、まだ始まったばかりである。

 




・グミシップ
世界の壁が砕けてできたグミブロックを素材として異空の海を渡るための船。これ以外にもミッキーが持っていた星のカケラや回廊を渡ることで外の世界の行き来を可能にする。ただし星のカケラは行き先に指定ができず不安定で回廊は長時間居続けると心を闇に蝕まれてしまう危険性がありこれら以外で安全に外の世界に渡るには『王様の剣』のマーリンの魔法がある
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