余命僅かなTS悪役令嬢は、生きる為に吐血魔法で聖女と勘違いされる   作:実験体G

9 / 16
第9話:【掲示板】今年の特待生がヤバい。儚げな美少年(?)に全校生徒が夢中

王立魔法学院には、生徒たちだけがアクセスできる魔導ネットワーク上の掲示板が存在する。

 普段は授業の情報交換や教師への愚痴、恋の相談などが書き込まれる平和な場所だが、今年の春は様子が違っていた。

 ある一人の特待生に関するスレッドが、異様な盛り上がりを見せていたのだ。

 


 

【1年A組】特待生のシル君について語るスレ Part3【至宝】

1 :名無しの生徒:20XX/XX/XX(水) 18:00:00

今年の特待生、シル・ル・ブラン君(偽名)について語るスレです。

荒らし、アンチは即刻退場。

彼の体調を気遣う書き込み推奨。

 

2 :名無しの女子生徒:20XX/XX/XX(水) 18:02:15

今日もシル君、廊下を歩いてるだけで尊かった……。

あの透き通るような白い肌、折れそうなほど細い手足。

歩くだけでフラフラしてて、今にも倒れそうで見ていられない!

 

3 :名無しの男子生徒:20XX/XX/XX(水) 18:05:30

わかる。

俺、男だけどシル君なら抱ける……じゃなくて、守ってあげたいって本気で思うわ。

今日の食堂で、パンを小さく千切って食べてる姿とか小動物みたいだったぞ。

(※注:シルヴィアは単にポーションの副作用で食欲がないだけです)

 

4 :A組の守護者:20XX/XX/XX(水) 18:08:45

お前ら、遠くから見てるだけかよ。

俺たちA組は、既に「シル君見守り隊」を結成済みだ。

移動教室の時は彼の荷物を持ち、階段では転ばないように前後をガードしている。

 

5 :名無しの女子生徒:20XX/XX/XX(水) 18:10:00

>>4

A組うらやましい!

ていうか、先日の実技の授業で吐血して倒れたって本当?

保健室前がパニックになってたけど。

 

6 :A組の守護者:20XX/XX/XX(水) 18:12:20

本当だ。

ギルバート先生の無茶振りに応えて、空間魔法で極大魔法を防ぎきったんだ。

その代償として……大量の血を吐いて倒れられた。

真っ白なシャツが真っ赤に染まって……俺たち、何もできなくて泣いたよ。

 

7 :名無しの先輩:20XX/XX/XX(水) 18:15:10

マジかよ……。

噂には聞いてたけど、「命を削って魔法を使う」ってガチだったのか。

才能があるのに体がついていかないとか、悲劇のヒーローすぎるだろ。

 

8 :名無しの魔導科生:20XX/XX/XX(水) 18:18:00

ギルバート先生が興奮してたらしいぞ。

「彼の魔力回路は常人の逆だ。生命そのものを燃やしている!」って。

そんな状態で学園に通ってるとか、覚悟が決まりすぎてる。

 

9 :名無しの女子生徒:20XX/XX/XX(水) 18:20:45

ねえ、隣の部屋のリリィちゃんとの関係も気にならない?

二人、よく一緒にいるよね?

リリィちゃん、シル君のことを見る目が完全に「崇拝」入ってるんだけど。

 

10 :A組の守護者:20XX/XX/XX(水) 18:23:30

ああ、リリィはA組の中でもシル君への過保護レベルがトップクラスだ。

「私が彼の剣になります」とか言ってる。

あと、シル君の口元が汚れたらハンカチで拭いてあげてるし、なんかもう付き合ってるんじゃないか?

 

11 :名無しの腐女子:20XX/XX/XX(水) 18:25:00

いや待って。

シル君って、実は女の子なんじゃない?

あの華奢な骨格、喉仏のなさ、そしてあの可憐な仕草。

男装の麗人説、あると思います。

 

12 :名無しの男子生徒:20XX/XX/XX(水) 18:28:00

>>11

それな。俺もそう思ってた。

もし女の子なら、全男子生徒が命がけで求婚するレベル。

でも男の子でも、それはそれでアリ(錯乱)。

 

13 :名無しの先輩:20XX/XX/XX(水) 18:32:00

お前ら盛り上がってるけど、明日は他国の視察団が来る日だぞ。

グラン・マギカ王国の第二王子、アルフレッド殿下が来るらしい。

 

14 :名無しの情報通:20XX/XX/XX(水) 18:35:45

アルフレッド殿下って、あの「血染めの聖女」の元婚約者だろ?

最近、聖女様を探して目の色がヤバいって噂の。

シル君と聖女様、なんか雰囲気が似てるって話もあるし……鉢合わせたらマズくないか?

 

15 :A組の守護者:20XX/XX/XX(水) 18:38:00

……全力で隠すわ。

シル君を他国のイザコザに巻き込ませるわけにはいかない。

明日はクラス総出でシル君をガードする。

 

16 :名無しの生徒:20XX/XX/XX(水) 18:40:00

了解。他クラスも協力する。

視察団が来たら、シル君を女子更衣室……じゃなくて、空き教室に隔離しよう。

 

17 :名無しの女子生徒:20XX/XX/XX(水) 18:42:00

>>16

今さらっと女子更衣室って言わなかった?

でも確かに、シル君なら女子の制服着せても違和感ないかも……。

一度でいいから見てみたい。

 

18 :ギルバート:20XX/XX/XX(水) 18:45:00

君たち、掲示板で遊んでないで課題をやりなさい。

ちなみにシル君のデータだが、昨日の検査で面白いことが分かった。

彼の血液には、特殊な「魔力耐性」が含まれている可能性がある。

もっと血を採らせてくれないかなぁ。

 

19 :A組の守護者:20XX/XX/XX(水) 18:47:00

>>18

先生、シル君に近づかないでください。

これ以上血を抜いたら、俺たちが先生を研究材料にしますよ?(殺気)

 

20 :ギルバート:20XX/XX/XX(水) 18:49:00

おやおや、怖い怖い。

まあいい、明日の視察団対応は私も協力しよう。

私の可愛い検体を、他国に取られてはたまらないからね。

 

「……くしゅんっ!」

 

 学生寮の自室。

 ポーション鍋をかき混ぜながら、俺は三度目のクシャミをした。

 

「なんだろう、今日はやけに悪寒がする」

 

 窓の外を見る。

 学園都市の夜景は平和そのものだ。

 だが、なぜか背筋がゾクゾクする。

 まるで、巨大な何かに包囲されているような……。

 

「気のせいか。明日は他国の視察団が来る日だし、授業も午前中で終わりだ。さっさと終わらせて、ダンジョンの下見に行こう」

 

 俺は能天気にスケジュールを確認する。

 明日の視察団に、あの元婚約者アルフレッドがいることなど、まだ知る由もなかった。

 そして、クラスメイトたちが俺を隠すために、「シル女装作戦」まで画策していることなど、想像もしていなかったのである。




掲示板の生徒たち「シル君は俺たちの嫁(または姫)」
シルヴィア「(なんか視線が熱い……風邪かな?)」

シルヴィアの性別疑惑が浮上しつつも、「儚い美少年」というポジションが確立されました。
そして次回、ついに元婚約者アルフレッドとのニアミスイベントが発生します。

面白い、続きが気になる! と思っていただけたら、
下の【お気に入り登録】と【評価(★)】をポチッとしていただけると、シル親衛隊の人数が増えます!
(作者のやる気も上がります!)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。