仮面ライダーガッチャード&HUGっと!プリキュア   作:仮面大佐

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カウント・ザ・ケミー
現在の所持しているケミーカードは。

一ノ瀬宝翔/仮面ライダーガッチャード
ホッパー1、スチームライナー、カマンティス


第2話 追跡、錬金、スケボーズ!元気のプリキュア、キュアエール誕生!

 一ノ瀬宝翔は、仮面ライダーガッチャードに変身して、マンティスマルガムを撃破して、カマンティスを取り戻した。

 すると、そこに進路指導担当であるミナト先生が現れた。

 

「ミナト先生!その格好は?」

「俺は錬金術師であり、錬金アカデミーの指導教員だ」

「錬金アカデミー⁉︎」

「錬金術を学ぶ学校だよ。私も通ってる」

「えっ⁉︎中学と掛け持ちって事⁉︎」

 

 宝翔がそう叫ぶと、ミナト先生はそんな風に言う。

 ミナト先生は、ラヴェニール学園の進路指導だけでなく、錬金アカデミーの指導教員も兼ねているのだ。

 りんなの言葉に宝翔がそう反応すると、りんなはミナト先生に話しかける。

 

「…………先生。101体のケミーが、解き放たれてしまいました…………。私…………どうすれば…………」

「目下、協議中だ。九堂が気に止む事じゃない」

 

 りんなはミナト先生に申し訳なさそうにそう言うと、ミナト先生はそう答える。

 すると、ミナト先生は宝翔に話しかける。

 

「…………ところで、一ノ瀬」

「はい」

「進路調査票にはなんて書く?」

「それは…………」

「ホッパー…………」

「スチーム…………」

「カマ…………」

「見つけたんだろ?お前のガッチャ」

 

 ミナト先生は、宝翔に進路を問いかける。

 それを聞いた宝翔は、ホッパー1とスチームライナー、カマンティスを見る。

 すると、宝翔は口を開く。

 

「……………先生。俺、もっとケミーの事を知りたいです。どうしたらいいかな…………?」

「だったら、錬金術師になれ」

「俺が……………錬金術師?」

 

 宝翔は、ミナト先生にそう話しかける。

 それを聞いたミナト先生は、そんな風に提案する。

 


 

 その後、ラヴェニール学園のある場所に向かうと。

 

「ここって……………」

 

 宝翔は、りんなが壁の向こう側に行った場所に着いて、そんな風に呟く。

 ミナト先生が階段に登ると、口を開く。

 

「下にあるものは上にあるもののごとく、上にあるものは下にあるもののごとく。ただ一つなる奇跡をなさん」

 

 ミナト先生はそんな風に言うと、ミナト先生の右手についた指輪が赤く光る。

 すると、廃材などが階段の下に向かうと、階段が上がり、扉が出現する。

 宝翔達はその中に入る。

 廊下を歩いていると。

 

「おお〜…………!さっきのあれって魔法?」

 

 宝翔はりんなにそう聞くが、りんなは無視した。

 すると、ある部屋の前に辿り着く。

 

「ここが…………錬金アカデミーの教室だ」

 

 ミナト先生がそう言うと、その部屋の扉を開ける。

 すると、その中は部屋になっていて、フラスコなどが置かれていた。

 

「おお…………!何ここ!いかにもな雰囲気!ここなら、俺にも魔法が使えちゃったりする気が…………!」

「一ノ瀬」

 

 宝翔はその錬金アカデミーの教室を見て、テンションが上がったのか、そんな風に言う。

 すると、ミナト先生が宝翔に話しかける。

 

「お前にはこれから、錬金術師になる為のテストを受けてもらう」

「テスト?」

「先生。その前にいいですか?一ノ瀬に確認したい事があります」

 

 ミナト先生は、宝翔にテストを受けてもらう事を言う。

 すると、りんなはミナト先生にそう言う。

 りんなは、宝翔に話しかける。

 

「君は仮面ライダーになった。あのドライバーの力で」

「ああ…………このガッチャードライバーの事?」

 

 りんながそう言うと、宝翔はガッチャードライバーを出しながらそう聞く。

 それを聞いたりんなは、宝翔に話しかける。

 

「一体、どこで誰にもらったの?」

「俺にもよく分からないんだ。気がついたら、ケミーがたくさんいる不思議な場所にいて…………初めて会ったおじさんから託されて……………」

「その人の名前は聞いたか?」

「いえ、聞いてません…………」

 

 りんながそう聞くと、宝翔は、その時を思い出しながらそう言う。

 それを聞いて、りんなが何かを確信したかの様な反応をする中、ミナト先生と宝翔はそう話す。

 すると、りんなが口を開く。

 

「聞かなくても分かる」

「あの人の事、九堂は知ってるの?」

「……………裏切り者」

「えっ?」

「10年前…………錬金アカデミーで管理していた101体のケミーを盗んで、姿を消した。だから……………裏切り者」

 

 りんながそう呟くと、宝翔はそう聞く。

 すると、りんなはそんな風に答えた。

 それを聞いて、宝翔が首を傾げる中、りんなは教室から出ていく。

 

「九堂…………」

「一ノ瀬。錬金術師になりたくないのか?」

 

 宝翔は、教室から出ていくりんなを追おうとするが、ミナト先生にそう聞かれる。

 その頃、教室から出たりんなは。

 

『……………悪魔を打ち倒してしまいました。名も語らず去った彼は、やがて、”暁の錬金術師”と呼ばれる様になりました』

『”暁の錬金術師”…………?』

『およそ、100年前…………恐ろしい悪魔から、世界を守った伝説の英雄だ』

『凄い…………!お父さんみたい!』

『えっ?』

『だって、お父さんがりんなの英雄だもん!』

『はっははは…………!』

 

 りんなはある事を思い出していた。

 それは、宝翔にドライバーを渡した男…………九堂風雅とりんなが話をしている光景だった。

 九堂風雅は、りんなの実の父親だったのだ。

 それを思い出したりんなは。

 

「…………バカみたい」

 

 そんな風に呟くと、壁に寄りかかる。

 その頃、錬金アカデミーの教室では。

 

「テストの概要を説明する」

「リッパ〜」

 

 ミナト先生は、宝翔に錬金アカデミーへの入学試験の概要を説明していた。

 取り出したのは、ジョブ属性のレベルナンバー1、オドリッパだった。

 

「ケミーそれぞれの重さには、個体差がある」

「うっ⁉︎」

 

 ミナト先生はそう言うと、宝翔にオドリッパのカードを渡す。

 すると、重かったのか、宝翔はそんな風に反応する。

 

「重…………⁉︎」

「カマンティスと、オドリッパ。見ての通りだ」

 

 宝翔がそんな風に反応すると、ミナト先生は目の前にある天秤にカマンティスとオドリッパを載せる。

 すると、オドリッパの方が重いのか、オドリッパの方に傾く。

 

「これは、錬金術における質量保存という法則で…………」

「ん?失礼なうどん?」

 

 ミナト先生はそう説明すると、宝翔はそんな風に首を傾げながらそう聞く。

 それを聞いたミナト先生は苦笑しつつ、口を開く。

 

「まあ、難しい事はさておき…………オドリッパの方がカマンティスより重い。それは分かるな?この2枚の重さを変化させ…………釣り合いが取れる様にしろ。それがテストだ」

「うおっ⁉︎」

 

 ミナト先生は、宝翔でも分かりやすい様にそう説明する。

 試験の内容は、オドリッパとカマンティスの重さを変化させ、釣り合いが取れるようにするという物だった。

 宝翔がオドリッパとカマンティスのカードを受け取ると。

 

「は⁉︎」

「出来なければ、錬金アカデミーへの入学は認めない」

「マジで⁉︎」

 

 宝翔が狼狽えていると、ミナト先生はそう言う。

 それを聞いて、宝翔は驚いた。

 


 

 その夜、野乃家のはなの部屋。

 野乃はなは、自身の部屋で自分のなりたい姿を絵に描いていた。

 

「なーんか色々あったけど、楽しかったな〜。………今日もいい日でした。“大人っぽいはな”。大人っぽくて、優しくて、カッコよくて…………」

 

 はなはそんな風に呟いていた。

 スケッチブックを閉じると、薬師寺さあやと輝木ほまれの事を思い出す。

 すると。

 

「…………あれ?他にも何かあった様な…………確か…………青いバッタみたいな戦士が、カマキリの怪物と戦ってた様な…………?」

 

 はなはそんな風に呟きながら、首を傾げる。

 ミナト先生によって、ガッチャードやケミーに関する記憶を消されたものの、朧げに残っていたのだ。

 少し首を傾げると。

 

「…………まあいいか。私だって…………!頭が良くて、運動も出来てイケてる。大人のお姉さんになりたい!」

 

 はなはそんな風に言うと、部屋のカーテンを開けて、星の見える空を見上げる。

 そして、部屋の外のベランダに出て、自分のなりたい姿を想像していた。

 

「そのために頑張る!空からボールが降って来てこようと、何が降ってこようと。平気だもん!何でもできる。何でも、なれる!」

 

 はなは、そのまま手を合わせて、空に浮かぶ星に願いを唱える。

 その時、不思議なことが起こった。

 

「は〜〜ぎゅ〜〜〜!!」

 

 すると、月からピンクの光が現れたかと思うと、学校で聞こえた赤ちゃんの声が再び木霊する。

 

「……えっ?」

 

 何だろうと思いながら空を見上げると、何と月からピンクの光が降って来ていた。

 

「は〜〜〜〜〜ぎゅ〜〜〜〜〜〜‼︎」

 

 光がはなの家に向かって降って来ると、それに驚いたはなは、思わず手を広げてしまう。

 その光を無事にキャッチすると、光が弾き飛び、飛んできたものの正体が判明した。

 

「せ、せ、せ、セーフ!……って、あれ?」

 

 はなは一息吐くと、自分がキャッチした物を見る。

 すると、自身の手に持ったものを見てみて、あまりの出来事に絶句してしまう。

 

「あ………あ………赤ちゃん⁉︎」

「は〜ぎゅ!」

 

 はながそんな驚いた声を出すと、その声の主はそう言う。

 光の正体は、赤ちゃんだった。

 


 

 その頃、宝翔は自宅に帰ってきていた。

 

「ただいま〜…………」

「宝翔!遅かったわね」

「ごめん…………連絡してなくて。手伝うよ」

「うん!」

 

 宝翔が中に入ると、珠実は宝翔にそう言う。

 色々と説明を受けてて、帰りが遅くなったのだ。

 宝翔はそう言ってリュックを置き、エプロンをつけようとすると、珠実は制服に土がついている事に気づいた。

 

「まずは、着替えよっか」

「うん」

 

 珠実がそう言うと、宝翔は着替える為に自室へと向かう。

 


 

 一方、はなの方は。

 

「赤ちゃん…………?空から?何で?」

「はぎゅ〜!」

 

 突如として、赤ちゃんが空から降ってきたのを見て、はなは困惑していた。

 その赤ちゃんがそう言うと。

 

「か、可愛い〜!ぷにぷにほっぺ〜!ぷにぷに〜!」

「はぎゅ〜!」

 

 はなは、その赤ちゃんにメロメロになり、頬擦りをする。

 すると、はなは口を開く。

 

「あなたのお名前は?えっと〜…………」

「は〜ぎゅ〜!」

「はぎゅ?」

「はぎゅ!」

「ハグ?はぐたん?」

「はぎゅ〜!」

 

 はなは、その赤ちゃんにそんな風に聞く。

 すると、その赤ちゃんはそんな風に答えて、はなに抱きつく。

 それを聞いて、はなは、その赤ちゃんをはぐたんと名付けた。

 すると。

 

「う〜ん………はぐたん………ええ名前やと思うで!」

「うわぁぁぁ⁉︎ネズミ⁉︎」

「誰がネズミや!俺はハリー!ハリハム・ハリーや!…………じゃあ、世話になるで。よろしゅうな」

「ちょ…………⁉︎」

 

 そんな声と共に、ネズミみたいな生物が現れて、そんな風に言う。

 それを見て、はなが驚くと、そのネズミみたいな生物は、ハリーと名乗り、はなの部屋の中に入る。

 はながそんな風に反応すると、ハリーははなの枕に寝転がりながら口を開く。

 

「せっまい、旧世代あばら屋やな〜…………。まっ、ええわ。雨風凌げるだけでも」

「勝手に人の家に入っといてなんなの?てかなんでネズミが喋るの?」

 

 ハリーはそんな風に言うと、はなはそんな風に言いつつ、ハリーにそう聞く。

 それを聞いたハリーは。

 

「こっちは動物喋らへんのか?遅れとんなー。…………って!ネズミちゃうわ!」

「はぎゅー…………」

 

 ハリーはそんな風にノリツッコミをする。

 すると、はなの腕にいるはぐたんが、泣きそうになっていた。


「えっ?はぐたん?どうしたの?」

「オムツか?くんくん……違うな」

 

 はながそんな風に言うと、ハリーははぐたんの匂いを嗅ぎながらそう言う。

 すると、はなはある可能性にたどり着いた。

 

「えっ、じゃあミルク⁉︎うち、赤ちゃんのミルクないよ⁉︎どうしよう⁉︎」

 

 はなは、はぐたんがお腹が空いたのではと予想した。

 だが、赤ちゃんのミルクが家にない事が分かっているので、そんな風に慌てる。

 すると。

 

「ほれ」


 困っているはなを見かねたのか、ハリーはミルクが入った哺乳瓶を彼女に渡した。


「ありがとう!」

「は………はぐっ…………んー…………」

 

 はなは、ハリーにお礼を言う。
 はなは哺乳瓶をはぐたんに近づけると、はぐたんはすぐに中にあるミルクを飲み始める。


「は〜。よかった〜」
 

 そして暫くして、ミルクをはぐたんに飲ませ終え、哺乳瓶の中は空になっていた。

 はなが一息吐くと、ハリーは口を開く。

 
「お前、ちょっとは落ち着けや」

「落ち着けるか!…………ってか、お前じゃ無い!はなだもん!」

 

 ハリーはそんな風に言うと、はなはさっきから自分のベッドに乗っているハリーにツッコミを入れつつ、そう言い返す。

 すると、ハリーが口を開く。


「…………じゃあ、はな。よぉく聞けや」


 ハリーは改まってそう言う。

 はながハリーを見ていると、ハリーははなを指差して、口を開く。

 

「はな!これはお前の未来の為やで!」

「…………なんなの?」

「分かったな?ほな、おやすみ〜」

 

 ハリーはそんな風に言うと、はなは困惑した様にそう言う。
 はなは言葉の意味を全く理解できずにいると、言いたいことだけ言い終えたハリーはベットで横になる。


「全然わかんない!てか、突然すぎるよ………。いきなり赤ちゃん、なんで?」

 

 はなはそんな風に言う。
 空から赤ちゃんが来たり、喋るネズミが来たりと、はなはどうなっているのか困惑していたのだ。

 すると、はぐたんが泣き出してしまった。


「っ⁉︎また⁉︎ミルクあげたし、オムツじゃ無いし!えっと、えーと………そうだ!」

 

 はぐたんが泣き出したのを見て、はなはそんな風に言う。
 どうするか考えていると、とある考えがはなの頭に浮かび上がり、早速はぐたんに対して実践する。

 
「いないいない〜…ばあぁ!」
 

 はなははぐたんに、誰が知っているあの"いないいないばぁ"を行った。

 すると。


「?………はぎゅ〜!」
「笑ってくれた………!」

 

 それを見たはぐたんは、笑った。
 はなは、取り敢えず泣き止んでくれたことに安堵していると、はぐたんがはなに向かって手を伸ばしてきた。

 はなはそれに答えようとする。

 すると。

 

「っ!……うちに住むのは………」


 

 はなはそう言うと、上げていた手を下げる。

 実際問題、まだ中学生であるはなが、はぐたんを育てるのは難しいのだ。

 それを見たハリーは。

 


「……違ったか」


「えっ?」

 


 寝っ転がっているハリーは、そんな風に呟いた。

 ハリーの呟きを聞き、はなは何なのかと思っていると。

 


「…………ちょっと〜?お姉ちゃん何騒いているの〜?」

 


 部屋の外からそのような声が聞こえてくる。

 ことりがここに来るのを察したはなは、咄嗟に、はぐたんとハリーをベットのクッションに隠す。

 すると、部屋の扉が開き、ことりが口を開く。

 

「うるさいんだけど?」


「ごめん!ダンスの練習をしてて………ふぉう!」

 

 ことりがそんな風に言うと、はなはことりの前でマイケル◯ャクソンの真似をしながら、誤魔化そうとした。

 それを見たことりは。
 

 

「……なんでもいいけど、ごはんだよ………」


「すぐ行く!」

 

 何とも言えない表情を浮かべながらそう言うと、扉を閉める。
 ことりが行ったのを確認すると。

 

「あっぶな〜…………ことりに知られたら、大騒ぎになっちゃうよ…………」

 

 はなはそんな風に呟くと、安心しつつベットに目を向ける。

 すると。

 

「……あれ?居ない………」
 

 

 いつのまにか、はぐたんとハリーは居なくなっていたのだった。

 


 

 その頃、キッチンいちのせでは、お客さんは皆帰って、皿洗いをしていた。

 すると、宝翔は口を開く。

 

「ねえ、お母さん」

「うん?」

「父さん、元気かな…………」

「多分ね…………。今頃、世界のどこかを飛び回ってるわよ」

 

 宝翔はそう聞くと、珠実はそう答える。

 宝翔の父親は現在、世界中を飛び回っていたのだ。

 すると、宝翔は口を開く。

 

「この店って、元々父さんが始めたんだろ?」

「うん」

「それを母さんに任せて、出て行ったまま………なのに、母さんは父さんの事、一度も悪く言わないよね」

「だって…………夢を追いかけるって素敵な事じゃない。母さん、そういう生き方、嫌いじゃない」

「そっか…………」

 

 宝翔は、珠実にそう聞く。

 このキッチンいちのせは、元々は宝翔のお父さんが始めたのだが、珠実に任せて、どこかへと行ってしまったのだ。

 宝翔は、珠実が父親の事を悪く言わない事を聞くと、珠実はそう答える。

 それを聞いた宝翔はそう言うと、珠実は口を開く。

 

「宝翔も、見つかったんじゃない?」

「えっ?分かるの?」

「伊達に母親やってません!」

「「ふふふ…………!」」

「俺、頑張ってみる」

「うん」

 

 珠実は、宝翔にそう聞く。

 それを聞かれた宝翔は、驚いた反応をすると、珠実はそう言う。

 そんな風に、和やかな会話が続いていた。

 


 

 その翌日、ラヴェニール学園では。

 

「おはよう!はなちゃん!」

「えっと…………」

「あっ、話すのは初めてだったね。俺は一ノ瀬宝翔!よろしくね!」

「うん、よろしく…………」

 

 宝翔は、はなに話しかける。

 だが、はなはどこか上の空だった。

 はなが上の空なのは、授業中もだった。

 

「夢…………?でも…………暖かったもん………」

「……………?」

 

 はなは、はぐたんとハリーの絵をノートに描きながらそう呟き、さあやは首を傾げていた。

 お昼でも、はなはどこか上の空だった。

 すると。

 

「お弁当、一緒に食べよう」

 

 そんな風に、さあやははなに話しかける。

 はなは答えずにいると、さあやは自分のお弁当から卵焼きを取ると、はなのお弁当の上に乗せる。

 

「はい、どうぞ。野乃さんって…………素敵だね」

「えっ…………?」

「自己紹介の時、転んでもすぐに立ち上がって…………夢、話して…………かっこいいなって思ったよ」

「ありがとう…………」

「……………ふっ」

 

 さあやは、はなに卵焼きを渡すと、そんな風に言う。

 転んでもすぐに立ち上がり、そんな風に語ったはなをかっこいいと。

 それを聞いたはながそんな風に言う中、近くのベンチに座っていたほまれは、そんな風に反応し、笑みを浮かべる。

 


 

 放課後、ラヴェニール学園の近くの公園では。

 

「確かに何かを見た……………でも、何を見たのかは思い出せない…………はぁ…………」

 

 加治木は、そんな風に呟いていた。

 ケミーに関する記憶を消されており、そんな風に首を傾げていた。

 すると。

 

「スッケボー!」

 

 近くを、スケボーの様な生命体が通っていた。

 


 

 その頃、ハリーとはぐたんはというと。

 

「はなの奴…………結構見所あると思ったのに…………!まったく……………」

 

 ハリーはキャリーケースの様なものにはぐたんを乗せて、そんな風に文句を垂れながら歩いていた。

 実際、はなの反応の方が正しいのだが。

 すると。

 

「は〜!は〜ぎゅ!は〜ぎゅ!」

「どないしたんや?…………アスパワワでいっぱいや…………!ここならもしかしたら…………!」

 

 はぐたんがそう言うと、ハリーはその建物を見る。

 そこは、ラヴェニール学園だった。

 


 

 一方、宝翔はというと、ラヴェニール学園のベンチの一つに座っていた。

 

「はぁ…………どうするべきか……………。なあ、どうしたらいいと思う?」

「カマ…………」

「リッパ…………」

 

 宝翔は、ため息を吐きながらオドリッパとカマンティスを見ていた。

 宝翔がオドリッパとカマンティスにそう話しかける中、1人の女の子がやってくる。

 

「…………一ノ瀬」

「九堂!昨日は急に居なくなるから、心配したんだけど…………」

「ごめん…………テストは?何とかなりそう?」

 

 やってきたのは、りんなだった。

 宝翔がそんな風に言うと、りんなはそう謝りつつ、テストについてを聞く。

 

「…………正直、むずいかも…………」

「…………錬金術には、質量交換…………っていう術がある。私たち錬金術師には、それが出来る。この指輪があればね」

 

 宝翔はそんな風に言う。

 それを聞いたりんなは、そう説明しながら、右手についている指輪…………アルケミストリングを見せる。

 りんなは、宝翔からカマンティスとオドリッパを取ると、口を開く。

 

「2枚のカードの質量を自由自在に交換できる。でも…………君には絶対無理」

「無理でもやらなきゃ!…………だろ?きっと、手はあるよ」

 

 りんなはオドリッパとカマンティスの質量を変えながら、最後は宝翔には無理と断言する。

 それに対して、宝翔はそんな風に言う。

 その言葉は奇しくも、りんなが口にした言葉だった。

 宝翔がオドリッパとカマンティスを見ていると、宝翔は口を開く。

 

「……………ていうかさ、そもそも、錬金術って何なの?」

「……………無から有を、死から生を生み出す術。例えば……………”万物はこれなる一者の改造として生まれうく”」

 

 宝翔は、そんな疑問を口にする。

 錬金術とは何かが気になったのだ。

 りんなはそう言うと、詠唱をする。

 すると、近くの自転車などが宙を舞う。

 

「すげぇ…………!やっぱ、凄いね!君の魔法!」

「魔法じゃない。科学にちょっと近いかな。でもね…………長続きしない」

 

 宝翔はそれを見て、そんな風に言う。

 すると、りんなはそう語る。

 実際、宙を舞っていた自転車とかは、しばらくすると地面に戻った。

 錬金術は、あまり長続きはしないのだ。

 すると、りんなは口を開く。

 

「錬金術は、最初こそ、ごく普通の科学的調合を行うのみだった。だけど、古の錬金術師が生命エネルギーという概念を実現した事を皮切りに、技術の発展によって魔術的調合を主体とした物質の再構築の技術が確立した。そして、この術が時々大当たりして、無生物が本当に生き物になってしまう時がある。それが…………ケミーだよ」

「……………」

 

 りんなは、錬金術がどういう物かを説明しつつ、ケミーの事も説明する。

 それを聞いた宝翔は、カマンティスとオドリッパを見つめる。

 


 

 その頃、ラヴェニール学園の時計塔では。

 

「気に入らないなぁ~」


 学校の中の時計搭の上にいる謎の男が、何かのメーターのような物を持って何かを計測していて、そんな風に呟いた。


「学校、青春………明日への希望に満ちている…………。アァ~ヤダヤダ」

 

 そのチャラい見た目をした男…………チャラリートは、そんな風に呟いていた。

 すると、チャラリートは下を見る。

 そこには…………。

 

「内富士先生なんなんだよ…………!ちょっと提出遅れただけで、締め切り、締め切りって…………!」

 

 そんな風に文句を垂れる男子生徒の姿があった。

 その男子生徒にメーターを向けると、先程と違い、メーターが赤いゲージで一気に振り切った。

 それを見たチャラリートは。

 

「トゲパワワ!発見~!」

 

 それを見て、チャラリートは嬉しそうにそんな風に言う。

 すると。

 

「明日への希望よ消えろ!ネガティブウェーブ!」

 

 チャラリートは両手を重ねた後に、顔の前で構えた後、交差するように開いてそう叫ぶ。

 すると、彼の両手から黒い波動…………"ネガティヴウェーブ"が放出される。

 そのネガティブウェーブが男子生徒を包むと、黒い空間にイガイガのような物が浮かんだ。

 男子生徒の前に巨大で怪しい闇が浮かび上がると、大量のイガイガが舞い上がる。

 すると、突然の事態に驚いていた生徒達が次々に倒れて気を失い、倒れた生徒達から紫のトゲトゲした何か…………トゲパワワが出てきて、時計搭の方へ集まっていった。

 

「ミライクリスタルを持ってるのは知ってんだよぉ~!早く現れろ…………プリキュア!」

 

 トゲパワワが巨大な雲のように形成されて大きくなっていく光景を目にし、チャラリートはそんな風に呟く。

 すると。

 

「スケボー…………!スケボー…………!」

「スケボーの怪物…………⁉︎」

 

 スケボーの様な生命体の目が紫色になると、何処かへと向かっていく。

 それを見た加治木は、そんな風に呟く。

 

「本当にいたんだ………!でも………なんか、やる気が出ない…………」

 

 加治木はそう呟くが、そのまま倒れてしまう。

 チャラリートがネガティブウェーブを放つ直前まで遡り、りんなは話を続ける。

 

「ケミーは世の秩序を乱す。人に取り憑いたりもする」

「ケミーの掟だっけ?”人の悪意には触れさせてはいけない”。…………またあいつらが、ケミーを怪物に…………」

 

 りんながそう説明する中、宝翔は、クロトーがカマンティスを取り込んで、マンティスマルガムになった事を思い出す。

 そんな風に言うと、りんなは口を開く。

 

「……………マルガム」

「えっ?」

「昨日…………ミナト先生から聞いた。怪物になったケミーは、そう呼ばれる。そして…………冥黒の三姉妹」

「冥黒の…………三姉妹…………」

 

 りんなはそんな風に語る。

 クロトーが変貌した怪物はマルガムである事、アトロポス、クロトー、ラケシスの三人が、冥黒の三姉妹と呼ばれている事を。

 宝翔が、冥黒の三姉妹の事を考えていると、りんなは口を開く。

 

「でも、危険なのは奴らだけじゃない。この世界には、悪意を持った人間は、いくらでもいる。だから…………私たち錬金術師の一族は、ケミーをカードに封印してきた。この世界の秩序を守る為に」

 

 りんなはそう語る。

 冥黒の三姉妹が関与していなくても、マルガムが生まれる可能性があるのだと。

 だからこそ、ケミーカードにケミーを封印してきた事を語る。

 それを聞いた宝翔は。

 

「…………封印するしか、手はないのかな」

「…………えっ?」

 

 宝翔はそんな風に呟く。 

 りんなが首を傾げると、チャラリートのネガティブウェーブにより増幅されたトゲパワワの影響が起こる。

 すると、周囲の人が倒れる。

 

「えっ⁉︎大丈夫か⁉︎」

「なんか…………やる気が起こらない…………」

「心がトゲトゲする…………」

「何が起きてるの…………?」

 

 宝翔は、近くで倒れた人に駆け寄り、そんな風に聞く。

 だが、そんな風にしか返事をしなかった。

 それには、りんなも困惑していた。

 その頃、はな達は。

 

「どうしたの⁉︎」

 

 はなと一緒に居たさあやが突然倒れた生徒に駆け寄り、どうしたのと心配して声をかける。

 すると。

 

「心がトゲトゲして……」

「なにもやる気がでない……」

 

 二人の生徒…………はな達のクラスメイトであるじゅんなとあきはそう言って、体をぐったりとさせ、力なく地に伏せてしまった。

 

「なにが起こってるの………?」

 

 はな達はお互いに顔を見合わせて、突如発生した謎の現象に何が起こってるのと不安になる。

 一方、チャラリートの方は。

 

「発注!オシマイダー!」


 そう言いながら、チャラリートは体を揺らしながら独特のポーズを決めると、自分の姿をライトが照らす。

 すると、空に広がって巨大な雲のようになったトゲパワワが下の時計搭に降り注がれる。

 さらに。

 

「スケボー…………!」

 

 そのトゲパワワに引き寄せられる様に、スケボーの様な生命体…………スケボーズと呼ばれるケミーも引き寄せられる。

 それが集まると、赤い目が光る。

 

「オシマイダー!」

 

 そんな声と共に、怪物が現れる。

 その怪物の見た目は、時計搭の黒いボディに黄色の目に口の中にギザギザの歯と時計、そして、両腕に時計の針とスケボーの様な物がついていた。

 この怪物は、オシマイダーと呼ばれる存在だった。

 

「…………あれ?なんか、スケボーみたいなのが付いてる?」

 

 それを見たチャラリートは、首を傾げる。

 その姿は、チャラリートも予想をしていなかった物であった。

 スケボーズも取り込んだ事により、オシマイダーとマルガムが組み合わさったオシマイダーマルガムへと変貌したのだ。

 

「まあいいか。…………さぁ、来い!プリキュア!」

 

 チャラリートは意識を変えると、そんな風に言う。

 


 

 その頃、宝翔達は。

 

「ホッパー!」

「どうした?ホッパー1?」

「ホッパー!ホッパー!」

「うわっ⁉︎おい!どこ行くんだよ⁉︎」

「何かを感じ取ったのかも!」

 

 ホッパー1はそんな風に叫び、宝翔を引っ張る様に連れていく。

 それには、宝翔が困惑していると、りんなはそう叫ぶ。

 校庭に着くと、オシマイダーマルガムが着地をする。

 

「何だあれ…………⁉︎」

「もしかして…………マルガム⁉︎でも…………何か違う…………?」

「あぁ?何だお前ら?」

 

 オシマイダーマルガムを見た宝翔がそんな風に言う中、りんなはそう呟く。

 目の前にいる存在が、マルガムの様な物だと感じたが、違う気配も感じていたのだ。

 宝翔とりんなに気づいたチャラリートは、そんな風に聞く。

 すると。

 

「錬金術師として、貴様を止める」

 

 りんなはそう言うと、アルケミストリングを人差し指に移して、錬金術師としての服装に変わる。

 それを聞いたチャラリートは。

 

「錬金術師だぁ?誰だか知らねぇけど、邪魔するなら、容赦しねぇぞ。行け、オシマイダー!」

「オシマイダー!」

「”万物はこれなる一者の改造として生まれうく”!」

 

 それを見たチャラリートは、オシマイダーマルガムに攻撃を指示する。

 オシマイダーマルガムが攻撃をしようとする中、りんなはそう詠唱する。

 すると、周囲のグランドレーキなどが浮かび上がり、オシマイダーマルガムへと向かう。

 だが。

 

「オシマイダー!」

「くっ…………⁉︎」

「効かねえよ。お前のその目…………俺ちゃんの嫌いな目だ。やれ!」

「オシマイダー!」

 

 オシマイダーマルガムは、グランドレーキなどを弾き飛ばしてしまう。

 マンティスマルガムと違い、あまりにも巨大である為、動きを封じる事が出来なかったのだ。

 りんなが悔しそうにする中、チャラリートはそう言うと、りんなにオシマイダーマルガムが迫る。

 すると。

 

「危ない!」

 

 宝翔はそう叫ぶと、りんなを抱えて、オシマイダーマルガムの攻撃を躱す。

 

「一ノ瀬…………!あの怪物には、スケボーズっていうケミーが取り込まれてる!」

「うん。九堂、ここは任せてくれ」

 

 りんなは、宝翔にオシマイダーにスケボーズが取り込まれている事を語る。

 それを聞いた宝翔は、オシマイダーマルガムと向き合う。

 それを見たチャラリートは。

 

「あ?何?お前もやろうっての?」

「そこの怪物に取り込まれてるスケボーズは、絶対に助ける!」

 

 チャラリートはそんな風に言うと、宝翔はそんな風に叫ぶ。

 ガッチャードライバーを腰に装着すると、ホッパー1とスチームライナーのカードを装填する。

 

HOPPER(ホッパー)1!

STEAMLINER(スチームライナー)

 

 その音声が鳴ると、宝翔の後ろに、ホッパー1とスチームライナーのカードが現れる。

 2枚のカードからそれぞれのケミーが現れる中、宝翔はポーズを取って叫ぶ。

 

「変身!」

 

 宝翔はそう叫ぶと、ガッチャードライバーのアルトヴォークを操作する。

 

ガッチャーンコ!

 

 その音声が鳴ると、宝翔の周囲をホッパー1とスチームライナーが浮かび上がる。

 

「ホッパー!」

「スチーム!」

 

 ホッパー1とスチームライナーは、2枚のカードが合わさった場所から現れたフラスコの入り口へと向かっていく。

 フラスコの中には、宝翔が居るように見える中、二体はアーマーに変化すると。

 

スチームホッパー!

 

 その音声が鳴ると、宝翔は仮面ライダーガッチャード・スチームホッパーに変身する。

 それを見たチャラリートは。

 

「なっ⁉︎何だよそれ⁉︎お前…………何者だ⁉︎」

「俺は…………仮面ライダーガッチャードだ!」

 

 チャラリートは、宝翔が変身したのを見て、そんな風に聞くと、宝翔はそう答える。

 それを聞いて、チャラリートは。

 

「仮面ライダーガッチャードだぁ⁉︎…………まあいい。やれ!オシマイダー!」

「オシマイダー!」

「行くぜ!」

 

 チャラリートは、目的のプリキュアとは違う存在が現れた事に驚きつつも、オシマイダーマルガムに攻撃を指示する。

 宝翔も応戦する中。

 

「おい、何だあれは?」

「スケボーズを取り込んだ様ですけど…………見た事がありませんわ。何かの怪物とマルガムが組み合わさったみたいな感じですわね」

「…………とにかく、グリオン様に報告だ」

 

 その様子を、冥黒の三姉妹が見ていた。

 冥黒の三姉妹としても、オシマイダーは見た事がないと言う。

 アトロポスがそう言うと、冥黒の三姉妹は撤退した。

 そして、別の場所では。

 

「クライアス社…………動き出したか。狙いはミライクリスタル…………」

 

 宝翔達を見ていた青年がそんな風に呟いていた。

 その青年の右手には、アルケミストリングが付いていた。

 一方、宝翔は。

 

「ハァァァァァ!」

「オシマイダー!」

 

 宝翔は、スチームホッパー由来の身軽な動きでオシマイダーマルガムを翻弄して、攻撃をしていく。

 オシマイダーマルガムは、宝翔が小さいというのもあって、なかなか攻撃が当たらなかった。

 

「やっ!」

「オシマイダー⁉︎」

 

 宝翔はジャンプしながらドロップキックを放つと、オシマイダーマルガムは吹き飛ぶ。

 すると。

 

「リッパー!」

「カマ!」

 

 そんな声が聞こえてきて、カケルは腕についているガッチャードローホルダーから、オドリッパとカマンティスのカードを出す。

 

「お前達も持ち味活かしてみる?」

「リッパー!」

「カマ!」

 

 カケルはそう言うと、オドリッパとカマンティスのカードを装填する。

 

KAMANTIS(カマンティス)


『ODORIPPA(オドリッパ)』



 

 宝翔は、その2枚を装填して、ガッチャードライバーを操作する。


 

ガッチャーンコ!

 


「リッパ!」

「カマ〜!」


 すると、宝翔の背後にその2枚が現れて、二体のケミーが現れると、宝翔に合わさっていき、姿を変える。

 


『オドリマンティス!』

 

 

 その音声が鳴ると、カケルはガッチャード・オドリマンティスワイルドに変身する。

 その見た目は、人型になった細身のカマキリで、各部にオドリッパの要素である羽飾りが見られる。

 

「ガッチャ!ハァァァァァ!」

 

 宝翔はそう言うと、全身に真空旋風を纏ってオシマイダーマルガムに突撃する。

 

オドリマンティス!フィーバー!

 

「お、オシマイダー⁉︎」

 

 その音声が鳴ると、宝翔は無数の斬撃でオシマイダーマルガムを斬り刻む。

 だが。

 

「オシマイダー!」

「うわっ⁉︎」

 

 オシマイダーマルガムは耐え切り、宝翔を吹き飛ばす。

 吹き飛ばされた宝翔は、スチームホッパーに戻りながら着地する。

 

「こいつ…………なんかダメージの効きが悪い⁉︎」

「へっ!甘く見てたみたいだな!やれ!オシマイダー!」

「オシマイダー!」

 

 宝翔はそんな風に叫ぶ。

 クロトーが変貌したマンティスマルガムと比べると、ダメージの効きが悪いのだ。

 それを見たチャラリートは、そんな風に指示をする。

 そんな中、りんなは。

 

「ミナト先生!」

『状況は分かっている。そのマルガムみたいな存在は何だ?』

「分かりません…………!その男が、オシマイダーと言っていますが…………!」

『……………分かった。すぐに向かう。待っててくれ』

 

 りんなは、何かのアイテムを使って、ミナト先生に連絡を取っていた。

 オシマイダーマルガムを見て、ミナト先生は向かう事にした。

 

「…………それにしても、一体何者なんだ?九堂が送った映像を見る限り…………錬金術師では無さそうだが…………」

 

 ミナト先生はそう呟く。

 オシマイダーという怪物を使役するチャラリートが何者なのか。

 そんな風に考えていると。

 

「ダッシュ!ダッシュ!」

「うん?」

 

 あるケミーカードに封印されていた存在が、そんな風に叫んでいた。

 それを見たミナト先生は、何かを思いついたかの様な表情を浮かべる。

 


 

 その頃、宝翔がオシマイダーマルガムと戦っている中、はなとさあやは、ぐったりとした生徒を支えながら走っていた。

 すると。

 

「オシマイダー!」

「おわっ⁉︎くっ…………!」

「アレは…………⁉︎」

「逃げよう!」

 

 オシマイダーマルガムが、宝翔に攻撃して、宝翔はそれを躱す。

 オシマイダーマルガムとガッチャードを見たはなが反応すると、さあやは逃げる様に促す。

 はなも逃げようとすると。

 

「はぎゅ~~!」

「あっ!!」

「はぁぎゅ!はぁぎゅ~!」

 

 そんな声が聞こえてきて、はなは声のした方を向くと、そこには赤ちゃん…………はぐたんの姿があった。

 それには、宝翔とりんなも気づいた。

 

「はぁぎゅ~!はぁぎゅ!」

「危ないってぇ~!」

「えっ⁉︎赤ちゃん⁉︎」

「何でこんな所に…………⁉︎」

「アァ?なんか文句あんのぉ?」

 

 はぐたんは、必死にオシマイダーマルガムに立ち向かおうとして、ハリーに止められていた。

 宝翔とりんながそう言うと、チャラリートははぐたんの事が気に障ったのか、オシマイダーマルガムに牽制の為にか、地面を踏み込む様に指示する。

 すると、瓦礫の一部がはぐたんに向かってくる。

 

「危ない!」

 

 それを見たはなは、はぐたんに向かって駆け出そうとする。

 だが、迫る瓦礫を見て、はなは足がすくむ。

 すると。

 

「ハァァァァァ!」

 

 宝翔はそう叫んで、はなに迫っていた瓦礫をキックで粉砕する。

 はなは、衝撃がそんなに来ない事が気になっていたが、すぐに目を開ける。

 

「大丈夫⁉︎」

「う、うん…………!青いバッタの戦士…………?あの子は!」

 

 宝翔がそんな風に話しかけると、はなはガッチャードを見て、そんな風に反応するが、すぐにそう叫ぶ。

 一方、はぐたんは。

 

「はぁ………ぎゅ~…………」

「アカン!アスパワワがどんどん無くなってる…………!」

 

 はぐたんは、少しぐったりとしていた。
 ぐったりとしているはぐたんの額のハートが水色から点滅していて、これを見たハリーはそう口にしながら焦り出す。

 それを見た宝翔は。

 

「その子をお願い!九堂はその子を!ハァァァァァ!」

「うん!大丈夫?」

「う、うん…………九堂…………さんだよね?」

「うん」

 

 宝翔は、はなにはぐたんを、りんなにはなを任せると、オシマイダーマルガムへと向かっていく。

 りんなは、はなの方に向かう。

 宝翔が、オシマイダーマルガムと応戦する中。

 

「はぁぎゅ~………ぎゅぅ~うぅ~………ウゥ~エゥゥ~!」
「…………!はぐたん!ぐっ!」

 

 はぐたんは、泣き出しそうな声を出していた。

 それを聞いたはなは、覚悟を決めるように拳をぎゅっと強く握りこむ。

 

「はぁ…………フレフレ、わたし…………!」

「ちょっと…………⁉︎」

 

 はなはフレフレと自分を鼓舞する様にそう言い、自分の身体を立ち上がらせた。

 りんながそんな風に反応すると。

 

「オレチャン、赤ん坊の鳴き声って苦手なんだよね………!そんな奴は放って、いけぇ!」

「ヤァァァァ~!」

「まずい…………!」

 

 チャラリートは鬱陶しいと言わんがばかりにそう言うと、オシマイダーマルガムにはぐたんへの攻撃を指示する。

 それを見た宝翔が妨害しようとすると。

 

「だめぇッ!」

「野乃さん⁉︎」

「えっ⁉︎」

 

 はながはぐたんを守る様に立ちはだかり、りんなと宝翔はそう叫ぶ。

 オシマイダーマルガムの動きが止まる中、それを見たハリーは。

 

「お前!」

「ぎゅぅ…………」

「どいてぇ~!」

「どかない!」

「どけっ!」

「絶対にどかない!」

 

 ハリーがそう言う中、チャラリートははなにそう言うが、はなは拒否する。

 それを聞いたチャラリートは、今度は先ほどよりも強い口調でそう言うが、はなは退かなかった。

 それを見て。

 

「うぜぇ………!潰せ、オシマイダー!」

「オシマイダー!」

 

 チャラリートは舌打ちしながらそう言うと、オシマイダーマルガムにそう指示を出す。

 それを聞いたオシマイダーマルガムがジャンプして迫ると。

 

「何やってるの⁉︎早く逃げて!」

「危ない!」

「なにしてんねん!おまえ、潰されるぞ!」

「おまえじゃないもん!はなだもん!」

「はぁぎゅ~………」

 

 りんなと宝翔、ハリーがそう叫ぶと、はなはハリーの言葉に対して、そんな風に反論する。

 はぐたんがはなに向かって手を伸ばす中、はなは。

 

「ここで逃げたらかっこ悪い…………!そう……!私がなりたい………野乃はなじゃない!」

「野乃さん…………」

 

 はなはそう言いながら、はぐたんを抱える。

 そして、一度目を閉じると、そんな風に叫ぶ。

 すると、はながピンク色に光り出す。

 

「アスパワワが…………⁉︎ぐっ………グッ⁉︎」

 

 はなが光り出したのを見て、チャラリートがそう言うと、オシマイダーマルガムが吹き飛ばされる。

 

「凄い…………!」

「一体、何が…………⁉︎」

「心が…………溢れる!」

「ばぁ~~ばぅ~~!」

 

 それを見た宝翔とりんながそう呟く中、はなはそう言う。

 すると、はぐたんがそう叫ぶと、額のハートのアクセサリーがより一際強く輝き、はなの胸から出て来たハートマークが更に強い輝きをほとばせる。

その光からハート型の金色の宝石のような形で中央部に星のような形、そこに延びる三条のラインのある何かが出てくる。

 

「ミライクリスタルが生まれた…………!」

「ミライクリスタル…………?」

 

 それを見たハリーがそう呟くと、りんなは首を傾げる。

 すると、ハリーの持っていた鞄が開くと、何かが出てくる。

 

「プリハートが反応した!」

 

 ハリーがそう言うと、鞄から、何かが出てくる。

 はなはそれをキャッチする。

 キャッチしたのは、角に丸みを帯びたピンク色のスマートフォンのような形をしている物で、プリハートと呼ばれるアイテムだった。

 

「はな!おまえの気持ち!かましたれぇ~!」

「いっくよぉ~~‼︎」

 

 ハリーがそう叫ぶと、はなは強い眼差しで出てきたピンクの色のスマートフォンのような物を前に構えて叫ぶ。

 

「ミライクリスタル!ハートキラっと!」

 

 はなはそう言うと、一番上の金色に赤い宝石のような物が消えた部分にミライクリスタルという宝石をセットする。

 すると、画面に白い二重のハートが刻まれて、そして下の部分をスライドさせてハートの形にすると、ピンク色に輝く。

 そのピンク色の光に体を包まれて、はなの髪が大きくなびいていく。

 

「はぁぎゅ~~!」

 

 はなはそう言いながら、ハートの下の角の部分の赤いハートをタッチして、胸元に寄せる。

 そして、手を広げると二重の白いハートが赤色に変わり、そこから光が溢れ出して、はなの回りを囲む。

 光が晴れると、衣装が濃いピンク色のチアリーダーのような、おなかの部分が出たワンピースになり、腰に桜色の大きなリボンが付いたシースルーのピンク色のスカートにその上に緑色のフリルが出てくる。

 更には両手首に小さな黄色のポンポンが出てきて、両足に白いニーソックスに両足首に黄色のボンボン、ピンク色のブーツが現れた。

 二の腕にもシースルーの袖カバーが着いている。

 

「ぎゅぅ~~!」

 

 はなはそう言って、またぎゅうとプリハートを掴むと、今度は二重のハートが黄色になる。

 そこから光が溢れて、はなの髪をウェーブのかかった薄いピンク色のロングヘアーへと変え、サイドをまとめたシニヨンに赤いリボンに白い花が現れる。

 

「ぎゅぅ~~!」

 

 再度、プリハートをタッチすると、今度はハートが水色になって光が溢れ出すと、顔にメイクが施され、両耳に緑のクローバーイヤリングが、頭にピンクのハートのアクセサリーが、後ろの腰に大きい薄いピンクのリボンが装着される。

 そしてプリハートを腰に付いたポーチへと入れるとカバーが閉じる。

 

「輝く未来を抱きしめて!みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!」

 

 はなは片足で着地すると、右腕を天高く伸ばして、左腕を腰にすえて右足を左膝につけてポーズを決めて、キュアエールと高らかに叫ぶ。

 

「えぇぇぇ〜⁉︎はなちゃんが、変身した⁉︎」

「キュアエール…………⁉︎」

「プリキュア………ほんまになりおった………」

「はぎゅ〜………」

 

 それを見ていた宝翔、りんな、ハリー、はぐたんはそう言う。

 すると、バイクに乗った人が現れる。

 

「えっ⁉︎ミナト先生⁉︎」

「奇遇だねぇ…………たまたま、このゴルドダッシュがこっちへ行きたいと言うもんだから」

「ダッシュ!ダッシュ!」

 

 バイクに乗っていたのは、ミナト先生だった。

 乗っていたのは、ビークル属性のレベルナンバー7のゴルドダッシュだった。

 

「ダッシュ!」

「おお…………!お前、ものすごく早く走りたそうだな!」

「ダッシュ!ダッシュ!」

「分かった!借りるよ、先生!」

 

 ゴルドダッシュがそう言う中、宝翔はゴルドダッシュが早く走りたいという気持ちである事を察した。

 宝翔はミナト先生にそう言うと、ゴルドダッシュに乗る。

 ゴルドダッシュが走る中、ミナト先生は。

 

「…………一ノ瀬は、ケミーの気持ちが分かるみたいだな。…………それはそうと、そこのお前」

「お前って言うなや。ハリハム・ハリーや!」

「……………そうか。なら、聞かせてもらうぞ。野乃が変身したプリキュアとやらと、あの怪物の事を」

「…………なら、こっちも教えてもらうで。あいつの事をな」

 

 ミナト先生は、近くにいたりんなにそう話しかけると、ハリーにそう話しかける。

 ミナト先生が、プリキュアやオシマイダーに関する情報を求める中、ハリーも、ガッチャードの事についての情報を求める。

 そんな中、ラヴェニール学園の建物の影に、1人の男が見ていた。

 宝翔は、はなの元に向かう。

 

「はなちゃん!」

「めっちゃイケてる…………!って、その声って、宝翔君⁉︎」

「俺たちで戦おう!」

「うん!」

 

 宝翔はそう言うと、はなは、ガッチャードの正体が宝翔であると察した。

 2人がそう話す中。

 

「くそっ!新しいプリキュアだと⁉︎まさか、クリスタルが増えたのか⁉︎…………まあいい。やれ!オシマイダー!」

「オシマイダー!」

 

 チャラリートは、はながプリキュアに変身したのを見て、そんな風に動揺する。

 だが、すぐに落ち着かせて、オシマイダーマルガムに攻撃を指示する。

 すると。

 

「ふっ!」

 

 はなは、オシマイダーマルガムの攻撃を右手で受け止める。

 すると、はなを中心に、アスパワワと呼ばれるエネルギーが放出される。

 

「ううっ…………⁉︎」

「はぎゅ!」

 

 チャラリートが怯む中、はぐたんは嬉しそうにそう言う。

 オシマイダーマルガムが、左手ではなを攻撃しようとすると。

 

「ハァァァァァ!」

「ダーッシュ!」

 

 はなとオシマイダーマルガムの周りを走っていた宝翔とゴルドダッシュが体当たりをする。

 オシマイダーマルガムが怯むと。

 

「ハァァァァァ!やぁぁぁぁ!」

 

 はなは、オシマイダーマルガムを持ち上げて、そのまま地面に叩きつける。

 その際、アスパワワが放出される。

 すると。

 

「オシマイダー!」

「あっ!宝翔君!」

 

 オシマイダーマルガムはそう叫ぶと、地面を思い切り殴り、岩塊を吹き飛ばす。

 はなは岩塊を回避するが、岩塊の一つが、宝翔とゴルドダッシュに迫っていた。

 すると。

 

ガッチャーンコ!

 

「飛べ!」

 

 宝翔はスチームホッパーのワイルドモードになり、岩塊が当たる直前にゴルドダッシュを空中に持ち上げる。

 

「ダ⁉︎ダダダ…………⁉︎」

 

ガッチャーンコ!

 

 空中に放り投げられたゴルドダッシュは戸惑う様な声を出すが、宝翔はすぐに元の姿に戻って、ゴルドダッシュに座る。

 回転する中。

 

「カマンティス、頼むぜ!」

「カマ〜!」

 

KAMANTIS(カマンティス)

 

 宝翔は、ガッチャードローホルダーに入っていたブランクカードをガッチャージガンに装填すると、カマンティスのカードをスキャンして、ガッチャージガンに装填する。

 そこから、放り投げると、宝翔とゴルドダッシュは着地する。

 

「ふっ!」

「ダーッシュ!」

「オシマイダー⁉︎」

 

 宝翔は、ゴルドダッシュのハンドルについているスイッチを押す。

 すると、ゴルドダッシュは加速する。

 オシマイダーマルガムが驚く中、宝翔はガッチャージガンをキャッチすると。

 

「避けて!ハァァァァァ!」

「えっ?うわっ⁉︎」

 

ガッチャージバスター!

 

「オシマイダー⁉︎」

 

 宝翔は、はなに避ける様に叫ぶと、はなはすぐに回避する。

 すると、ガッチャージガンから緑色の鎌状の光弾を連射し、オシマイダーマルガムにダメージを与える。

 

「オシマイダー!」

 

 オシマイダーマルガムは、反撃と言わんがばかりにスケボーのタイヤのようなエネルギー弾を放つ。

 すると。

 

「よっと!」

「ダッシュ!」

「おお!」

「そんなのありかよ⁉︎」

「凄い…………!」

 

 宝翔は、タイヤ型のエネルギー弾をキャッチすると、それをゴルドダッシュの力でゴム状に捻られる。

 ゴルドダッシュがそれをアームでキャッチすると、宝翔は拍手する。

 それを見ていたチャラリートとはながそう言うと、オシマイダーマルガムは四つのタイヤ型のエネルギーを放つ。

 

「ダーッシュ!」

 

 だが、ゴルドダッシュが持っているゴム状のエネルギーによって、四つのタイヤ型のエネルギー弾は跳ね返され、オシマイダーマルガムはダメージを受ける。

 すると、宝翔の元にはなが向かう。

 

「一気に決めよう!」

「うん!」

 

 宝翔とはなはそう話すと、それぞれが必殺技を撃つ体制に入る。

 

「トーン…………トーン…………トーン………!ハァァァァァ!」

 

 宝翔はアルトヴォークを操作すると、そう言いながら、その場で三回ジャンプして、右足を上げて、力を貯める。

 一方、はなは取り出したプリハートのハートの部分をタッチし、手を画面にかざした。

 すると、彼女の両手首に付いている装飾が、ポンポンに変化する。

 そこから。

 

「フレフレ!ハート・フォー・ユー!」

 

スチームホッパー!フィーバー!

 

「ハァァァァァ!」

 

 宝翔はアルトヴォークを操作して、ワイルドモードになって接近する。

 その間、はなは両手のポンポンでハートを描き、目の前に向かってピンクのハート型エネルギーを発射した。

 宝翔は元の姿に戻って、ライダーキックを発動して、オシマイダーマルガムを貫き、はなが放ったピンクのハート型エネルギーがオシマイダーマルガムに命中する。

 すると。 

 

「ヤメサセテモライマース………」
  

 

 オシマイダーマルガムは、幸せそうな笑顔でそう言いながら、浄化されていく。

 すると。

 

「スケボー!」

 

 オシマイダーマルガムが居た場所から、スケボーズが出てくると、宝翔はスケボーズをブランクカードに封印する。

 

「おお…………!ガッチャ!スケボーズ!よろしくな!」

「スケボー!」

 

 宝翔は、スケボーズにそう話しかける。

 スケボーズがそう答える中、それを見ていたチャラリートは。

 

「これは始末書物…………!変な奴も現れるし…………!くっ!」

 

 チャラリートは、そんな風に悔しげにそう言うと、そのまま撤退する。

 すると、ラヴェニール学園の周囲に満ちていたトゲパワワが消えて、元の状態に戻る。

 そして、チャラリートに目をつけられ、オシマイダーを生み出すきっかけを産んでしまった男子生徒…………千瀬ふみとは目を覚ました。

 

「うっ…………キュアエールに仮面ライダーガッチャード…………?夢…………?」

 

 ふみとはそんな風に呟いていた。

 はなは、はぐたんとハリーの元に駆け寄る。

 

「はぐたん!ハリー!」

「ふぇ~。はぁぎゅ、はぁぎゅ、はぁぎゅ~」

 


 駆け寄ったはなは、はぐたんを抱き上げる。

 その抱き上げられたはぐたんは嬉しそうに笑っていた。

 その様子を宝翔と共にハリーは微笑みながら見つめていると、後ろにあったカバンが開く。

 すると、そこから、ピンク色の小さなスプーンが出てきた。

 


「あぁ………」

「何それ?」

「スプーン…………?」

 

 突然出てきたスプーンをはな、宝翔、りんなは見つめていると、プリハートからミライクリスタルが外れてスプーンの上に乗り、はなはそのスプーンを手に取る。

 


「うん。ミライクリスタルはアスパワワの結晶。ミライクリスタルから、はぐたんにパワーをあげるんは、プリキュアにしかできへん大切なお仕事や!」

 

 それを見たハリーは、そんな風に説明をする。
 はなはその説明を聞きながらも、はぐたんの前にミライクリスタルの乗ったスプーンを近づける。

 すると、クリスタルが光り出して、そこから溢れるアスパワワがはぐたんの額のハートのアクセサリーに吸い込まれていく。

 


「はぁぎゅ~!キャハキャハ!エヘエヘ!」

 

 アスパワワを受け取ったはぐたんは、満面の笑顔で笑っていた。

 


「よかった!」

「はぐたんにアスパワワを与えても、まだミライクリスタルが光っとる………!」

 

 はなは、はぐたんが笑ったのを見て、そんな風に言う。

 はなとはぐたんの様子を見ていたハリーは未だにミライクリスタルが浮かび上がり、光っている事に気づいて驚いていた。

 


「ふふふ。よしよし」

「はぁ~ぎゅ。はぁぎゅ~」

「こいつの心には…………どれだけのアスパワワがあるんや?これなら………未来を………!」

「はぐたん、よろしくね!」

「はぎゅ!」

 

 はなとはぐたんが笑う中、ハリーはミライクリスタルを見つめて、そんな風に言う。

 ハリーがそう言う中。

 

「ってか…………凄い今更だけど、ネズミが喋ってる⁉︎もしかして…………君もケミー⁉︎」

「誰がネズミや!ハリハム・ハリーや!ケミーやない!」

「今更…………?」

 

 宝翔は、ハリーが喋ってるのを見て、そんな風に言うと、ハリーはそう突っ込み、りんなは呆れたようにそう言う。

 すると。

 

「これ以上は騒ぎになるな。一ノ瀬、九堂、野乃!少し来い!」

「えっと…………あなたは?」

「ミナト先生!進路指導の先生!」

「そして…………錬金術を教えてる」

「錬金術⁉︎」

 

 周囲を見ていたミナト先生がそう言うと、はなは戸惑う。

 はなは、転校してきたばかりで、ミナト先生の事は知らなかったのだ。

 そこから、錬金アカデミーの方へと移動する。

 そんな中。

 

「キュアエール…………この時代のプリキュアが誕生したか。ガッチャードとキュアエール。この2人が未来を変える存在になって欲しいが…………」

 

 その青年は、そんな風にそう呟くと、姿を消したのだった。

 一方。

 

「プリキュアに仮面ライダーか…………」

 

 別の青年が、移動していく宝翔達を見つめながら、そんな風に呟いていた。

 


 

 はなは、宝翔やりんな、ミナト先生から、錬金アカデミーの事を教えてもらったりしていた。

 

「はぁ…………なんか、色々と凄いね…………」

「まさか、はなちゃんもプリキュアっていうのに変身するなんて…………!ガッチャだな!」

「ガッチャ?」

「この人の口癖だから、気にしないで」

 

 はなは、そんな風に呟くと、宝翔はそう叫ぶ。

 はなが宝翔の『ガッチャ』という言葉に首を傾げると、りんなはそういう。

 すると、りんなは小声でミナト先生に話しかける。

 

「ところで…………彼女のケミーに関する記憶を消さなくていいんですか?」

「さっきからやってるんだが…………プリキュアに変身した影響か、記憶消去が効かないみたいだ。ハリーとやらから、あの怪物がオシマイダーと呼ばれている事や、クライアス社という存在が暗躍しているのは分かった」

「そうなんですか…………」

 

 りんなは、はなのケミーに関する記憶を消さないのかと、ミナト先生に聞いた。

 すると、ミナト先生はそう答える。

 どうやら、プリキュアに変身した影響か、記憶消去を受け付けなくなったのだ。

 ミナト先生は、ハリーからあの男…………チャラリートが使役していた怪物がオシマイダーと呼ばれる存在で、チャラリートが所属しているのがクライアス社と呼ばれる存在だと聞いた。

 

「どうやら、オシマイダーはトゲパワワと呼ばれるエネルギーから生まれて、トゲパワワは人間の負の感情…………悪意の様な物だ。恐らく、ケミーはそれに引き寄せられて、マルガムになったんだろう」

「となると……………」

「ああ。プリキュアとは手を組むべきだろう。オシマイダーとやらを完全に倒せるのは、野乃だけだ。一ノ瀬だと、ダメージを与える事は出来ても、倒す事は不可能だろう」

「…………そうですね」

 

 ミナト先生はそう説明する。

 トゲパワワは、人間の悪意の様な物であり、それを元にオシマイダーが生まれる為、マルガムが誕生する条件とも重なってしまっているのだ。

 その為、ミナト先生は、プリキュアと手を組む事を決めた。

 オシマイダーが今後も、マルガムの要素を持って誕生する可能性もあるからだ。

 そんな話をしている中、はなは。

 

「へぇ〜!ホッパー1って言うんだ!よろしくね!」

「ホッパー!」

「よろしくね、はぐたん!」

「はぎゅ〜!」

 

 はなと宝翔は、はなはホッパー1と、宝翔ははぐたんと話をしていた。

 


 

 その翌日、錬金アカデミーでは、宝翔の試験が行われていた。

 ちなみに、はなは来ていなかった。

 

「よし…………!」

「リッパ〜…………」

「カマ〜………」

 

 宝翔はそう言うと、オドリッパとカマンティスを天秤に乗せる。

 宝翔が固唾を飲んで、天秤を見ていると、天秤は釣り合った。

 

「おお…………!出来た!」

「一体、どうやったの⁉︎」

「2人に頼んだんだよね!」

 

 宝翔はそんな風に嬉しそうに言う中、りんなはそう聞く。

 何故、宝翔が天秤を釣り合う様に出来たのか。

 それは、昨日に遡る。

 

『お願いします!痩せて!太って!お願い!』

『カマ…………』

『リッパ〜…………』

 

 宝翔は、オドリッパには痩せる様に、カマンティスには太る様に頼み込んでいたのだ。

 それには、オドリッパとカマンティスも困惑した声を出していた。

 

「オドリッパにはダイエットしてもらって………カマンティスには太ってもらって…………」

「えっ⁉︎」

「リッパ〜…………」

「カマ…………」

「いやぁ〜…………2人には無理かけたかなぁ…………!」

 

 宝翔はそう説明する。

 実際、オドリッパは痩せていて、カマンティスは太っていたのだ。

 宝翔がそんな風に言うと。

 

本来、こんなやり方はない!

「っ!」

 

 ミナト先生はそんな風に叫び、宝翔はミナト先生を見る。

 すると。

 

「…………が、合格だ」

「…………おぉぉぉ…………!ガッチャ!じゃあ、俺はこれで!ふぉう!店の手伝いがあるんでね!」

 

 ミナト先生は、少し溜めた後、合格を伝える。

 それを聞いたりんなが驚いた表情を浮かべる中、宝翔は嬉しそうにそう言う。

 すると。

 

「一ノ瀬」

「おっ!」

 

 ミナト先生はそう言うと、ある物を宝翔に投げる。

 それは、アルケミストリングだった。

 宝翔は、アルケミストリングを見ると、ミナト先生に話しかける。

 

「…………先生!希望する進路、大物錬金術師って書いておいてよ!」

「…………大物は余計だな。明日からはこの教室に出席しろ」

「じゃあ、明日!」

 

 宝翔はそんな風に言うと、ミナト先生はそう言う。

 宝翔が教室から外に出ると、廊下から、男女のコンビが現れる。

 

「誰?誰や?今の誰?」

新入生じゃないかな………

「相変わらず、声ちっさ!」

 

 宝翔を見た女性…………銀杏蓮華がそんな風に言うと、男性の方…………鶴原錆丸はそんな風に言う。

 錆丸の声が小さいことに蓮華は呆れるようにそう言うと、錆丸は蓮華の前に行って、タブレットを見せる。

 

『だから、新入生じゃねぇの?普通に』

 

 すると、タブレットからそんな音声が鳴る。

 錆丸は、タブレットを介して会話をする事があるのだ。

 


 

 一方、宝翔とりんなは、待っていたはなと合流していた。

 

「錬金アカデミーに合格したんだって?おめでとう!」

「ありがとう!ホッパー1!俺、最高の気分!」

「ホッパー!ホッパー!」

 

 はなは、宝翔から錬金アカデミーに合格したのを聞いて、そう言う。

 宝翔ははなにそう言いつつ、ホッパー1に話しかける。

 すると、りんなが水を差すように口を開く。

 

「さっきのあれ、ルール違反。錬金術的には失格だから」

「でも、俺は俺のやり方でやった。絶対無理じゃなかっただろ?」

「凄いね、宝翔君は!」

 

 りんなはそんな風に言うと、宝翔はそう答える。

 錬金術的にはアウトだが、宝翔はやってのけたのだ。

 はながそう言う中、宝翔は口を開く。

 

「俺、錬金術師になったら、全てのケミーと仲間になって、一緒に自由に生きる!未来を!」

「宝翔君なら出来るよ!フレフレ!」

「ありがとう、はなちゃん!」

「何それ…………相変わらずポエムね」

 

 宝翔はそんな風に夢を語る。

 それを聞いたはなは、宝翔を応援するようにそう言うと、りんなは笑みを浮かべつつも、呆れた様にそう言う。

 歩く中、口を開く。

 

「私はルールを守るよ。それが私のやり方だから」

「いいんじゃね?お互いそれぞれで」

「頑張ろう!2人に負けてられない!私もイケてる大人になるぞ〜!」

 

 りんながそんな風に言うと、宝翔はそう言い、はなは2人に触発されたのか、そんな風に言う。

 三人が歩く中、その三人を後ろから見ている男がいた。

 その男の右手には、巨大なレンチの様な形状の武器が握られていた。

 

「…………錬金術師モドキが仮面ライダーになり、プリキュアだと?笑えないジョークだ」

 

 その男はそんな風に呟くと、その武器を右肩に乗せる。

 ここから、一ノ瀬宝翔の錬金術師として、野乃はなのプリキュアとしての物語が幕を開ける。




今回はここまでです。
今回は、キュアエールの誕生です。
ガッチャードの第二話とHUGプリの第一話の後半となります。
はなもキュアエールに覚醒して、ガッチャードと共にオシマイダーとマルガムが融合した存在を撃破しました。
そんな中、様々な思惑が錯綜していく。
果たして、どうなるのか。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
クリスマスといえば、仮面ライダーガッチャードデイブレイクが登場した日ですね。
厳密に言えば、24日ですが。
ガッチャードデイブレイクが登場してから、2年も経ったんですね。
この小説での展開でリクエストがあれば、受け付けています。
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