軽く読める程度のものを、今後もサークル仲間からの要請に応えて書いていきます。
某天狗<(キャラストの)理解が浅い!!
みたいなご指摘は……できれば許し亭許して。
一応ようつべの育成配信を見て勉強したから……
公園の雑草たちが背を揃えて刈られている。青々とした草花たちの香りが鼻腔をくすぐる。心地よい風が肌をなぜ、青々とした心地よい空が船橋の上に広がっている。
「わぁ~♪ ピクニックにぴったりなロケーション!」
「こんなイイ感じの場所なんてあったのかよ」
「当然です、船橋の底力を舐めないでいただきたい」
船橋が誇る公園、『ふなばしアンデルセン公園』のその中に、船橋を愛するフリオーソというウマ娘がいた。
季節は春、というより初夏に近いだろうか。
この時期はちょうど、フリオーソたちがメインとするダートのレースが少なく、心身を癒すためにこうした軽旅行をするのに向いている。
そこでフリオーソは仲の良いライバルであるウマ娘…スマートファルコンを始めとしたウマ娘たちに、自らが愛する故郷『船橋』を紹介していた。
ふなばしアンデルセン公園の広大な敷地の中でも、地元の人がよくピクニックに選ぶような場所をゆったりと、解説付きで歩んでいく。
「私たち船橋トレセンのウマ娘は、この公園をよくランニングのルートに組み込みます。自然あふれるこのロケーションは、なにかやるせない気分を抱えている時にも最適です。無心でここを走っていると、大抵のことは忘れられますから」
「確かにね〜、こんないいトコで走れたら、そりゃリフレッシュできる……今度トレちゃんを連れてこよっと」
「と、トレーナーさんとここでデート……うぅ〜、うまく誘えるかな…」
「なんか全然無心になってないヤツいねーか?」
愛する故郷の魅力はここだけではない。
少し場所を変え、行きつけのたい焼き屋に向かった。
交差点の向こうからゆっくりと姿を見せ始めるその外装を見て、フリオーソは段々とアドレナリンが出てるような、得も言われぬ興奮を想起していた。
そういえば久しぶりに訪れる。だからだろうか。
いざ店の前まで着いた一行だが、フリオーソがよく来るからという話題があったからなのか、いつ頃からか列をなしている現状だが、その店主は活気あふれる笑顔を浮かべてたい焼きを焼いている。傍らには実家の祖母のような安心感を与える、朗らかな笑みを浮かべた妙齢の女性がいる。
店主の妻だろうその人は、ついに順番が来たフリオーソや連れであるエスポワールシチーなどの顔を見て、しかし変わらぬ笑みで接客を続けた。
「はい、いらっしゃい。今日はどれ食べるんだい?」
「今日は友人を連れてきましたので、定番の餡子を……ああ、そうでした。皆さん、餡子はつぶあん派ですか?それともこしあん派ですか?」
「あーしはこしあん派」
「ウチはつぶあんがいーかな~」
「ファル子はこしあんでお願いしまーす!」
「では、つぶあんとこしあんをそれぞれ二つずつで」
注文を受けると女性は店主に向けて声を上げる。
「おとうさん!つぶあんとこしあん二つずつ!」
「あいよっ、丁度焼いてるから待ってなよ!」
「わ、わざわざ焼いてくださるのですか!? 既に焼けてあるのでも大丈夫ですが……」
丁度焼いているとはいえ、わざわざ焼いてくれる手間に少し申し訳なく思ったフリオーソが、出来合いのモノで十分だと伝えたが、しかし女性は首を横に振って言う。
「せっかくフリオーソちゃんが、新しいお友達を連れてきてくれたんだ。焼きたての美味しいものを食べてほしいっていう、私らの気持ちだよ」
「……わかりました、甘えさせていただきますね」
この仕事が心底楽しいのだろう。真剣に、しかしとても楽し気にたい焼きを焼く店主の眼差しは、じっとたい焼きの鉄板を見つめている。そして女性はその後ろ姿を変わらず微笑みを浮かべて眺めている。
フリオーソはそれを少し眺めてから、カウンター横の邪魔にならない場所で焼き上がりを待ち始めた。
「焼き上がりが楽しみだね♪」
「お手並み拝見って感じだな」
スマートファルコンたちは見てわかるほどにウキウキしており、たい焼きが待ち遠しいといった様子だ。
そんな中、トランセンドがフリオーソに声をかけた。
「……ねえねえ、フリオ」
「はい?」
「前から思ってたけど、キミってほんとにココを愛してるんだね」
何を今さら、といった風にトランセンドを見つめるフリオーソだが、その意を知ってか知らずか、トランセンドは言い改めた。
「アンデルセン公園の時もそうだけど、今のたい焼き屋さんも。フリオが話しているとき、ずっと嬉しそうにしてるし。なにより、キミと話しているあのおじちゃんおばちゃんたちも嬉しそうだった。それって、キミのレースの影響てより、これまでの愛ある活動のおかげじゃん? この間の地震のあとも、ウチらは日本のためにって感じで動いていたけど、キミはその中でも船橋のためにって動いてた。それって、つまりとんでもない地元愛だよねん」
改めてそう言われると、なんだか気恥ずかしいものがある。
当時はまだ「打倒、中央」を掲げて動いていた。だが、率先して国のために動いていた彼女達に心動かされ、自分たちも何かせねばという気持ちで動いた。
全て、彼女たちと出会わなければ。
そこまで思い出したところで、ふと通りがかったファンだろう青年などが各々に応援の声をかけてくれた。
話はここまでだ。彼らの声に応えながら再びたい焼きを待っていると、甘く香ばしい香りが強くなってくる。それに釣られるように、誰からともいわず腹の音が聞こえてきた。
「……あーしじゃねーぞ」
「ふふっ、大丈夫です。私もここの店のたい焼きは絶品ですから。私もこうやって待っていると、よくお腹が鳴ってしまいますよ」
「だからあーしじゃ……!」
「あいよお待たせ、嬢ちゃんたちのたい焼きだ!」
なんとも言えない空気が流れ始めた時、威勢のいい声が聞こえると、そちらから紙袋を手渡される。
袋を開けてみると、明らかに量が多い。
慌てて店主を見ると「持ってけ」と言わんばかりにうんうんと頷いている。
「……ご厚意、感謝いたします」
たい焼きを受け取ったことを確認した店主たちは、口をそろえて「またのご来店お待ちしてます!」と快活に発する。
その気持ちのいい活声を背に、フリオーソたちはまた歩きだした。
次はどこを案内しようか。
まあ、最後に行くところは決まっている。
今日の晩御飯として、ソースラーメンを伝えなければ!
次はヴィヴロスですが、今度は弊チームにいるから勉強しやすいよ、やったね