「提督ー!」
あれから、川内はよく俺の腕にしがみ付いてくる。
「あの、歩きにくいから離れてくんない?」
「やー!」
「赤ちゃんなの?」
「提督の前だったらそれでもいいかな」
いや良くねぇから。なにそれ性癖?
「俺はほら、君と違って学校行ってるからさ。今、数学の課題やってるから、ね?加賀にぶっ殺されるから」
「しかたない…その代わり後で」
「はいはい。構ってあげればいいんでしょ?」
うぜぇ…通常の五倍。いやそういうところも可愛いんだけどさ。
「ねぇ、まだ終わらないのー?」
「おい、さっきまだ終わってないって言ったばっかだろ。ニワトリかお前」
「むぅー!」
「唸って抗議するな。本当に動物かお前は」
恋人ってこういう感じだったっけ…いやいいんだけどさ。
すると、ぷるるっと家電話がなった。
「はいはーい」
あれから川内はよく家事をするようになった。今だって自分から電話に出てくれている。
「もしもーし」
さて、課題終わらせないと。もう少しで高二だし。まぁそんなこんなで付き合い始めて1ヶ月経っていた。
課題が終わり、仕方ないので川内とお出掛け。
「どこ行く?」
「任せる」
「こういう時は男性がエスコートしてくれるものだよ」
「女性の意見を尊重する民主主義的な彼氏なんだよ」
「ふーん。じゃあどこ行ってもいいんだ?」
「自宅がベストかな」
「帰る気!?」
まぁね。なんて感じで歩いてると、前方238.61mに黒い長髪に帽子を被ったセーラー服の女の子が歩いてるを発見した。いや、まだ確証がない。
「提督?」
「静かに」
提督イヤーズ。俺は目を閉じて耳に全神経を集中させる。
「……っく、……ったらレディの……を……」
間違いない。俺はクラウチングスタートの姿勢を取る。そして、ニヤリと笑うと戸惑ってる川内を捨て置いてダッシュ。
「ぅあぁかぁつぅきぃーっっ‼︎‼︎‼︎」
「へ?ひゃあっ!」
約11秒くらいで走って暁を抱き上げた。そのまま高い高い。
「久し振りだなぁーっ!」
「きゃあぁーーっ!」
「お前のために何回か艦娘学校に顔出したりしてたのにさぁ!中々お前に会えなくて寂しかったぞー!」
「ひゃあぁぁぁっっ‼︎‼︎」
「はっはー!お前は今日から俺の物だ!泣き喚いても無駄だぞぉー!これは決定事項なのだ…」
後ろから飛び蹴りを喰らった。そのままバランスを崩し、暁を落としてローリングしながら電柱にダイブ。
「大丈夫?暁」
「せ、川内さぁ〜ん…グスッ」
川内が暁を抱っこして、しばらくよしよしとあやす。が、すぐに自分が抱っこされてることに気付き、暁はジタバタした。
「は、離しなさいよ!暁を子供扱いしないで!」
「はいはい…」
言われて苦笑いしながら降ろす川内。そこでようやく俺を睨んだ。しかも殺意の波動を放った眼光で。
「提督、今の行動はどういうこと?」
「え?いやいつものことじゃ…」
「ふーん…そういう認識なんだ。暁、今度お詫びしてあげるから今日はちょっとごめんね?私はあの人に用があるから」
「わ、分かったわよ」
そのまま去る暁。俺は川内に家に連行された。
家。俺は正座させられている。目の前にはカンカンの川内。
「今の私と提督の関係、わかるよね?」
「お、おう。恋人だよな」
「その恋人の前で堂々と幼女に手を出すのはどういうこと?」
あ、そういうことかこいつがご機嫌斜めなのは。なら俺が悪いか。
「悪かったよ。まぁでも暁とかあの辺は小学生だろ?だから…」
「提督はロリコンでしょ!?こっちとしても食べんの余り見ていていい気分にならないし…」
「や、俺からしたら小動物を抱いてる感覚だったんだが…」
「とにかく!そういう行動は禁止!いいね!?」
「わーったよ…」
はぁ…もう川内の前じゃ駆逐艦は抱けないのか…でもいない時に抱けばいいよね!うん、万事解決。