川内と図書館。俺が暇潰しにタッチを読んでると、なにやら見たことある小さな影。もみあげだけ長い薄紫の髪の毛。紺色の制服。間違いないな…。ドラゴンボールよろしく構えると、俺は大地を蹴って本棚で壁ジャンプを連発。
「やぁよぉいぃぃーーっ!!」
本棚から本棚へ飛び移りながら後ろから抱き着こうとした瞬間、その前に現れる大きい影。いち早く俺はそれを察知し、空中で姿勢を変えながら飛び蹴り。俺の駆逐艦へのスキンシップを邪魔する奴など消えてしまえばいい。が、俺の蹴りはガードされた。
「ぬぅ…っ!流石提督だ、中々やるっ!」
「長門……っ!」
そのまま宙返りしながら着地。
「司令官…と、長門さん……?」
「「久し振りだな弥生!」」
『館内では静かにして下さるようご協力お願いします』
アナウンスが流れたので、とりあえず三人で椅子に座った。無論、弥生は俺の膝の上。
「司令官、今度はグリ○グラが読みたい」
「そこにあるぞ。持っといで」
「了解した」
そのままトテテと取りに行く弥生。
「しかし、提督はまだその駆逐艦依存症が治っていないのか」
「うるせぇ。お前だって駆逐艦最終防衛ライン症候群治ってねぇじゃねぇか」
「お互い様、ということか…確か8563勝9123敗、私の方が負け数は多かったな…」
「大して変わらんだろ」
「艦娘と張り合ってる時点でとんでもないことだと思うぞ」
「ははっ…そーだな」
「ははははっ!」
なんか、青春っぽい空気が流れてる所で後ろから俺と長門に拳骨。
「二人ともなにやってんのよ!」
川内だった。
「本当に二人とも鎮守府時代から大暴れして!あの時は鎮守府だったからまだしもここは公共の施設よ!?考えてよ!」
「だって目の前に駆逐艦だぞ!?そりゃ飛び付くだろ!」
「飛びつかないわよ!」
「目の前で駆逐艦が襲われてるんだぞ!?守るだろ!」
「それは守るわね!」
『繰り返しもうしあげます。館内では静かにして下さるようご協力お願いします』
「ほらお前が五月蝿いからアナウンス流れたじゃねぇか」
「誰のせいよ誰の!」
『おいお前らうるせぇもう帰れこの野郎』
強制退館させられた。
「あーあ…せっかく勉強のために参考図書借りようと思ってたのに…」
川内がポツリとそう言った。
「なんだ、お前が珍しく図書館行きたいとか言ったと思ったらそういうことか」
「うん。来年こそは受験で合格するんだから。誰かのせいで邪魔されたけど…」
「誰のせいだ」
「お前だよ!」
川内に初めて「お前」って言われた…少しヘコむわ。
「そうだぞ提督。そもそも貴様が弥生を襲撃などしなければこんなことにならなかったんだ」
「うるせぇーよ。お前も大概だろバーカ」
自覚はある。反省はしていない。今の俺、絶対輝いてる。と、思ったら、弥生が俯いて涙目で言った。
「読書の課題…やらないと先生に怒られるのに…」
「悪い。ちょっと縄買って樹海行ってくる」
「待って待って待って!死なないで提督!や、弥生ちゃんもなにか言っ…」
「図書館……」
「あ、線路で寝るのもいいな」
「やめぇぇぇぇい!」
てか弥生、お前読書課題でグリ○グラ読むつもりだったのかよ…。
「そ、そうだ!提督本たくさん持ってたよね!何冊か弥生ちゃんに貸してあげなよ!」
「え……」
「ほら弥生ちゃん!それでもいいよね!?提督の本だよ!」
「それでも、いい…というか、それがいい」
「ほら行くぞ弥生善は急げだ今すぐトランザム使って帰宅だ走るぞついてこいいやむしろおんぶしてあげよっか?」
と、いうことでうちに元駆逐艦が来ます。テンション上がってきた!フォルテッシモ!
今更ですが、日常というよりほのぼのになりそうですね。