期末テスト前日。俺は川内と最上家にいる。
「お願いします。勉強教えてください」
「うわぁ……」
開口一番、最上の前で川内がドン引きするほど綺麗な土下座をして見せた。そんな俺を困った顔で見ながら最上は言った。
「あのさぁ提督、僕前回のテストの時も言ったよね。前日に言われても困るって」
「最上兄さん!お願いします!」
「……つまみ出されたいのかな」
「間違えました!お姉様!」
「………」
いやヤバイんだって。小テスト全部満点取ったからチョロいと思ってたらそうでもなかった。だからお願いしてる。
「僕だって自分の勉強したいのに。まぁいいけどさぁ……役得だしね(小声)」
「なに?最後聞こえなかった」
「な、なんでもないよ!川内さんもやるの?」
「うぅん。私は付き添い」
「そっか。ゆっくりしていってね」
「うん」
で、最上の部屋へ。学校違うから教材も違うのにこの最上と来たらそんなの関係なく分かりやすく教えてくれる。ホントすげぇな。
「相変わらず男か女か分からん部屋だな」
「だから帰りたいなら言ってくれて構わないよ?」
「嘘です。ごめんなさい」
「まったくもう…すぐそうやってからかうんだから。ほらどこが分からないの?」
「この辺なんすけど…」
てなわけでお勉強タイム。机を広げて床に直接座る勉強スタイルで、なんか指数関数やらto不定詞やらよく分からんことを教わり、三時間後くらい。
「休憩にする?」
「あぁ、そうしてくれ兄貴…」
「次言ったら引っ叩くから」
「ごめんなさい。と、川内起きてる?」
「………なに?」
なんか不機嫌なんですが…。
「なに怒ってんの?」
「べっつにー?ずーっと二人だけの世界に入ってたとか気にしてないし」
「だから言っただろ。本当に勉強するだけだから暇になるぞって。てか怒りたいのこっちだわ。勉強中に話し掛けてきたり、背中に字書いてきたり、遠くから紙飛行機特攻させて来たり」
「そんなの関係ないもん。バカ提督」
なんなんだこいつは…さっぱり分からんぞ考えてることが。が、最上は分かったようで、クスッと笑うと立ち上がった。
「じゃ、お菓子とお茶持ってくるから。二人は待ってて」
それと同時に川内になにかを耳打ちした。すると川内は顔を真っ赤にする。なに、あの頃ケロロ?
「なっなにを!なにを言ってんの!?ち、違うから!」
「じゃあねー」
なんなんだ…で、二人きりの空間。なにを耳打ちされたのかね…顔を赤くしてたってことはエロい話か?女の子は男の子の数倍エロいって聞いたけどホントだったんだなぁ…なんて考えてると、川内が真っ赤な顔して近くに寄ってくる。
「……なに」
「動かないで」
え、撃たれるの?人質なの?なんて考えてると俺の膝に頭を置く川内。
「……なにしてんの」
「……………………………でて」
「あ?」
「頭撫でて!」
「はいうん」
なんか二回返事しちまっぞ…とりあえず従っとくか。川内の頭を言われるがまま撫でた。髪サラッサラだなー…いつも寝癖だらけだから気付かなかったわ。ちなみに当の本人である川内はにやけている。なんかキモいぞこいつ…。
「提督……」
「なに」
「私、受験するね」
「え、しないつもりだったの?」
「うん。ぶっちゃけ提督に一生養ってもらおうと思ってた」
「そのクズさ加減は俺を越えるぞ」
「うるさい!とにかく、受験するの!それで提督に勉強教えてもらう!」
「いや最上に教わった方がわかりやすいぞ」
「提督に教わるの!決定!いいね!?」
「へいへい…」
面倒だなー…。なんて考えてると、ガチャッと扉が開く。おー最上帰ってきたかと思ったら鈴谷と熊野だった。
「最上ーこの範囲なんだけど…って、提督と川内?なにしてんの?」
「あらまぁ、昼間から大胆ですわね」
「おう。ひさしぶりー」
「って、鈴谷に熊野!?」
「おぶっ!」
急に起き上がるもんだから俺の顎に川内の頭がクリティカル。てめぇ…超痛ぇぞ……。
「ち、違うから!そんなんじゃないからね!?私は…」
「はいはい。提督、最上は?」
「お菓子とお茶取りに下行ったけどた
「ふーん。じゃ、後でいいですわね鈴谷?」
「うん。またねー。程々にね二人とも」
「おう」
「だから違うってばー!て、提督も少しは慌てなさいよ!」
なんか忙しい奴だなこいつ。