恋愛モンスターとカエル型宇宙人   作:ゴランド

10 / 11

ケロロ軍曹の映画嬉しいィーーーーッ!!!
100カノ3期の情報嬉しいィーーーーッ!!!



第九話 ようこそ日向家へ

 

【ペコポン滞在日誌Θ日目】

やっとペコポン潜伏中のケロロ小隊と接触する事に成功した。色々アレな先輩達だが幼少期の頃とあまり変わってなさそうで安心している自分がいる。とにかく、先輩達が拠点としている日向家と言う所へ行き、宇宙船の修理とキルル捜索についての相談をしなければ…。

しかし何故だろうか、どうも嫌な予感がする。こう…シリアスな展開ではなくトンチキな展開が自分を襲い掛かるようなそんな予感が…。

 

 

 ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎

 

 

「……ここ、か?多分ここの筈。だよな?」

 

 先輩から教えられた住所を頼りに拠点のある場所へやって来た俺だが眼前にある建築物を見て困惑が強くなる。

何せ目の前には、ほぼ緑色で染められた一般ペコポン人住宅があったのである。加えて『ケロロ小隊ペコポン侵略拠点』と書かれた立て看板やケロロ先輩の顔が描かれたクソみてぇな旗…あ、いや失礼。手抜きデザインの旗が屋根に取り付けられていた。

 

「ご丁寧にアンチバリアで家のデザインが気にならないよう細工されてるけど…嫌だなぁ、入りたくないなぁ」

 

 でも入らないとなんだよな…他の人には見られてないなヨシ!気は進まないけど入るとしよう。インターホンを鳴らしてと…。

 

「いらっしゃいませジロロ様」

「ど…どうぞ上がって…ください」

 

 そこにはペコポンの古代ローマスタイルの奴隷ファッションを決めた二人のペコポン人男女の姿が…!えーっと……うん。ちょっと尋ねる家間違えたかな??? でも表札は日向家って書いてたし、分かりやすく先輩達のデザインの装飾もあったし……。

 

「えっと……その服装はご趣味で?」

「違うわよ!誰が好き好んでこんな服装するもんですか!」

「ね、姉ちゃん落ち着いて」

 

 ジャラジャラと手足についた鉄球付き鎖を鳴らしながらペコポンの少女は言う。良かった…!どうやらこの娘はマトモそうだ…!そしてアンチバリアを発動している筈の俺が見えてると言う事は宇宙人を知っている者、即ちケロロ先輩達の知人だ。

俺はその場で敬礼し、自己紹介を行う。

 

「先程は失礼しました。私、こちらで拠点を構えるケロロ軍曹殿に会いに来ました、ジロロ特務兵と申します。よろしくお願いします」

「あ、これはどうもご丁寧に…」

「やっぱり軍曹の知り合いだったんだ。あ、僕の名前は日向冬樹。そしてこっちは姉ちゃんの日向夏美って言うんだ」

 

 お、中々フレンドリーな少年だ。夏美と言う少女も俺の紹介にちゃんとお辞儀している所から見るに、唐音のように少し素直にならない性格なのかもしれない。そう関心していると「お待たせしましたー」と少女の声が聞こえてくる。声の主は確か、先輩達をサポートしていたモアと言う子だった筈。

そう思いながら振り向いた先にはヴィクトリアンスタイルのメイド服に身を包んだモア殿の姿があった。

 

「いや統一しろよ!?なんでローマ国式からイタリア国式の服装になってるんだ!?と言うかさっきの二人と差が出過ぎだろ!?」

「てゆーか、周章狼狽?」

『ゲーロゲロゲロ。よく来てくれたでありますなジロロ特務兵』

 

 そんな最中、家中にケロロ先輩の声が響き渡る。すると廊下先にあった扉が開かれ、そこに軍服を着た先輩の姿が露わになった。いや統一感!なんか凄いゴッチャゴチャになってるんだけど!?

 

「さぁ、ジロロ特務兵こちらへ来たまえ。お茶を用意するであります。ほら捕虜は早く働く!」

「はーい」

「ったく、仕方ないわね…」

 

 すると先輩に急かされる形で日向家の姉弟はリビングらしき部屋へ向かう。俺も続いて行くと、そこにはペコポンの昔ながらの日本国和風スタイルの部屋が広がっていた。

いや!だから!統一感が!ローマ、イギリス、軍服と続いて今度はゴリゴリの東洋って色々と目が疲れるわ!

 

「こちら粗茶ですが」

「ああ、これはどうも」

「ちょっとちょっと!なんでお客様に粗茶出すの!!!こう言う時はちゃんと高級紅茶を出すって言ってるでありますよね!」

「はぁ!?何よそれ!そんな物聞いて…っ、いや分かりました…淹れ直して来ます」

「いやお構いなく…?」

 

「ゲーロゲロゲロ。どうでありますか我が拠点は!」

「いやぁ…なんと言うか、こう…凄いですね(精一杯の感想)」

 

うん、凄い。凄く凄いよ?だってこう、リビングにペコポンのツキノワクマ(ベアー)の木彫り(ガンプラを咥えてる)と金のシャチホコ(ガンプラを咥えてる)オブジェが置いてたり、天井にはシャンデリア(よく見ると照明がザク頭の形)が飾ってたりと脳がバグを起こしそうになる。

 

「さて、ジロロくぅん。どうだね我が隊の実力(じつりき)はぁ。あの捕虜達は実は凶悪にして強力な戦闘能力を誇るペコポン人でね。他の宇宙人なら手こずる相手だが我が隊は余裕のよっちゃんでありますよ」

 

 そう言うと彼等に槍を突き付けるギロロ先輩とタママの姿が…今度はまさかの原始人スタイルの毛皮(のように見える布)を肩から巻くファッション。急に予算が尽きたかのような落差に俺は困惑する。

 

「すまん夏美…これも我々がここにいる為だ」

「ごめんですぅフッキー…オラァ!さっさと茶菓子ださんかいィ!」

 

 そう言われ彼等が俺の前に茶菓子を出す…いや何…何これ…!?なんか変な粒が混入した飲み物と口を開けたパンが拷問されてるかのごとくクリームを突っ込まれたような物を置かれたんだけど!?

 

「これぞペコポン名物のタピオカミルクティーにマリトッツォでおま。ささ、はよ食いなはれや(関西弁)」

 

 え、ええ…ペコポン生物の蛙が生む卵が入ってるみたいで食欲が…まぁ飲むけども。しかしこんなに調子乗ってて大丈夫なのか先輩?

 

「おっと、こんなに調子乗ってて良いのかって顔をしているでありますな。しかしこやつらは我々がたっぷり調教してる為、逆らう事はないでありますよ!ゲ〜〜ロゲロゲロ!」

「いや、そうではなく……これ捕虜っていうか奴隷ですよね?」

「ゲーロゲロゲロ…へ?」

 

「例え侵略先の惑星であっても捕虜の扱いは適切でないと宇宙条約に引っ掛かりますからね…」

「えーと…」

「そもそも侵略者だからって何をしても良い訳ではないですし、ケロン人として異なる星の生命体を無闇矢鱈に傷付けると言うのは…個人的に……」

 

 すると全身から汗を噴き出し、緑色から真っ青に変色していく先輩。するとどうした事だろうか?先輩は日向家の姉弟をソファに座らせ茶菓子を出し、肩を叩き始めたのである。

え?どう言う事??なんで数秒もしない内に関係性が逆転してるような光景が広がってるの???

 

「いやぁ〜!冗談ですって!そんな物騒な事をする訳ないですやん!ささ、冬樹殿に夏美殿〜。こちら吾輩が買って来た梳杉町土産のドーナツであります。こちらはドーナツに合うようミルクを用意したでありますよ〜」

「な、に、が…冗談よ!このボケガエルゥゥ!!!」

 

 あっ、なんか媚び売ってた先輩が夏美と言う少女に頭を掴まれてそのまま雑巾絞りの要領で絞められている。見た目が大分ショッキングな光景だなぁ…そう思っていると冬樹と言う少年が「待って!」と俺に向かって言い放つ。え、俺なの?俺じゃなくて君の姉に言った方がいいんじゃないのその台詞?

 

「確かに軍曹は侵略者としては失格かもしれない…でも!それでも僕と軍曹や皆は大切な友達なんだ!!!」

「ふ、冬樹殿ぉ…!」

 

 いや…え、なにこの空間?俺の知らぬ間になんか謎のフィールドが展開されてるんだけどこれは一体……?

 

「げぇ!フッキーの感動的な台詞がまるで効いていない!」

「くっ、ジロロの奴め…!なんと言うクレバーさ!この仕事に対する冷静さはガルルに匹敵する…!」

「ひぇぇ〜〜〜!勘弁!強制退去は勘弁してぇ〜〜〜!軍には報告しないでぇ〜〜〜〜!!!」

「は?何の話?と言うかなんで俺が軍に報告しなきゃなんですか?」

 

 そう言うと日向家と小隊の皆が「え?」と困惑した様子を見せる。いや、困惑してるのは俺なんだが???

 

「え?軍への報告は?監査は?我々の侵略状況のチェックは?」

「あの、さっきから何の事です?俺の認識外で一体なにが?」

「あいや待たれよ」

 

 そう思ってると天井の板が一枚外れ、そこから青い姿が現れる。あ!ゼロロ先輩!?何故そんな所から!?

 

「隊長殿、皆!やはり勘違いでござったか…」

「ドロロ!?え、なに?どゆこと?」

「それは俺の台詞なんですが。ゼロ…じゃなくてドロロ先輩はご存知なんですか?この状況を」

「左様。一から説明すると長くなるでござるが……」

 

 

 ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎

 

 

「「後輩が来る!?」」

「そ!ケロン星に居た時の後輩でさぁ〜!たまに連絡したりするんだけど昨日偶然会ったでありますよ!」

「宇宙船を本格的に修理する為にコチラに来る…だ、そうだ」

 

 それは昨晩の事。ケロロ小隊は勝手に拠点としている日向家の面々に後輩であるジロロがこちらへやって来る事を伝えていた。

 

「へぇ〜、軍曹の後輩かぁ。どんな人なんだろう?」

「ちょっと!これ以上変なのを家に連れて来ないでよね!」

「変なのとは失礼でありますな夏美殿!吾輩が言うのも何でありますが我々と違ってジロロは仕事は真面目でプライベートでの人付き合いは結構フランク。そんな奴を変なの呼ばわりはやめて貰おうか!」

「アンタ、それ言って悲しくならないの?」

 

 相対的に先輩であるケロロの格が落ちるような言い方に夏美は呆れの表情を見せる。そんな彼女にタママはスナック菓子を頬張りながら言う。

 

「むぐむぐ、ナッチーも心配症ですぅ。ジロロ先輩はそんなギロロ先輩みたいに物騒な人じゃなかったですよ」

「そうそう。どっかの短気な赤ダルマとは違って気の良い奴でありますよ」

 

 ケロロとタママに無言で銃を突き付ける軍人(赤)を他所に冬樹は何かを考える。そして意を決したようにケロロへ告げるだろう。

 

「軍曹。それって本当に大丈夫なの?」

「はて?大丈夫とは?」

「これまで僕ら色々な事件に遭って来たけど、そのジロロって宇宙人は本当に偶然、地球に来たのかな?」

「つまりジロロには何か目的がある…そう言いたいのか?」

 

 冬樹の言葉にギロロは訝しんだような表情を浮かべる。それに伴いタママも「え〜」と呟いた。

 

「ええ〜?僕はそこまで知らないですけど、あの人そんな感じに見えなかったけどなぁ」

「クックック〜。キルル事件にガルル小隊の来訪…二度ある事は三度あるって訳か。可能性としては十分考えられるなぁ〜」

 

 そんな彼に同調する形でクルルは言う。地球を狙う宇宙人は数多く居る、この無限大な宇宙において千や万を越す種族の中でケロン人は巨大な軍事国家を有している。と、なれば侵略活動の遅延が見られるケロロ小隊の動向を監視する者が居てもおかしくない。

 

「大変だよ軍曹!そうなるとジロロって人は軍曹達がちゃんと仕事してるか調べる為にやって来たんだよ!(陰謀論)」

「「「な、なんだってぇーーーーっ!?」」」

「それだけじゃない…もしかしたらジロロはこの数ヶ月の間に政府直属のブラックメンとして結託しているかもしれない。下手をすれば彼は軍曹達を追い出すと同時に地球を侵略するかもしれないんだよ!(飛躍した発想)」

「「「な、なんだってぇーーーーっ!?(2回目)」」」

 

 

 ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎

 

 

「と、言う事でしっかり活動してると思わせる為にこの様な芝居を打っていたのでござる」

「えぇ…」

 

 そうか…あの少年、常識人の皮を被っていたが実際は陰謀論者だったか…自分のアテが外れたのか冬樹君は気まずそうな表情をしている。

 

「…まぁ!それはそれとして!ペコポンで会えた事を喜ぶべきでありますな!」

「うん?うん…まぁ、そうですね!(思考放棄)」

そんなのは良いから家を戻しなさーーーーーーい!

 

 日向夏美から放たれる怒声を皮切りに俺+ケロロ小隊は掃除及び片付けを始めるのだった。成る程、捕虜はこっちだったのか……(困惑)

 

 

 

 

 

「と言うわけで改めて、自分はガマ星雲第58番惑星。宇宙侵攻軍所属文明・文化監視員ジロロ特務兵と申します!」

 

 場所は代わり、ここは日向家の地下に位置するケロロ小隊秘密基地。ケロン軍脅威のメカニズムにより増設された此処が先輩達の本来の拠点なのだろう。

わざわざ上の住宅使わなくてもこっちを紹介すれば良かったのでは?

 

「堅苦しいなぁ〜ジロロ!」

「ふん、お前がダラけ過ぎているのだ。少しはコイツを見習え」

「まぁまぁ二人共。しかし元気そうでなによりでござるよ」

 

 俺の自己紹介に先輩方が各々そのように言うだろう。しかしドロロ先輩が馴染んでいる…昨日すっかり忘れられていたのに…!?

昨日は羽々里殿から邪気を感じたのか俺を置いて徒歩で帰って行ったのを俺は覚えているぞ(半ギレ)

 

「監視員…ってなんです?」

「ククク〜。さまざまな惑星特有の文明や文化の過程や危険性、どれだけ発達しているかを軍に報告する役職さ。まぁ惑星規模の長期滞在型の斥候って事だな」

 

 そんな俺たちを他所にクルルがそう言うだろう。本来なら斥候部隊に全部任せれば良い…のだが、敵対種族の居る星や危険生物の居る星など部隊を送り込む事で相手側を刺激する可能性が考えられるので、俺一人を送り込み調査すると言う特殊任務を軍は課しているのだ。

今更ながらこれ鉄砲玉と言う奴では???

 

「そうなると、ますます腑に落ちん。何故お前がこちらに派遣されたのだ?上からの命令か?」

「いやいや案外、観光だったりして?」

「ああ、ペコポンの調査をガルル小隊並びに上層部から頼まれたんですよ」

「なにっ、ガルルから!?」

「あ、ちなみにですがガルル中尉から『その内プライベートでそちらに行く』とか何とか言ってました」

「「来るの!?」」

「アレびっくりしますよね、プライベートだとめちゃくちゃ気さくな兄ちゃん気質で偽物かと疑いました」

 

 しかもラップで攻撃してくる敵対宇宙人相手にフリースタイルのラップバトルを仕掛ける…そんなノリの良さを時折見せるので頭が爆ぜそうになる…と思っているとギロロ先輩が鋭い眼差しを向けてくるだろう。

 

「しかし何故このタイミングでお前が送られた?…疑う訳で無いがガルル小隊のように俺達を排除しに来たか!?」

「いや疑ってるじゃないですかそれ…」

 

 上層部も上層部でケロロ小隊に報告を入れれば良いのに…あ、いやダメだ。ケロロ先輩の事だし、通達書を放ったらかしにして忘れている可能性が高いな?そう思いながら先輩の方を見る。

 

「ゲッ……い、いや!悪いでありますがペコポン侵略作戦は我々の任務!これだけは譲れないであります!」

「軍曹さん!」

「よく言ったぞケロロ!」

「と、言うわけでね?どうか一つこれで勘弁してくださいお願いします」(いきなり団子を渡す)

 (((速攻で媚びに行った!?)))

「これはペコポンの熊本地域の特産品『いきなり団子』ではありませんか!これはどうもご贔屓に」

 (((そしてこっちは普通に受け取った!?)))

 

 お〜〜!これケロン星にいた時にたまに食べてたんだよなぁ。餡と芋の組み合わせがとても美味しくて美味しくて…。

 

「あ、冬樹さんと夏美さんも一緒にいかが?」

「「いえ、お気になさらずに」」

「あ、そうですか?」

 

 美味しいのに…しかし5箱(1箱20個入り)もくれるなんて先輩は大盤振る舞いだな。恋太郎達にも分けてあげようかな?

 

「ふぅん?なんか真面目と言われてた割には結構俗っぽいじゃないコイツ」

地球(ペコポン)は楽しい所が満載ですからね〜、元々こっちで観光もしたかったんですよ」

「やっぱり観光目的でもあったじゃん!」

「嘘だろ…!?」

「ああ、あくまで表向きの理由ですよ。本来の目的はちゃんとあるので」

「「「「「「本来の目的?」」」」」」

 

 そして俺はケロン軍上層部から秘密事項とされていた古代兵器キルルについて話した。数ヶ月前、こちらでキルルが暴れた痕跡はケロロ小隊の活躍もあってか完全に消されていた。しかし、その圧倒的な力は脳に焼き付いていたのか皆の顔色が次第に青くなっていく。

そして思わず声を上げたのはケロロ先輩だった。

 

「ええええええええええ〜〜〜〜〜ッ!?他にもキルルがぁ〜〜〜〜〜ッ!?」

「嘘でしょ!?まだそんなのが何体もいるって事なの!?」

「古代ケロン人の文献から凡そ3体のキルルがペコポンに封印されていると予測されます。その内1体は皆様が何とかしたのですが…」

「つまり地球には残り2体居るって事なんだね」

 

 冬樹さんがそう言うと姉である夏美さんがケロロ先輩に掴みかかる。

 

「ちょっと!元々アンタ達が作ったんでしょ!なんとかしなさいよ…!

「ゲロ!?それは吾輩達じゃなくて大昔の人達が作ったものでありまして…そう言われても困るでありますよ!」

「落ち着いてください。とにかく事態を重く受け止めた本部は対策の為にキルルコピーと交戦経験のあるガルル小隊を派遣。しかしケロロ小隊の結束力の高さから皆様がペコポンに残るべきと判断されました」

 

 しかし軍部の一部は未だにケロロ小隊だけでは不安が残ると声を上げている為、文明監視員である自分がこちらに出向く事となった訳だ。いや確かにこの様子を見ると不安が残るのは仕方ないけども。

 

「つまりお前はキルルの調査をしに派遣されたと言うわけか」

「なーんだ安心した!今ちょうどサイコガンダムを組み立てる最中でありましたからなぁ、もしも強制的に退去命令出されたらと思うと…」

「貴様…侵略作戦を放ってまたガンプラを…!」

 

 ケロロ先輩の後で赤鬼が降臨している中、タママが何か考える素振りを見せる。どうしたんだろうか?

 

「でも、それって最高機密なんですよね?言っちゃっていいんですか?」

「え゛っ゛!?もしかして吾輩達、消されちゃう!?」

「そんな事しませんよ。それに軍部のアホ達の事です、どうせキルルを制御したいが為に俺を派遣したんでしょうし。約束を守ってやる義理なんてありませんよ」

「あれ!?この人もしかして結構狂犬タイプ!?」

 

 タママがそう言うが、ちょっと心外だな。俺は狂犬と言うよりはちゃんと任務を行う忠犬タイプだぞ?まぁでも本部の連中には本当にイライラさせられる。

 

「だって自分達でキルルの使用を禁止してる癖にキルルを兵器転用しようと画策してる奴等ですよ?アホと言うかバカと言うか」

「ジロロくん〜?」

「と言うか報告書も虚偽だらけで信憑性も全然無い。どうせ俺達なら何でも出来ると思い込んでいる仕事は出来る無能達なんですからこれくらいは大丈夫ですよ」

「待って、待って待って待って!?」

「どうせ最終的にキルルを発見したらケロロ小隊には荷が重いから後は俺達でやると言って自滅するに決まってますよ。あーあ、早く上の連中滅んでくれないかなー」

「発言の切れ味が鋭過ぎるぞお前!?」

「火力が高過ぎて口を挟めないであります!?タママ、何とかして!」

「はいですぅ!オラァ!!!」(腹パン)

「んぐぉっ!?……はっ!?俺は一体何を……」

 

 なんか鳩尾に鉄拳をぶち込まれた気がするんだけど、タママ何かしらない?あ、知らない?そっかぁ。

 

「あっぶねー…そう言えばジロロの奴、溜め込むタイプでありましたな」

「コイツ、ストレスを限界近くまで溜めて出すタイプだったな…」

「ガルル小隊はリフレッシュ目的でペコポンに送ったのかもしれぬでござるな」

「クックック〜、他所様にまで心配されてちゃ世話ねぇぜ」

 

 よくわからないが黄色が俺に対して嘲笑っている事は分かる(半ギレ)そう思っているとギロロ先輩が俺に問いかけて来た。

 

「世話と言えば…ジロロお前、宇宙船の修理をしに来ているんだから一泊していくんだろう?何処で夜を明かすつもりだ?」

「あ、そう言えばそうでしたね」

 

 どうしようかな…?と考えていると褐色肌と金髪が特徴的なモアと言う少女がコーヒーを出してくれた。お、ありがたい。

 

「それじゃ吾輩の部屋なんてどうよ?娯楽完備。加えてWi-Fiも問題無いであります!」

「え、凄い快適そう!?それじゃあ先輩の部屋に…」

 

 泊まろうかな?と言いかけた瞬間、コーヒーを出してくれたモアと言う子が涙を流し始めた。え、どうしたの急に?

 

「お、おじさまの部屋に…!?おじさまと2人でラブラブお泊まりだなんて…!私もした事ないのに〜!」

「うぬぅぁ…ッ!僕の軍曹さんに色目を使いやがってあの女ァ…!許さねぇですぅ……!」

「うお、すごい嫉妬心。大変だなあの子…」

 

 なんか凄いカオスな場になって来たな…コーヒー飲んで一服するかぁ。

 

殺してやるぞジロロ特務兵

「!!?!!?!?」

 

 なんで!?なんで俺なの!?なんでそんな殺気の籠った視線を俺に向けて来るのタママは!?なんで!!??

そう思ってるとケロロ先輩が場の空気を変えるために口を開く。

 

「じゃあクルルのラボで泊「嫌です」即座に拒否された!?」

「アイツの所で寝るなら野外で寝泊りした方がマシです。知らない間に改造されたくないです」

「クックック〜♪ウブなのかしら?」

「口閉じてろ黄色」

 

 コイツの元で寝るなんて腹を空かせた宇宙ケルベロスの前で下味付けられた状態で無防備で居る事と同義なんだよ。用がある時以外はラボに行かないからな俺は(鋼の意志)

 

「じゃあさ、モアちゃんの部屋で泊まるのはどうかな?」

「ちょっと冬樹!女の子の所で泊めさせるなんてデリカシー無いわよ!」

「うーん、ジロロなら同じ宇宙人とモアちゃんと気が合うと思ったんだけどなぁ…」

 

 モアって…彼女の事だよな?小隊のオペレーターをやってたからペコポン人じゃないとは思っていたが宇宙人だったのか。

 

「確かに宇宙中を飛び回ってたジロロならアンゴル族であるモア殿と色々と話が合うかもしれないでありますな」

「成る程、アンゴル族か………えっ

 

 は?アンゴル族??はぁ???はぁ!!???

 

「はい。ジロロさんには見せてませんでしたよね?擬態解除!」

 

 そう言い、彼女は先程までのペコポン人の少女姿から一変。白と紫の衣装に深い紺色のマントと言った審判衣装を身に包んだ星の破壊者としての姿を露わにした。

瞬間、俺の脳裏に過ぎる数々の思い出。惑星調査、バウンティハンターとの出会い、あらゆる生物のエネルギーを吸収する浮遊生命体、始まる宇宙海賊との戦い、メトロイドオモロイド、サプライズアンゴル族、放たれるハルマゲドン、始まる惑星脱出パート、その後も立て続けに起こるアンゴル族、鉢合わせるアンゴル族、出会うデート中のアンゴル夫妻、またもや合うハルマゲドン中のアンゴル族、アンゴル族、アンゴル族…。

 

アンゴル族ォ゛ーーーーーー!!??

「ジロロ!?」

 

 う、嘘だ!?こんな所に恐怖の大王ことアンゴル族が居るなんて…いや居たわ!!そう言えば報告書にケロロ小隊の元にアンゴル族が居るって書いてあったわ!

 

「コイツは数々の惑星調査の中でアンゴル族と遭遇し、その度に命の危機に晒されて来たんだっけなぁ。運が悪い時には惑星が崩壊する最中、必死に脱出した事もあるってよ。クックック〜」

 

 畜生、黄色の奴笑いやがって…こっちは笑い事じゃないんだよ。うっ、惑星調査…出会い頭にアンゴル族…貴方も一緒にハルマゲドンいかが…? いかん、ロクでもない記憶が…。

 

「あ!もしかしてフィア姉様の言ってた偶に顔合わせする事があるケロン人と言うのは…!」

「アバババババババ!!??アンゴル=フィアァーーーッ!?」

「やっぱり〜!度々顔を合わせては星の断罪から必ず生還している凄いケロン人ってジロロさんの事だったんですね!てゆーか驚心動魄」

ギャァァァァァァァアアッ!目をつけられてるゥゥゥゥゥ!?

「アイツ、そんなヤバい事に巻き込まれていたのか…」

「それでも生きて帰るとは誠に運が良いでござる」

「いや、何度もアンゴル族のハルマゲドンに遭遇している時点で運は悪い方であります」

 

 いやああああ!アンゴル族の中でも冷酷と言われてる断罪者ァーー!?なんかあの方だけ会う機会が多いんだよ!

 

「ジロロさん!フィア姉様について、もっとお話ししたいです!是非私のお部屋に泊まってください!てゆーか大歓迎?」

「うわあああああああ!来ないでぇ!?来ないでぇ!!??」

「ええい!喧しい!少しは落ち着かんか!」

「クークックック、なら俺の所で泊まるかい?」

「寝言は寝て言え」スンッ

「うわあ!急に落ち着くな!」

 

 ちょっと騒いだ事である程度落ち着きを戻した。その代わりにギロロ先輩が騒ぎ始めてるけど。さて、泊まる所は一体どうすれば……。

 

 

 

 

 

 

「ねぇジロロ〜!アンタそんな所でいいの?」

「野宿は慣れてるので大丈夫ですよ。風通しも良い、程々のスペースもある。ギロロ先輩は良い場所を選びましたね」

「フン、煽てても何も出んぞ…ほら地球(ペコポン)産のサツマイモが焼けたぞ」

 

 結局の所、俺はギロロ先輩のテントで寝泊まりする事となった。地下秘密基地に厄ネタ(アンゴル族)がいるだけで身体の震えが止まらないので逆に外に居る方が落ち着く。おや、こっちに桃色の猫がやって来た?

 

「アイツは俺のテントに良く来るヤツでな、聞き分けの良い猫だ。興味があるなら撫でてみると良い」

「へぇ、あっち(花園家)で見たのと比べて可愛らしい個体ですね」

「ニャッ!(ギロロとの時間を邪魔する不届者!)」

「お゛あ゛ーーーッ゛」(顔を引っ掻かれる)

「ジロローーッ!?」

 

 こうして俺は日向家(の庭)で一夜を過ごす事となる。顔に爪痕が残ったが、まぁいいとしよう。クルルの手によって宇宙船と大破したケロンアーマーが修理されるんだ、安いもんだ顔の一つや二つ…。

こうして引っ掻いたお詫びなのか猫による湯たんぽを堪能しながら朝を迎えた日。ちょうど修理が終わったのが昼時のタイミングであった。

 

「と言うわけで皆様、ありがとうございました!キルルに関しては分かり次第連絡を入れさせていただきます」

「ジロロ、本当にいいんでありますか?わざわざ恋太郎殿の元に戻らなくても我々の基地に身を寄せて良いのでありますよ?」

「てゆーか、大歓迎」

「そうだぜぇ、俺のラボならいつでも開いてるからなぁ…クックック」

「すみません勘弁してください(即答)」

 

 クルルはともかくアンゴル族と共にいるだけで恐怖で体が震えて仕方ない。こんな所に居られるか!俺は恋太郎の元に帰らせてもらう!と言う事で先輩方、また会いましょう!

 

宇宙船に乗り込み、エンジンを点火。俺は奥東京市から梳杉町へと一気に駆け抜ける。良いスピードが出てる!性格はアレだけど流石はクルル良い仕事をするなぁ、性格はアレだけど。

……おや?あそこは確か恋太郎達がいつも集まっているお花の蜜大学附属高校の屋上か。それに恋太郎並びに皆もちょうど集まっている。宇宙船だとあっと言う間に到着できるな、挨拶して来るとしよう。

宇宙船を空中に止めつつ、目立たないようにアンチバリアを作動。そのまま牽引光線(トラクタービーム)を照射して俺はゆっくりと屋上へ降り立つ。もちろんお土産の『いきなり団子』を携えるのを忘れない。

 

「恋太郎、近くに寄ったから顔を出しに来たぞ」

 

 ふわふわ〜っと降りて来る俺に一同は凄い驚いている様子だ。特に常識人寄りの唐音は目を飛び出している始末だ…いやそれどうなってるの?

……あれ、なんか見慣れない子が居るけど誰だろう?でも、どこかで見た事あるような。

 

「ジロロ、ちょうど良かった…紹介するよ。新しい彼女の原賀胡桃だよ」

「知らない間に増えてる!?」

「嘘だろ宇宙人本当に居たのか!?」

「ツッコミの応酬」

「早速気が合いそうなのだ」

 

 ふと俺は思い出す。そうだ、この胡桃と言う子は前に脱走したお好み焼きFXを(恐らく)食べた少女だ…!まさか恋太郎の彼女になるなんて!と言うか羽々里殿が彼女になってからそこまで日数経ってないのに加入早過ぎやしないか!?

そう思っていると、彼女は俺に鋭い眼差しを向けて来る。

 

「お前か…あのお好み焼きの出所は…ッ!!!」

「怒ってる!?す、すまない!あれは事故なんだ!この埋め合わせはちゃんとさせていただくから…」

「お前のせいであの絶品のお好み焼きの味を思い出すんだよ…クソッ、今でも涎が止まらなくなるだろ…ッ!!!」

 

 あれ…?思ったより愉快な子だったりする?

 

「可愛いだろ?この子、俺の彼女なんだよ」

「あっ、はい…えーと。あ、そうだ!お土産でいきなり団子を貰ったんだ。良かったら皆食べてくれ」

 

 そう言った直後、眼前の少女は俺が手渡したいきなり団子を掴み頬張る。そして目を輝かせ満面の笑みを浮かべたのだった。

 

「美味しいぃ…幸せぇ…!」

「「誰!!??」」

 

 あまりの変わり様に俺と唐音の言葉が重なる。いや本当に誰だ!?さっきまでの不機嫌オーラ全開な態度が一変して幸せそうに団子食べてるんだけど!?

 

「胡桃はご飯を食べてる時が1番可愛いんだ。でも燃費がちょっと悪くてすぐにお腹を空かせちゃうから不機嫌になりやすいんだ。決して皆に悪気がある訳じゃないから安心して欲しい」

『難儀な体質だぜコイツは』

「それじゃ四六時中不機嫌(お腹空いてる)じゃないの…」

「つまり食べている状態ならセクハラしても許される!?」

「おい教育者」

 

 羽々里殿が何故か胡桃の下着の色を聞こうとした瞬間、唐音と羽香里の鉄拳制裁が加えられた。うーむ、ケロロ先輩と夏美さんのやり取りに似ている。

 

「ところで、あっち行っててどうだったのだ?」

「今度は恋太郎達も連れて来てくれと言ってたな…どうする?俺としては週末の土曜日辺りまだ修理中のマシンを取りに行く予定だけど」

「土曜日…うん、フードフェスティバルの日程は日曜。俺達としても問題はないな!皆はどうする?」

 

 恋太郎が彼女達に問いかけると肯定的な返事を口にするだろう。恋太郎達も一緒に日向家へ行くの決まった…けど、胡桃だけイライラしながら口を閉ざしている。

 

「いや別に私は行くつもりは無いんだけど」

「あれ、また不機嫌になってる?いきなり団子を食べていた筈…って四箱食べ切ってる!?」

「いや食べるの早過ぎない!?」

『そんなに"団子が"好きになったのか』

「はぁ!?団子は生モノだぞ!新鮮さが命の食べ物を放っておくのは製作者への侮辱だろ!!」

 

 なんか凄い怒ってる!?なんかズレてないか…?そんなにいきなり団子を気に入ったのか?そんなに食べるのが好きなら、それ方面の情報出せば簡単に連れそうだな?ははは。

……やってみるか?

 

「あー…先輩達って『いきなり団子』や『ういろう』製造もしているらしくて…規格外(訳あり)のを分けて貰えると思うけど…行く?」

「行きたい!!!!!」

(こ、こいつ…!?)

 

 こうして土曜日、恋太郎達を日向家に連れて行く事が決定した。思った以上にチョロくて怖いぞコイツ…。

しかしケロロ先輩も凄いな、敵対していた筈の恋太郎を招き入れるなんて何か考えでもあったり……考え過ぎかな?

 

 

 ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎

 

 

 同時刻、日向家地下に位置するケロロ小隊秘密基地にて…。

 

「軍曹さ〜ん、良いんですかあんな事を言って。恋太郎…さんでしたっけ?あの人を連れて来て欲しいなんて。危ないですよ?」

「不覚を取ったが、ジロロの同居人であるヤツ(恋太郎)と他の女達はかなり厄介だぞ…!」

「既にデータは取得済みだが、一部の奴等はあの日向夏美にも匹敵する実力者だ。俺達の拠点に呼び寄せるなんてリスクが高いと思うぜ〜」

「拙者は争う真似は御免蒙るでござる」

 

 小隊一同は恋太郎の恐ろしさを認識している。怒った時の恐ろしさは日向夏美をも凌ぐ可能性を持つ男。そんな彼を相手にどうしようと言うのか?

 

「ゲロゲロ…安心したまえ諸君。それを踏まえて既に侵略作戦は考えついているのでありますよ!」

「なんだと!?」

「ええ!いつの間に!?」

「ゲロゲロリ、何のために我々に屈辱を味合わせた愛城恋太郎を呼び出す真似をしたと思ってるでありますか?これも全て侵略作戦の一つ!」

 

 ケロロ軍曹は高らかに侵略作戦開始の宣言を行う。

 

「これより『愛城恋太郎バッテリー大作戦』を開始するであります!」

 

 愛城恋太郎バッテリー大作戦とは一体何なのか?秘密のベールによって包まれた侵略作戦が恋太郎ファミリーに牙を向く。どうなる恋太郎?懲りてないのかケロロ軍曹?

必然的に仲裁する羽目になるであろうジロロの運命や如何に。

 

 

 

 

 

【おまけ】

 

『アサシンの性…?』

 

 ケロロ小隊秘密基地、その一角にてジロロとドロロは会話をしていた…。

 

「ドロロ先輩、ガルル小隊所属の兵長が意気消沈してましたがアレは一体何を…?報告によると戦わずして心をへし折ったと聞いてますが」

「えっ、あ、アレはその…まぁ、アサシン故の性と言うべきでござるか…」

「性…?」

 

 アサシンの性とは一体…?そんな疑問を思い浮かべながらもジロロは彼に告げる。

 

「とにかくゾルル兵長は未だ先輩との決着に執着しているらしいです。充分に気をつけてください」

「ゾルル兵長…!?」

 

 その名を聞いたドロロは思わず体を強張らせる。その字名が己が体の中で何度も反響していくのを感じる。

 

「ゾルル…」

 

 ドロロは呟く。名が記すケロン人の姿を想起させる為に。

 

「ゾルル……!?」

 

 再び呟く。その存在が己がアサシンとしての生き方に在った幻像として思い起こす為に。

 

「ゾ…ルル……?」

「あの…ドロロ先輩?」

「あ、ああ!ゾルル君、うん!ゾルル君ね!知ってる、知ってるよ!そっかぁ〜〜!ゾルル兵長かぁ〜〜!」

「いや、忘れてましたよね?名前何度も呟いてもピンと来てませんでしたよね?完全に忘れてましたよね?」

「そっ、そそそそそんな事ある筈無いよ!僕が人の事を忘れるなんて!ただ、最近はペコポンでの修行の日々で忙しくてちょっと俗世に疎くてさぁ!」

(ゾルル兵長…可哀想に……)

 

 思い出すどころか、完全に存在が頭から抜けていたドロロ。果たしてゾルルとドロロの因縁の決着を付ける時は来るのだろうか?

 

 

『宇宙種イモは何処に!?』

 

 地下秘密基地にて。ジロロは自身の宇宙船に積んでいた荷物を整理していた…のだが、あるものが見当たらない事に気付く。

 

「…あれ?あれれ?」

「どうしたジロロ」

「実はお土産として宇宙サツマイモの種芋を持って来たんですよ」

「おお!ペコポン産ではなくあの宇宙サツマイモか!」

「でもそれが見当たらなくて…一体どこ…に……!?」

 

 ふとジロロは気付く。あの時、不時着する原因となったビームが直撃際に宇宙船の外装に穴が開いてしまった。更に言えばそこは荷物を積んでいた箇所。そこから種芋が落ちてしまったと推測できるだろう。

 

「なんだと!?」

「不味いでござるよジロロ殿!」

 

 すると慌てた様子でドロロが現れる。

 

「宇宙サツマイモはペコポンの土で育ててしまえば異常成長してしまうでござる!」

「なんだと!?」

 

 ドロロの言う通り、宇宙サツマイモは地球の土壌で育てる事により周囲一帯を無差別に襲うような巨大敵性宇宙生物になってしまうのだ。ギロロとドロロは早急に回収しなければと慌てるが、ジロロが静止の言葉を投げかける。

 

「あ、待ってください。持って来た宇宙サツマイモですが品種改良されたものなんですよ。適度に耕されて栄養価の高い土に埋めないと成長どころか適応せず枯れてしまうものなんですよ。大丈夫じゃないですかね?」

「だからと言って安心できる要素があると思うか!」

「そうでござるよ。もし種芋がその土に埋まってしまっては…」

 

 ふとギロロとドロロは思う。地球は7割が海で占められている。更に言えば自分達が拠点としている奥東京市は殆どがアスファルト等で舗装された都市部。更に言えば栄養価が高く耕されている状態の土に"偶然"埋まるなんて事態が起こり得るのだろうか?

 

「…言われてみれば、そんな偶然起こる訳ないか」

「仮に落ちた衝撃で種芋が壊れてなくても、それを拾った人がわざわざ畑に埋める…とは考え難いでござる」

「ですね!そんな物好きが居たら見てみたいものですよ!」

 

 笑い声が秘密基地に響く。そんな地下の声が届かない地上、お花の蜜大学附属高校にある共用の畑にて……。

 

「偶然落ちてた種芋を見つけた…このままにしておくのは可哀想だど、種芋だって生きてるんだど……」

 

 ある心優しい身長200cm程の少女が宇宙サツマイイモの種芋を発見し、栄養価が高く適度に耕された土に埋める。そのまま種芋は適切な環境下で愛情注がれ、大きく育つ事になるのだった。

 

 

 





●キャラクター紹介

『アンゴル=モア』
金髪褐色ギャルは仮の姿。その正体は地球を破壊すべくやって来た恐怖の大王。天真爛漫かつ素直で天然な純粋無垢と言ったヒロイン属性と黙示録撃を放つルシファー・スピアを携えている。
精神生命体アンゴル族の一員であり、幼少期に出会い遊んでもらったケロロの事を「おじさま」と呼び親しんでいる。
ちなみにジロロはアンゴル族のハルマゲドンに何度も巻き込まれており、それがトラウマとなっている。またモアはジロロの事を従姉妹であるアンゴル=フィアから何度もハルマゲドンから生き延びているおもしれーケロン人と知らされている為、初対面ながら好感度は高め。ジロロのSAN値がゴリッと削れる。

『原賀胡桃』
恋太郎ファミリーの腹ペコ系担当。エネルギーの燃費の悪さが特徴の中等部の少女であり、常に不機嫌な様子が見られる。しかしご飯を食べると一変し、世界一幸せそうな表情を浮かべる。羽々里の母性がくすぐられるのか、彼女との絡みが多い。
ちなみに初対面からいきなり団子を四箱くれた(※勝手に食べた)ジロロへの好感度は比較的高めになっている。

『謎の心優しき200cm程の少女』
宇宙サツマイモの種芋だって生きてるんだど…?


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。