恋愛モンスターとカエル型宇宙人   作:ゴランド

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キャラが…キャラが多い…ッ!



第十話 愛城恋太郎バッテリー大作戦(前)

 

【ペコポン滞在日誌OO(ダブルオー)日目】

週末の土曜日、恋太郎と彼女達(7人)を小型宇宙船に乗せて日向家へ出発した。ケロン人サイズの宇宙船にペコポン人8名を搭乗させるなんて頭おかしいと言われても仕方ない所業…だがしかし!こんな事もあろうかと俺は化学者(クルル)に宇宙船内の空間を自在にコントロールする装置を作らせた。

これにより宇宙船の中は見た目以上に何倍もいや、何十倍も広くなっている。これで恋太郎が彼女を100人作っても問題無いと言う事だな!まぁ流石の恋太郎も彼女100人作る訳無いだろうけどハハッ!

 

 

 ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎

 

 

 心地良い春風吹く季節。そんな陽気に満ちた天候にて俺達は日向家へ招待してもらっていた。

 

「こんな大人数でお邪魔してしまって申し訳ありません」

「いやいや良いんですよあははは〜…(思った以上の人数が来た!?)」

「ジロロがお世話になってる地球人って言うからどんな人かなと思ったけどこんなに居るなんてね」

 

 お茶をわざわざ人数分出してくれる姉と弟に感謝する恋太郎達。この感じ、ケロロ先輩はもしや人数を伝えて居なかったのでは…?

 

「すまないな、夏美さんに冬樹さん。こちらからちゃんと連絡すべきでした」

「良いのよ気にしないで。あとそんな畏まらなくても良いのよ?」

「もっと砕けた口調でいいよ?」

「そうか?それなら夏美に冬樹。こんな大勢で押しかけて悪い、先輩が恋太郎達にお詫びをしたいと言うもので…」

「あのボケガエル…!」

 

 うん、これは先輩が後で〆られると想像できるパターン。まだ再会して数日だと言うのに何故こうも想像できるか不思議なくらいだ。

 

「へぇ、モアさんって宇宙人だったんですか!」

「てゆーか、正体判明」

『"宇宙からの使者"のワリには"我々と何一つ変わらないではないか"』

「どっかで見た事ある顔なのだ」

「モアちゃん可愛いわね何色のパンツ履いてるの?」

「初対面への不審者行為!!!」

 

 羽香里からのヘッドロックを受ける羽々里殿。娘と居るのが楽しいのかそれはそれは心地良さそうな表情を浮かべて居た…いやあれは気絶寸前に笑みを浮かべているだけなのか?どっちにしろ怖い(小並感)

 

「でもこの見た目で星の断罪者?って信じられないわね。ジロロが言うには恐ろしい存在と言ってたけど」

「恐ろしい存在であるなら物的証拠を見せるのが効率的」

「よーし、それなら証拠をお見せいたしますよ!てゆーか、即断即決」

 

 そう言うと彼女は擬態を解き、白髪と紫カラーの装束が特徴的な本来のアンゴル=モアがその場に現れれれれれれれれれれれれれれれ!?

 

「あ゛あ゛アンゴル族ァ゛ァーーーーイ゛!!!

「ジロロがバグった!?」

「わー!わー!モアちゃんダメだって!」

「この場でそれはダメだって!」

「? てゆーか危機一髪?」

 

 得物を床に叩きつける寸前で日向家の2人が止めてくれた。なんと言う手慣れた行動!恐らく何度もハルマゲドンの危機に陥ってたのだろう…なんで先輩達はこの子を封印しないでお茶汲み係にしているんだ!?

 

「ところでジロロ、何をしてるんだ?」

「遺言を残していた」

「死の間際かよ、つーかこのまま放っておいたらどうなってたんだよ」

「えーと、その…地球が粉々と言いますか」

「物理的に地球が真っ二つと言いますか…」

「文字通りの地球滅亡(ハルマゲドン)じゃねーか!!!」

 

 胡桃が思わず叫ぶ。その気持ちすっっっごい分かる…!アンゴル族って精神体故か価値観が異なるから平然と星を粉砕するんだよ…!

そう思っていると恋太郎が立ち上がり、モアに向かって歩いていく。まさか恋太郎!?彼女達の危険を察知してモアを排除する気か!?馬鹿やめろお前!刺激してペコポンぶっ壊されでもしたらどうするんだ!!!

 

「モアさん…この地球には君の知人や恩人、または友人や愛する人も住んでるかもしれない。だから軽率に破壊行動をするのはやめた方が良いと思う」

「てゆーか、厳重注意?」

 (((普通に注意した!?)))

 

 マジか恋太郎!?実力行使じゃなく普通に注意して終わるなんて…!?今日のお前はどうしたんだ!?

 

よそ様(他作品のキャラ)に手を上げるのは彼氏として恥ずべき事だからね。あと単純に実力的にまだ敵わない気がして…くっ、俺にもっと力があったら…!」

「偉いんだか、いつも通りなんだか良く分からないな」

「それと根源的恐怖を前にした影響か、脚がガクガクして止まらないから少しトイレ借りてくるね」

「無理するなよお前…?」

 

 アンゴル族のハルマゲドン寸前を前に漏らさなかった事を褒めるべきなのか…?そのまま恋太郎は日向家のトイレへ向かった。

 

「恋太郎しっこなのだ?やれやれ、楠莉を見習ってオムツ付けてくれば良かったのだ」

「見習うべきかそれ?」

「てかオムツって…」

「まぁまぁ気にしないで欲しいのだ。こう言う時は楠莉が作った薬を飲んで落ち着くのだ」

「く、くすり…?」

 

 よそ様を実験台にしようとしてるんじゃないぞお前ェ!!!楠莉の手から薬を奪い取る。

 

「あー!何するのだ!?お近づきの印として楠莉特製の薬をあげようとしたのに!」

「歳下相手にこんな物騒な物をあげるな!」

「歳下って…ジロロ、この子どう見ても小学生くらいでしょ?」

「まさか宇宙人!?」

「ところが純正地球人なんですよ。楠莉先輩はこう見えても高校3年生でして」

「4学年も上の人!?どう見ても子供じゃないのよ!?」

「えっへん!楠莉は人体実験の影響で小っさくなっちまったのだ!」

 

 羽香里の紹介に何故か誇らしげにする楠莉。そんな彼女を前に夏美と冬樹の2人は驚愕の表情を浮かべる。

 

はぁ!?小さくなった!?どう言う事なの!?

「分かるわ…その気持ち…!」

「これが若返りもそうだけど、目の前にいるのが先輩って言う事も認めたくないよな…」

 

 ツッコミ役としてのシンパシーを感じたのか夏美に労いの言葉を与える唐音と胡桃。そんな中、冬樹は目を輝かせて楠莉に質問をしていく。あれ!?もしかしてこの少年、そう言う系に興味あるタイプなのか!?

 

「それってもしかして、都市伝説として言い伝えられているアドレノクロムや賢者の石で有名な若返りの薬!?うわぁ〜!実在したんだぁ〜〜!」

「ふっふっふ〜!ただの薬じゃねーのだ。なんと不老不死の薬なのだ!…まぁ失敗作だけど」

「ええーっ!?不老不死!?あの人魚伝説や吸血鬼等の!?すごい!凄いよ!!!」

「う、うちの弟がマッドサイエンティスト方面に目を輝かせている…!」

 

 これ以上は不味い気がする…!このままだと楠莉が冬樹を言いくるめて薬の実験台にしてしまう確率が高い!ここは無理矢理にでも話題を変えなくては!

 

「い、いや〜それにしても此処は馬鹿に空気が悪い。窓を開けて換気しないとな」

『おや、どうしたんだろう』

「急にベランダの窓を開けようとしているわね」

「そ、そうよねぇ〜!冬樹も換気の手伝いをしてあげなさい!」

 

 夏美が俺の意図を察知したのか冬樹に声をかける。よしよしこれで犠牲者は出ずに終わった!とりあえず彼と協力して掃き出し窓を開けて…!?

 

「うおおおおおお!?急に強風がぁぁぁぁっ!?へぶッッッ!?」

「ジロロが吹っ飛ばされたのだ!?」

「そのままリビングの壁に叩きつけられました!?」

「一体何なのよ!?」

 

 い、いてぇ…!なにが起きたんだ…!?そう思い外に視線を向けるとそこには桃色の戦闘機が存在していた。は!!??小型ジェット機!?しかもこんな市街地で!?しかも器用に庭にジャストフィットするようにホバリングしてるし!

俺を含めた全員が驚いていると、操縦席から水色の髪をした少女が降りて来た。

 

「あ、あの!冬樹君!たまたま偶然!近くを通ったもので!挨拶しに来ました!」

「西澤さん!?」

 

 ジェット機に乗ってわざわざ挨拶を!?普通に玄関から挨拶しに来ればいいだろ…ってあれ、西澤って聞いたような覚えが?そう思っていると凪乃が外で待機しているジェット機を見て呟く。

 

「あのジェット機に印されているNPGロゴマークは西澤ピーチグループのもの」

「ええ!?って事は世界を半分支配してる奴等なのだ!?」

『野郎、魔王軍の手先か!』

 

 言い方が悪の軍勢に対する物になっている…企業グループへの印象が悪くなっているのは多分…いや確実に知り合い(花園親子)が原因だよな?

そう考えていると、花園親子2人はやって来た少女を見て驚きを露わにする。

 

「あれ…桃華ちゃんじゃないですか!」

「あら本当!?こんな所で会うなんて奇遇ね!」

「羽香里お姉様に、羽々里様!?」

 

 え、知り合い?いや待てよ…確か彼女達の知り合いかつ桃華と言う名前から…まさか西澤グループのご令嬢(次期総帥)!?

 

 

 ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎

 

 

 一方その頃、恋太郎はトイレ掃除に勤しんでいた!自身がトイレを使用した後、彼女や日向家の面々が気持ち良く使えるよう掃除をしていたのであった。

 

「次に彼女の皆が入るかもしれないから、ちゃんと綺麗にしておかないとな」

 

 こう言う些細な事にも気配りをするのが恋太郎クオリティ。床掃除を終えて戻ろうとした彼だったが、ふとリビングから響く声を耳にする。

 

「…おお!?…急にがぁぁ…ぶッッッ!?」

「ジロロが吹っ飛ばされたのだ!?」

「そのままリビングの壁に叩きつけられました!?」

「一体何なのよ!?」

 

「はっ!?彼女達に危険が迫ってる!?」

 

 そう判断した彼はトイレの扉に手を掛けて彼女達を救うべく脚を前に出すだろう。

 

「皆!今助けに行くぞッッッ!」

 

 そう言いながらドアを開けた瞬間、彼の足元に巨大な落とし穴が出現する。そのまま恋太郎は下に向かって真っ逆さまに落ちていく。

 

「うわああああああああッ!?なんで住宅にこんな穴があああああああッ!?」

 

 しばらく落ち続ける事十数秒。突如として謎の緩衝材が彼を受け止めると同時に両手両足が拘束される。恋太郎が自身に起きている出来事に困惑しているとその場が光に照らされる。そして見覚えのある面々が姿を現した。

 

「ゲーロゲロゲロ。我が地下秘密基地へようこそ!愛城恋太郎!それにしても良い格好でありますなぁ」

「お前は…ケロロ軍曹!そしてその仲間達!?俺を捕まえてどうするつもりだ!?」

「勿論決まってるでありましょう?…侵略作戦であります!」

 

 不敵な笑みを浮かべるケロロを前に恋太郎はハッとする。ジロロを介して自分を呼び出した目的は、自分を捕まえる事だったのだ。もしも彼等を野放しにしていれば彼女達に被害が及ぶかもしれない。

そう考えた恋太郎は手足に取り付けられた拘束具を何とかしようと踠くが、嘲笑うかのようにケロロは口を開く。

 

「無駄無駄ぁ…その拘束具は対日向夏美用にクルルが開発した物。力を込めても破壊は不可能ッ!そのまま我々の侵略作戦を見ていると良いであります!ゲーロゲロゲロ!!!」

「軍曹さん輝いてるですぅ!ナッチー相手にいつもやられているとは思えないです!」

「クッ、壊せない。どうすれば……あ、待てよ?それなら」

 

 すると恋太郎はスポン!と音を立てながら手首、足首に付けられた拘束具から抜け出す事に成功する。

 

「はぁっ!?」

「おいケロロ!普通に脱出されているではないか!」

「そんな馬鹿な!クルルー!ちょっとどう言う事なのこれ!」

「クックック〜。そう言われてもなぁ…」

「ふぅ…こんな事もあろうかとジロロから縄抜けの方法を教えて貰ってて良かった」

「ジロロあの野郎ーーーッ!!!」

「あ、そう言えば元々縄抜けの術を教えたのは拙者でござった」

「ドロ沼くん!?」

 

 元の原因がドロロであった事に衝撃を覚えるケロロ。そんな彼の背後に恋太郎が立ち、呟くだろう。

 

「さて、別に可哀想とは思わないけど彼女を護る為だ…君達を始末させてもらう」

 

 ドドドドドドッ!と背後に謎の幻像(ヴィジョン)が立つ程の威圧感を見せる恋太郎。そんな彼を前に冷汗が滝のように流しているケロロは次のような行動を取る。

 

「いっやぁ〜〜ッ!流石恋太郎さんッスわ!我々が目にかけた事だけの事はある!一目あった時から周りのペコポン人とは違うとは思ってたんだよねぇ〜〜!」

「こ、こいつ…!この期に及んで媚びを売りやがって…!」

「軍曹さん凄いダサいですぅ…」

「ククク〜見てみろよ、そんな往生際の悪さに思わず恋太郎(奴さん)も困惑してるぜぇ」

 

 え?まさかこれで許されると思ってるのか…!?そう恋太郎が思っているとケロロは咳払いを行い、言葉を紡ぐ。

 

「んんっ、さて恋太郎君。本題に入るが…"力"が欲しいか…!?」

「力…だって…!?」

「そう、力だ!全てを凌駕する圧倒的なパワーをッ!欲しくはないか!?」

「いやそう言うのは別に…それに他の人に与えて貰うのではなく自分の実力で得ないと意味が無いので」

「え、マジ?…いや、そう!その通りダヨッ!恋太郎君!良い事を言った!だが本当にそれで君は良いのかね!?」

 

 彼の周りを歩きながら緑色の侵略者は言葉を続けていく。

 

「君は恋人を大切に思い、彼女を護ると言う覚悟があると見た…だが近年のペコポンは物価高、電気代の高騰、更には温暖化等が問題となっている。そんな社会問題に君は太刀打ちできるかね!」

「それは勿論!俺は今後も彼女の為にお金を積み立てて、社会人になればしっかりとお金を稼いで…」

「ばっかもーーーん!!!それだからお前はアホなのだぁッ!」

「ぐああああああッ!」

 

 ケロロは恋太郎に拳のラッシュを繰り出す。それに対して恋太郎は相殺するように拳を次々と出す…が、咄嗟のことで反応しきれず吹き飛ばされてしまう。

 

「それが本当に正しい事だと思ってるのか!ならば貴様に守れるか!唐突に来る自然災害!突如として起こる事故!増える電気代!この世は金!金なのだよ!」

「ぐ…そうだ、その通りだ…俺はまだ高校生になったばかりの子供。そんな俺は口先ばかりに見えるかもしれない…だからこそ!こんな俺を好きになってくれた彼女は命を懸けて護る!それが、俺の答えだーーッ!」

 

 突如として恋太郎が金色の光に包まれ、右手が真っ赤に燃える。勝利と愛を掴めと轟き叫ぶ。彼は声を張り上げながらケロロに向かって神の如き掌底を繰り出す。そんな光景を前にタママ達は声を上げる。

 

「ケロロ!」

「軍曹さん!」

「隊長殿!」

「Gガンっすか?」

 

 直後、その場は眩い光に包まれる。そして光が落ち着いて来るとそこにはケロロと恋太郎。互いに握手をする二人の姿があった。

 

「ならやろうぜ?俺と最高の侵略作戦を…彼女を護れる素敵な作戦をよ!」

「彼女を護れる…ああ!是非協力させてくれ!」

 

 こうして紆余曲折あり協力する事となったケロロと恋太郎。果たして先程までの展開は必要だったのか?そんな疑問を他所に『恋太郎バッテリー大作戦』は本格的に始動するのだった。

 

 

 ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎

 

 

「つまり桃華ちゃんはこちらの家に沢山女の子が訪れてた事を心配になって来たのね」

「お恥ずかしながら…」

「それでわざわざジェット機で来たの!?」

 

 恐らく桃華は日向家に見知らぬ者達(大人数)が日向家に押し寄せた事に驚いたのだろう。俺だって恋太郎の家に知らない人達が大勢で来たらびっくりして突っ込む事間違いなしだ、気持ちは分かる…それはそれとしてジェット機で来るのはどうかと思うけど。

 

「そう言って実は愛しの冬樹(相手)の所に沢山女の子が来たから慌てて来ちゃったんじゃないの?」

「へ!?い、いやあのえっとその!」(図星の顔)

「愛しの…!?桃華ちゃんちょっと詳しく!」

「桃華ちゃん!ママに包み隠さず教えて頂戴!」

「お前の娘は前のじゃなく隣のだろ」

 

 桃華の反応に涎を垂らす花園家親子。胡桃がツッコミを入れなければ二人が暴走するのは想像に難くない…いやぁ、本当に胡桃が彼女の一人になってくれて良かったと思う。俺と唐音の二人じゃツッコミし切れない…。

 

「ふふふ、なんだか思い出します。お父様とお母様の居ない時、よく遊んでくださいました。誰もが憧れる大人の女性…強く逞しく美しく。時に優しさ厳しさを教えてくださいました…そんな羽々里様に憧れておりました」

「へぇ〜!桃華ちゃんの憧れの人だったのね!」

「素敵なお話です〜!てゆーか、尊尚親愛?」

 

 桃華、夏美、モアの三人が盛り上がる中、俺を含めた恋太郎ファミリーの面々はこう思った。

 

(((((((誰の事を言ってるんだ…!?)))))))

 

 もしかして羽々里殿の事か?いやまぁ確かに合ってると言えば合ってるが、あびゃびゃしてる本性を知ってる身としては絶対に違うだろと言いたい。けど!こんな純粋な眼差しを向けてる子に真実を伝えるのは流石の俺でも心苦しい…ッ!

 

「西澤桃華には認識の誤りがある。花園羽々里はそんな…」

「ヨシ、ちょっと静かにしてもらおうか凪乃」

「羽香里のかーちゃん、そんな出来た大人じゃねーのだ」

「コラッ!言葉を慎めッ!!!」

 

 折角言わせないよう制止したのに楠莉何やってんだお前ェ!

 

「確かに羽々里様は前と比べてなんだか笑顔が増えた気がします。何か良い事があったのでしょうか?」

「あら、分かるかしら!?実はね…好きな人が出来たのよ〜!」

「ええ!?好きなお方が!?それは大変素晴らしいです!学生時代の青春すらも捨て、羽香里お姉様の育児や仕事に人生を費やして来た羽々里様が幸せを手にするだなんて…!」

「サラッと重い過去を出して来た」

『しかし、あの顔を見てみろ。"幸せ"そうでヤンス』

 

 確か恋太郎達の話では羽々里殿って未成年の時期に羽香里を出産したんだっけか?えーと、俺らケロン人と年齢比率を考えると…訓練校に在学していたタイミング!?目の前にいる桃華達と歳が変わらないタイミングで産んだのか!?未成熟の肉体でなんと言う無茶を……。

おや?どうしたんだ冬樹。そんな気不味そうな表情をしてからに。

 

「いやちょっと…男性の比率が少なくなって来て…少し会話に混ざりにくくなって……」

「ああ、恋太郎が居ないのに加えて雌が9匹もいるからなぁ」

「地球人に対して匹で表現するケロン人なんて初めて見た!」

 

 えっ、なんで目を輝かせてるの…こわ……ってアレ?

なんだ…?何故か違和感が……?んん〜〜?

 

「どうしたのジロロ?」

「いや……あ!ちょっと失礼!」

「え、なに?なんなの!?うちのテレビに変な事しないでよ!」

「あ〜〜!ジロロ!テレビの前に立たないで欲しいのだ!今やってる番組が見れねーのだ!」

 

 えーと…?あ、やっぱりだ。よく見たらテレビの電源ケーブルがコンセントに刺さってないじゃないか。しっかり接続しておかないと駄目だぞ?

 

「……え、あれ?」

「しかしペコポンの技術力も中々のものだな。コンセントに接続されてない状態でも動き続けるとは便利だ…って皆、どうかしたのか?」

 

 するとどうした事だろうか。その場にいた皆が各々の近くにある家電を弄り始めたではないか。

 

「どう言う事!?どれもコンセントに繋いでないのに家電が動くわ!?」

「姉ちゃん!電気メーターが動いてない!それにブレーカーも下がったままだよ!」

「スマートフォンの充電を試した所、僅か10秒でバッテリーが満タンになっている」

「大変です!恋太郎君が何処にも見当たりません!」

「外でしっこなのだ?」

「な訳ねーだろ!?…って言うか、どう言う事だこれ…!?なんでどの電気製品もコンセント無しで動いて、凄い出力になってるんだよ!?」

 

 胡桃達の困惑した様子から俺はやっと異常事態が起きていると理解する。電気エネルギー無しに動いている…?俺は分析銃を取り出し、家電製品を調べていく。するとこれらは全て無線式で電力供給され続けている事が分かった。

これを伝えるとその場の全員は驚く様子を見せた。

 

「これは一体!?こんな超科学(オーバーサイエンス)は花園グループどころか西澤ピーチグループでも実現はまだ難しいわ!?」

「ええ、こんな未知の出来事…この家で何が起きてるのでしょうか…?」

「超科学…」

「未知の技術…」

 

 すると日向家の二人がモアに向けて視線を送る。それに対してモアが「あっ」と声を漏らした。

 

「おじさまが『凄い侵略作戦するから皆の足止めヨロ!』と言ってたのを思い出しました!てゆーか、妨害工作?」

「あのボケガエル…」

「まぁまぁ姉ちゃん。よく考えてみてよ、電気使いたい放題だよ?そう考えると大丈夫じゃないかな?」

「……まぁ、確かに」

 

 一瞬、怒り心頭に発すると思いきや弟が落ち着かせる事に成功する。しかし侵略作戦か…電気エネルギー使いたい放題の侵略とは一体?

そう考えていると凪乃が「不味い…」と呟く。何が不味い?言ってみろ。

 

「あらゆる家電が常に強力な電気を供給され続けられる状況。普段使わない機器も常に使用されて負荷が掛かってしまう」

「つまり?」

「その内、()()()()()()()()()()()

 

 直後、日向家全体からパリン!と電灯の割れる音が響いた。それに加えて若干焦げ臭い匂いもする…これ、壊れても尚電気が供給されてるっぽいな?

 

あの…ボケガエルッ!!!

 

 すると怒髪天を突く勢いで夏美はリビングを出ていく。ヒェッ、めちゃくちゃ怒ってらっしゃる…。

 

『てやんでぇ!一体何事だぁ!』

「恐らくケロロ先輩のいる地下室へ向かったんだ!」

「地下室あるの此処!?」

「いや先輩達が勝手に増設したらしい」

「違法建築!?」

 

 そのまま全員が地下室へ向かい、先輩の部屋の前へ辿り着く。するとそこには…!

 

【我々は何もやましい事はしておりません。なのでそっとしておいてください】

 

 と、如何にも怪しい書き置きが扉に貼ってあった。先輩…流石にこれは無理があり過ぎるぞ先輩!?あっ、先輩の部屋のドアが易々と蹴破られた!?

 

「家の電気の事と言い、恋太郎さんの事と言い…きっと何か企んでるに違いないわ!」

「この人怖えーのだ…!唐音とおんなじくらいにおっかねーのだ…!」

「どう言う事だよそれは!?」

「落ちついてください唐音さん!そこで怒るのは正解と言ってるのと同じですよ!」

 

 暴れる唐音を羽香里が宥める。怒りに駆られたペコポンの女ソルジャーは恐ろしいなぁ。

 

「くぅ…この怒りはあのボケガエルに向けてやるわ…!」

「その通りです!あいつタダじゃおかないんだから!」

 

 女ソルジャー2人が地下秘密基地への入り口を潜る姿を見て思った。

オイオイオイ、先輩死んだわ(震え声)

 

 





●キャラ紹介

『日向冬樹』
ケロロ軍曹のレギュラーキャラである1中学一年生の少年。オカルトや都市伝説などが好きであり、自身が通う学校でオカルト部を立ち上げる程の熱量を持つ。頭が冴えるタイプではあるものの頭が良い訳ではなく、運動も苦手な面がある。
また、温厚な性格故か人外に好かれやすい体質。

『日向夏美』
ケロロ軍曹側のレギュラーキャラの1人。冬樹の姉であり毎度お騒がせなケロロ小隊の侵略行為を防ぐべく奮闘している中学2年生の少女。
その脅威の身体能力と優秀な成績により学校では憧れの的。
ちなみに宇宙、地球問わず日向夏美ファンクラブが存在している。

『西澤桃華』
西澤ピーチグループの令嬢。日向冬樹の同級生であり、彼に恋心を寄せる乙女。そんな純粋無垢の可憐な少女に見える彼女には母の血を継ぐ交戦的な裏人格が存在しており、もう1人の私として会話する事がある。ちなみにどちらも冬樹に弱い。
また、タママと共に豪邸で暮らしている。



ケロロ軍曹側のキャラを出すとワチャワチャしはじめて筆が乗るので楽しいですね!次回もお楽しみに〜!

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