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【ペコポン滞在日誌W日目】
本部へのレポートをそろそろ提出しなければならない。ペコポンに滞在して恋愛についての資料も集まった…が、正直に言ってしまうと参考になりそうなものが少ない。前回のゾンビパニックで得た映像・画像はペコポンの恋愛として本部に見せられそうにない。頭おかしいのかテメェと言われそうだ…。
どうにかして良さそうな恋愛イベントが都合よくあれば良いのだが……。
⭐︎ ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎
「いやぁ凄いな
ようこそ、ここは蘭舞園フラワーパーク!ここはペコポン人カップルに人気のスポットなんだ…と羽香里が教えてくれた。レポート資料探しに苦戦していた自分としては助かるのだが、恋太郎と彼女達のデートに邪魔ではないだろうか?
「いえいえ気にしないでください。ただ資料作成に関して私と恋太郎君についてのものを載せていただけると…」
「それが狙いか」
だいぶピンク色に近い策士だな…と感心しながら周囲の景色や花に囲まれて楽しむ彼女達を撮影する。
『これが殿上人の景色か』
「なんて多種の植物を効率的に見れる施設」
「許可得たし新薬の材料の蜜を採りまくるのだ」
……なんだろう、若干ズレてるような気がするけどまぁ、声を入れないようにすればいいか!そんな事を考えてる最中、屋外拡声器から本日のイベントである『ブーケトス』の開催がアナウンスされる。
「……ブーケトスって確かペコポン人の雄雌が婚儀で行う事だったか…?」
「元々はヨーロッパの伝統的な慣習に由来している。参列した未婚の女性へブーケを投げるもの。ブーケを受け取った者は次に幸せになれる、結婚できると伝えられている」
「へぇ……ん?意外だな、凪乃はこういうジンクスや言い伝えは非現実的と言うものだと思ってたが」
「幸せのお裾分けは実に効率的…!」
そうか、凪乃も凪乃で頭が恋愛に染まってるペコポン人なんだな……と自分は学びを得た。これがペコポンの恋愛による効果か。
それはそうと羽香里の話によるとブーケトスはこのパークの月に一度の名物イベントであり、キャッチ出来た者は恋人と共にウェディングドレスを着て記念撮影できると言うのだ。これを聞いた皆は積極的に参加の意志を見せていく。
…ふむ、羽香里は顔には出してないものの、テンションを凄く上げてるな、凄いニコニコしてる上にスキップしている。この感じから察するにこのイベントを目的にデート場所を決めたのだろう。
ブーケトスが開かれる広場へ歩いていく俺達。どんどん人の数が増えていく事から知名度が高く、人気のあるものなのだろうと推測できる。
……しかし、ううーん。
「どうしたんだジロロ、そんなに頭を悩ませて」
「いや…な?思ったよりもペコポン人以外も居るんだなと」
「それってどう言う……」
恋太郎と言葉を交えながら歩いていると、彼は通行人らしき女性とぶつかってしまう。
「あっ、すみません…」
「あ、こちらこそごめんさいポヨ……あれ?貴方!もしかして私の事が見えるポヨ?」
「え、あ…はい。見えますが…ん?」
その女性は恋太郎にそう告げる。私の事が見えると言う言葉に戸惑いを覚える恋太郎、その女性の顔を見ると自分は驚愕する。
「貴女はポヨン巡査部長!?」
「あー!ケロン人ポヨ!」
その人は深い緑がかった黒髪を靡かせて頭部のアンテナを揺らして言う。まさかこんな所で会うとは!
「ジロロ、この人知り合いなの?」
「そうだな、顔をちょくちょく合わせたりする警察官なんだよ」
『テメェ政府の犬と通じてやがったのか』
「いつの間に!?」
「ん?…ああ、違う違う、警察は警察でもペコポンの警察官じゃないんだよ」
え?と声を漏らす一同。するとポヨンさんは私服モードから本来の制服モードへ姿を変える。ところでその無駄にキラキラ光りながらトランスフォームする技術ってなんです?まるでペコポンのサブカルで有名な魔法少女みたいになってますが。
「アンドロメダ恒星前派出所勤務、宇宙警察官ポヨンだポヨ!」
宇宙警察官のポヨンさんが正体を露わにする。その一連の流れを見て皆は唖然とする。
((((((本当に居るんだ宇宙人…!?))))))
「ここまで来てド疲れさんポヨ⭐︎」
((((((実在してたんだ、アンテナ付けた宇宙人…!))))))
…あれ?なんか皆、冷や汗を掻いたまま無言だけど大丈夫か?
「い、いや…ジロロ以外に本当に宇宙人って居たんだな…って」
「まぁそりゃ驚くよな…ところでポヨン巡査部長は何故ここに?巡回中ですか?」
「違うでポヨ。このブーケトスイベントはペコポンの中でも宇宙人カップルに人気のスポットで、乱闘騒ぎや危険がないように取り締まってるポヨ」
「成る程、どうりで宇宙人達が結構いるなぁと思ったらそう言う事か」
「えっ、どこに…?」
全員が見渡すが俺達以外の宇宙人を見つけられてない様子だ。それは仕方ないだろう、そもそも普通にしていれば見つけられないように細工を施しているのだからペコポン人の目視で捉えられる訳がない。
「大抵の宇宙人は俺やポヨン巡査長みたいに認識を湾曲させるアンチバリアを使っている。大事なのは『宇宙人は居る』って認識だ。それを意識すると見える…筈だ」
「居る……宇宙人は居る宇宙人は居る宇宙人は居る宇宙人は居る宇宙人は居る宇宙人は居る…ッ」
全員が強く念じながら空間を凝視する。すると何かしら見えてきたのか恋太郎達が目を見開くだろう。
「み、見える!沢山変なのが見える!」
「さっきまで普通の人達だったのに全然姿が違う!」
「こんな事ってあり得るんですか!?」
『俺達の目は節穴だった?』
「すげぇのだ!早速血を分けて貰いに行くのだ!」
「おいやめろ」
各々がリアクションを見せる中、1人だけ眉間にシワを寄せながら空間を凝視し続ける者がいた。そう、凪乃である。恋太郎が様子のおかしい彼女へ話しかける。
「どうしたんだ凪乃?」
「……宇宙人の存在なんて非現実的」
「まだ存在疑ってるの!?」
「ジロロさんやポヨンさん居るんですから認めて良いじゃないですか!」
「ボヤけてだけど見えてはいる。ただ何故かモザイク規制されたような姿でしか見えない」
「モザイク処理された見えた方してるの!?」
周囲に沢山の宇宙人がいる事から察するに凪乃の目に映る殆どがモザイクとなってるのだろう。そんな見え方するんだ…。
「ジロロ!まわしを付けたネズミっぽいのが居るのだ!」
「アレはネズミー星人だな。宇宙一がめついとされていてな、破産された星の数は多くあると言われている…だから血を求めようとするなよ?マジで頼むから」
「……フリなのだ?」
「ペコポン経済崩壊するからやめろって言ってんだよ!」
そんな楠莉を抑えていると唐音が質問をしてくる。
「あのシルエットで構成された集団っぽいのは何?」
「人が密集してる地域に出没するモブ星人」
「扱いに便利な枠!」
次に静がスマホ音声で呼び掛けてくる。
『半魚人、深きもの』
「深きもの?…ああ、もしかしてメガタン星人の事かな。水陸どちらにも適応した宇宙人だ」
『なんてこった苦"トゥルー"婦は実在したんだよーッ!』
「なんて???」
続いて羽香里が質問をして来る。
「あのピンク色で可愛らしいジロロさんに似てる方は誰でしょう?」
「嘘だろ有名売れっ子宇宙アイドルのすももちゃんじゃないか!こんな所に居るとはまさかオフなのか!?」
「有名人なんですか?それならサインをいただいてきたらどうですか」
おっと、残念ながらオフ中のアイドルにサインを強請るのは実際失礼極まる行為。多忙だからこそプライベートは1人で楽しんでもらわななきゃ駄目なんだ。
「…あの、もしかして結構なアイドルファンです?」
「いいや、知ってるだけで別にファンではない」
「同じケロン人だからでしょうか?」
「すももちゃんは同じガマ星雲だけど23番惑星のアホトロン星出身!だからケロン人じゃないから。ついでに言うと26代目の子でまだまだ襲名したてだから過度な接触は避けなきゃなんだ(早口)」
「ファンなんですよね?」
ああ、そうだよ(真顔) そう思っていると背後から嫌悪感に似たような冷たい殺気を感じ取る。何者!?
「ガーラガラガラ!まさかこんな所でケロン人に会うとはなんと言う巡り合わせだガラ」
「この声は…!?」
振り返った先、そこには蛇と人が合わさったような容姿を持つ宇宙人が居た。左腕が銃になっている身体的特徴、忘れる筈もない…!まさかペコポンで会う事になるとは!
「あーっ!貴方はヴァイパー!」
「ケロン人と長年敵対関係であるヴァイパーがどうしてここに!?」
「そんなもの決まっている…ハニーとの末長い幸せの為だガラ!」
ヴァイパー(3年目の彼氏)が大声を張り上げる。いやお前もブーケトスイベント目当てだったんかい!まぁ、そこら辺は各宇宙人の自由だし何も言わないけどさぁ。
そう思っていると隣の恋太郎が次のように叫んだ。
「コブラのコブラじゃねーか!」
「…いやコブラじゃなくてヴァイパーだけど」
「コブラなのだ!紛れもなく奴はコブラなのだ!」
「コブラじゃなくヴァイパーポヨ」
「このペコポン人共は何を言っているでガラ…」
恋太郎達は何を変な事を言ってるんだ?ほら見ろ、ヴァイパー側も少し呆れてるじゃん。
『瞳は"無事"なのかい?』
「またモザイクが増えてる」
「そこのお前!こっちを見てモザイク呼ばわりするのはやめるガラ!」
可哀想な敵対宇宙人のヴァイパー…モザイク呼ばわりされるとは…まぁ一族単位で色々と悪どい事してるから同情はするつもりはないけども。
「フン!まぁいいガラ。このブーケトスはこの俺様の一人勝ちさせてもらうでガラ」
「なにを…ッ!俺や彼女達だって負けてたまるか!」
「ふん、脆弱なペコポン人が何を…おい待て。何だ彼女達って」
おっと、気付かれましたか。
「何だ…って、俺の大大大大大好きな最高で最強に可愛い唐音と羽香里に静ちゃん、凪乃。そして楠莉先輩達の事だが?」
(((((最高で最強に可愛いって言われた!)))))キュンッ!
そんな惚気全開の恋太郎に対してヴァイパーは事態を飲み込む為に一呼吸を置く。するとどうしたのだろうか?こちらに近づいて来る。え、なに?何で俺の所?
「おいケロン人…!あのペコポン人共の道徳倫理どうなってるんだガラ!」
「いや、それは…すまん、何も言えねぇ」
「お前…どんな教育してるガラ!」
「元からああだったんだよ!」
「天然由来の恋愛モンスターかガラ!?」
くそ…っ!何も言い返せねぇ!悔しさを噛み締めていると俺達の背後から周囲の声を裂くような咆哮に近い言葉が響く。
「てめーらァ!死んでもブーケをキャッチして撮影権をアタイとユウ君に譲るウホ!」
『はい!総長!』
そこには屈強な肉体を持つ集団が居た。言うと悪いのだがこの場に似つかわしくない者達だ。
「何だあれは…⁉︎」
「
「wikiみたいな解説ありがとう」
「また宇宙人が出て来ましたよ!ジロロさん、あの人達は一体!?」
「あれは……ちょっと待ってくれ」
俺は手元に大型銃の形状をしたアイテムを呼び出し、あの集団を対象にして向ける。
「なにその銃っぽいヤツ!?」
「これは相手の戦闘能力や生態を分析する
「スカウターのパチモノみたいな呼び方してる!」
「で、結局あのゴリラ達は何星人なのだ?」
しばらくしてスコウターの分析結果が表示される。ふむふむ成る程…。
「うん、純正ペコポン人……」
「なんで!?」
「こっちが聞きたいんだけどな!何でペコポン人なのに
「ブチギレてるのだ」
だって前回の妖怪に引き続き、宇宙人みたいな見た目しててペコポン人率100%なんだからさぁ!いやいや落ち着け冷静になれ俺…ふぅ、落ち着いた(自己完結)
それにしても、あの呉莉羅連合の総長もブーケ狙いなのか。一体どんな屈強なペコポン人が彼氏なのか興味が……ん?ヴァイパーが一点を凝視して驚いている?彼の目線の先に何が?
「頑張って総長さん…!」
「「……………」」
ヴァイパーと俺は冷や汗を掻きながら押し黙る。
なんせ呉莉羅連合の中に居たのは小さい男子児童らしきペコポン人。俺は地球について熟知はしていない…が、犯罪については倫理とか犯罪とかそう言うのには敏感だった。片やどう見ても男子児童、片やどう見ても成人女性。その組み合わせはこの国では色々と不味いのではないか?と思ってしまう。
うん、とりあえず…アレだ。もしもし宇宙ポリスメン!?
「おい宇宙警察…ッ!アイツら年齢とか色々とアウトじゃないかガラ…!?」
「我々はペコポン事情には基本ノータッチ精神で務めてるポヨ」
「おい警察官だろ貴女!」
「職務放棄するなガラ!」
『息ピッタリだぜ』
「敵対種族とは程遠い姿」
くっ、ヴァイパーとはマジで敵対種族なのに…!そう思っていると恋太郎が呉莉羅連合の応援団に対抗して細長いタオルに何かメッセージらしきモノを書き始めた。
激戦が予想される為に静用の応援道具を即席で作ってるとのことだ。
「うーん、そうだな…恋太郎チームだと安直すぎるから『恋太郎ファミリー』で!」
(((((ファミリーッ!))))) キュンッ!
恋太郎…ファミリー……おおう、恋人段階なのに家族名義にしちゃったか……。
「大分トンチキな名前だな…」
「そう言うわけでサポート頼むよジロロ!」
「うん……うん?……うん!!??」
よろしく!と周囲から期待の声を送られる…って待てや!
「待て、待て待て待て!?何で俺もチームの一員になってるんだ!?」
「なんだかんだでジロロだって俺達の一員みたいなものだし…仲間外れは可哀想だし」
「親切心を見せるのやめろ!俺はお前の彼女でもなんでも無いんだよ!おい、彼女達も静観してないで抗議しろ!」
そう言うと羽香里が真剣そうに考える素振りを見せる。流石は恋太郎ファミリーの参謀役!ここはビシッと言ってくれt
「………ジロロさんって恋太郎君の家で居候してますよね?それって実質的に恋太郎ファミリーに入ってるのでは?」
「えっ」
『第一の刺客…!』
「順番的に古参メンバー」
「ジロロも恋太郎ファミリーの一員なのだ!」
「そう言うわけでよろしくお願いしますね!」
「マトモなのは俺だけか!?」
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こうして始まるブーケトス。ブーケを投げる役割の人物が壇上に立つが、その人物を見て恋太郎達は目を見開く。
「恋太郎…あの人って」
「教頭先生!?」
なんと恋太郎達が通う高校の教頭(妖怪)であった。唐音達の情報によると陸上全種目でオリンピックの日本代表に選ばれる程の猛者との事。それを聞いてジロロはますます地球人への認識が分からなくなって来た。
そんな彼らを他所に遂にブーケトスが開始される。
「さっさと終わらせて出張費でホストーーーッ!」
己が欲望と「誰も幸せにならないように」と言う二つのパワーが掛け合わさった膂力でブーケが天高く放り投げられる。それに伴い地球人と宇宙人が入り混じる参加者達が花束に向かって走り出した。
「ジロロ、提案がある」
「どうした凪乃」
「フライングボードで取りに行った方が効率的」
「お前!? 周りが足を使ってる中に文明の利器を使えと!?」
「フライングボードの使用は禁止されてないので問題ない」
それはそうなんだけども…ッ!と言う苦虫を噛み潰したような表情を浮かべるジロロ。それに対して恋太郎達が期待を込めた眼差しを送って来る。
「ああ、分かったよやってやるよ!」
フライングボードを呼び出しエンジンに火をつける。初手から最高出力を出して一気に取りに行くのだろう。ジロロは「いざ!」と声を上げながらアクセルを吹かせる…直前、後方から飛んで来た呉莉羅連合の団員と衝突事故を起こす事となった。
「ぐあああーーーーーッ!!!」
「ジロロが吹っ飛ばされた!」
「何事!?」
飛んで来た方向を見ると、何と言う事だろうか。呉莉羅連合がチーム内で暴れ回っている。宇宙人や人間の参加者達は他参加者への妨害行為禁止ルールに抵触していると述べて不満を漏らす…が、連合の総長が次のように言い放つ。
「これは呉莉羅連合内での特訓、修行だウホ!決して妨害行為ではないウホよ!」
仲間内での特訓。あくまで妨害ではなく二次被害により偶然妨害行為に繋がってしまっただけと理論武装を見せた。
「ふざけやがって…そんなの許されrぐあああーーーーーッ!!!」
「第二射に巻き込まれた!?」
「アイツ散々な目に遭ってるわね!?」
飛んで来た巨躯に押し潰される宇宙人を見て羽香里はポヨンに声をかける。
「あのポヨンさん?あれは止めなくても良いんですか!?」
「スタッフがOK出してるから問題無しポヨ」
「宇宙警察官の姿ですかこれが…?」
周りから「仕事しろ!」「税金ドロボー!」「見た目以上に歳いってるの知ってるんだからな!」とブーイングが巻き起こる。そして即座にポヨンは光線銃で悪口を言って来た者達に鎮圧と言う名の攻撃を行い始めた。この会場はまさに混沌とした場になりつつある。
「更にもう一発ウホ!」
「ひぃぃぃいッ!」「こっちきた!?」
「ッ!?」
射出される団員の直線上に残された宇宙人達と羽香里。そんな絶体絶命の状況だが、間に割り込む形で羽香里達を助けた者が居た。それはジロロが太鼓判を押す程のポテンシャルを秘めた地球人女ソルジャー。院田唐音その人であった。
「そっちがその気なら…私も今日から呉莉羅連合の一員よ!かかって来なさいッ!」
「唐音…かっこいいッ!」
威風堂々と正面から立ち向かう漢気(※女の子やぞ)に恋太郎は頬を染めながら絶賛する。そして一連の光景を見ていた宇宙人達はと言うと。
「あの女ペコポン人いい…!」
「唐音ちゃんだっけ?可愛い…!」
「それに格好良さもある!頼りになる…!」
「凄い推せちゃうわ…!」
「自分、夏美ちゃんファンクラブ会員だったけど今日から唐音ちゃんファンクラブ会員になります!」
色々と捗っていた。後に宇宙人達の手により唐音ファンクラブが立ち上げられるが、これはまた別のお話。
唐音が呉莉羅連合を抑えてる間に恋太郎達はブーケに向かって走る…が、突如として直線上に伸びる光が横を通る。
「なっ!?これは…!」
「成る程!それは実に良い事を聞いたガラ!」
そこには唐音達同様に呉莉羅連合のハチマキと法被を身につけたヴァイパーが居た。彼は片手に備え付けられた銃を構えると光線を乱射する。会場内はドッカンドッカンと爆破が起き、更なる混沌に包まれる。
「あ、あんた!こんな事許されると思ってるの!?」
「何を言うガラ平たい女ペコポン人。俺様はただ特訓をしてるだけガラ」
「誰が平たい女ペコポン人だコラァ!」
「待ってください平たい唐音さん!周りをよく見てください」
「アンタまで平たいって言うなァ!」
羽香里が指摘した所をよく見る。するとヴァイパーは確かに光線を撃っていた…しかしそれを相手に直撃させては居なかった。対象の足元ギリギリを狙って撃ち、地面を爆破させて相手を吹っ飛ばすと言う芸当をヴァイパーは行っていたのだ。
「どうだペコポン人、文句はあるガラか?無いなら続きの特訓をいくガラ!」
「くっ、面倒な…!」
「お客様!サイリウムを投げるのはやめてください!」
「あ、周りからはレーザーがサイリウムに見えてるんだ…」
ヴァイパーが放つレーザーにより起きる爆風によりブーケは幾度も宙を舞い続ける。このままヤツを野放しにしていれば被害は拡大し続けるだろう…故にジロロはヴァイパーの前に立つ。
「そこまでにしてもらうぞヴァイパー!」
「出たなケロン人…いや、噂に名高い『不死身のジロロ特務兵』!」
「ジロロの事を知ってるのか!?」
恋太郎がヴァイパーに聞くと「ああ」と不敵な笑みを浮かべながら言葉を紡ぐ。
「ヤツは幾多の危険な惑星を渡り歩き、絶体絶命の状況に晒されながらも必ず生きて帰って来ると言われた生きる伝説でガラ…!宇宙ケルベロスの巣に突っ込まれた時や、ニョロロに捕食された時、更には惑星の大爆発まで経験したにも関わらず必ず生きて帰って来た。更に宇宙囚人達の入れ墨争奪戦に巻き込まれた挙句、宇宙ヒグマにボコボコにされたと言うのに生還したと言う宇宙中でドン引きされる経歴を持ってるでガラ!」
「大分凄いことに巻き込まれてるなお前!?」
「それは自分でも不思議に思っている(真顔)……で、ヴァイパー。やるのか?」
ジロロは二丁のハンドカノンを。ヴァイパーは片手の光線銃を構える。互いに少しでも隙を見せれば負けるだろう。
「どうした?撃たないガラか?撃たないならこちらから行くでガラ」
「…本当に撃って良いのか?」
「ああ?何だそりゃ、何を言いたいでガラ……ッ!?」
ヴァイパーは気づく。ケロン人を前にした反応故か失念していた。ヴァイパーが暴れる事が出来たのは呉莉羅連合内での特訓と言う建前があった事を、そしてそれを見て問題ないと判断していた調律者が居ると言う事を。
「宇宙警察…ッ!」
「ヴァイパー!及びケロン人!それ以上の行為はルールに抵触し、二人とも逮捕でポヨ!」
「ジロロ貴様…!これを狙ってたガラか!」
「そう言う事だ、恋太郎!今のうちにブーケを!」
「わ、分かった!」
どちらかが引き金を引けば宇宙警察であるポヨンが罰して来る、それを計算に入れた上でジロロは行動に出たのだ。
「さぁどうする?銃を下ろすか、それともここで二人揃って逮捕されるか」
「ケロン人めぇ…!この俺を舐めるなァ!ヴァイパー一族の名誉に懸けて、そしてハニーの前で格好悪いところは見せられるか!」
一触即発の雰囲気が流れる中、ふと風が吹き抜ける。ペコポンの神が二人の闘いを前に昂っているのか、徐々に風の勢いが増していく。
「………何だこの風は⁉︎」
「こんな晴れた日に暴風…いやこれは!?」
二人が視線を送る先、そこには呉莉羅連合応援団が巨大な旗を駆使して人為的に風を起こしている光景が広がっていた。その名も『
「こんな力任せの作戦にぃ!?ガラァ〜〜〜ッ!?」
「ヴァイパーが吹き飛んで行ったのだ!」
「やりましたねジロロさん!……あれ、ジロロさんは?」
「ジロロならヴァイパーよりも先に飛ばされて行ったのだ」
「体重の軽さが!?」
これによりブーケと共に宙へ舞う四つの影。しかし参加者達は違和感を覚える。先程宙に吹き飛ばされた二人とブーケを合わせて三つの影と言うのならば分かる……ならば残りの一つ。それは一体何なのだろうか?
アレはなんだ?鳥か?飛行機か?否……!
「静ちゃんだーー!」
「好本静!?何故あんな所に!?」
「そうか!綿毛のように軽い静ちゃんは風の発生源近くに居た。それに巻き込まれて宙に吹き飛ばされたんだ!」
「そんな事ある!?」
恋太郎に渡されたタオルをパラシュート代わりにフワリと滑空する彼女。自分の置かれている状況に恐れ慄いていると自分の視界にブーケが映る。
「ブーケは俺様のものガラ!」
「くっ、もう少し…なのに…!」
ケロン人とヴァイパーが己が手を伸ばす。距離的に有利なのはヴァイパーであり、もう少しすれば彼の勝利となる。だがしかし静もブーケを手にしたい…彼女は勇気を振り絞り、行動に移す。
『今こそ勝利を我が手に』
眼前のブーケを掴む事に成功した静。しかしそれによって両手で広げていたタオルはパラシュートの機能を果たさなくなり、落下していく事になる。
「なっ、アイツ落ちる覚悟で…!?」
「静ーーッ!」
『オラまだ死にたくねぇ』
重力に沿って地面へ引き寄せられる小動物的存在。そんな彼女を救うべく恋太郎ファミリーが落下予測地点へ集結する。凪乃、楠莉(成熟期)、羽香里の三人が受け止めようと手を伸ばす…が、バイーン!と彼女達の豊満バストにより好本静の体は再び宙を舞う事となった。
「神様がくれたエアバッグ!?」
静が地面に叩きつけられるまでの猶予が延びた。それでも尚、恋太郎が助けにいくまで距離が開きすぎている。どうすれば…そう悩んでいると複数の宇宙人が身体をクッション代わりにして彼女を次々と跳ね飛ばし、落下を防いでいる。「アレは一体…!?」と恋太郎が疑問に思っていると彼等は質問に答える形で口を開く。
「我々は院田唐音ちゃんファンクラブ(仮)!」
「先程助けてもらった恩を返す時!」
「義によって助太刀致す!」
「流石唐音!」
唐音の行動が巡りに巡って来た。あとは彼女の元へ急ぐのみ…そう思いながら走っていると上空からジロロの声が響く。
「恋太郎、それを使えッ!」
「ジロロ…!?」
ふと、視界の隅に自身と並走するモノが映る。その正体はジロロが所有するフライングボード。遠隔操作で走るソーサーに恋太郎が掴まるとエンジン音が轟き、一気にスピードを上げて静の元へと飛ぶ。
「間に合えーーーッ!」
身体が地面に擦れても構う事なく彼はアクセルを吹かす。そして遂に彼は己が恋人を腕の中でキャッチする事に成功したのだ。
「よかった静ちゃん…!」
『兄貴ィ〜!オラと結婚してくれ〜!』
「ああああーーーッ!落ちるガラーーーッ!?」
安堵する恋太郎。だが彼は上空から悲鳴を上げながら落ちてくる存在に気付く。そう、それは今回のイベントを荒らした宇宙人であるヴァイパーだ。
「静ちゃん離れていて!」
すると恋太郎は落ちて来たヴァイパーを己が身体で受け止めたのである。
「ふぅ、危ない所だった…」
「ぺ、ペコポン人…一体何のつもりだガラ!?」
咄嗟にその場から飛び退くヴァイパー。周囲の宇宙人達も彼の行動に疑問を隠せない、ヴァイパーは極悪宇宙人であり武器を使って場を荒らしに荒らした。
だと言うのに恋太郎は奴が地面に叩きつけられるのを静観するのではなく、助けると言う選択肢を取ったのだ。
「確かに貴方は皆に迷惑をかけた…けど元を辿ればすべて恋人への想いが起因するものだ。同じ好きな人の為にやった者同士、そのまま見捨てる事はできない」
「ぺ…ペコポン人……!」
「それに最後のブーケを取るタイミング、その気になれば静ちゃんから無理矢理ブーケを奪う事だってできたのに貴方はやらなかった…そんな潔い人を助けない訳にはいかないだろ?」
ヴァイパーは驚愕する。己と同じ境遇だったからと言う小さい理由で助けてくれた事に、なんと出来た彼氏なのだろう。思わずヴァイパーはその大きな眼から涙を溢す。
「う、うおおおおお〜〜〜っ!なんて粋な奴ガラ〜〜〜ッ!今日から心を入れ替えて真っ当に生きるガラ〜〜〜〜ッ!」
「す、凄いポヨ…!あの極悪宇宙人のヴァイパーを改心させるだなんて…!とってもお手柄ポヨ!」
人間性を見せた恋太郎に尊敬の念が集まる。地球・宇宙問わない参加者の中、この場に於いて恋太郎はトップ・オブ・彼氏として君臨したのだ…!
「今日からお前は俺と心の通った
「俺、地球人なのに!?」
「固い事言うな兄弟!アンタに助けてもらったんだ、俺にできる事があれば何でも言ってくれガラ!」
「それじゃジロロと仲良くしてくれないか?」
「丁重に断る(即答)」
「なんで!?」
何でも言ってくれとは言ったが譲れないモノがあるのか、ヴァイパーは答える。
「確かにペコポン人に心は許したがケロン人は別ガラ!奴らとは水と油の関係…今日の所は見逃してやるが次こそ決着をつけてやるガラ!今度またプライベートで会うとしよう兄弟!」
「ええ……」
先程まで敵対していた筈のヴァイパーから兄弟呼びされた事に戸惑いを隠せない恋太郎。
だが終わりよければ全てヨシ。周りを見渡すと呉莉羅連合の総長と友情を育む唐音。ネズミー星人と何やら盛り上がって話をしている楠莉。好本静見守り隊を結成できないか他宇宙人と打診している凪乃。
「皆が幸せそうならOKだな…!」
「恋太郎君ちょっと良いですか?ジロロさんを探してるのですが何処に居るか知りませんか」
「え、ジロロ?…そう言えば確かあっちの方に落ちて行って…」
羽香里に尋ねられた恋太郎はジロロが落ちていった方向に指を向ける。恋太郎ファミリーの面々が視線を向けた先、そこには地面にめり込む形で倒れたジロロの姿が…!
『「「「「「ジ、ジロローーーーーッ!?」」」」」』
⭐︎ ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎
「いやぁ、死ぬかと思った」
「よく無事だったわね貴方!?」
「ケロン人の身体は柔軟性に優れてるからな。多少の高さならダメージを受ける程度で済むんだ」
「ジロロの言う"程度"の値は高水準だと思われる」
「まぁ終わった事だし良いんだよ。俺の宇宙船にある回復カプセルに入ればこれくらい治るんだし」
「ドラゴンボールみたいな装置あるの!?」
ブーケトスイベントが終わり、全身を包帯でグルグル巻きにしたジロロが撮影の準備を行う。誰がウェディングドレスを着るかクジ引きを行った結果、羽香里に決まったのだが彼女の提案で全員で写真を撮ることなった。
「ジロロ、そんな怪我は楠莉の作った薬をキメれば一発なのだ」
「何だその薬?効果は?」
「飲むと『全身が複雑粉砕開放骨折した後に超再生する薬』なのだ!」
それを聞いたジロロは即座に薬の入った容器を地面向けて叩き割った。
「あ゛ーーーーーッ゛!楠莉の薬がーーーーーッ!」
「そんな劇物飲ませようとしてるんじゃねぇ!」
薬品が花々の栄養になっていくのを他所にウェディングドレスを纏った羽香里が現れる。地球にて行われる婚儀の正装、前々から着たかった思いがあるのかいつものノリとは異なり、慎ましく顔を赤らめている。
「驚いた…ペコポンのウェディングドレスと言うのは着た者に鎮静効果を与えるのか」
「いやどんな効果だよ」
『はようせい、そのレンズに我らの凱旋姿を収めるのだ』
静に急かされカメラのピントを皆に合わせるジロロ。羽香里にとって憧れの装い、それを着て愛する者と共に立つ…それが夢の一つなのだろう。だがしかし夢と言うのは常に不変ではない。唐音や凪乃、楠莉達と共に愛する者の傍に立つ…今の夢もまた愛おしく尊いのだ。
「よし、それじゃ羽香里。恋太郎とのツーショット撮影に入r「待ってください」ん?」
「撮影は大丈夫です。これで良いんです……ちなみに撮った写真の現像って可能ですか?」
「いやできるが…ちょっと待っててくれ」
ジロロは違和感を覚える。羽香里の性格的に「あびゃびゃひゃびゃ(よっしゃ待ってましたァ!)」と言うものだと思っていたが、全然違う。
「よし、これでOKだ……なぁやっぱりウェディングドレスって鎮静効果あるんじゃないか?」
「いやそんな訳…無いわよね?」
流石の唐音もおかしいと感じた。いくら何でも大人し過ぎる。クジ引きが当たった時は言語にバグを生じさせるくらいの喜び様を見せていた。それにも関わらず儚い雰囲気を醸し出しながら羽香里は恋太郎達に向けて口を開く。
「皆さん、楽しい思い出ありがとうございました。一生忘れません!だから恋太郎君。私と…………」
「お別れしてください」
【おまけ】
『ボツ理由は存在感があり過ぎるため』
宇宙人達がブーケトスに参加する中、目立つ二人組がそこにいた。
「ハーッハッハッハ!愛!それは
「すみませんすみません!兄が公共の場でうるさくてすみませんすみません!」
「ちなみに、あそこにいる男女二人組は?」
「あれは…ごめん、ちょっと分からない。何星人だろ?」
「あそこにいるのはペコポンで探偵業を営んでいる宇宙人兄妹でポヨ」
宇宙人の中には元からペコポン人に近しい容姿の種族もいる為、アンチバリアが必要ない彼等が羨ましいとジロロは思った。それはそれとして喧しいと思った。
『ネズミー星人と楠莉』
ネズミー星人と話をし終えた楠莉。そんな彼女の元にジロロが凄まじい形相でやってくる。
「楠莉ィィーーーーッ!お、おおおお!お前!お前お前お前お前ーーーッ!」
「どうしたのだジロロそんなに慌てて」
「ネズミー星人と何を話していた!場合によってはペコポンは今日で終わりだぞ!?」
「変な事を言わないで欲しいのだ。ただ楠莉はネズミー星人と相撲トークしてたのだ」
「ああ、何だそうなのか…相撲トーク!?」
「おかしい事じゃないのだ。楠莉は公式設定で相撲好きって明言されてるのだ」
「公式設定って何だよ!?」
●アイテム紹介
『スケスケだぜお前の体分析銃』
別名:スコープアナライザー。ジロロからの愛称はスコウター。相手に透明なアトベ粒子なる謎ビームを射出(当たった相手には無害)、命中する事で相手の生態や戦闘能力など様々な情報がスケスケになる。開発者はジロロの知り合いであるカレー好きな黄色ケロン人。最初は相手の情報を知る事が大事…そうだろカバジ?ウス。
『エレメントハンドカノン』
大口径のエネルギー射出銃でありジロロが愛用している武装。ジロロはこの武器を二丁持ちでの戦闘スタイルを得意としている。また二丁のハンドカノンを合体させる事で大型アサルトライフルに変形が可能。
弾丸は光・炎・水・氷・風・雷・土(鉱石)と言った多種に切り替えが可能。常に最低限の戦闘が可能なようにエネルギーは光や風、熱から得る事ができる優れもの。
●キャラクター紹介
『ポヨンちゃん』
アンドロメダ恒星前派出所勤務の宇宙警察官。疑わしきはすべて検挙の横暴捜査がキャッチフレーズとなっている。こちらの作品ではケロロ軍曹はアニメ版を基軸にしており、後輩のポヤンちゃんが居る事から階級は巡査部長の設定となっている。
原作最新話では警視正になってるので凄まじいスピード出世である。
『ヴァイパー(3年目の彼氏)』
ヴァイパー一族の1人。彼女持ちであり、ブーケトスではカッコ良い所を見せたいが為に暴走してしまう。だが恋太郎の人間性に触れて改心する事となる。それにより恋太郎がヴァイパー一族に組み込まれてしまう珍事件が発生してしまう。許せねぇ…殺してやるぞケロン人…!を地で行く宇宙人。
何だか高評価や感想を沢山増えててビックリしました。気を鎮めろブロリー…!(ピロロピー)
それはそれとしてとても嬉しい…!100カノやケロロの小説も増えてくれないかな〜と期待しています…!