恋愛モンスターとカエル型宇宙人   作:ゴランド

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 今回は番外編として小話エピソード3話分をひとまとめにして投稿です。ちなみにですが地の文であるナレーターはCV藤原啓治の黒子さんをイメージしております。


閑話 番外編集

 

ジロロ お気に入りの宇宙食!

      であります!

 

 ここはお花の蜜大学附属高校…の屋上、ここでは物語の主人公であるジロロ特務兵を中心に物語が始まる…おや?どうやら楠莉ちゃんと静ちゃんがジロロ特務兵と何か話しているみたいですね。ちょっと覗いてみましょう。

 

「え、宇宙人の食事を食べてみたい?」

「そうなのだ!楠莉と静は宇宙の食べ物に憧れてるのだ!」

『"坊や"憧れは止められねぇんだ』

「そう言われてもなぁ」

 

 面倒くさそうにするジロロ特務兵。いやいや大人なんですから、ちょっとくらい子供のお願いを聞くのも良いんじゃないんですか?

 

「私からもお願いしますジロロさん。宇宙人のお食事に興味があるんです」

「羽香里まで…」

「今すぐ食べたいのだ食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたいのだ〜〜〜〜っ!」

「楠莉先輩落ち着いて。そんな猫型ロボットみたいに今すぐ食べ物を出せる訳じゃ…」

「んー、ちょっと待ってくれ。確かアレがあった筈…」

「猫型ロボットみたいに今すぐ食べ物を出そうとしている!?」

 

 ジロロ特務兵は持っていた巾着袋に手を突っ込みます。これはですね、彼専用の次元に繋がってて、好きな時に好きな物を出し入れできる超便利アイテムなのだ!…って、本当に猫型ロボットみたいじゃないですか。

 

「…あったあった!『ケロレーション・タイプG』」

「おお、何なのだコレ!」

「カップ麺…かな?」

「ケロン星で大量生産されている非常食で、水いらずの万能軽食料品だよ…まぁ、味は独特で食べると喉が渇いて来るのがネックだけども」

 

 カップの蓋を開け、中に入っていた非常食をポリポリ食べていく。まるでスナック菓子のような見た目に皆さん興味深々のようですね?ジロロ特務兵は皆さんに一個ずつ配ります。そしてそれを皆が食べると表情が一気に青ざめさせていきます。

 

((((((味が独特すぎる…!))))))

 

 そう、実はこのケロレーションって凄い不味いんですよね…。ケロン軍で支給されているのですが、その味からとても不人気なんです。

…って、おや?楠莉ちゃんだけ表情は明るいままみたいですね?

 

「結構美味いのだ!サクサクして楠莉大好きなのだ!」

「これ美味いの!?どこが!?」

「おそらく薬膳楠莉は幼少期から開発した薬を口にしているから不味い味に慣れている」

「あとお菓子が好きなのだ!」

『これは菓子ではない』

「そんなに好きならもう少しあげようか?」

 

 いやぁ驚きですね、ケロレーションをパクパク食べる楠莉ちゃん…ってジロロ特務兵がダンボール箱に詰まったレーションを渡した!?どれだけ持ってるんですか!?

 

「ジロロさん、なんでこんな不味い物を大量に…!?」

『オメェさんまさか"M"って訳じゃないだろうな?』

「いや、軍が余ってるのをただで譲ってくれると言うから…」

「在庫品押し付けられただけじゃねーか!」

「と言うかこんな不味いもの、いつ食べてるんですか…!」

「毎日。昼と晩食べ続けてる。ちなみに朝は恋太郎の家で朝食をいただいてる」

「毎日食べてるの!?」

「道理でジロロの昼食・夕食の描写が無いと思ったら…大丈夫なのかそれ?飽きないか?」

「味は独特だけど安定して栄養補給できるから無問題だよ」

「凪乃2号かお前は!」

 

 特務兵も結構アレなところがあるんですね…。そんな呆れられてる彼に羽々里さんが話しかけます。

 

「ちなみに他にどのような宇宙食があるの?」

「有名どころだと宇宙ラーメンや宇宙寿司、宇宙炒飯に宇宙フライドチキン。デザートでは宇宙チーズケーキや宇宙デコポン盛り合わせ、宇宙イカをまるまるプレスして鉄板焼きにした宇宙ジャイアントイカ煎餅なんてのもある」

「頭に宇宙って付けただけの食事!?」

「新鮮味が無いわね…」

 

 それは言ってはいけないお約束ですよ唐音ちゃん。

 

「他には無いんですか?具体的に恋太郎君とあーんできそうな物」

「妙に興味ありそうな態度で来るなと思ったら理由はそれか…お?確かこれは…」

 

 巾着袋から取り出すのはピザボックスに似た箱。それを見て皆さん一気に興味が湧いたような視線を向けますね。

 

「そう言えばあったな、宇宙お好み焼きFX!」

「「「「宇宙お好み焼きFX!?」」」」」

「そう!宇宙のソウルフードにしてお土産にも選ばれる人気の珍味!これは日本国の皆にも馴染みあるんじゃないか?」

「馴染みあると言うか聴き覚えがありすぎると言うか!」

「もう何でもありですね…」

「これってどうやって食べるのだ?」

「これは瞬間冷凍保存タイプだから、蓋を開けたら作り立てホヤホヤ。()()()()()()()()()()()()()()()()()

「おお!便利なのだ!くいてーのだ!」

『とても美味しそうじゃな』

「あー、ダメダメ。元々これは先輩達のお土産で買ってきたんだから見せるだけで食べちゃダメだ」

 

 おやおや静ちゃんと楠莉ちゃんはお好み焼きFXに夢中の様子…ってあれ?お好み焼きボックスに謎の動きが?それに気付いた凪乃ちゃんがそれを指摘します。

 

「……ジロロ、お好み焼きの容器に謎の動きが」

「え?」

 

 その瞬間、ボックス箱の隙間から白い触手が伸び、ジロロの顔面を殴り抜けるッッ!

 

「ジロロが何かに殴られた!?」

「容器が動いてる!?何これ気持ち悪っ!?」

「カニやイカみたいな手足がはみ出てるのですが!?」

『冒涜的なMonsterが出たぞーッ』

「これ本当に食べて大丈夫なのだ!?」

 

 箱からカニやイカのような足が突き出ている光景に皆は大慌てになる。これってどう言うことなんですかね?

 

「しまった!宇宙お好み焼きFXの封印が解けかかっている!」

「封印ってどう言う事なのジロロちゃん!?」

「中に何が入ってるのだ!?」

 

 そのまま「俺としたことが…」と呟きながら彼は言葉を紡ぐ。

 

「激動の日々で忘れていたッ!おそらく冷凍期限は今日この時まで!冷凍封印処置により抑え付けられていたお好み焼きの闘争本能が解放されつつあるんだ!このままだと俺達が逆に喰われてしまう!」

「俺達が喰われるの!?」

「これのどこが皆にも馴染みあるなのよ!?」

「え!?でもペコポンの日本と言う国ではお好み焼きには生きた鰹節を乗せて食べ、海洋生物を生きたまま捌いた後に肉を生のままで貪ると言う習慣があると…!」

色々と間違った認識をしている!?

 

 怒涛のツッコミを受けるジロロ。しかしそんな彼等を他所にボックス箱を破壊し『宇宙お好み焼きFX』がその姿を現す!そのままギョロギョロと単眼を動かし、1番近くに居た楠莉に向かって駆け出す。

 

「ぎゃーーーーッ!?おっかねぇのだ!!!」

 

 モンスターが這い寄る光景にパニックになり、持っていた沢山の薬品を投げまくります。ああ、貴重な薬が…って、試験管が割れた所が何やらジュウジュウ音を鳴らして煙上げてますけど!?

 

「お前何投げた!?」

「しまった!パニックになって沢山作った『皮膚を爛れ溶かす薬』を投げちまったのだ!」

「お前が1番おっかねぇよ!」

 

 唐音ちゃんがツッコミを入れている矢先、お好み焼きFXは標的を変更して羽香里ちゃんに飛び掛かる!ああーっと!触手を彼女の身体に絡み付かせています!これは素晴らしいセクシーショット!

 

「きゃああああ!私の体にお好み焼きFXが!」

「羽香里ーーーーッ!!!」

「いや、なんかサービスカットみたいになってる!?」

「大変です!この中で豊満ボディの私を狙ってお好み焼きさんが触手を動かして来てます!豊満ボディの私を狙って!」

私の方を見て豊満を連呼するなァ!!!

 

 怒りに震える唐音ちゃん…って、そんな事言ってる場合じゃないですよ!このままでは羽香里ちゃんはお好み焼きFXに食べられてしまいます!ああ、そんな事を言ってる内に奴はその鋭い牙を彼女に突き立て……る事は無く、そのまま解放しました。おや?どう言う事なのでしょう?

 

「羽香里!大丈夫か!?」

「大丈夫です…けど、一体どうして私を放してくれたのでしょう?」

 

 するとジロロはハッと何かに気付き、自分の考えを口にするでしょう。

 

「そう言う事か!奴はまだ冷凍処置から目覚めたて!故に()()()()()()()()()()を食べたら胃もたれしそうと判断され、見逃されたんだ!」

「え」

「つまり例えるなら羽香里は霜降り高級サーロインステーキ!素晴らしい脂質だ!」

「 」(ショックにより茫然)

「羽香里…ドンマイ!!!

 

 それはそれは良い笑顔で唐音ちゃんは言ったそうな。と言うかジロロ特務兵…女の子にそれを言っちゃダメでしょう。

今度の標的はフローラルの香り漂う羽々里さん。その髪の香りに誘われたのか彼女の顔面に張り付きます。

 

「うわあああああああああ!?私の所に来たああああああ!?」

「あ、羽々里殿の顔面にお好み焼きFXが!」

「羽々里さーーん!?」

「よし今だ羽々里殿!奴が顔に張り付いてる間に少しでも奴を食べて弱体化させるんです!」

「野蛮すぎる解決策!?」

 

 そんなピンチの主人を見捨てる筈もなく、屋上に続く扉を開けてやって来たのはメイドの銘戸さん。「羽々里様、今お助けします!」と声を上げながら何故か持っていたヘラでお好み焼きFXを弾き飛ばします。

 

「おお!流石はメイドなのだ!」

「助かりました!ありがとうございます銘戸さ……!?」

 

 その瞬間、全員は屋上に漂う香りに涎を流す。これぞ宇宙お好み焼きFXにかかっていた特製秘伝ソースによる食欲促進効果!皆は一気にお好み焼き食べたいと思う事だろう。

 

「…ハッ!?まずい、こんな香りを出されたら校内に弾き飛ばされたお好み焼きFXの存在が生徒達にバレてしまう!」

「それは不味いわ!今は放課後だけどまだ校内に残ってる子も居るはずよ!」

「皆、ここは手分けしてお好み焼きFXを探すんだ!」

 

 一刻も早く捕獲すべく、皆は校舎へ向かうだろう。

一方その頃、校舎の中庭にて潜伏中のお好み焼きFX。ヤツはある人物を標的にしていた。偶然にも一人佇む手頃そうな少女。幸いにもフードやヘッドホンを付けている事でこちらの存在には気付いてない。

 

冷凍状態から解凍されたお好み焼きは己が腹を満たす為に彼女へ近づく…ああ、何て事でしょう。こんな早くも犠牲者が!…って、あれ?何やらお好み焼きFXが怖がってる様子、一体どうしたのでしょう?

 

「何なんだよ今日は…!校内放送の故障で何回も『お好みの曲』をリピートしやがって…!()()()()()()()()()()()()()()…ッ!」

 

 その時、宇宙お好み焼きFXは思い出す。根源的な恐怖を、自身が被食者である本能を!その場から急いで去ろうとするが、時既に遅し。

フードを被った少女である『原賀胡桃』はギュルンッッと香ばしい粉物にギラギラ光眼光を向ける…怖!?女の子がしちゃ駄目な表情してますよ!?

 

「 お い し そ う 」

 

 刹那、宇宙お好み焼きFXの叫びが響いたと言う。

 

 

…………そして数分後。

 

「遅かった…!もう犠牲者が……!」

 

 悔やむ恋太郎。眼前には無惨にも飛び散ったソースとマヨネーズ…あと青のりその他諸々の残骸が。

 

「いや犠牲者って言うか返り討ちにされてるんだけどこれ!?」

「嘘だろ…!?宇宙お好み焼きFXとは言え、自力解凍により闘争本能MAXの危険度AAA(トリプルエー)状態なんだぞ!それをこうも撃破(完食)するなんて……ハッ!?」

 

 振り返るジロロ特務兵。彼が振り返った先には幸せそうな表情を浮かべる女子生徒の姿が…そしてそんな彼女の口元には見覚えのあるソースと宇宙カツオ節の残りカスが付いていた…いやぁ、宇宙にはまだ見ぬ沢山の食事がありますが地球(ペコポン)にはそんな食事をペロッと平らげちゃう子が居るんですねぇ。

 

 そして翌日、再び屋上にてジロロ特務兵が何かしているように見えますね?

 

「皆、昨日はすまなかった。なので今日は俺の宇宙手料理をご馳走しよう。まず用意するのはこちらの『宇宙ヒル』!朝採りたて新鮮のモノを使い、豪華に丸ごと茹でてヘルシーに仕上げていくぞ!」

「ジロロ、しばらくは宇宙食は出さないで欲しいのだ」

「せっかく地球(ペコポン)で群生してたのを捕まえて来たのに!?」

 

 後に宇宙お好み焼きFXを返り討ちにした少女こそ恋太郎の7人目の彼女となるのだが…それはまた別のお話。

 

 

 

夏美&育 スポ根頂上決戦

      であります!

 

 ここは奥東京市にある中学校の吉祥学園、そこに野球のユニフォームを来た子がやって来ました。おや、もしかして新キャラの予感…?

そんなこんなで吉祥学園の女子ソフトボール部の部室前、こちらでは日向家の長女である日向夏美ちゃんが部活動メンバーに囲まれています。

 

「ごめーん、いつも助っ人ありがとう!」

「大丈夫気にしないで…ところで、えーと…小雪ちゃん?」

「はい!夏美さん!一緒にソフトボールの練習頑張りましょう!」

「アハハハハ……」

 

 おやおや、どうやら夏美ちゃんの他にも小雪ちゃんがソフトボール部の練習に助っ人として参戦してるようですね。しかしどうしたのでしょう?夏美ちゃん何やら乗り気じゃ無い様子…?

 

(別にそう言う訳じゃないけど、小雪ちゃん張り切ってるから嫌な予感が…)

 

 成る程そう言う事でしたか。ちなみにですがこの東谷小雪ちゃんなのですが実は今を生きる忍者!確かにこれは一波乱ありそうですね。さてさて時間は少し飛んで本格的に練習がスタート。小雪ちゃんがノックを行ってるみたいです。ソフトボール部の子達がどんどん球を受け止め、次は夏美ちゃんの番。

 

「夏美さーん、行きますよーッ!」

「い、いいけど程々にね!」

「分かりました!程々(の勢いかつ思い切り)で行きます!」

「ちょっと待って!何か含みのある言い方なんだけど!?」

「忍法火の玉分身魔球ッ!」

 

 がきぃん!とバットとソフトボールの摩擦熱により着火!そしインパクトのタイミングで潰れるように変形した球は不規則な弾道を描く!これによりあたかも炎に包まれたボールが分身してるように見える!って、これあくまで練習ですよ忍法使っちゃいけませんって!

 

「きゃああっ!?」

 

 流石の夏美ちゃんコレに驚きボールを取り損ねる…そんなボールが向かってる先には野球ユニフォームを来た子が!

 

「危ない!」

「ッ!」

 

 するとその子は野球ミットを取り出すと真正面からキャッチ!凄まじい衝撃と飛び散る火花を全て受け止める!なんと小雪ちゃんのボールを受け止めちゃいました、これはびっくり!

 

「わ、私の渾身の魔球を!?」

「渾身って……いやそんな事よりも!大丈夫ですか!?」

 

 受け止めたのは良いものの、うずくまってる様子の人物へ駆け寄るかる夏美ちゃん。それに対しその人はと言うと……?

 

「キッツ♡」

「はい?」

 

 謎の反応に思わず目を点にしちゃっています。直後、彼女はスッと立ち上がり夏美ちゃんに向き直ります。

 

「さっきまでの練習見ていたけど素晴らしかったよ!僕は須藤育!よろしくね!」

 

 そんな彼女の挨拶にソフトボール部の面々は黄色い声を上げます。おお、凄い人気ですねぇ!

 

「きゃーっ!育さんよ!隣町からわざわざこっちまで練習を見に来てくれたお花の蜜大学附属高等学校女子野球部所属の須藤育さんよ!(説明口調)」

「彼女が所属する野球部メンバーは育さん以外は海外の強化合宿に行ってて今や彼女一人で野球部を回してるの!(説明口調その2)」

「己の鍛錬と他校の強化の為にこうやってボランティアで練習に付き合ってくれてる育先輩…素敵だわ!(説明口調その3)」

 

 夏美ちゃんはそれを聞いて関心している様子。こうやって助っ人として出ている彼女ですが、それ以上の事をしてるとは…いやぁ、凄いですね!

 

「それじゃ皆!これから100本ノックだ!覚悟してね!」

『はい!』

 

 こうして始まるノック練習…って、あれーッ!?なんで守備側に育ちゃんが居るんでしょうか?ノック練習は野球の守備技術を向上させるものであって、貴女は打球を放つ側の方が良いのでは…?

 

「ノッカーは全身の筋肉を鍛えるのに最適!それに狙った所へボールを撃つ練習にもなるからね!」

 

 それなら納得…と言いたいのですが育ちゃん?もしかして私情入ってませんかね?ちょっと顔を赤らめてハァハァ言ってますがこれ私情入ってませんよね?

 

「行きまーす!…えいッ!」

 

 部員の一人が打つノック打球に育ちゃんが思い切り飛び込んでキャッチ!おお、なんてダイナミック!続けて2球目、3球目…どんどん受け止めていきます!

続けて打者は小雪ちゃん!双方共にやる気は充分のようです。

 

「小雪…だったよね、思い切り良いよ!むしろ全力で来い!」

「そちらがそう言うのなら!」

「ま、待って小雪ちゃん!?」

 

 夏美ちゃんの静止を振り切り、小雪ちゃんはその場で跳躍し打球を居合斬りのフォームで放ちます。

 

「小雪忍法!氷嵐燕返し(ひょうらんつばめがえし)ッ!

 

 おお!冷気に包まれた打球が氷柱のように一直線にグランドを駆ける…って、だからこれ練習なんですって!忍術使ってまでやる必要はないんですよ小雪ちゃん!?

 

「う、おおおおおおおおお!」

 

 なんと対する育ちゃんは飛び込むようにそれを両手で掴みキャッチ!ただそれにより身体が冷気の影響を受けて両手が霜焼けになってしまってます!育ちゃんはそんな自分の両手を見てショックを受けたのか、ポツリと呟きます。

 

「…キッツ♡」

 

 育ちゃん?やっぱり貴女悦んでませんか?こんな状態になってもボールを取られた事に驚愕を隠せない小雪ちゃん。

 

「くっ、不覚。まだまだ修行が足りません…!」

「小雪ちゃん!」

「夏美さん…どうか私の仇を取ってください」

「いや仇って大袈裟な…」

 

 さていよいよ回って来ました夏美ちゃんの番。夏美ちゃんは吉祥学園を誇る万能超人!スポーツ優秀の人気者!そんな噂は隣町の梳杉町にも届いており、彼女の潜在的な才能に育ちゃんはワクワクしてるのか笑みを浮かべます。

 

「………ゴキュッッ♡」(唾を飲む音)

「育さん?」

「さぁ夏美!思いっきり来い!もうそれは凄い打球を放つんだ!もう僕の全身の骨を折るくらいに!さぁ!♡さぁ!♡♡♡」

 

 ヒェッと引き気味の夏美ちゃん。彼女の語尾にハートマークが見える幻覚に悩まされ、体調不良の為に休むべきか?と考えていると生徒の一人が声を上げる。

 

「見て!サブロー先輩よ!」

「サ、サブロー先輩ッ!?」

 

 振り返った先、そこには吉祥学園に所属する夏美ちゃんより一個上の生徒であるサブロー。実は夏美ちゃんが密かに想いを寄せてる相手なんですねぇ…そんな彼の姿を見た夏美ちゃんの脳裏に駆け巡る映像!

 

──夏美ちゃんの活躍、期待してるよ⭐︎(幻聴)

 

「うおおおおおおお!任せてちょうだい!私の力見せてあげるわ!!!」

 

 おおっと、何も言われてないのにこのテンション。流石は恋する乙女!それに釣られて育ちゃんも気合を込め直す!これは目が離せません!

 

「一球入魂ッッ!!!」

「うおおおおおーーーーッ!!!」

 

 夏美ちゃんが真っ直ぐ放った打球を捕らえる!しかしそのホームラン級の威力を持つボールは育ちゃんを大きく吹き飛ばす!だがそれでもボールを離さない!これぞ正しく熱血と根性が成せる技!

 

「キッツゥ〜〜〜〜〜ッ!♡」

 

………ついでに邪心も少々添えての技でした。

そんなこんなでボールを受け止めた育ちゃん、そんな彼女はフラフラとよろめきながら夏美ちゃんの元へ歩み寄っていきます。

 

「ハァ…ハァ…♡ ナイスボールだったよ♡」

「あ、はい」

「君はとっても筋が良いよ!これからも()()()()()()()()()()()()()()

 

 これまでケロロ小隊を筆頭に数多くの宇宙人と出会って来た夏美ちゃん、しかし本能的なアラートが目の前の人物を色々と危険と告げている。

 

「え、ええっと……(断る方向で)考えさせていただきます」

「(肯定的な意味で)考えてくれるんだねありがとう!」

「あれ!?なんかすれ違い起きてる!?」

 

 するとバットを取り出した育ちゃんは夏美ちゃんに向けて告げる…って、そのバットどこから出したんですか!?

 

「じゃあ次はこのバットで僕の尻を叩くんだ!

「何なのこの人!?もういや〜〜〜〜〜ッ!」

 

 こうして波乱の人物登場により夏美ちゃんはしばらくの間、逃げ続ける事となるのでした。まさか宇宙人以上に濃い地球人が出るなんて思いもよらなかったでしょう………おや?あんな所に赤い宇宙人が…?

 

夏美と一緒に汗を流すだとつまりそれは夏美と共にグランドを10周して腕立て腹筋スクワットトレーニングを行い、軍事演習を共に行い夏美と距離を縮めようと言うのかいや待て待て落ち着けそれは考えすぎだ単純に運動して汗を流すと言う意味だろう深い意味など…待てよ?深い意味と言うのは一体何なんだ?まさかシャ、シャ…シャワーを共にすると言うのか…ッ!?いや、あの女まさかその機に乗じて夏美と共に風呂に入ると言う魂胆ではないだろうなふざけるな俺はそんな破廉恥なのは認めない軍人として一人のケロン人として夏美に指一本触れさせる事はこの俺が許さん絶対に許さんぞォ!

 

 ドクドクと鼻血を流しながら何やら妄想に耽るギロロ伍長…どうやら夏美ちゃん周りには様子のおかしな人が結構居るようですね。ちゃんちゃん。

 

 

 

梅雄&桜華&羽々里 愛に飢えた者達

      であります!

 

「前に言ってた西澤グループの桃華…ってどんな子なのかしら?」

 

 校舎の屋上(いつものところ)でふと唐音ちゃんが呟きます。名前は聞いた事のある西澤グループですが詳しい事は分からない…分かるとすれば花園家に泊まりに行った時に出て来た『桃華』と言う名前のみ。

そんな唐音ちゃんに羽香里ちゃんが説明をします。

 

「西澤桃華ちゃんは西澤グループ総帥の梅雄さんと格闘家チャンピオンの桜華さんの一人娘なんですよ。実質的に次期総帥となる女の子ですね」

「確かまだ中学一年生だったと思うけど、色々と大変そうね…」

「こうして見ると字面が凄いわね。予想以上のビッグネーム」

 

 そう、地球経済の50%を支配する西澤グループの桃華ちゃん。しかしまだ皆はいまいちピンと来ないようですね。

 

「うーん、西澤グループってそんなに凄いのだ?羽々里のお家が広くて理事長にもなってるから凄さの度合いが分からないのだ」

『尺度ってのは人によって変わるものなんだぜボーイ』

 

 そんな楠莉ちゃんと静ちゃんに説明する形で凪乃ちゃんが言葉を口にします。

 

「西澤グループは海外企業にも手を伸ばしている。例えば薬膳楠莉が入りたがっていた研究チームのスポンサーが西澤グループ」

「マジなのだ!?」

「また、ここ一帯の書籍関係の出版も西澤グループが関与している」

『やるじゃねぇか!"西澤"グループさんよぉ』

「詳しいな凪乃!」

「そしてそんな経済への影響力が凄まじいグループの一人娘を着せ替え人形にしてた人が居るんだよね、怖くない?」

 

 チラッとジロロが羽々里さんの方に視線を向けるでしょう。それに気付いたのか彼女はハッとなります。

 

「まさか…やきもち!?」

「絶対違うでしょ」

「うん違うね。やきもちじゃないね」

「分かってるわ、ジロちゃんに唐音ちゃん。二人ともママに甘えていいのよ…!」

 

 ジロロ&唐音を優しくガッチリホールド!胸をぎゅぅ…っ!押し付けるように抱きしめております!ああ、なんて羨ましい…!

 

「私に対しての当てつけかッ!くぅ…なんて心地良い…!」

「いだだだだだだ!?痛い!唐音!当たって痛いんだけども!」

誰の何が硬くて痛いって言うのよ!

「唐音の!肩峰の骨が!当たって!痛い!」

「あ、ごめん」

 

 唐音と羽々里に解放されるも痛みと女性二人によりプレスによりフラフラのジロロ特務兵。そんな彼を尻目に「そう言えば…」と羽々里さんが言います

 

「桃華ちゃんの着せ替え写真を巡って二人(桃華ちゃんの両親)が大喧嘩したことがあったわね」

「何やってんのよアンタ!」

「実質的な地球のトップが大喧嘩を!?」

『諸悪の根源!』

「裏から争わせる黒幕」

「落ち着いて皆!内容はそんな大した事じゃないのよ?そう、あれは……」

 

 おっとここから羽々里さんの回想シーンに入ります。解説及び地の文担当はこの私ナレーターが引き続き務めさせていただきます。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

時は大きく巻き戻りまだ恋太郎君とジロロ特務兵が出会う前のお話。ここ奥東京市の西澤邸にあるシークレットエリア。そこでは西澤グループ総帥の西澤梅雄さんと執事のポール森山、そして我らが麗しい羽々里さんが居ました。なにやら神妙な面持ちで大型モニターを眺めております。

 

「現在、羽々里様からいただいた画像データを超高画質のものに修正しているところです」

「ええい、まだか…!我が最新鋭の技術を持ってしてもここまで時間が掛かると言うのか!」

「落ち着いてください旦那様。ここで焦っても仕方ない事…その時が来るまで待つしかありません」

 

 何やら苛立っている様子の西澤総帥。すると部下の一人が「出力完了!画像出します」と告げ、モニターにある一枚の写真を映し出す事でしょう。それは可愛らしいパジャマで身を包んだ桃華ちゃんの姿が。おお、これは実にプリチーな一枚!

 

「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」

「旦那様、羽々里様!お気を確かに!」

「羽々里様!」

 

 突然声を上げる二人にそれぞれ執事とメイドの芽衣さんが駆け寄ります。

 

「済まないなポール…あまりの衝撃に吹き飛ばされてしまうとは…私もまだまだだな……だがしかし、こんな素晴らしい画像を前にすれば仕方ない事だ!」

 

 その場でグワーッと立ち上がり誇らしく言葉を紡ぐ梅雄さん。いやぁ、まさしくこれが親バカと言うやつなんですかね?ちなみに羽々里さんは自身から流れ落ちる涎の洪水に溺れかけています。

 

「なんと愛らしい…!国宝…いや、人類史が生み出した世界遺産だ!早速この画像を現像し額縁を飾るとしよう、ポール!」

「ハッ、直ちに3億円の額縁を用意致します」

「ポール…流石に写真にその金額はどうかと思うぞ?」

 

 おおっと、流石の総帥。そこは冷静なのかポールさん相手に次のように告げるでしょう。3億円は流石に高すぎるでしょうね……。

 

「最低でも300億!これくらいは費やしてもらおうか!」

 

 300億!?一気に100倍も跳ね上がりましたよ!?娘の写真の為にそこまでお金を掛けるとは流石としか言いようがありません。

 

「これは失礼致しました。それではすぐに親衛隊を総動員s「俺の居ぬ間に内緒話とはな」っ!?」

 

 振り返った先、そこには梅雄さんの奥様である西澤桜華さんが居ました。武者修行の為に世界各地を渡り歩く格闘家チャンピオンの彼女ですが何故こんな所にいるのでしょうか…!?

 

「桜華か!」

「梅雄…桃華の写真を独り占めという魂胆か?お前らしいやり方だな」

「故にお前にこの宝を譲れとでも?冗談ではない!欲しいのならばそれに見合う貴様の秘蔵写真を私に授けてみせろ!」

「トレードと言いたいか…ならばそれが貴様に相応しいかそれを証明して貰おうか!」

 

 つまり奥さんも桃華ちゃんの写真が欲しかったんですね。夫婦が向き合い、互いに距離を詰めて拳がぶつかる……その直前に何者かが割って入ります。

 

「お二人共そこまで!」

 

 なんと乱入した者の正体は先程まで桃華ちゃんの可愛さにやられていた羽々里さんでした!

 

「羽々里か…私達の間に割って入るとは良い度胸だ」

「これは夫婦水入らずの揉め事、部外者は出ていって貰おうか」

「いいえ、これは桃華ちゃんを中心に回る出来事……ならば母親代わりでもある私は部外者と言う括りには入らないわ」

「母親はこの俺一人だぞ」

「なら今日から私はセカンド母親になるわ」

「か、勝手にそんな概念を作らないくださいッ!(裏人格)」

 

 あまりの素っ頓狂な発言に思わず裏の方の桜華さんが出て来てしまいます。母は強しと言いますが羽々里さんもそうなんですね!

 

「どうしても我々と止めようと言うのか?関係ないお前が」

「関係がない?それは違いますわ、子を愛する気持ちに嘘も偽りもない。私は自分の子供のように桃華ちゃんを愛している…故に関係無いとは言わせないわ」

 

 梅雄さんの言葉に対して真っ向から言い返します。そんな彼女に「フッ」と総帥は笑みを浮かべる事でしょう。

 

「それでこそ羽々里…我々が見込んだ女だ」

「そこまで言うのならば貴様の力、見させて貰おう」

 

 パチンと梅雄が指輪鳴らすと床がせり上がり、特殊なフィールドが展開されます…って何なんですかこれは!?

 

「これは…西澤グループと本気グループ共同開発のソリッドビジョンフィールド!?まさか完成していたの!?」

「さぁデッキの準備をしろ桜華、羽々里!」

「言われなくても俺は既にできている」

「苦戦必須ね…銘戸。デッキをここに」

「はい羽々里様」

 

 え、デッキ!?なんなんですかそれ…ってアレ!?まさかこれ全部桃華ちゃんの写真ですか!?

 

「今回の勝負、私は勝ちに行く」

「フン。勝利宣言とは強く出たな、せいぜい負け犬の姿を見せてくれるなよ」

「羽香里…私に力を貸してちょうだい」

「さぁ行くぞ!ポール、決闘開始の宣言をしろ!」

「かしこまりました…それでは!決闘 開始ィィィイイイ!

 

 こうして変則的ですが羽々里さんを巻き込んででの夫婦喧嘩が始まったのでした…。ちなみに羽々里さん達は知りませんでしたがその光景を後ろの方で見ていた人が居たんですね。ほら、ここ!ここですよ!

 

「うわぁ…良い歳した大人が何をやってんですか…」

 

 ケロロ小隊所属のタママ二等兵。こう言う大人にはなりたくないと思いながらその場を後にするのであった。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「と、まぁそんな感じで最終的には私が放った秘蔵の幼少期桃華ちゃんクマちゃんパジャマ写真で私を巻き込んでのダイレクトアタックで全員引き分けに終わったのよ〜」

「うん、何1つ頭に入って来ない……」

「ごめんなさい桃華ちゃん。うちの母親が本当にごめんなさい…ッ!」

 

 スケールが大きいんだか小さいんだかよく分からない回想に皆さん困惑の様子。そんな中、復活したジロロ特務兵が質問を投げかけます。

 

「ちなみになんだが、そのソリッドビジョンフィールドの製作費用はどれくらいの掛かったんだ?」

「質問内容それで良いのか!?ジロロ!?」

「これ以上深掘りしたら頭おかしくなりそうだから…で、実際いくらくらいなんだ?」

 

 そんな彼の質問に羽々里さんが機嫌良く答えてくれます。

 

「そんな大した事無いわよ。せいぜい、大きなプライベートジェットを5機買える程度よ」

「うん…うん?それって…幾らくらいになるんだ?」

「ちょっと俺にも分からないな」

「金持ちの物差しで言われてもピンと来ないわね」

「グミ何個分買えるのだそれ?」

『何故"菓子"に換算するんだい?』

 

 首を傾げる皆に凪乃ちゃんが解説します。やっぱりこう言う時に説明してくれる人って素敵ですねぇ…。

 

「大型のプライベートジェット機の価格は安いもので大体100億は掛かる。そして先程の発言から設備には500億円以上を費やしたと考えられる」

「まぁ、お母様ったら500億ですよ!」

「あら〜、流石は西澤グループね。それくらいポンと出しちゃうなんて流石だわ」

(((((西澤グループ……やばい)))))

 

 お金持ちの金銭感覚。それは庶民派の恋太郎達に衝撃を与えるのに十分であったと言う。

 

 

 





●キャラ紹介
『原賀胡桃』
恋太郎の7人目の彼女。今回の番外編で一足先に登場した恋太郎ファミリーの腹ペコ系担当。危険性の高い宇宙お好み焼きFXを返り討ちにし捕食する。普段は空腹によりイライラしているが食事中はとても愛らしい顔つきになる。

『須藤育』
恋太郎の9人目の彼女。上記と同様今回フライング登場。恋太郎ファミリーのドM担当。野球に対して熱血!根性!なスポーツウーマンだが生粋のマゾである。


次回はいよいよあの小隊達が登場するかも…?
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