リストラシリーズ第11弾!
夜天の書の管制人格ことリインフォースが今回のヒロインです
前作に比べると、レベルが落ちたかも知れません(汗)
では、始まります
◇◆◇
俺は局員をクビになった。
リストラってやつだ
地上本部がぼろぼろで、予算も少なくなり、使えない非戦闘員を経費削減の為にリストラしてるのだ
当然、非戦闘員の俺もその中に入っていた
魔法が碌に使えない俺は、これ以上ミッドにいるのはが惨めになって来たので、退職金を全て使って、地球に帰ってきたのだ
小さいころ住んでいた俺の家は、両親が今も管理していた為、まだ綺麗な状態だった
・・・両親曰く、ここは別荘らしいが。どう見ても普通の一般住宅だよな・・・
今はもう、俺の物だけど・・・成人祝いでくれたけど・・・普通家をプレゼントするか?
まあいいや・・・あの親の金銭感覚がおかしいんだ・・・俺には関係ない
さて、引越しの整理も終わったことだし、花屋に行くか。
アイツの命日にずっと行ってやれなかったしな。
◇◆◇
俺は今、十年前の思い出の地に来ていた。最初で最後の恋をした思い出の地に・・・
砕けぬ闇を巡った事件が終わった後、彼女と別れた
もう二度と会う事が無い。永遠の別れを
「ったく、二度と来る気は無かったんだがな。あの世で元気にやってるか?リインフォース」
此処は彼女が消えた場所。長い旅に出た場所
高町なのは達に見送られて逝ってしまった場所
「砕け得ぬ闇事件で初めて俺達は出会ったんだっけな。懐かしいな・・・。だってお前、道に迷ってアタフタしてたし」
目に浮ぶのは、アイツの様々な顔
笑った顔、困った顔、泣いてる顔、怒った顔
俺はそんな彼女が大好きだった
「正直言うとな、もう疲れたんだ。生きていくことにさ」
彼女を失って、十年
周りの景色は灰色だった
何も感じない。そんな日々
アイツは、私の事は忘れてくださいとか言いやがったが、忘れられる訳無いだろうが
一年・・・たった一年の付き合いだったけど、俺達は好き合っていた
彼女を失ってしまった俺の喪失感は計り知れなかった
だから、リストラされてこの世界に戻ってきた時に決めたことがある
「今、そっちに行くよ。リインフォース」
彼女のいない世界にこれ以上いるのは嫌だ
だから、彼女が死んだこの場所を死に場所に選んだ
俺は懐からナイフを取り出し、逆手に持って心臓を狙い、刺そうとした
だが刺さる瞬間、刃先は誰かに腕を掴まれて止められてしまった
「やれやれ、勝手に死なれては困るな。あいにく、そっちに私はいないぞ」
俺の手を掴んでいたのは
あの日
俺の目の前で
死んだはずの
リインフォースだった
◇◆◇
私がこうして復活出来たのは、本当に奇跡だ
主はやての友人である高町なのは、フェイト・テスタロッサの二名の手により私は確かに消滅した
だが、砕け得ぬ闇であるユーリが私の人格を保険として確保してくれていた
彼女はマテリアルたちと遥か未来から来た二名(歴史修正の為に記憶を消されたので、名前も顔も覚えていないが)
修復に十年と言う月日が経ってしまったが、何とか復活することが出来た
本当に彼女には感謝している
そして、私は時間を超え、再びこの地に来た
だが、私は主はやてや守護騎士達、そのご友人達に再会する前にやらねばならぬことがあった
たった1年の付き合いだったが、私が唯一愛した男に会わねばならない
そして見つけた。あの別れの地で
しかし彼の様子がおかしかった。彼から生気を感じられなかった。
まるで、死人のような・・・
すると彼は独り言を喋り始めた。恐らく、私に話しかけているのだろう
彼の言葉を聞いて、私はショックだった
私が消えたことで、彼をそこまで傷つけてしまったと言う事実に
私は消える直前、彼に「私の事は忘れえて、新しい恋をしてください」と言った
ああ・・・私は何て愚かなのだろうか。彼が私を忘れられる筈が無かった
現に私もこの十年、彼のことしか考えられなかったんだ
彼は懐からナイフを取り出し、それを自分に向け・・・っ!?拙い!
私はすぐに飛び出して彼の手を掴んでナイフを止めた
「やれやれ、勝手に死なれては困るな。あいにく、そっちに私はいないぞ」
すまない。だが、私は君を失いたくないんだ。
もし、許されるなら
私は・・・
◇◆◇
彼女と出会ったのは10年前の正月
地球に帰還して、正月を迎えていた時に出会った
いつものタイヤキ屋に向かっていたら、道のど真ん中でうろうろして困っている銀髪の女性を見つけた
親の影響で、困ってる人を見捨てられなかった俺は、彼女に声を掛けた
「どうしたんですか?」
「えと・・・その・・・み、道に迷ってしまったのだ」
それが、彼女とのファーストコンタクトだった
◇◆◇
闇の書事件が終わり、残された命を少しでも長く一緒に居たいと主にせがまれてこの世に残って数日。
私はその日、主はやてにお使いを頼まれて外出していた。
お使い程度なら問題無いと油断していたのが間違いだった。
まさか迷子になるとは思わなかった
その時、彼に出会った。まだ幼さが残る彼に
迷子になったことを告げるのはやはり恥ずかしく少しどもってしまったがな
◇◆◇
彼女は地元の人間だけど、詳しくなさそうだったので、場所を聞いたら案内してやった
年上っぽいので、綺麗とか似合う人だとは思っていたけど、あわててる姿は非常に可愛らしかった。
というか、彼女の顔を見ていたら顔が熱くなってきた。どうやらコレが俺の初恋らしい
道を案内してる最中、簡単におしゃべりをしていたら、話している内に気があって、気が付いたら名前を呼び合っていた
案内が終わり帰ろうとしたとき、リインフォースに止められた
「後日、改めてお礼がしたい」
必要無いとはいったけど、是非と言われたので、連絡先を教えた
数日後、デートのお誘いが来るとも知らずに
◇◆◇
この街に詳しくなかった私は彼に案内してもらい、何とか目的の店にたどり着いた
この道中、彼と話している内に気が合い、名前を許しあう仲になっていた
コレが友達という奴なのだろうか?高町なのはも、名前を呼び合って初めて友達になれると言っていたが・・・
彼女の場合、OHANASHI(武力介入)で友達になってる気がするのだがな(汗)
案内後、此処まで世話をしてくれた彼にお礼がしたくなったので、彼のそう伝えた
最初は拒否されたが、是非にと言うと了承してくれた。そのときに彼の連絡先を聞いた
その夜、主はやてにこの事を伝えると
「リインに男が出来た!?お赤飯を炊かんと!」
「リイン!相手は誰なんだ!」
「年齢は!?イケメンなの!?」
「別に良いんじゃねーの?リインに彼氏が出来たってさー」
「いや、道案内のお礼がしたいだけじゃないのか?」
ザフィーラ、正解だ。ヴィータよ、冷静なのは良いが、間違ってるぞ。主達、少しは落ち着いてください。
「なら、デートに誘うしかないで!」
何でそんな結論になるのですか!?
結局私は後日、彼をデートに誘うのだった
◇◆◇
そしてそのお礼のデート以降(デート内容は秘密だ!俺達の大切な日だしな!)、時間の都合が合った日があれば一緒にまたデートに行く仲になっていた
そして半年後、俺は彼女に告白した
だが、彼女はそれを断った
「私は一年と生きられません。貴方の気持ちはうれしいです。でも、もし受けてしまえば、貴方を傷つけてしまいます」
俺はショックだった
彼女が後半年の命であることに
でも・・・俺は諦めたくなかった
例え、半年後に死んでしまうとしても、最後まで彼女を愛したい
そう言った
「良いのですか?私なんかで?」
「良いんだよ。俺はアンタが好きだ!どうしようもなく好きだ!まだ10歳のガキだけど、俺はアンタを愛してるんだ!」
そして俺は彼女の口を無理やり奪った
◇◆◇
まったく、ファーストキスは本当に強引だったな
だが、うれしかったぞ?
結局半年が経過して、私は消えた
見送りは彼にも参加してもらい、皆が見守る中、私は消えた
その時の最後の言葉、本当に言わなければ良かったと後悔している
十年が経ち、青年へと成長したお前を見て、私は一目でお前だと判った。
私も本気で彼を愛しているのだ
だからこそ、お前を死なせたりなんかしない!
◇◆◇
「リイン、フォース?」
「ああ。十年ぶりだな。驚いたぞ、自殺しようとしていたのだからな」
「あ・・・」
「そして今更だが、あの時の最後の言葉を撤回させて貰う。やはり私の事は忘れないでも欲しい。私だけをずっと愛して欲しい。私以外を好きにならないで欲しい。愛さないでもしい」
「生きて・・・生きてるんだよな、リイン?」
俺は彼女の顔を触り、人のぬくもりを感じた
ああ、この感触は本物だ
本当に彼女は目の前にいるんだ
「話したい事は沢山ある。どうして生き返ったのかも聞きたい。けど、その前にどうしても聞きたい事があるんだ」
「何だ?」
十年前、幼かった俺がいえなかった言葉を
十年経ち、成人する俺が今なら言える言葉を
「リイン、ずっと俺と一緒に生きて欲しい。俺の生涯が終わるその日まで、ずっと」
リインはそれを聞くと、目に涙を浮ばせ、口に手を当てた
「勿論だ。私は何が有ろうと、生涯ずっと、君の傍に居る。もう二度と、離れたりしないぞ」
返事を聞いた俺は嬉さの余り、彼女を強く抱きしめ、キスをした
リインもそれを受け入れ、しばらくの間、深いキスし続けた
◇◆◇
後日、俺はリインと出来るだけ長く一緒に暮らせるように、喫茶店を開いた
コレは高町の親御さんの意見を採用して経営することに決めた
そしてリインは
「そろそろ生まれそうだな」
「だな。しかし、お前が人間になってるとは思わなかったぞ?」
「そうだな。コレもユーリのお陰だろう」
どうやら、彼女を修復させたユーリがリインに何か細工を施し、体を人間と同じ構造にしたようだった
なので、寿命も俺と同じらしい
「そういえば、主はやてが後で来るそうだ」
「マジで?あの子狸が?」
リインと再会後、クロノ経由で八神家にリインのことを伝えた
そしたら翌日には八神家全員が家に急行してきた。お前等仕事はどうした?
八神家全員は十年前に俺達が付き合っていたことは知っていたし、許していたので、俺達の結婚も当然許してくれた
リインが妊婦になった時は、子狸は俺以上に大慌てだったそうだ
「アインが妊娠!?ウチ、おばあちゃんになってまうの!?」
オイ、リインはお前の家族だが、娘ではないだろう
「リインはおばさんになってしまうのですか!?」
ツヴァイもいい意味で混乱していたな。
名前がややこしくなるので、俺はリインはリイン。他の連中はアインと呼んでいる。妹はツヴァイだがな
「さてと、そろそろ仕込みに行くかな。もし生まれそうになったらすぐに呼んでくれ」
「ああ、わかった。そっちも無理するなよ?」
「勿論だ」
俺の人生はようやく灰色からカラフルに変わった
これからの人生、彼女が居ないと駄目なようだ
もう二度と、俺は彼女を手放したりするものか
勿論これから生まれてくる子供もそうだ
この幸せが二度と失われないように、俺は頑張って生きていこう
fin