リストラシリーズ   作:ゼルガー

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◇◆◇

リストラシリーズ第14弾

今回はティアナがヒロインです

・・・あれ?ツンデレは何処にいった?

はい、このティアナはデレ100%で出来てます。

私は、ツンデレはアリサまでとって置くって決めたんだ・・・

◇◆◇







リストラされた俺は、彼女の主夫になった

彼女と出会ったのは、彼女の兄に紹介されたからだ

 

彼女の兄であるティーダ・ランスターとは同じ部隊の仲で、クロノと三人でよく馬鹿やっていた

 

あいつ等だけだったよな、俺を俺として見てくれたのは

 

ティーダは執務官を目指していたらしく、クロノによく勉強を見てもらっていた。

 

だがアイツは、本当に執務官になるべきか悩んでいた。

 

ティーダの両親は自分と妹を残して殉職したらしく、執務官になったら忙しくてまだ幼い彼女に構ってやれないんじゃないかって

 

おなじ執務官のクロノも、本局勤めになってしまうと、長い航海で帰って来れない日々が多いと言っていた。

 

だから俺達は、妹さんがもう少し大きくなるまで傍にいたらどうだ?と言ってやった

 

ティーダもそれで納得し、しばらくは地上に勤めて妹を育てると張り切っていた

 

そんなある日、俺達はティーダの家に招待された。なんでも妹を紹介したいからだそうだ

 

俺達は休暇を取り、ティーダの家に遊びに向かい、彼女に出会った

 

ティーダと同じ髪の色のツインテールの少女。

 

純粋無垢で、人懐っこい子ですぐに仲良くなった。

 

このままずっと楽しい日々が続くと思っていた

 

 

 

あの事件が起こるまでは

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

管理局をリストラされて居場所を失った俺は、死んだ親友の墓に来ていた

 

 

「よ、一年ぶりだな。」

 

 

アイツが死んでもう8年か・・・

 

お前が殉職したと聞いたとき、俺とクロノは耳を疑った。お前の実力は誰よりも知っていたからだ

 

そして、すぐ流れたニュースで俺達は完全にキレた。アイツの上司だった局員は死んだティーダを罵倒した。

 

で、クロノが調べた結果、ティーダは人質を救う為に隠密で潜入していたことがわかった

 

それも罵倒した上司の命令で

 

そして、ティーダが潜入中、上司は人質が解放されてないにも関わらず強行作戦を取った

 

案の定、犯人は人質に質量兵器である銃を突き付けて・・・

 

ティーダが身代わりになって人質を庇い、撃たれた

 

 

真相を知ったクロノは上司を告訴。ソイツは裁判に掛けられ、退職させられた。

 

その件には地上のレジアス中将も手助けしてくれた。彼もあの罵倒は許せなかったのだろう。

 

それ以降、海と陸の仲は悪いのは変わりないが、クロノとレジアス中将は偶に飲みに良く仲になっていた。主に愚痴を言いあう仲として

 

 

しかし一番傷ついたのは、まだ幼かったティアナちゃんだ

 

葬式の時、彼女の悲しむ顔は正直堪えた。お墓の前で、「兄さん!兄さん!」と泣き叫ぶ彼女を俺は黙って見てるしかなかった

 

親戚も無く、両親も居なかった彼女には身寄りが無かった

 

だから、俺が彼女を引き取った。保護児童として

 

事務員の俺は戦場に出ることは無い。なので、前々からティーダに「俺に何か有ったらティアナを頼む」と言われていた

 

彼女が俺の家に来て数年。ティアナちゃんは突然家を出るといい始めた

 

何故と問うと、兄の遺志を受け継いで執務官になりたいといわれた

 

確かに、執務官はアイツの夢だ。だが、それは・・・いや、俺が口を出すことじゃない

 

だから俺は止めなかった。止める権利が無いから

 

その日すぐ、彼女は訓練校に入校した

 

その日以降、彼女が俺に連絡をすることは一切なかった

 

数年後、クロノの話では「機動六課」に引き抜かれるほどの実力者になったと言われた

 

俺達にとって彼女は妹同然だからな。素直に喜んだ

 

そして起こったJS事件。彼女も前線に立って、事件を解決したと聞いた

 

 

 

「ティアナちゃんはもう立派になった。このまま行けば、お前の夢を継げるだろ」

 

 

あの子はもう立派な局員だ。誰が見てもな

 

お前も安心できるだろ?

 

だからもう

 

 

「俺はもう、ミッドには戻らない。役目が終わったしな」

 

 

リストラされ、彼女を見守るという役目もお終いだ

 

そもそも、彼女は俺のことはもう眼中に無いのだろう

 

 

「お別れだ。俺は地球で生きることにする」

 

 

そういって俺は墓から去ろうとした

 

 

「一体、何処に行くんですか?」

 

 

聞き覚えのある声が俺を呼び止めた

 

 

「ティア・・・・・・ナちゃん?」

 

 

アレから成長した姿の少女がそこに居た

 

 

◇◆◇

 

 

 

兄さんが亡くなってから、私を引き取って育ててくれたのは、兄さんの大親友だった

 

初めて会った時はやさしそうなお兄さん達

 

彼は私にとってもう一人の兄。そして初恋の人だった

 

 

 

 

JS事件を解決して通常勤務に戻った私は、彼が無事なのか急に不安になった

 

彼の家から出て、一度も連絡を取り合っていない。それは私のケジメでもあった

 

兄さんの夢を叶えて、初めて彼に向き合えると思っていたから

 

でもそれは間違いだったとすぐに気付くことになった

 

彼の自宅に連絡しても、「おかけになった電話番号は現在使われておりません」としか返ってこなかった

 

おかしいと思った私は、兄さんと彼の親友であるクロノさんに連絡をした(後日知ったけど、フェイト隊長のお兄さんだったのよね。世間って狭いわ)

 

 

「やはり伝えてなかったか」

 

「どういうことですか?」

 

「あの馬鹿・・・。アイツは地上の上司によって、管理局をリストラにされたみたいなんだ」

 

「え?」

 

 

 

その言葉を聞いて私はショックを隠せなかった

 

じゃ、じゃああの人は、もう・・・いない?

 

 

「だが、まだ間に合う」

 

 

間に合う?本当に?

 

 

「今日はティーダの命日だ。あの馬鹿がそれを忘れるなんてありえない。なら、わかるね?」

 

 

そうだ。兄さんの彼、クロノさんは無二の親友

 

毎年のようにお墓に花を添えてるのは彼じゃないか

 

 

 

「ありがとうございますクロノさん!」

 

「礼はいいさ。あの馬鹿を頼むよ」

 

「はいっ!」

 

 

 

私は頭を下げて、すぐに彼の居る兄さんの墓に向かった

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

やれやれ、あの馬鹿もティアナもどっちも不器用だな

 

お互いにお互いのことを想っているのに、すれ違ってばっかりで

 

僕が気が付かないと思っていたのかい?

 

ティーダが死んで、無力を嘆いた当時のアイツは見てられなかった

 

そんな時、ティアナを引き取ったのは罪悪感からきた物だろう

 

ティアナが訓練校に入って、僕に様子を見てもらうように依頼したときの君の顔、妹を見守る兄というより、放したくない、大切な存在を見ている顔だった

 

ったく、人のことを言えないが・・・この、鈍感め

 

お膳立てはしてやった。後はお前次第だ

 

なあティーダ。もう、アイツもティアナも幸せになってもいいよな?これ以上、あいつ等を苦しめる奴が居るって言うなら、僕がどんな手を使ってでも、全てを薙ぎ払ってでも、助けて見せる

 

それが、あの日あの時、僕が墓前で誓ったことだ

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

「何で、ここに?」

 

「クロノさんに教えて貰いました」

 

 

親友、そりゃないぜ

 

 

 

「リストラされたって、本当ですか?」

 

「まあな。ま、元々何時されるかわからない状態だったからな。今更だ」

 

 

そうだ。今更だ

 

俺が局をリストラされても何も変わらない

 

何も変化しない

 

 

「それで、リストラされて何処に行く気だったんですか?もうここにはこないと言ってましたが?」

 

 

やべ、そこも聞かれてたのか

 

 

「管理外世界の地球だ。そこに俺の故郷がある」

 

「もう、戻らないんですね」

 

「ああ」

 

 

なんでだよ

 

なんでそんな悲しそうな顔をするんだよ

 

俺はお前のそんな顔は見たくない

 

俺なんかの為に泣きそうな顔をするんじゃねーよ

 

 

 

「そういえば、出世したんだってな?良かったじゃねーか。夢だった執務官になれるぜ?」

 

「そうですね。でも・・・」

 

「ティーダの夢を継ぐんだろ?その為に今まで頑張ってきたんだろ?」

 

 

俺はコイツの夢を邪魔するようなことはしてはいけない

 

お前は明るい未来にそのまま向かって欲しい

 

 

「一つだけ、一つだけ教えてください」

 

「何だ?」

 

「兄さんは、どうして執務官に成らなかったんですか?兄さんの成績は調べてわかりました。執務官の試験に合格してるのに、合格を取り消していたって」

 

 

ああ、それか

 

 

「アイツはな、お前の傍から離れたくなかったんだよ」

 

「え?」

 

「両親を失い、ティアナちゃんを構って上げられるのは自分だけだってな。お前が大きくなってから執務官になっても遅くは無いって」

 

「そう、だったんですか」

 

「アイツは努力家でエリートでシスコンだけど、家族を第一に考えていた立派な奴だった」

 

 

 

本当に、羨ましいよ

 

 

 

「兄さん・・・」

 

「じゃ、俺はそろそろ行くぞ。また会えるか判らんが、またな」

 

 

俺はティアナちゃんに背を向けてその場から去ろうとした

 

 

「なら私も決めました」

 

 

ティアナがそういうと、後ろから俺に抱き付いてきた

 

え?

 

 

「な!?ティ、ティアナちゃん?」

 

「私はずっと、兄さんの遺志を受け継ぎたいと思ってました。でも、それは間違いでした」

 

 

何を言ってるんだ

 

 

「私は一番大切な事を、大事なことを蔑ろにしてきたんです」

 

 

大切なのはティーダの遺志だろ!

 

 

「本当はずっとこうしたかった。でも、執務官になってからってずっと決めてたんです」

 

 

ティアナちゃん?

 

 

「私は貴方が好きです。大好きです。ずっと、ずっと昔から好きでした」

 

「え?嘘、だろ?」

 

「嘘じゃないです。でも、電話が通じなくなって、クロノさんにリストラのことを聞いて、頭が真っ白になっちゃって。気が付いたの、自分が何を求めていたのか」

 

 

止めろ。聞きたくない

 

 

「駄目です、聞いてもらいます。私の夢は執務官です。でもそれは兄さんの遺志であって、私の本当の夢じゃない。私の本当の夢は・・・小さい頃から抱いてきた夢は」

 

 

ティアナちゃんは俺の前に回りこんで、顔を掴み、自分の方に引き寄せた

 

 

「ん!?」

 

「ん・・・」

 

 

ずっと我慢してきた想いが、心の中でガラスのように砕け散るのが判る

 

 

「貴方のお嫁さんになることです」

 

 

顔を真っ赤にして告白する彼女は、昔のような可愛らしい顔ではなく、綺麗な顔だった

 

すると、ティーダの声が頭に響いた気がした

 

 

 

―やっと素直になったか。ティアナを頼むよ?親友―

 

 

勿論だ。彼女は俺が守るよ

 

だから、見守っててくれ。親友

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

結局、俺は海鳴には戻らず、ミッドに残った

 

とある敷地に一軒家を建てて、俺達のマイホームを造った

 

ティアナはしばらくの間、執務官補佐として海に出なければならなくなったが、その研修さえ終わればしばらくはミッドに留まれるようだ

 

執務官の夢は諦めない。でも、それ以上に俺を優先するから、執務官になるのはいつでもいいとの事

 

で、俺は主夫となり、彼女の生活のサポート徹底することにした

 

お陰で料理のスキルは上がった

 

あ、気が付いたと思うけど、今は彼女を呼び捨てにしている

 

前まではティアナちゃんと呼んでいたが、恥ずかしいから止めてと怒鳴られた。いいじゃん別に

 

偶にティアナの親友達が遊びに来る。初対面の時、スバルちゃんが「ティアの浮気モノーー!」と叫んだのは印象的だったな~

 

だが残念だ。ティアナの胸は俺のものだ。同性だろうとやらん

 

クロノも偶に来る。親友である俺と妹のような存在のティアナの様子を見に来てるらしい

 

というのは建前で、本音は愚痴を聞いて欲しいと言われた

 

色々苦労しているらしい。最近は仕事より家族を優先してるので、子供達に顔を忘れられることが無くなったと喜んでたな

 

最近は、リンカーコアの無い人でも魔法が使えるようにする研究がされているようだ。今は亡きレジアス中将の言い分は最もで、人材不足なのは戦力が魔導師しか居ないのが問題とよく言っていた

 

リンカーコアの無い人でも魔法が使えるようにする為、研究が進んでるらしい。その時は協力して欲しいと言われたので、勿論と返した

 

クロノにはいつも助けて貰いっ放しだしな

 

 

 

さて、そろそろティアナは海から帰ってくる頃か

 

疲れてるだろうから、暖かく迎えてあげよう

 

 

「ただいま」

 

「おかえり」

 

 

ティアナが嫁になる日も近い

 

 

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