リストラシリーズ   作:ゼルガー

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◇◆◇

リストラシリーズ第15弾!

今回は管理局の白い悪魔の宝具ことレイハ様です

人と機械の恋愛。果たしてその恋は叶うのだろうか?

私ゼルガーが本気を出して書いてるため、前編と後編に分けて書きます

では、始まります。

◇◆◇








リストラされた俺は、彼女と奇跡を起こした(前編)

 

私が恋愛と言う感情を抱いたのは何時だっただろうか

 

私はデバイス。マスターの武器として、相棒として共に戦場を翔ける存在

 

高度なAIが組まれているとはいえ、所詮はプログラム

 

マスターのように人間ではありません

 

でも、私には心があります

 

だから、人と同じ感情が芽生えても不思議じゃないと思ってます

 

何故私がこんな感情を持ってしまったのか

 

それは、JS事件が起こる十年前に遡ります

 

 

私と彼の出会い

 

デバイスとしての苦悩

 

では、語りましょう

 

人と機械と言う相容れない存在の恋物語を

 

私は・・・どうすれば良かったのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

全ての始まりは十年前

 

闇の書事件が終結して数日の事でした

 

私はメンテナンスの為に本局のマリエル技師の所に預けられてました

 

機械である私は定期的にメンテナンスを受けないといけません。全てはマスターの為。マスターが安心して戦えるよう、いざと言う時に私自身に異常があったら大変です。

 

ですが同時に、マスター自身の事が心配です

 

マスターはまだ9歳の女の子。マスターの世界ではまだ元気に遊んでいる筈の子供なのです。

 

幾ら私やユーノと出会い、魔法に触れたからとは言え、今までの日常を簡単に捨てて戦場に出るなど、正直異常です

 

いえ、私は道具であり武器。マスターの意思を第一に考えねばならない

 

しかし・・・私はコレで良いのだろうか?

 

カプセルの中で悩んでいると、そこへクロノ執務官と見慣れない少年がメンテナンスルームに入ってきました

 

クロノ執務官と親しげの様ですが、一体誰でしょうか?

 

 

 

◇◆◇

 

 

クロノに頼まれて書類作業を手伝った帰り、俺たちはメンテナンスルームに立ち寄った

 

書類作業中、見慣れない部品発注の経費を見つけたので、確認の為に技師に会いに来たのだ

 

クロノがマリエル技師と会話している間、暇なのでメンテナンス中の赤いビー球のようなデバイスを発見し、観察していた

 

しばらくすると、デバイスの方から俺に話しかけてきた

 

 

『貴方は誰ですか?クロノ執務官と親しげでしたが?』

 

「ん?俺か?まあ、クロノの親友だな。魔力がFクラスの落ちこぼれ事務員だけど」

 

『事務員?』

 

「そういう君は?」

 

『私はレイジングハート。マスターなのはのデバイスです』

 

「・・・ああ、クロノが言っていた将来有望の魔導師ね」

 

 

俺はアイツが嫌いだ

 

同じ星出身なのに、月とすっぽんの才能の差がある

 

アイツは一般人の家庭で、俺は魔導師の家庭なのに

 

超えられない才能の差を改めて見て嫉妬した

 

俺だって、魔法が使いたい。両親のように、立派な魔導師に成りたかった

 

なのに、成れない。どんなに努力しても決して報われない魔力量F

 

それなのにアイツは、魔法に触れてすぐに才能を発揮して、難しい空戦を短い日にちで習得し、同い年の訓練した少女を数日足らずで圧倒した

 

更には、10年前大事件を引き起こした闇の書の事件すら解決してしまった

 

今では、上の連中が注目するくらい、将来有望なのだ

 

それに比べて俺は、優秀な親から生まれたのに落ちこぼれのレッテルを貼られ、周りから白い目で見られ、虐めを受けたこともある

 

拾われた子供じゃないのか?だとか。鷹が鶏を生んだとか。ゴミだの屑だの・・・

 

そんな中、クロノだけは違ったけどな

 

だから俺は高町なのはが大嫌いだ

 

そしてコイツは俺の大嫌いなアイツのデバイス

 

だが、デバイスに罪は無い。俺が嫌いなのはあくまで高町なのはであって、アイツのデバイスではない

 

 

 

『どうしました?』

 

「いや、何でもない」

 

 

 

ヤバイ。感づかれる所だった

 

クロノにもよく言われるが、俺って顔に出やすいタイプらしいからな

 

 

「で、お前の相棒は?」

 

『管理外世界地球です。今の時刻ですと、学校に行ってるでしょう』

 

「へぇ、学校ね」

 

『そういう貴方は行かないのですか?マスターと同じ世界出身ですよね?』

 

「俺は休日届けを出してるから問題ない。今回はクロノの手助けで来てるだけだしな」

 

 

お陰で、書類作業の腕がますますレベルアップしている気がする

 

 

『あの、もし宜しければ話し相手になって頂けませんか?』

 

「話し相手?」

 

『はい。こうやってただじっとしているのは退屈ですので』

 

「デバイスも退屈って思えるんだな」

 

『私はAI搭載のインテリジェントデバイスです』

 

 

ああ、あの高いデバイスね

 

上層部が大金叩いて与えたのか?

 

 

「なあ、お前ってどうしてアイツと一緒にいるんだ?」

 

 

それが一番気になった

 

 

ストレージやアームドといったデバイスにはAIは搭載されていない

 

だから、自分の意思を持つデバイスが何故、あんな奴と一緒にいるのか聞きたかった

 

 

『少し、長くなりますが宜しいでしょうか?』

 

「ああ」

 

『では失礼して・・・』

 

 

だが、帰ってきた答えは俺の想像以上だった

 

 

◇◆◇

 

 

 

何から語りましょうか?

 

そうですね、まずは私自身のことから

 

私は元々、とある遺跡で長い眠りに就いていました

 

何時からその遺跡に居たのか、何故私はそこで眠っていたのか、私自身も分かりません

 

ただ、判っているのは、私にふさわしいマスターを見つけることだけでした

 

長い年月が経ち、ある日一人の少年が遺跡に侵入し、私を回収しました

 

それがユーノ・スクライア。元仮のマスターです

 

ええ、あくまで仮です。私は彼をマスター認証してませんので。何故?彼は私のマスターに相応しくなかったからです。

 

彼がジュエルシードを地球にばら撒いてしまったので、あくまで仕方なく協力してました。まあ、私をうまく扱えずボロ負けしましたけどね

 

そして私は出会いました。彼女に

 

私のマスターに相応しい人物。高町なのはに

 

彼女は魔法の才能に恵まれており、見る見るうちに才能を発揮していきました

 

それも脅威のスピードで

 

ですが、同時に不安でした

 

この手のタイプは、自身過剰になりやすい

 

ですが彼女はそんなことはなかった

 

強敵と戦い、時には負け、そして勝ち

 

立派な魔導師として成長しました

 

しかし、同時に私は彼女から平穏な人生を奪ってしまいました

 

マスターは元々は平凡な少女。何処にでも居るような子供でした

 

そんなマスターを戦場という過酷で危険な日常に連れ出してしまったのは、他でもない、私とユーノです

 

だからこそ、私は彼女の傍にいたい

 

彼女の傍にいて、彼女を支えたいと

 

それが私に出来る唯一の謝罪だから

 

 

「・・・お前、それでいいのか?」

 

 

え?

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

アイツの事やコイツの事は、俺が考えていた以上だった

 

正直、ただ嫉妬していた俺が情けなくなる位には

 

だが、一つだけ言いたいことはある

 

 

「お前それでいいのかよ。アイツをパートナーと思っているなら・・・」

 

『良いんです。決めたことですから』

 

「・・・そうかよ」

 

 

なら、俺が言えることはない

 

けど、一つだけ判る

 

コイツ、いつか絶対後悔する

 

何時かはわからないけど、なんとなくそんな感じがした

 

 

「じゃあ、俺は帰るぜ」

 

『そうですか。また会えたらお話しましょう』

 

「ああ、また会えたらな」

 

 

俺個人としてはアイツには会いたくない

 

だが、レイジングハートだけなら・・・話すのも悪くないな

 

 

そしてそれから二年後

 

 

俺の予感は現実となった

 

高町なのはが任務先で未確認体と戦い、そのとき溜まっていた疲労と続けてきた無茶のせいで大怪我を負った

 

そして、医者から再起不能の可能性まで言い渡されたとクロノから聞いた

 

俺としては高町なのははどうでも良かったが、その相棒が心配になり、修理に出されたと言うデバイスルームに向かった

 

そして案の序、ボロボロとなったレイジングハートがそこに居た

 

 

「よお、久しぶりだな」

 

『貴方は・・・ええ、二年ぶりですね』

 

 

ボロボロでも、言語はハッキリしていた

 

 

『情けないですね。マスターの疲労に気が付いていながら、マスターの意思を尊重し、その結果がこれです』

 

「そうだな。あの時俺は言ったなよな、お前はそれで言いのかって」

 

『ええ』

 

「俺は別に謝罪がどうのこうのと言うつもりで言ったんじゃない。パートナーとして、アイツとどう向き合ってるかって事だ」

 

『パートナーとして・・・?』

 

「あの時のお前は、全てのことをアイツ優先で話していた。もし、パートナーって言うなら、対等の立場でアイツに意見したりすることが出来たはずだ。そして今回、お前はそれをしなかった」

 

『そう、ですね。もし、私がちゃんとマスターに意見して、止めることが出来たなら、こんなことには成りませんでした』

 

「俺はさ、非戦闘員だから偉そうなことは言えない。だが、コレだけは言える。相棒ってのは、ただ相手のことを考えたり優先してるだけじゃ駄目だ。どんな辛いことも共に乗り越えてこその相棒だってな」

 

『共に・・・ですか』

 

「アイツが辛かったら、たとえ嫌われようとも意見しろ。お前は何だ?ただの武器か?道具か?違うだろ。何のためにAIがあると思ってる」

 

『あ・・・』

 

「信じるだけじゃ駄目だ。信じられるだけでも駄目だ。対等に話会い、ぶつかり合って共に道を歩むのがパートナーなんだよ」

 

 

勿論、俺がそんな偉そうなことを言える立場だとは思わない

 

だけど、どうしてもレイジングハートにはそう言いたかった

 

何故かは判らないけど

 

 

『ふふ、ありがとうございます。お陰で吹っ切れました』

 

「そ、そうか。それは良かったな」

 

 

レイジングハートにお礼を言われ、思わず照れてしまった

 

て、なんで俺デバイスに照れてるんだよ!?

 

いやいやいや、確かにレイジングハートは他の女性より女性らしいけどさ

 

いやいやいや、何考えてる俺は

 

 

『貴方は不思議ですね。貴方と話していると、心が不思議と落ち着く』

 

「デバイスにもそんな感情があるんだな」

 

『失礼ですね。まあ、私も感情というモノが芽生えたのは最近ですけど』

 

 

AIは成長するモノらしい

 

だから、人に近い存在になっていくのは不思議ではないんだよな

 

あ、そうだ

 

 

「ならさ、今日からお前のことをレイハって呼んで良いか?」

 

『レイハ・・・ですか?』

 

「ああ。名前全部言うのって長いし、愛称が有ったほうが良いだろ?」

 

『そうですね。なら、私はあなたの事を何と呼べば良いですか?』

 

 

そうだな・・・よし、からかい半分で

 

 

「旦那・・・とか?」

 

 

うしし。流石にコレは呼ばないだろ

 

冗談と気付いて怒るかな?

 

 

『旦那・・・ですか。良いですね』

 

「はい!?」

 

 

なんだと?!

 

 

『やはりからかい半分でしたか。では貴方のことは旦那とずっと呼びますね』

 

「ちょっ!?俺が悪かったから止めてくれ!」

 

『嫌です』

 

 

ま、すっかり元気になって良かったな

 

この分だと、今度こそアイツを支えてやれそうだな

 

 

 

「じゃ、また縁が有ったら会おうぜ」

 

『ええ。また会いましょう』

 

 

レイハか。本当、アイツの相棒じゃ無かったら良かったのに・・・

 

 

◇◆◇

 

 

マスターが落とされ、私もボロボロになってしまった

 

マスターの疲労に気が付いていながら、私はマスターの意思を尊重して戦場に出してしまいました

 

マスターの意思を尊重したのは、罪の意識から

 

ですが、それは間違いだった

 

結果は、マスターの重症。その所為でマスターは魔導師として再起不能の可能性に追い込まれました

 

私の所為だ

 

 

数日後、二年前に出会った彼が私の部屋に来ました

 

 

彼のことはクロノ執務官がら全て聞きました

 

マスターに嫉妬していることも・・・全部

 

なのになんでマスターのデバイスである私に会いに来たんでしょうか?

 

 

彼は私の惨状を見ると、説教を始めました

 

それはまさに、私が一番気にしていることでした

 

そして気が付かされました。私がマスターにするべきことを

 

彼には本当に感謝しきれません

 

ですが、なんで私なんかに気を掛けてくれるのでしょう?

 

そう疑問に思っていると、彼は私を愛称で呼び始めました

 

「レイハ」

 

そう呼ばれると、私のコアの様子がおかしくなりました

 

異常は無いはずなのに、体が熱くなっていくのです

 

そして私は彼を旦那と呼ぶことになりました

 

彼は冗談半分で提案しましたが、私は何故かその愛称で彼を呼んでみたいと思ってしまいました

 

実際に呼んで見ると、ドキドキしました

 

デバイスであり、機械の私がこんな感情を持ったのは初めてでした

 

まるで人間の様・・・

 

そう考えると、古い記憶の部分がズキッと傷んだ

 

まるで何か大切なことを忘れているかのように

 

私は何かを忘れて居るのでしょうか?

 

ひょっとして、あの遺跡に眠る前の記憶?まさかね

 

 

しばらくして、彼は帰ってしまいました

 

 

彼とまた出会えるのは何時になるかはわかりません

 

ですが、また会えるような気がします

 

さて、これからマスターのところに行かなくては

 

私はマスターの相棒

 

マスターと共に同じ道を歩むためにも

 

マスターを立ち直らせなくては成りません

 

それがパートナーとしての私に出来ることです

 

 

そして彼と再び再会するのは更に数年後になるのだった

 

 

 

 

後編に続く

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