レイハさんのアフターです
コレは、デバイスから人間になった彼女と主人公の物語の続編
では彼女のアフターストーリーを始めさせていただきます
◇◆◇
レイハと結ばれてから3年が経った
調理師の免許を取得した俺は、無我夢中でいろんな国の料理を学んだ。結果、俺は夢だった自分の店を持つことが出来たのだ
そして、レイハは・・・
「あ、もう良いんですか?」
「ああ、仕込みも終わったからな。今日は閉店だ」
妊娠八ヶ月で病院に入院していた
そう、レイハのお腹には俺たちの子が宿っていた
正直、レイハは自分に子供が授かるとは思っていなかったそうだ
なぜならば、自分は元々デバイス
奇跡が起こって人間になったとはいえ、そこは不安だったみたいだ
「体調は大丈夫か?」
「はい、大丈夫です。母体もこの子も健康そのものだそうですよ」
「そっか」
なら安心だな
「レイハ」
「はい、何でしょう?」
「無理だけはするなよ?」
「勿論です」
だと良いけどな
お見舞いを終えた俺は自宅に戻り、一人寂しく遅い夕食を済ませた
そして、レイハが入院してからずっと計画しているあることを始めることにした
「さあ、始めるか。俺のフルコースの一つの作成を」
とある漫画を読んで、俺も自分自身のフルコースを造ってみたいと思ったからだ
そして今、メインディッシュ以外のコースの作成は済んでいた
「レイハとの結婚記念日ももうすぐだしな、その日までには完成させねーと」
とある食材を使った調理は複雑で、さまざまな試行錯誤を行っているが、中々進展してない
本当なら、もう別の食材に変えるべきなのだろう
だが、どうしてもこの食材でなければならない理由がある
それは、一年と少し前、俺がレイハにプロポーズしたときのことだ
当時、中々言い出せなかった俺は悩んでいた
どうやってプロポーズしたら良いのだろうかと
そして出会った
あの食材に
あの食材があったからこそ、俺はレイハに結婚を申し込めた
だからこそ、この食材を使わないといけないんだ
でも・・・
「メインの料理となると難しいよコレ・・・」
今日も進展無しか・・・はぁ・・・
◇◆◇
彼が帰ってからというもの、本当に退屈ですね
早く退院したいです
そういえばもう一人の私はどうしてるのでしょうか?
恐らく、元マスターの無茶に付き合ってるのだと思いますが・・・壊れてないでしょうか?
しかし、あの人が元マスターのことが大嫌いだったとは知りませんでしたね
お酒に酔っ払った彼が愚痴で言ってましたが、まさか二人が幼馴染だったとは
まあ、元マスターはそんなこと微塵も覚えてなかったようですが
それに、今の私は彼の味方です
元マスターには悪いですが、彼が彼女を嫌うなら、私も彼女を嫌いましょう
さて、そろそろ就寝の時間ですね
もう寝ましょうk・・・っ?!うっ!!?
は、吐き気が・・・お腹がっ!?
なっナースコールを!
まさか、コレが陣痛ですか!?
う、生まれる?!
◇◆◇
息を切らせながら、俺は病院内を走っていた
先ほど、レイハが入院している病院の医者から、レイハの陣痛が始まったと聞いて、飛んできた
フルコースの製作は結局間に合わなかったが、自分の子供には対面できる
そう思って、レイハが居る場所に着いた
「旦那様でしょうか?」
「はい!」
「今、出産の最中です。奥様の手をお願いいたします」
そういわれた俺は、案内された部屋の中に入り、レイハの横に座って手を握った
「遅いです」
「ゴメン」
「でも、安心しました。一人だと不安で」
「ずっと一緒に居てやるって言っただろ」
「そうでしたね」
俺はそういうと、レイハの頬をやさしく撫でた
「うっ・・・ぐっ・・・」
「また陣痛が始まりました!旦那様、奥様の手をしっかりに握って話しかけてください!」
「はっはい!」
「レイハさん、呼吸を整えて!ひっひっふー、ひっひっふー!」
「うぐっ・・・ひっひっふー、ひっひっふー・・・あっ!!」
「もう少しです!頑張って下さい!頭が出てきました!」
「頑張れ、レイハ!後もう少しだ!」
「はっはっ・・・ぅああああああああああ!!」
レイハは力いっぱい力むと、室内に赤子の泣き声が響いた
「おぎゃあああ!おぎゃあああ!」
「う、生まれた・・・俺たちの子が」
「はい・・・」
「おめでとうございます!元気な女の子です」
「ありがとうございます・・・やったなレイハ」
「ええ、頑張った甲斐があります・・・ですが、疲れました」
「ゆっくり休めよ?」
「では旦那様、お子さんを抱いてあげてください。そしてそのまま湯船でやさしく体を洗ってあげてください」
「はい!」
俺は看護婦から娘を受け取り、湯船に入れてやさしく洗ってあげる
受け取ったとき、手に娘のぬくもりと重さを感じた
ああ、俺は父親になったんだと実感できた
体を洗ってあげたら、娘を優しく抱き、レイハの隣に寝かせた
「この子が私達の赤ちゃんなんですね・・・かわいいです」
「ああ、俺たちの大事な子宝だ」
「名前、決めてるんです」
「そうなのか?実は俺もだ」
「では一緒に言いましょう?」
「え?同時にか?」
「私の勘が正しければ、一緒がいいんです」
「判った。なら、せーの」
「「ひらがな三つで『こころ』」」
「なんだ、考えることは同じか」
「ええ、私の思った通りですね」
この子の名前はこころ
レイハの名前「レイジングハート」の「ハート」から取った
強い心、不屈の心、優しい心、いたわる心
そんな心を持った大人になって欲しいと思ってこの名前にした
どうやらレイハも同じことを考えていたみたいだ
「今日から三人家族だな」
「ええ」
「これからも、この子を含めて幸せに暮らしていこうな。レイハ」
「はい」
「あぅー?キャッキャッ」
「あ、目を覚ました」
「私達の顔を見て喜んでますね」
「はは、どうやら俺は親馬鹿に成りそうだ。娘が可愛くて仕方ない」
「それは私も同じですけど、一番は私ですよ?」
「それは当然だろうが」
これからもこの幸せを一家の大黒柱として守り続けることを改めて思った
そして翌日、娘が誕生したお陰かは判らないが、突然あの食材に会う調理方法が閃いた
これで俺のフルコースが完成した
だが、このフルコースは店のメニューに出すのは辞めようと思う
娘が誕生した時に完成したのだ
なら、このメニューは娘の誕生日とレイハとの結婚記念日のみ作ることにしよう
だから、このメニューは家族以外は秘密だ
もし、娘が大きくなって、結婚したら、娘にメニューを伝授しよう
さあ、そろそろお店の開店時間だ
レイハが入院から帰ってくるまでの間、一人で頑張るぞー!
fin