今まで謎だったクロノとの出会いや、主人公がなのはと出会って、リストラされるまでの空白記を以前投稿したものを書き直しながら更新して思います。
では、始まります。
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彼女と初めて出会ったのは、俺が本当に幼い頃だった。
俺の両親は、地球とは別の世界『ミッドチルダ』にある時空管理局に所属する魔導師だった。
地球出身でもある両親は、俺を地球で産み、地球で育てた。
4~5歳くらいになった頃だっただろうか。俺はお袋と一緒に自宅から離れた公園に遊びに来た。
途中、お袋は他の主婦と井戸端会議でいなくなり、俺一人公園に残った。
暫く、ブランコや砂場で遊んでいると、ふとベンチで泣いている女の子が目に入った。
俺はソイツを見て、泣いてる顔が気に入らなくて、何故か分からないけどソイツの笑ってる顔が見たくなって。
つい、アイツのほっぺを掴んでを思いっきり引っ張ってやった。こう、ムニーっと。
「い、いきなり何をするの!?」
「お前が泣き虫だからだ」
「巫山戯ないで!何も知らないくせに!」
「知らないよ。お前の事なんか」
「っ!この!!」
「イテッ!?」
まあ結果は、当然笑わなかった訳で。むしろ怒って引っぱたいて来た。痛かったな~。
「何すんだよコノヤロウ!」
「そっちが悪いんでしょ!」
「うるさい!!くらえ!!」
「痛っ!顔を殴らないでよこの馬鹿ーー!」
「あぐっ!?やったな!!」
それから、殴り合いの喧嘩になって。お袋が止めに来るまでそれは続いた。
それ以来、俺とアイツは毎日その公園で顔を会わせたら喧嘩だった。
しばらくして、アイツは公園に来なくなった。今もその理由は知らないけどな。
結局、俺たちは喧嘩するばっかで、お互いの名前すら知らないままのお別れだった。
少し寂しかったけど、子供だった俺はすぐに忘れた。
一年後、両親がイギリスに旅行に以降と言い出した。何でも二人の上司がイギリスに帰省してるから挨拶をしようと言う理由だった。
俺はそこで、生涯無二の親友に出会った。
「君が、グレアム提督が言ってた・・・。僕はクロノ・ハラオウンだ。よろしく」
「はい、クロノさん」
「クロノでいいよ。それに敬語もいらない。数少ない男友達だしね」
「わかったよ、クロノ!」
その時、初めて分かったが、俺に魔法の才能が無く、魔力も殆ど無いことが分かった。
両親も最初は落胆してたけど、俺を見捨てたりはしなかった。
確かに、魔法の才能は無かった。でも、それ以外に才能があることが分かった。
それを見つけてくれたのは、グレアムさんの使い魔であるリーゼアリアさんだった。
僕は、記憶力と速読、理解力、分割思考が人よりも優れているそうだ。
要するに、事務員向きだった。
その事を知ったクロノがこう言ってくれたっけな。
「もし、君が将来管理局に入局したら、僕達を支えてくれないかな?君ならきっと一流の事務員になれる。そして、そんな事務員がいるからこそ、僕は現場で頑張れるんだ」
「クロノ・・・俺、何時か絶対に入局して、魔導師に負けないような事務員になってやる!縁の下の力持ちに!」
俺達の友情は固く結ばれている。
例えば、リーゼロッテのセクハラに耐えたり、姉妹のイジメと言う名のシゴキに耐えたり、グレアム提督の雑学を一日耐久で勉強したり。
当時6歳の俺は既に、執務官並みの知識を持っていた。魔力は無いけどね。
グレアムさんも残念そうだったな~。もし、魔力があれば、絶対に試験に合格できる知識と判断力は持っていたって。
・・・・・・・くやしくないもんね
小学校の入学式が近づいてきたから、僕たちは日本に帰国することになって、クロノもミッドに帰ることになった。
「執務官試験、頑張ってねクロノ」
「君も元気で」
「またね」
「ああ、またな」
また会おうと約束して、僕たちは別れた。
海鳴に戻ってきてすぐ、俺は小学校に入学した。
小学校は私立だったけど、今の俺には試験は簡単すぎて、主席で合格だった。
そして新入生のクラスに入った時、俺は思いがけない再会を果たした。
見覚えのある茶色の髪と今でもムカつくと思うツインテール。
間違いなく、アイツだった。
でもアイツは俺を見ても何の反応もしなかった。あの反応・・・絶対に俺の事を忘れているな。
まあ、俺も再会するまで忘れてたから人のことは言えない。
俺も顔がうろ覚えだったし、あのムカつくツインテールだけしか覚えてなかったしな。
それから三年間、ずっと同じクラスだったが結局俺のことを思い出すことはなかった。
俺も教える気が無いから別にいいが。
でも・・・なんだろうな。この、胸がムカムカする感じは。
訳わかんねーよ。
◆
アレは、私が幼い頃のことでした。
お父さんがお仕事で大怪我をして入院しちゃって、独りぼっちで泣いていたあの頃。
家族の皆がいきなり変わちゃって、私もみんなに迷惑をかけたくないから、いい子を演じてた。
でも、やっぱり寂しくて。毎日、近くの公園のベンチで泣いてた。
そんな私に、イキナリ喧嘩を売ってきた男の子がいた。
アレは慰めようとしてたのかな?でも、殴り合いが慰めってのはありえないよね。
毎日顔を合わせるたびに喧嘩をしてたっけ。でも、私はとても嬉しかった。
彼だけが、本当の自分を見てくれるから。
今思うと、私は彼に対して初恋をしていた。
しばらくして、お父さんが意識を回復させて、病院に通うことが多くなったから公園に行けなくなった。
だから、気がついたらあの男の子が公園に来なくなった。きっと、私が来なくなったから・・・
小学校に入学して、初めてのクラスに入った時、私の目にあの時の男の子が映った。
私は彼のことを一度も忘れたことがなかった。ずっと覚えてた。
でも、彼の顔を見る度に恥ずかしさで会話すら出来なくて、初対面の対応になってしまい、彼がショックを受けていたのをよく覚えている。
話しかけようとしても、勇気が出なくて、そのままズルズルと三年生になってしまいました。
今年こそは話しかけよう。忘れたフリをしてごめんねって謝ろうと思ってた。
でも、この一年であんなことになるなんて思ってもみませんでした。