逃げるようにミッドに引っ越して数年。気がつけば19歳になっていた。
あの事件以来、俺は彼女やその関係者にあってない。いや、会いたくない。
クロノとはたまにだが会ってる。何だかんだで、一番信頼できる友だからだ。
だから、俺はまだ俺を保っていられる。
地上本部の一番下っ端の部隊。俺はそこでずっと事務員をこなして来た。
やることは何時も雑用ばっかり。書類作業を淡々と行うだけ。
正直、俺は何やってるんだろうな。
アイツの噂はよく耳にする。
エースオブエース。一度堕ちたのに這い上がった不屈のエース。
逃げた俺と違って、アイツは現実に立ち向かった。
あの大怪我と後遺症を克服したんだろう。
それに比べて、俺は・・・・・
そして、数ヵ月後。ミッドを震撼させた大事件。史上最悪のテロ事件。JS事件が起こった。
地上本部やアイツらがいた部隊も倒壊したそうだ。
だが、アイツらは再び立ち上がり、見事事件を解決した。
その際、レジアス中将が亡くなったそうだが、俺には関係なかった。
その時の俺は、魔力が無いと言う理由と、非戦闘員と言う理由で、一般人の避難の誘導と、シェルターでの配給活動を行った。
他の隊員達は怖がる子供を落ち着かせたり、怯える老人の相手をしていた。
俺は、何もできなかった。
俺は臆病者だ。怖がりだ。
ただ、震えてることしか出来なかった。
アイツ等は命懸けで、市民やこの世界を守るために戦ってるというのに・・・情けない。
ただ時間が過ぎるのを待ってるだけで、他の局員のように動けなかった自分が嫌になる。
気がつけば事件は解決して、数日が経過していた。
部隊の中での俺の評価は最悪だった。
元から役たたずで、不評だった印象に加え、今回の失態。
更に、どこで漏れたのか、過去にアイツが堕ちた原因が俺であることが部隊の連中にバレていた。
俺の居場所は既に部隊には無くなっていた。
そして遂に部隊長に俺は部隊を。管理局を辞めろとリストラを言い渡された。
建前は、地上本部が堕ち、街や本部の復興作業にお金がかかる為、経費削減の為に人件費を削るので、俺が選ばれたと。
だが、本音は違うのだろう。
俺のような人間をいつまでも舞台に置いておきたくないからだ。
いるだけで、隊員達に不協和音を引き起こしてしまう厄介な存在。
このままでは、障害事件が出てしまうおそれがあると思った上での処置だと思う。
現に、イジメは日頃行われているからな。
とりあえず、住んでいた隊員寮で荷物を纏め、退職金を手にこれからを考えた。
マジでこれからどうしよう。
今までずっと事務の仕事しかしてこなかったし、青春なんかゴミ箱の中に捨てた為、最近の流行も知らない。
かと言って、何かやりたいわけでも無い。
一応、両親にクビになったことを伝えると、自分のやりたい道に進みなさいと言われた。
そして、どうしても見つからなかったら、地球にある元住んでいた家をあげると言っていた。
・・・地球か。小学校の時、あの事件で逃げて以来だな。
そうだ。こんな時こそ、親友に相談しよ・・・・・・・・・いや、止めよう。
いくら親友とはいえ、クロノに迷惑をかけたくない。今もJS事件の後始末で忙しいはずだ。
それに、あの情報が部隊から一般市民にまで漏れてしまったら、管理局どころか、ミッドにすら居場所が無くなってしまう。
そう思ったとき、俺の決断は早かった。
俺は、地球に帰還することを選んだ。
そして、そこで探そう。俺のやりたいことを。
◆
JS事件を解決して数日。
ゆりかごでの負傷もなんとか普通に体を動かす程度にまで完治した。
ヴィヴィオも異常がなかったし、皆も元気そうだし、本当に良かった。
病院の検査の帰り、六課の寮に着く途中にふと思った。
そういえば、彼はどうなんだろうと。
数年前の、あの事件。私が、ガジェットに落とされて、負傷したあの事件。
結果的に私は、彼を庇って負傷したけど、その前から私は体調不良が続いていて、動きが悪かった。
かばった時も、本来なら、負傷せずに迎撃も出来た。
でも、ずっと無茶をし続けた結果、私は大怪我して、彼の心に傷を負わせてしまった。
周りからは、彼が原因で私が堕ちたと言うふうにされていた。違うと言っても、それは私が彼をかばっているように見えたらしく、ますます彼の評判が悪くなっていった。
最近も、彼のいい噂は聞かない。
魔力がある私と、無い彼。
たったそれだけの違いで、私と彼はこうまで扱いが違う。
昔は、魔法が使え、人の役に立てると思っていた。
今も、教導で人の役に立つと思っている。
でも、最近は・・・本当に魔法が正しいのかわからなくなってきた。
魔法があったから、みんなに出会えたし、ヴィヴィオも助けられた。
でも彼は?
魔法に出会う前から出会ってて、でも魔法を知ってからは会わなくなって、どんどん距離が離れてしまってる。
彼に会って、昔のことやあの事件の事を謝りたいのに、ずっと会えずにいる。
会おうとしても、周りが許さない。
休みは中々取れないし、彼はいろんな部隊を転々としてたから、タイミングが合わなくて会えなかった。
でも、今なら会えるのかな?
地上は復興作業で共同任務を行ってるだろうし、今の六課も殆ど復興がメインで、FWの仕事が少ない。
私も療養中だしね。
そうと決まったら、明日にでも会いに行こう。そして、今ままで遅れてしまった分、ゴメンなさいって全力で謝ろう。
私は、彼と分かり合いたい。昔のフェイトちゃんと同じように。同じように?
ううん、違う。この気持ちはそれとは違う。
ずっと昔から感じてるこの感情。彼のことを考えると、胸がドキドキする。
初めて、本当の私を見てくれた、大切な人。
ああ、そうか。私はきっと、あの頃からずっと・・・彼が好きだったんだ。
だから、こんなにも彼が気になる。
でも、彼は私を許してくれのかな?
小学校の時は、恥ずかしくて話しかけることすらできずにお別れしてしまい。
あの事件の時も、お話したいと言っておきながら、結局出来なかった。
でも・・・やっぱり、諦められないよ。
よし、明日彼の部隊に行こう!そう思っていたら、突然クロノ君から通信が来た。なんだろ?何かあったのかな?
「すまないなのは。どうしても君に教えておきたいことがあるんだ」
「何かあったの?もしかして、スカリエッティが何か!?それともヴィヴィオに何か!?」
「違う。・・・・・・・君がよく僕に相談していたアイツのことだ」
私はよく、彼の事でクロノ君に会いたいのに会えないから、どうしたら会えるのか相談していた。
彼とクロノくんはお友達で、たまに飲んだりしてる仲だと知ったのは最近だったけどね。
「アイツがJS事件の被害で無事だったか確認しようとしていたんだが、つい先日に管理局をリストラされたとアイツの上司が言っていたんだ」
・・・・え?
「連絡先に通信しても、既に部屋を引き払っていて、通信不可能だった。もう、アイツはミッドにいないそうだ」
ミッドに・・・いない?
なんで?どうして?
何で、彼と私を引き離すの?
どうして、彼に辛いことばかり行くの?
「・・・アイツはどちらにしても、ミッドにいるつもりはなかったと思う。部隊内での評判は悪く、更にあの時の事件の情報が漏洩していたらしい。それがキッカケで、アイツはイジメを受けていたそうだ」
そんな・・・・・・私の所為なの?
私が、魔導師になったから・・・彼は不幸なの?
「アイツの最後の足取りは、地球行きの転送ポートで途絶えてる。そして、アイツの両親が言うには、アイツに昔住んでいた家を上げたそうだ」
昔住んでた家?・・・海鳴のこと?
「なのは。この話を聞いて、君はどうしたい?」
私がどうしたいか?
・・・会いたい。会いたいよぉ。
でも・・・・・・
「いいかいなのは。僕は提督としてではなく、アイツの友人として言うよ。どうか、アイツを救ってくれ。今のあいつは、きっと何時か心が壊れる。僕では救えなかった・・・もう、君しかいないんだ」
彼が壊れる?そんなの嫌だ。
会いたい。会いたい!会いたい!!!
「クロノ君。お願いがあるの」
「・・・すぐに行くといい。そして、アイツに再開してどうするかは君が決めるんだ。その後の事は僕に任せておけ」
「ありがとう・・・行ってくるよ」
「ああ。あの馬鹿を頼む」
ヴィヴィオの事、六課のことはクロノ君に任せ、私はすぐに彼がいる海鳴に向かった
ずっと言えなかったことを言うために。
ども、ぜルガーです
やっと土日の休みが取れました。・・・眠い
なので、土曜日はずっと寝ます。今までの寝不足を解消するために。
追伸
以前お書した、私のサイトにあったやさぐれシリーズのスバルルートは諸事情により削除しました。
なので、スバルルートは、リペアが終了し、チンクルートが終わり次第、更新します。
なので、スバルルートをお待ちの方々、もうしばらくお待ちください