なのはルートリペア。完結編です。
久しぶりなので、所々おかしいと思います。
では、始まります
「ふぅ・・・これで働き先は大丈夫だな」
戸籍は何とかなったので、とりあえず食べていくために俺は就職活動を行った。
で、海鳴市から離れたとある街の小さな電気工事の会社に就職が決まった。
ついでに、その付近のアパートを借りた。会社からは近いほうがいいし、何よりこの街にはあまり居たくない。
戦闘は出来なくても、技術関係の知識はあるからな。意外と向いてるのかもしれないな。
引越しの手続き等がある為、仕事は来週から始まるということで社員の先輩たちに挨拶をし、引越しの荷物を片付ける為に自宅に帰ることにした。
っと、その前に本屋に寄らないとな。電気工事の資格を取得しないと現場で働かせてくれないしな。
自宅から商店街の本屋に向かうため、進路を変更して歩いていると、途中懐かしい光景が目に入った。
「ここは・・・」
そう。そこは、アイツと初めて出会った思い出の公園だった。
思い出に引き寄せられるように、俺は公園のベンチに座って、あの時の記憶を思い出す。
『いきなり何するの!』
『お前が泣き虫だからだ!』
思えば、喧嘩ばっかりだったな。
顔を合わすたびに殴り合って、怒鳴り合って。
それが今じゃ、俺はただの凡人以下のリストラ局員で、アイツは有名なエースオブエース。
人生、本当に分からないよな。
「ったく、もう俺には関係無いってのにな」
そうさ。もう、俺とアイツは何の関係もない。
縁なんて、あの時とっくに切れてるんだ。
むしろ、俺は疫病神なのかもな。俺がいたから、アイツが堕ちた訳だし。
「・・・帰ろう。もう、ここには用はない」
明日からは俺の新しい人生が待ってるんだ。
まだ、未来が見えないけど
「お前との思い出とサヨナラだな。アバヨ、なの「嫌だよ、そんなの!!」・・・え?」
気がつくと、ベンチに座っている俺の目の前に、ここにいない筈の人間がいた。
「た、高町・・・なのは」
「サヨナラなんて・・・いやだよ」
彼女は今にも泣き出しそうな顔で、俺を見下ろしている。
何で?どうして彼女がここに?
だって、彼女はミッドにいるはずなのに。
「どうしてここに・・・」
「クロノ君に聞いたから、クビになったって。それで、もしかしたらここに来てるんじゃないかって思って・・・」
おい親友。なんてことしてくれたんだ。
今頃彼女が居なくなって、ミッドが大変じゃないのか!?
「で、俺に会いに来たと?何で俺なんかに「何かじゃないよ!!」」
「今の私がいるのは、此処で君と出会えたからだよ!」
「それは所詮、きっかけに過ぎない。現にお前は俺を忘れ、新しい友を得たじゃないか。俺が居ても居なくても、何も変わらない」
そうだ。俺があの時、彼女と出会ってなくても、きっと立ち直れた。
むしろ、俺がいたから・・・
「そんなことない!忘れてなんかない!」
・・・え?
「本当は・・・ずっと覚えてた。でも言い出す勇気が無かったの。ずっと・・・ずっと」
覚えてた?俺の事を?
そういえば、あの時も
―――あ、あのね。もし、この任務が終わったら・・・その・・・お話したいの
ああ、そうだったのか。ずっと覚えてくれてたのか
でも・・・今更だ。
「だから、今こそ言うね。ずっと伝えたかった、私の本当の気持ちを」
「え?」
俺は信じられなかった。だって、アイツが・・・俺を抱きしめてるだなんて。
「好き。大好きです。私は、貴方のことを愛してます!」
・・・・・・・は?はぁーーーーーーーーー!!?
ど、どどどどどどどどいうことだよオイ!?
「小さい頃は分からなかった。でも、貴方と話せなくなって、それがずっと続いて・・・・・・気がついたのは、貴方を庇った時」
あの時?
「貴方がガジェットにやられそうになったのを見て思ったの。貴方を失いたくないって。そう思ったら勝手に体が動いてた」
そんな・・・・・・
「私が大怪我して、死ぬ気でリハビリをしたのも、貴方を守りたいと思ったから。もう一度空を飛んで、私を見て欲しかったから」
彼女は・・・ずっと
ずっと俺の事を・・・
「だから、聞かせてください。貴方の返事を・・・・・・どんな答えでも、受け入れるから」
俺の、返事。
俺は彼女をどう思ってるんだ?
俺は・・・
―――ムカッ!バカはそっちでしょ!
―――痛っ、普通女の子殴る!?
―――その、なのはでいいよ?そう呼んで欲しい・・・かな
―――拠点が襲撃されたって聞いて戻ってきたんだ。怪我はないみたいだね、良かった
俺は・・・俺は・・・
―――好き。大好きです。私は、貴方のことを愛してます!
ああ、そうだったのか。
馬鹿だな俺。自分の気持ちを・・・心を偽って。
この感情は気のせいだと。閉じ込めて。
「高町。俺も、お前が好きだ。ずっと昔から・・・初めて出会った時から」
抱きしめ返しながら、俺はそう返事を返した。
そうだ。俺は彼女に恋をしていた。
素直になれなくて、意地悪して
小学校の時も本当はずっと気づいて欲しかった
でも、魔導師の才能が無いし、天才の彼女と無能の俺では釣り合わないと思ったから
だから
「俺でいいのかよ。俺は無能だぞ」
「関係ないもん。貴方がいいの」
「俺は管理局をリストラされて、地球で暮らしていくんだぞ?お前は教導官だろ?ミッドにいなくていいのかよ」
「貴方と一緒にいられないなら、ミッドなんかに居たくない。管理局も辞めるもん」
おい。自分で聞いてアレがだ、それでいいのかエースオブエース
「私が頑張ってこれたのは、貴方がいたからだよ」
「・・・・・・そっか」
「あ、でも私。養子にしたい子がいるんだ。JS事件で助けた・・・大切な子」
知ってる。噂になってたしな。
お前が必死になって助けた子だろ?
でもさ・・・
「その子、俺を受け入れてくれるのか?会ったことないんけど」
「大丈夫だよ。ヴィヴィオはいい子だもん。それに、パパができるって聞いたらきっと喜ぶよ」
ぱ、パパ?そ、そっかー。彼女とか、そんな過程をすっ飛ばしていきなり夫婦かー
・・・・・・まあ、悪くねーな
でも、プロポーズはまだ先にさせてもらおう。
せめて、婚約指輪はこっちの給料で買ってからにしたいしな
俺は抱きしめているなのはの頬を抑え、ゆっくりと俺の顔に近づけた。
「愛してる、なのは」
「うん」
初めて出会った公園で、俺たちは長い年月を得て、ようやく分かり合うことが出来た。
翌日、なのはは管理局に辞表を提出するために一度ミッドに帰った。
ついでに俺も両親に報告するために着いていった。
親父は普通に喜んでくれたが、お袋・・・・・孫を待ってるわ~は止めてくれ。
養子のヴィヴィオだけじゃ足りないのか!あれだけ愛でてたのに!
なのはの辞表はミッド全体に混乱を呼んだが、そこは我が親友のクロノが何とかしてくれた。
上層部が嘱託魔導師になるならと言う条件で辞表を受理してくれたそうだ。
ホント、お前には感謝し足りないな。
養子のヴィヴィオだが、意外にも懐いてくれた。
パパと呼ばれたとき、鼻から何かが溢れてきそうだった。
そしてこうも思った。俺、絶対親バカになると。
なのはの両親・・・桃子さんは喜んで受け入れてくれたが、士郎さんは・・・まあ、色々あったが、認めてくれたよ。
うん、色々あったんだ。色々ね
そして四年後
現在、俺達は海鳴市から離れた街の一軒家で三人で暮らしている。
最初はアパートで暮らしてたが、三人じゃ狭いと思い、思い切ってローンで買った。
ヴィヴィオは本人の希望で自分の力を使いこなすために、自宅に作った転送装置でミッドチルダの魔法学院に通っている。
友達を何人かできており、ストライク・アーツにハマってるそうだ。
最近では、歳上の友達が出来たとか。一緒に大会に出るために修行してると嬉しそうに話してたな。
なのはは、主婦業をこなしつつ、実家の翠屋でパティシエの修行中。
管理局を辞めたが、中卒だから就職は困難だった(戸籍はどうとでもなるが、学力が・・・)
なので、実家で二代目になる為に努力中。
そして、彼女のお腹には4ヶ月になる俺達の子がいる。
ヴィヴィオもお姉さんになれると喜んでたな。
そして俺はと言うと
「おい、いつまで休んでる気だ。とっとと次の現場に行くぞ」
「はい、先輩!」
一人で現場を任されるようになり、後輩を連れて今日も現場仕事。
同僚に同い年位の子持ちがいて、よく飲みに行ったりしてる。
家族を持つ父親同士、馬があった。
「でさ、ウチのヴィヴィオが可愛いのなんのって」
「いや、ウチの汐の方が可愛いぞ」
「いや、ウチの娘だ」
「いや、ウチだ!」
「俺のなのはなんか美人だぞ!」
「俺の渚の方も負けてない!」
「「ぬぬぬぬぬぬ・・・!」」
「テメーら何言ってやがる!ウチの早苗の方が宇宙一美人に決まってるだろうが!」
「「なんだと!おっさんは引っ込んでろ!!」」
たまに、同僚の義父が来て、カオスになる時があるがな
「なあ、なのは」
「何?アナタ」
昔の俺ではとても考えられないほど、幸せだと思う
だから時々思うんだ
もし、彼女に出会えてなかったらと
そう思うだけで、怖い
でも、なのはと一緒にいるだけでその気持ちは無くなる
「ずっと一緒にいてくれ」
「もちろんだよ」
これからもきっと、色々あるかもしれない
でも、なのはと一緒なら、俺は大丈夫だ
もう、一人じゃないからな
「愛してるよ、なのは」
「私もだよ、アナタ」
さあ、明日も仕事だ。頑張るか!
fin
ども、ゼルガーです。
ついに、リペアが完結しました
本当に、長らくお待たせして申し訳ありません。
色々事情があったとは言え、お待ちしていた読者の皆様には大変ご迷惑をお掛けしました
では、また次にお会いしましょう