チンク編は諸事情により、一旦削除して、先にスバル編を更新いたします
昔から、俺は色々と恵まれてないと思う。
親には見捨てられ、周りからも見放され、終いには管理局をリストラされた。
だけど、それでも、今現在の状況に比べたら、大したことはない。
そう、大したことはないのだ。
「・・・・・・ずっと、ずっと好きでした!付き合ってください!!」
俺は、人生で初めての窮地に立たされていた。
出会ったのは、数年前の空港火災の日。
彼女にとっては、運命の出会いが有った時でもあった。
そして、俺にとっては・・・・・・・なんだろうな?
いや、俺にとっても運命の出会いだったんだろうな。
彼女・・・・・・スバル・ナカジマとの出会いは。
兎に角さ
「周りに誰もいない時に告白しようぜ?な?」
「え?あ!?・・・・・・あうぅぅ」
局内でいうことじゃないだろうに。本当に天然だな、コイツは。
リストラされた俺は、彼女の彼氏になった
スバルと出会ったのは、四年前。
俺が15歳で、彼女が11歳の頃だった。
その日、俺はたまたま非番で、上司だったゲンヤさんに、娘二人が空港に来るから迎えに行って欲しいと頼まれ、迎えに来ていた。
ゲンヤさんは、親友であるクロノと同じく、俺を俺と見てくれる数少ない人物だった。
本当、実の親よりも父親らしい人物だよ。
で、迎えに来た娘さん二人とは面識はなかったが、ゲンヤさんから写真を見せてもらっていたから、顔を知っていた。
待ち合わせ場所で待っていると、空港の館内放送から聞き覚えのある名前が聞こえた
『迷子の案内を申し上げます。ミッド西部エルセア出身のスバル・ナカジマさん。スバル・ナカジマさん。お姉さんが迷子センターでお待ちしております』
・・・オイィ!?
スバルって、ゲンヤさんの所の次女だったよな!?
俺は直ぐに迷子センターに向かうと、ゲンヤさんに見せてもらった写真の女の子がそこにいた。確か名前は・・・・・
「君が、ギンガちゃんだね!」
「え?は、はい!あの、失礼ですが貴方が父が言っていた迎えの人ですか?」
「ああ。で、スバルちゃんが迷子って言っていたけど?」
「はい。多分、エントランス辺りではぐれたと思うんですけど・・・あの子、人見知りの癖に好奇心旺盛で、一箇所の所でじっとしてないと思うんです」
それはマズイな。もしかしたら、先程の放送も聞いてない可能性もあるという訳だ。
なら。
「君はここでスバルちゃんを待ってるんだ。俺が、その子を探すから」
「え、でも」
「君たちの事をゲンヤさんに任されたんだ。それに、もしかしたら此処に来るかもしれないだろ?」
「・・・・・・そうですね。あの、連絡先を聞いてもいいですか?」
「おっと、そうだったな。ほれ、これが俺のアドレスだ」
「ありがとうございます!」
さて、お転婆娘はどこに行ったのやら。
まずは、エントランスに向い、人い訪ねながらスバルちゃんを探していく。
くそっ、ただでさえ広い空港だからな。こんな時、探索魔法が使えたらいいのに・・・・・・魔法が使えない人間は不便だよ本当。
その時だった
―――ドガアアアアアアアアアアアアン!!!
突然、大爆発したかのような爆音と地響きが起こった。かと思った瞬間、当たり一面が炎に包まれた。
「・・・・マジかよ」
新暦0071年4月、どうやら俺は昔同様、厄介な事件に巻き込まれたようだ。
と言うかさぁ・・・・・・
「マジでどこだよ、スバルちゃん!?」
避難しようにも、迷子になってる子を見つけないと逃げるに逃げられんわ!!!
周りが避難する中、人の波に逆らってスバルちゃんを探すべく、奥へを進んでいった。
◇
「おねーちゃん・・・どこぉ?ぐすっ・・・」
大きな音が聞こえたかと思ったら、急に周りが火に包まれた。
熱い・・・・・恐い
おねーちゃんを探していたら、いつの間にか、人がいない場所に来ていた。
だから、戻ろうと思ったら、どこもかしこも火に囲まれてて、動けなかった。
「いやだよぉ・・・おねーちゃん。おとーさん。ひっく」
もう、動けなくて、寂しくて、座り込んでしまった。
そんな時だった。あの人があたしを見つけてくれたのは。
「ったく、やっと見つけたぜ。君がスバルちゃんだな」
「だれ、おにーさん?」
「ゲンヤさんに頼まれて君たち姉妹を迎えに来た部下だよ。で、迷子になった君をお姉さんの代わりに探しに来たんだ」
おねーちゃんの代わりに?
「にしてもまあ、一人でよく頑張ったな」
「・・・・・・あ」
「もう大丈夫だ。さっさとこんなところから避難しようぜ?」
あにいさんは、しゃがみこんで、あたしの頭を優しく撫でてくれた。
その手は、おとーさんや、おねーちゃんとは違った感じで、暖かかった。
「よし、もう大丈夫だな。さてと、出口はっと・・・・・・っ!?」
お兄さんが当たりを見渡してると、突然険しい顔をし始めた。
なんだろうと思っていると、突然おにーさんに突き飛ばされた。
いきなりのことで、頭がパニックになって、突き飛ばされたショックで、身体を思いっきり打っちゃって、痛かった。
何するの!ってお兄さんに怒鳴ろうと思って、振り向くと、そこにおにーさんはいなくて
代わりに、巨大な石像が目の前に倒れていた。
「おにー・・・・・さん?」
「ぐ・・・あ・・・に、逃げろ」
おにーさんは、石像の下敷きになっていて、下半身は完全に潰されてて、血だらけだった。
「いやぁ・・・嫌だよぉ」
「いいから・・・・・・・逃げろぉ・・・・・俺に・・・・構うなぁ」
こんな時、あたしは自分の力を恨んだ。
自分には、力がある。でも、その力を使うのが怖かった。
もし、その力を使って、おにーさんを傷つけたらと思うと、怖くて、使えなかった。
「さっさと行けぇ!!!死にたいのか!!!」
おにーさんは血を吐きながら、必死に叫んだ。
自分が死ぬかもしれないのに、あたしを助けるために。
でも、あたしの足は動かなかった。
怖くて動けなかったのか、おにーさんを見捨てたくなかったのかはわからない。
あたしはその時、神様に祈った。
誰か、助けてって
そして、助けは来た。
真っ白な服と、杖を持った魔導師が。
「大丈夫ですか!・――――っ!?酷い、今助けます!」
おねーさんは、バインドで石像を持ち上げて、おにーさんバインドで固定して持ち上げて、あたしを抱えた。
「もう大丈夫だからね。外まで一直線だから!」
おねーさんは杖から魔法を放って、巨大な穴を開けた。
それは、あたしにとって、運命の出会いだったんだ。
あんなふうに力を使いこなせれば、おにーさんを助けられたんだ。
だから、私はおねーさんに憧れた。
さっきの砲撃も綺麗で、おねーさんの腕の中もあったかくて
この人みたいに強くて、やさしくて、かっこよくて
なにより、あたしを命懸けで助けようとしてくれたおにーさんを今度はあたしが助けられる
そんな魔導師になりたい
そう、思ったんだ。
つづく