「マジか~・・・・・・・はぁ」
現在、俺は総合病院に入院していた。
原因?あの時、石像に潰されたのが原因だ。
死ぬ覚悟はしてたけど、運良く助けが来て、スバルちゃん共々命が助かった。
だから、助かっただけ儲けものだが・・・
「下半身付随か・・・・ま、当然だよな」
あの時の怪我が原因で、脊髄を損傷。つまり、下半身が動かないのだ。
治る見込みは少なく、車椅子生活は余儀なくされることになった。
風呂やトイレが不便になったが、別に気にするほどでもない。
体の怪我も大分回復してるし、そろそろ退院だろう。
流石、ミッドの医療技術と言った所か。
「にしても暇だな」
仕事の書類作業は、入院しててもできるが、それが終わってしまえば、マジで暇。
ゲームも漫画も自宅だし、ネットもできねーからなぁ。
・・・・・・・やべえ、こうしてる間にも、自宅のゴミが溜まってるだろうし、冷蔵庫の中身の処理もヤバイ。
そういえば入院してから一週間だが、炊事洗濯料理が出来ないと、体が疼く。
って、俺は主婦か!?
・・・・・・・そういえば、誰も見舞いに来ないな~
ゲンヤさんは通信で連絡をくれたけど(あの人忙しいから仕方ないし)、遊び友達・・・・・・はいなかったな。仕事仲間・・・・・とは、不仲だった。
あれ?ひょっとして俺ってボッチじゃね?
そう思うと、少し悲しくなってきた。唯一の親友は次元世界の海だしなぁ・・・
―――コンコン
お?ナースかな?
「どうぞー」
昼食には早いし、検尿って訳でもないだろうけど?
「あ、あの。こんにちわ!!」
そこにいたのは、見覚えのある青髪の女の子。スバルちゃんだった。
◇
あの事件から一週間。あたし自信は、対した怪我はなく、おとーさんとおねーちゃんと再会できた。
でも、あたしを助けてくれたおにーさんは、重症で・・・・・今も入院している。
そして、おとーさんから聞いたらその人・・・・・二度と歩けない身体になっていたって。
あたしの所為だ。あたしが迷子にならなければおにーさんは、あたしを探さずに済んだのに。
そんな怪我を負わなかった筈なんだ。
だから・・・・・会うのが怖かった。
でも、おねーちゃんが
「命懸けで助けてくれたんでしょ?だったら尚更面会にいかないと」
「で、でも」
「きっと大丈夫よ。それに、ちゃんと会わないと始まらないでしょ?」
「・・・・うん」
それに、おとーさんにも言われたんだ
「んなグチグチ考える暇があったらとっとと行ってこい」
「え、でもおにーさん、怒ってないかな?あたしの所為で足が・・・・」
「まあ、確かにアイツの怪我はこっちに責任があるかもな。でもよ、あの馬鹿はそんな小さいことを気にする男じゃない」
「そうなの?」
「あの馬鹿は、そう言う人間なんだよ。多分、「足が不自由っても、命が助かったんだから儲けもんだな」とか思ってるんだろ」
そ、それは流石にポジティブ過ぎじゃあ(汗)
「ま、とにかくさっさと行ってこい。俺も行きたいところだが・・・・・あの火災の事後処理がまだ終わんねーからな」
と、言う訳でお見舞いに来たんだ
来たんだけど・・・・
「よ、元気そうだなスバルちゃん」
予想以上のポジティブな人だった
「あ、あの!あ、あたしの所為で足が・・・ご、ごめんなさい」
「ん?足?あー、気にすんなって。俺が勝手にお前を探しに行ったんだし、俺がもっと周りを注意してれば怪我なんかしなかったんだよ。それにさ、死ななかっただけで運が良かったんだよ」
そ、そんな
「で、でも一生歩けないかもしれないんだよ!?」
「ん?別に車椅子生活になるだけだろ?多少は不自由かもしれないが、戦闘するわけでもないしな。ま、大丈夫だって」
な、なんかおとーさんが言っていた以上に凄い人だった。いろんな意味で。
「俺なんかよりお前の事が心配だったしな。お互い無事で何よりさ」
そう言って、あの時みたいにあたしの頭を撫でてくれた。
あの時と同じ、暖かい手で
うん、あたし決めた!
「おにーさん!」
「ん?」
「あたし、魔導師になる!」
「へ?」
「あの時助けてくれたおねーさんみたいに、誰かを助けられる魔導師になる!後、おにーさんみたいな人を絶対に作らないから!」
「お、おい?」
「だから見てて!あたし頑張るから!!」
あたしはそう言うと、病室から走って、真っ直ぐ自宅へ向かった。
まずはおねーちゃんに、戦い方を教わって、管理局に入るために勉強を頑張らないと!
◇
なんというか、嵐のような子だな。ゲンヤさんが言うには人見知りで大人しいって言ってたんだけどな。
スバルちゃんが出て行ってすぐ、俺はゲンヤさんに連絡を取った。どうせあの子をこっちに寄越したのは部隊長に決まってるんだからな。
『成程な~。アイツが魔導師に』
「ええ。張り切ってましたよ。助けてくれた人みたいになるって。後、俺みたいな人を作らないって」
『そっか・・・お前には悪いが、スバルにはいいキッカケになったようだな』
「正直・・・・・俺は反対したいんですけどね」
『ま、俺もだな』
「ですよね」
一つは、局員になれば上の命令は絶対だってこと。どんな理不尽な命令でも従わなければならない。
そしてもう一つが重要なんだが・・・・・殉職者が多いってことだ。
俺の同期だった奴らも、現場で死んだ。犯罪者ってのは、常に殺傷能力の魔法や、質量兵器を使ってくる。
それに比べ、こちらは非殺傷、質量兵器は禁止と、ハンデが大きい。魔力やランクが高い人間なら戦えるかもしれないが、低い人間に術はない。
現に、ゲンヤさんの奥さんも数年前に・・・・
「現実はままならないですね」
『だな』
それでもあの子は入るだろう。ひとりでも多くの人間を助けるために。
俺のような悲劇を生み出さないために。
『とりあえずお前さんはリハビリを頑張れ。こっちでは車椅子でも働けるように手配はしておく』
「ありがとうございます」
『礼を言うのはこっちだ。娘を助けてくれたんだからな』
「あはは、最終的に助けたのは、エースオブエースですけどね」
そう、アイツが助けたんだ。二度と会いたくなかったアイツに。
ま、向こうはもう覚えてないだろうけどな。
「ではまた。あと数日で退院しますので」
『おう。お大事にな』
さてと。リハビリを開始しますか
つづく