葬送のFive・Nights   作:わたぼう

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フランメいきます!!


NIGHT1日目 フランメ

 

---

 

夜。薄暗い宿の一室。

 

はぁ…はぁッ…

 

胸が痛いほど脈打つ。

喉はひりついているのに、声だけが出ない。

 

──誰か。

誰か、助けて。

 

宿の木造の梁は軋み、蝋燭の光は弱く、大きな影を壁に揺らしていた。

その影が、今にもフランメへ覆いかぶさりそうで、余計に恐怖が募る。

 

通路の方から、怪物の足音が響いてくる。

湿気を含んだ夜の空気が肌に貼りつき、吐息さえ重い。

 

幼いフランメは扉を勢いよく閉め、

木の扉に額を押し当てて息を潜めた。

 

 

---

 

「グルルル…ガァルル…

ギィィィ…ギィィィ~…」

 

「ヴ#$@アン?@!!エ…ア#$%@オ?!?#$ビイ#$キ!!アヨ♪」

 

 

唸り声は不自然に裂け、音がねじれたように耳を突き刺す。

ひび割れた声が跳ね、途切れ、重なり、

引きずられる足音は規則性がなく、生き物のものとは思えない。

 

宿の狭い廊下が、怪物の声で歪んでいくようだった。

 

やがて、足音は少しずつ遠のいていく。

壁の向こうに広がっていた圧迫感が、わずかに薄れた。

 

怪物は通り過ぎたらしい。

 

だが、恐怖は消えない。

それどころか、静けさが逆に不安を煽った。

 

フランメは震える視線で、

窓、そしてベッドへと注意を向けた。

 

 

---

 

ベッドの上には、小さな人形が立っていた。

いつの間にか、何体も。

 

その瞳は光を反射して赤く揺れ、

まるでフランメを責め立てるように、じっと見つめてくる。

 

「ヴ@#$ア%$ンメ…ア%#^%タァ…$#ア%@$オ$%ボ…ウ…ネ…ア$%#ク…ソク#$ダ…ヨ…」

 

意味を理解できない呟きなのに、

その声は心の隙間を直接撫でるようで、寒気が走る。

 

数秒、瞳を合わせた。その瞬間──

人形たちは音もなく消えた。

 

跡形ひとつなく。

 

フランメは、喉の奥がひゅっと縮むのを感じた。

息が、浅い。

 

 

---

 

朝は来るのか。

夜が終わる気配など、どこにもない。

 

時間の感覚が剥がれ落ちていき、

意識だけが暗闇の中に置き去りにされる。

 

そのとき──

ベッド横のクローゼットから、小さな物音がした。

 

空気が凍る。

 

フランメは指先を震わせながら、静かに取っ手を掴む。

自分の呼吸音すら大きく聞こえるほど、静寂が痛い。

 

そして、扉を開いた。

 

 

---

 

「ミ$%#ヴ#%?!#$アッチャ#$!!ダァ…!」

 

クローゼットの奥の闇から、怪物が叫んだ。

目だけが鮮やかに光り、こちらを射抜く。

 

その瞬間、怪物は奥の闇へと吸い込まれるように消えた。

 

「ウ?$ギハ…ソッチのア@#$ンア?!$ヨ♪」

 

声だけが、いつまでも耳に残った。

 

 

---

 

それから数時間が過ぎた。

宿の一室は、夜の闇がさらに濃くなり、

まるで深い井戸の底に沈んだようだった。

 

精神は削られ、

心の明かりはか細くなっていく。

 

そして──

 

そいつは現れた。

 

 

---

 

「ヴ!?$#&%ア#$%?!#ンッ$#%エェ…」

 

黒い闇をまとった、影の女の子。

人ではない。

けれど、どこかで見たことがあるような、そんな気配。

 

助けて……

 

助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて

助けて助けて助けて助けて助けて……

 

フランメの心は叫ぶのに、声にならない。

 

「やっぱり…$%#@%%$#$%」

 

少女の声が重く落ちる。

 

 

---

 

……

 

………………

 

 

---

 

 

フランメはベットから跳ね起きた。

荒く波打つ息が胸の奥をかき乱し、背中には冷たい汗がべったりと張り付いている。まるで、自分の体ではないみたいに重かった。指先は震え、視界はぼんやりと揺れている。

 

部屋には夜の気配がまだ薄く残っており、わずかな朝の光がカーテンの隙間から差し込んでいた。その光に触れると、さっきまで確かにそこにいたはずの“影の女の子”の気配が霧のように消えてゆく。

 

いつものことだ――目を覚ました瞬間、悪夢の内容は全て溶ける。

 

ただ怖かったという感覚だけが、皮膚の裏にこびりついて残っている。

 

「はぁ…何なんだ、いったい。」

 

フランメは額の汗を拭い、乱れた髪を後ろに払った。呼吸を整える。

だが、部屋の空気がどこか湿り気を帯びているように感じて、裸足のまま床を歩くと、冷たさがじんわりと足裏に染み込んだ。

 

肩の力を抜こうと深呼吸するが、胸の奥のざわめきはすぐには消えない。

 

枕元に置いた魔導書を目にすると、夢とは関係ないはずの文字列まで、どこか意味ありげに自分を見返してくるようで、フランメは小さく頭を振った。

 

――朝だ。現実に戻れ。

 

そう自分に言い聞かせる。

 

彼女は寝室の扉へ向かった。扉を開けた瞬間、宿の廊下の空気が流れ込む。薄い木の香りと、階下から漂ってくるパンとスープの匂い。

その生活感が、まだ夢の気配に引きずられている心を少しずつ現実へ引き戻した。

 

「っと…その前に」

 

階下へ行く前に、日課を済ませる必要がある。

フランメは弟子の部屋の扉を指先で軽く叩いた。

 

「フリーレン、起きろ朝だ。」

 

返事はない。

フランメは眉を寄せ、もう一度、今度はやや強く叩き、声も普段より大きめにする。

 

それでも返事はない。

 

ため息をつき、痺れを切らして扉を開けた。

 

中ではフリーレンが丸くなって、布団に顔半分を埋めて寝息を立てていた。

まるで天国の中心で眠っているみたいに、安らかな寝顔だった。

その平和さと、さっきまで自分が見ていた地獄の落差が、妙に胸に突き刺さる。

 

布団を迷いなく剥ぎ取る。

 

「おはよう先生…」

 

フリーレンは半分寝たままの目で、ぽそっと言った。ついさっきまで春の草原にいたみたいに、ふわふわした顔だ。

 

「早く起きて、朝飯を食べるぞ。」

 

まだ夢のざらついた感触が胸に残ったまま、フランメは淡々と階下へ向かう。

 

食堂には朝の暖かな光が差し込み、テーブルには焼き立てのパンとまだ湯気を立てるスープが並んでいた。

フリーレンはパンをスープに浸してゆっくり食べている。

 

「先生…昨日はよく眠れた?」

 

「…あぁ」

 

誤魔化すように、塩漬けの肉を噛みちぎり、それをごくりと水で押し込む。

 

「先生はここ最近はずっと悪夢に魘されてる、そのせいで毎日眠れてないでしょ、目に隈も出来てるし。」

 

「…」

 

フランメは僅かに顔をそむけた。

騒がしい悪夢とは対照的な、静かで暖かな朝の空間。

その平穏さが逆に落ち着かない。

 

フリーレンはパンを口に運びながら、静かに言う。

 

「隠しても無駄だからね。」

 

その声はやさしいのに、逃げ道は塞がれたような感覚だった。

 

――――――――――――――――――

 

 

その後はフリーレンに悪夢の詳細を聞かれた、とはいえフランメは殆ど覚えていない。

 

「悪夢をいつから見始めたのかさえわかれば、何か掴めるかもしれない。」

 

「只の悪夢だ、そんなものにお前を付き合わせるのは勿体無い、自分の事は自分でなんとかする。」

 

フランメは内心では弟子がこんなに自分の事を心配してくれていることに驚いていた。エルフである、フリーレンは他人への関心が薄い、そんなにも今の自分は調子が悪く見えるのか。

 

「兎に角、お前は修行に集中しろ。」

 

「先生が治療に集中してくれたらね…」

 

「…最善は尽くす」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

…………

 

 

 

「久しぶりだな、フランメ」

 

そこには膨大な魔力を持つ一人のエルフがいた。名はゼーリエ。

彼女の玉座の周りには、積み重なった魔道書が山のように並んでいる。

 

「時の流れとは早いものだな。気まぐれに育てた弟子が、もう孫弟子を連れてきよった」

 

「フリーレンだ」

 

「エルフか。強いな、気に入った。望む魔法を言うがいい。一つだけ授けてやる」

 

「望む魔法?」

 

「私は今までの歴史で書かれたほぼ全ての魔道書の知識を持っている。

魔法使いというものは、人生をかけて望んだ魔法を探し求めるものだ。

それを言え。私が授けてやる」

 

「いらない。魔法は、探し求めているときが一番楽しいんだよ」

 

フリーレンの言葉は、静かだが芯の通った響きを持っていた。

ゼーリエは一瞬眉をひそめ、目を細める。部屋の空気がほんの少し張り詰める。

 

「フランメ、やはりダメだな。この子は…野心が足りん。燃えるような野心が」

 

「先生。この子はいつか魔王を倒すよ。

きっと、こういう魔法使いが平和な時代を切り開くんだ」

 

それを聞くと、ゼーリエは少し不機嫌そうに目線をフランメに向けた。

 

「私には無理だとでも?」

 

「戦いを追い求める貴方には、魔王を倒せない。

だってさ、先生。平和な時代に生きる自分の姿が想像できないだろ?

フリーレンは平和な時代の魔法使いなんだ」

 

その言葉はゼーリエにとって図星だった。彼女は押し黙る。

 

それで話は終わったかに見えた、が──

 

「待って、先生の寝付きが悪くて困ってるんだ。ここ毎日ずっと寝不足らしくてさ」

 

沈黙を破ったのは、まさかのフリーレンだった。

 

「もし、寝付きをよくする魔法があるなら欲しいんだけど、あとは良い夢を見る魔法とか?」

 

「フッ…おい、フランメ。孫弟子が困っているぞ(笑)」

 

「先生…」

 

「その二つの魔法なら、フランメが子供の時に与えた。

フランメに掛かっている。それは呪いだ。しかも、私でも解くことが難しい特殊な呪い。

呪いを掛けた奴は、相当な技術の持ち主だ」

 

 

---

 

 

「なら、どうにか解明するしかないのか。」

 

フリーレンはそう言うと、今度こそ会話は終わりだと、そう言う意思表示で黙ってしまった。

 

フランメはそのフリーレンの会話、表情を見て申し訳なさを積もらせる。

 

「フランメ、良い弟子を持ったな…」

 

ゼーリエは玉座に深く腰掛け、長い睫毛の奥から鋭い眼差しを向ける。

その声は静かだが重みがあり、室内の空気を微かに震わせた。

表面上は厳格で遠い存在のようだが、どこか温かみのある響きが含まれている。

 

「私もお前に掛かっている呪いには前々から興味はあった。今も解析している」

 

積み上げられた魔道書の山が、ゼーリエの言葉に呼応するように小さく揺れた。

魔法陣の淡い光が本の隙間から漏れ、紫の微光がフランメの頬へ反射する。

 

ゼーリエは腕を組み、静かに続けた。

 

「お互い暇な時間は少ないだろうが、空いている時は顔を見せろ。

なにか手がかりが見つかるかもしれない」

 

ゼーリエの声には、厳しさの奥にある師としての深い情が滲む。

表面的な厳しさは弟子を鍛えるためのものであり、

その裏側では常に弟子の安全と成長を案じる優しさがあった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

その日を境に、フリーレンは以前より早く目を覚ますようになった。

そして私生活でも、精神系魔術に関する魔道書を手に取る機会が急激に増えた。

 

弟子の微妙な変化に、フランメは胸の奥がざわつく。

――自分が重荷になっているのではないか。

そう思う瞬間はあるが、たとえそう感じても、決して口にすることはできなかった。

 

先生によると、私に掛かった呪いは“私自身の潜在意識”を構成要素として利用しているらしい。

そのため、その痕跡は私自身の視点で見なければ観測できず、外へ情報として伝えることもほとんど不可能だという。

 

そしてさらに厄介なのは――

目覚めた瞬間、夢の内容が一切合切消え去ってしまうことだった。

 

「はぁ…全く厄介なものを抱えたな」

 

 

 

 

 

 




フランメをいじめたい

Fnafのキャラをメインとして、描写を出してほしいか、葬送のフリーレンのキャラをメインとして、描写を出してほしいか。

  • Fnaf
  • 葬送のフリーレン
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