【最近】おまいらオススメの心スポ教えてくれや【暑いよな】 作:お昼ライダー
展開を決めあぐねて黄昏ていたので初投稿失礼します!
いや〜最近はもうね、脳みそがスピキに染まりかけていますが皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
それはそうとしてほの暮らしの庭楽しみです
ってそんなこたぁどうでもいいんだよ(豹変)
それでは本編ドゾー
宇宙猫状態になって困惑している夏樹をちらりと一目見た御霊先生は、悪戯を思いついた少年の様な顔をしながら涼香に語りかける。
「……よし、形代って言ったよな?お前はあそこにいる入道……あー、口を開きまくってアホ面晒してるやつの隣だ」
「………それは窓際の1番後ろに座っている彼のことでしょうか?」
「そそ、馬鹿だし少し抜けてるところもあるけどさ、明るくて良いやつだから話してみると良いぞ」
宇宙との交信、もとい困惑から復帰した夏樹の脳に飛び込んできたのは尊敬する恩師が自分を貶しているという情報だった。
──え、今ナチュラルに馬鹿って言いました?と口から出そうになったが何とかソレを飲み込み此方へと近づいて来る涼香へ歓迎の言葉を口にする。
「まず朝は車で送ってくれてあんがとな!それと今日からよろしく!」
そう言って笑顔で手を差し伸べる夏樹。
そんな夏樹に対して涼香が取った反応は──
「朝の礼なら不要よ。私が運転したわけでもないし、それより…手、邪魔だから」
「いっ!?」
ぱしり、ただそれだけの乾いた音と共に手が払いのけられる
そう──拒絶であった。
この突然の暴挙に対して周りのクラスメイト達は歓迎から困惑へと一転した
「うわぁ、あの人握手すらしないんだ…」「しかもおもっきし払いのけてたよ?感じ悪くね?」「ほう、"S"ですか…」「性格厳しめ、ふむアリだな」
なんか一部、
そうして朝の時間はあまり良いとは言えない空気で幕を閉じ、そのまま不穏なムードの中授業へと移行した。
先の会話も相まってお世辞にも好印象とは言えない涼香だが、授業が始まるとそんな印象も消え失せることとなった。
「それじゃ次の古文、この一節の現代語訳を…転校初日で悪いが行けそうか?形代」
「はい、つまり言いたい事としては夏の闇夜に沢山の蛍が飛び交っていて一つ二つ程光って飛んで行くのは趣がある……これであっていますか?」
「おー…そうだ、まさしくその通り。完璧だよ」
「朝はアレだったけどあの子かなり頭良くね?」「さっきの数学の時間もスラスラと涼しげな表情で解いてたもんな!」「それに…喋り方とか愛想はめちゃ悪いけどやり方とか教えてくれたし…」「あの子、ただ不器用なだけなんじゃね?ウチもっかい教えて貰いに行こっかな〜!」
──
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「おーい、おいおい形代さんや〜…好きな食べ物とかある?もしくは趣味でとかさー?」
「…ちなみに俺はね!散歩とか大好きよ?特に晴れた日とかにさ、外出るとこう!体がバーッ!ってなっからな!」
「んでさー…」
「こんなんだったりー…」
「こんな風に…」
「後はこれこれ…」
4時間連続で一方通行気味にも関わらず話しかけてくる夏樹に対し、とうとう我慢の限界が訪れた涼香が小さく呟く。
「……………貴方、少し静かに出来ないのかしら?」
「!!やーっと喋ってくれたな!これから仲良くなっていくんだからよ!今みたいになんか喋ってくれぶぁ!?」
「さっきから横でうるさいのよ!貴方!!」
まるで閃光の様に放たれる平手打ちが夏樹の頰を襲う!!
一部始終を見ていたクラスの全員が、内心で思った事は「まあ、そうだよね」という当たり前の感想でこの出来事は幕を閉じた…
古典では完璧な現代語訳をみせ、英語では流暢に英文を喋り…そうしていつの間にか、時間はあれよあれよと昼休み。
授業が始まる前までの皆の評価は「めっちゃ高飛車で失礼な美人」だったが昼休みには
では、一人というのは誰か?そりゃあ勿論……
(女子に叩かれたという心の傷がまだ痛い、さっきも喋りかけまくったら平手飛んできたし、いや、でもスレ民のみんなが言ってた通り距離詰めすぎた俺が悪かったしな…………………)
(いや、にしても平手は酷くね?まだ痛い…ええい!ゆ゛る゛さ゛ん゛!゛)
自分から自爆しておいて脳内で逆ギレ一揆を起こす理不尽の極みの様な男が一人…この物語の主人公である。
そんな夏樹はスレ民達との交流を終えて、今は購買で買ったパンが入った袋を片手に屋上へと向かっていた。
何故わざわざ屋上へ?と思うかもしれないが、本人曰く、景色を見ながらメシでも食ったら感情も落ち着くやろとの事らしい。
まあ、そんな話は置いておくとして……夏樹が最後の階段を登ろうと一段目に足を掛けたその時であった。
──声が聞こえた。
「う、ぁ痛い……誰か…助けて、こんな所で死にたくないよ…!」
悲痛に悶えながらも、誰かに助けを求める声が──
「っ…!」
階段を二段飛ばしで駆け上がり、無遠慮かつ乱暴に扉を開け放つ。
「おらぁ!ゴヨーアラタメってやつだ!」
扉を開け放った先で夏樹の視界が捉えたモノは、薄汚れた黒の学生服を乱雑に着用した頭部が靄の人形怪異が、転校生である涼香に対し暴行を加えている場面であった。
屋上に突如として、大きく響き渡る物音…その発生場所である此方にゆっくりと顔を向け、緩慢な動きで近づいてくる謎の人型怪異。異様にして異形。
恐怖心を掻き立てるその姿に今にも逃げ出したくなるが、そんな事をしてしまえば
そして、脅迫の様でそれでいて自身に発破をかけるが如く叫ぶ。
「うおおおおおおお!!!」
叫びと共に駆ける。瞬間的に詰める間合い。
まさかあちら側から攻めてくるとは思いもしなかったのか僅か一瞬、硬直する怪異、その隙を見逃さなかった夏樹は怪異の鳩尾へ全力の右ストレートを決め込んだ
「がぎっ…あっごぎぃ…」
人型の怪異は、膝を突き苦痛に悶えるかの様な声で呻いた後、砂の様になって風に消えていった……
「……うん、ガチで怖かった!!」
完全消滅を確認した夏樹は、直後に襲ってきた脱力感からその場に崩れ落ちた……怪異と戦うなんて2度目のことであるし、
そんなこんなで力の抜けた身体に鞭を打ち、なんとか起き上がろうと四苦八苦している時に、頭上から鈴の様な凛としたソプラノボイスが響く。
「えっと、その、ありがとう。良かったらだけど手……貸しましょうか?」
ハッとなった夏樹が顔を上げると、何処か申し訳なさそうにこちらを見つめ、恐る恐ると手を差し伸べている転校生こと形代涼香が、そこには立っていた
差し伸べられた手を見た夏樹は、少しの間呆気にとられるも笑って言葉を返す
「へへへっ!…あぁ、あんがとな!」
そうして差し伸べられた手をしっかりと握り返すのであった…
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「一つ聞きたいのだけれど、どうして私を助けてくれたの?」
取り敢えずの流れでご飯を食べていた夏樹と涼香。
向かい合う正面。どことなく気まずい沈黙が流れる中、そういえばと涼香が口を開いたことが会話の始まりだった
「どうしてって言われてもなぁ、強いて言うなら助けなきゃと思ったから」
涼香のいきなりの質問に対し、そうあっけらかんと言葉を返す夏樹
そんな夏樹の言葉を聞いた涼香は顔を少し強張らせて、まるで吐き捨てるかの様に思いを告げた…
「…言っておくけどね、貴方が最悪、自分の命をかけてまで救おうとした女は態度も悪い、すぐに手が出るような最低な女だったのよ?」
「にも関わらず、助けなきゃなんて…悪いけど貴方、少しお人好しが過ぎるのではないのかしら?」
助けてもらった、救ってもらった。
そんな命の恩人に対して、取ってはいけないような非礼。
今の様な態度を取られた場合…普通ならば怒り狂い相手の胸ぐらを掴んだり、もしくは罵詈雑言の嵐をぶつけて心の底から軽蔑するだろう。
「あのさ、言いたくないことばっかり言うのってキツくない?」
「…意味が分からないわ」
が、夏樹は違った。そもそも分かっていたのだ
棘のある言葉も、先程までのか弱い自分を隠すためのただの強がりだと…なのに、それを一向に認めようとしない。
その一点が今の夏樹には理解出来ずにいた
「ま、いいや!じゃあ、俺はおさらばするぜ!!また午後な〜!!」
一足先に昼飯を食べ終わった夏樹はそう矢継ぎ早に言い放ち、屋上を後にするのだった。
屋上に一人取り残された涼香は空を見上げながら呟いた。
「言いたくても言えない苦しさだってあるのよ…」
そうして、しばらく空を眺めていた涼香であったが予鈴の鐘が聞こえてきた為、屋上を後にするのであった。
今回のお話で出てきた怪異はコチラ。
いじめや病気、事故などで無念のうちにこの世を去った学生達の塊が一つに交わり生まれた怪異。と言っても無数の魂達の集合体なのでどちらかと言うと思念体に近く、肉体的な強度はかなり脆い。
男子高校生の本気のパンチ一発で簡単に体が霧散するレベル
が侮るなかれ…この怪異の真髄は物理による攻撃では無く、防御不可目視不可の精神に対する攻撃だ。例えを上げるなら己の意思や肉体の自由を奪う『憑依』などが挙げられる。
憑依した人間の魂をゆっくりと、まるで蜘蛛の巣に絡めとられた獲物の様にジワジワと蝕んでいき自殺に追い込む、または心を失った植物人間にするなど…
首から上が靄の理由としてはそもそもが思念体である魂達の集まりなので、統合した姿を取るのが出来ないからであろう
人間が違う種族である動物に対して命令しても聞かない、理解出来ない様に…
夏樹と戦ったくびなしくんはまだこの世に生まれ落ちてから
だが、まさかの反撃を喰らったため、呆気なく消滅…
もしこれがある程度時間の経った
要するに今回は運が良かっただけとも言う
ちなみにこれは余談だが、夜の散歩に出かけたら集団で行動するくびなしくん達を目撃した人達もいるとか居ないとか…