機動戦士ガンダムSEED~旭日旗を掲げて   作:武御雷参型

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PHASE-13

補給を終えた播磨は、アークエンジェルと気密チューブを接続して乗り込んだ山城と勇気、伊吹を連れてアークエンジェルの艦橋へと来ていた。

 

「これからの事ですが、どういう行動をされる予定ですか?」

 

アークエンジェルの艦橋にはMAのパイロットであるムウ・ラ・フラガ、急遽、アークエンジェルの艦長に赴任したマリュー・ラミアス、同じく副長に赴任したナタル・バジルールがいた。

質問をしたのは伊吹であった。彼らの目の前には小縮図された宙域の情報が出されていた。

 

「現在、アークエンジェルは物資に問題はありません。なので、このまま大西洋連邦本部に向かうつもりです」

 

「成程………そう言えば、ヘリオポリスから避難した救命ポッドは全て無事に脱出できたのですか?」

 

「どう言う事ですか?」

 

伊吹の言葉にマリューは尋ねる。

 

「仮にも救命ポッドが不具合を起こして、宙域を漂っている可能性は無いのかと思いましてね」

 

「………判りません。ですが、我々はこの艦とストライクを無事、本部に届ける任務が優先だと考えています」

 

「ですが、もしかしたらという話があるのでは? 今すぐにと言う事でもないのですし、ヘリオポリス宙域を捜索してみてはどうですかな?」

 

伊吹の提案にマリューは呑む事が出来なかった。軍人であるマリューとしても、民間人の命は見捨てる事は出来ない事である。だが、ヘリオポリス宙域で遭難している可能性のある救命ポッドを捜索している最中にザフトが戻ってきて戦闘となってしまっては、退けられるかと聞かれても容易に答える事が出来ない事案であった。

 

「判りました」

 

「艦長‼」

 

マリューは決断を下す。ヘリオポリス宙域の捜索を認可したのである。

 

「ですが、ストライクを出す訳にはいきません。ですので」

 

「判っていますとも。捜索に関しては我々が行います。アークエンジェルには一時的にも休息が必要でしょう」

 

マリューの言葉に伊吹は頷いて返事をする。

 

「では、我々も播磨に戻り捜索に入ります」

 

伊吹はそう言うと山城達を連れて播磨へと戻っていくのであった。

 

「艦長、我々は艦とストライクを」

 

「判っているわ、バジルール中尉。ですが、福本事務次官が言う様に、民間人がいるかも知れないの。それを見逃す事は出来ないわ」

 

「………判りました」

 

ナタルはマリューの指示に従うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

播磨へと戻った山城達はMS、SF、PVF隊に発艦命令を出していた。

そして、播磨のカタパルトにて零に乗るシルヴィアと零・ジャグラーに乗るセルベリアが発進シークエンスを待っていた。

 

『二人とも』

 

すると、二人が乗る機体に通信が入り播磨の艦長である山城の顔が映し出される。

 

「どうかしたの?」

 

『いや、ヘリオポリス周辺を捜索して、救命ポッドが無いかを確認してほしい』

 

「見つけたらどうしたら宜しいので?」

 

『アークエンジェルに連れて行ってくれ』

 

セルベリアの質問に山城は民間人をアークエンジェルへ誘導するように指示を出した。

 

「なんで、アークエンジェルなの?」

 

最もな質問をするシルヴィアに山城は苦笑いをして答える。

 

『向こうに連れて行った方が、こちらとしても有難い話だし、向こうにはヘリオポリス内にいた民間人も収容されている。仮に救命ポッドに家族が乗っていた場合の事を考えたらな』

 

「「成程」」

 

山城の答えに二人は納得をする。

 

「でも、それだけじゃないんでしょ?」

 

『………判っていたか』

 

「当たり前よ。何年、貴方と連れ添って来たと思っているの?」

 

『……先ほどの説明は表面上の話だ。これからは内面の話をする。まず、播磨は護衛任務に就くことになる。その為、戦闘になる事が多くある。なので、民間人を一か所に集めてしまおうと言う事だ』

 

「成程ね。確かに理に適っているわね」

 

「ええ、ですが、その事については向こうは知っているのですか?」

 

『いや、知らせていないが、大体の事は察してくれるはずだ』

 

曖昧な説明に二人は苦笑いをする。

 

『まぁ、そう言う事だから油断無き様に』

 

「「了解‼」」

 

山城がモニターから消えると、発進シークエンスが始まった。

 

『零、シルヴィア機発進どうぞ』

 

「山城シルヴィア、零。行くわよ‼」

 

『続いて、零・ジャグラー。セルベリア機、どうぞ』

 

「福本セルベリア、零・ジャグラー、発進しますわ」

 

二機は播磨のカタパルトから勢いよく出撃して行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、アークエンジェル内ではマリューがキラの所に来ていた。

 

「お断りします‼ もう僕たちを戦争に巻き込まないでください‼」

 

「キラ君………」

 

マリューはもう一度、ストライクに乗る様にキラを説得していたのだが、キラはもう乗りたくないと悲痛な叫びをもって拒否する。

 

「貴女の言った事は正しいのかも知れない。僕たちの外の世界では戦争をしているんだって。でも、僕たちはそれが嫌で、嫌で中立のここを選んだんだ。なのに………」

 

『ラミアス大尉、ラミアス大尉。播磨から救命ポッド捜索のMSが発艦しました。我々はどうしますか?』

 

通信をしてきたのは艦橋に上がっていたムウであった。

 

『艦長は君だ』

 

「私がですか?」

 

ムウの言葉にマリューは驚く。階級は同じだが、実戦経験で言えばムウの方が上である。しかし、ムウには明確な理由があった。

 

『俺は確かにMA乗りだが、戦艦の指揮を執ったことが無い。それに、この艦の事を全くと言っていい程、判らん』

 

「………判りました。では、アークエンジェルはこのまま待機。戦闘に関しては日本皇国にお任せします。フラガ大尉にはCICに座ってもらいます。何があるか判りませんから」

 

『了解した』

 

ムウの通信が切れた後、マリューはもう一度、キラの方へと体を向ける。

 

「聞いての通りよ。戦闘にはならないわ。でも、ヘリオポリスから脱出した避難民を乗せた救命ポッドが遭難している可能性があるの。その為、キラ君にはストライクに乗って日本皇国と共同で捜索してほしいの。良いかしら?」

 

「………そう言う事でしたら、判りました」

 

「ありがとう、キラ君。私についてきて」

 

マリューに連れられてキラは格納庫へと向かい始める。

 

「キラ‼」

 

「大丈夫だよ。戦闘にはならないって言っているし、もし戦闘になっても無事に帰って来るから」

 

サイの呼びかけに、キラは諦めた様子の顔で言うが、サイ達からすれば、キラにMSに乗ってほしくないと言う思いしかなかったのである。

 

「さぁ」

 

「はい」

 

マリューはキラを連れて格納庫へと向かうのであった。




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