アークエンジェルのカタパルトには、キラが乗るストライクが接続されていた。残るは発進の合図を待つだけであった。
『ヤマト少尉、聞こえているな』
「はい」
ストライクのコックピット内部にあるモニターには、ナタルが映し出されていた。
『敵はクルーゼ隊ではないが、ジンが多い。貴様にはフラガ少佐と共に撃退してほしい』
「わかりました」
ナタルの言葉にキラは頷いて返事をすると、もう一つのモニターにムウの顔が映し出される。
『坊主、肩の力を抜いて……それは無理な話だな』
ムウは苦笑いを浮かべるが、すぐに表情を引き締める。
『だが、これだけは覚えておけ。この艦を護っているのはお前一人じゃない。俺も含め、皇国の人達だって……いや、向こうはどちらかと言うと、民間人を護っているが、いずれにせよ、戦っているのはお前一人じゃないってことだ。良いな』
「はい!」
ムウの激励の言葉にキラは強く頷いて返事をする。
『ストライク、発進‼』
「キラ・ヤマト。ガンダム、行きます‼」
発進の許可を得たキラはストライクを漆黒の宇宙へと駆けるのであった。
その光景は播磨からも見えていた。
「艦長‼ アークエンジェルからストライクが発進しました‼」
「なんだと⁉ アークエンジェルへ通信を繋げろ‼」
山城は報告を受けるや否や、アークエンジェルへと通信を繋げさせる。
「ラミアス艦長、どういう事なのか説明を求めます。これは民間人、しかも他国の民間人を徴兵したとなれば、国際問題だけでは済まない話になりますよ‼」
山城は強い口調でマリューを問い詰めた。
『解っています。ですが、今回のキラくんが出撃したことは本人の希望なんです』
マリューからの説明を山城は信じられない様に受け止める。まさか、あの戦争が嫌いな青年が自ら志願してMSに乗るとは思いもしなかったからである。
「解りました。この戦闘が終了した後、事情を聴きます」
山城はそういうと通信を切る。
「各機に通達‼ ストライクを援護しろ」
「了解‼」
山城の号令でオペレーターは各機へ通信を飛ばし、キラを援護するように伝えるのであった。
「大人が不甲斐ないな………」
山城は被っていた帽子を深く被り直すのであった。
一方で時を同じく、ターニャでもストライクが出撃してきたことを察知する。
『隊長、白い艦よりMS1、MA1です‼』
「出てきたか………クルーゼの奴が尻尾を巻いて逃げたという実力、見せてもらうぞ‼ 総員、さっき出てきたMSに集中砲火を浴びせてやれ‼」
『了解‼』
ターニャによる通信によって、レルゲン隊の生き残り達がストライクに集中していた。
「アンタの相手は私でしょうが‼」
だが、それを許さなかったのはシルヴィアの駆る零であった。
「くっ、こいつだけが厄介だな………私も腕をやられた所為で思う様な戦闘が出来ないのは辛い。だが、それは相手も同じこと‼ はぁぁぁぁっ‼」
「ここで此奴だけは墜とす‼ だぁぁぁぁぁっ‼」
シルヴィアの駆る零と、ターニャの駆るシグー・アサルトは火花を散らしながら戦闘を続けるのであった。
その頃、セルベリアはというと、播磨に近づくジンを片っ端から誘導兵器を使って撃破していた。だが、戦況は全くと言って良いほど良くなる傾向は見えなかったそれに加え、アークエンジェルから出撃したストライクに驚いてしまう。
「あの子が戦場に出てきましたの………ですが‼」
セルベリアは零・ジャグラーの誘導兵器を展開し、ストライクへと向かうジンを撃破していく。
「わたくしも日本皇国宇宙軍の端くれとして、不甲斐ない姿はお見せする事は出来ません事よ‼」
その結果、五機いたジンが悉く撃破されてしまうのであった。
ストライクのコックピットではキラが初の実戦と言う事もあって緊張していた。
「これが………戦場………」
キラが驚きのあまり動きを止めてしまうと、狙っていたジンが照準を合わせられる。その警告音にキラは驚きながらも期待を操縦し、回避する。
『ボサッとしているとやられるぞ‼』
ムウの声が通信で流れてくると、ストライクに接近していたジンが爆散し、爆炎からムウの駆るメビウス・ゼロが出てくる。
『今、皇国の連中が頑張っているが、限界がある。俺たちも頑張らないと‼』
「は、はい‼」
キラは気持ちを切り替え、ビームライフルをジンに放つが、回避されてしまう。
「そんな攻撃、目隠ししていても避けられるわ‼ 所詮はナチュラルってことかよ‼ 堕ちろ‼」
「うわぁぁぁぁっ‼」
『坊主! くっそぉぉぉっ‼』
いくらフェイズシフト装甲があるストライクといえど、攻撃による衝撃には耐える事は出来なかったのである。
「チッ‼ 実弾が効かないなんて……所詮はナチュラルの考えた姑息なことだ‼ だったら、その装甲がどれだけ耐えることができるんだろうなぁ‼」
ジンは突撃銃を放ちながら機動力を持ってストライクを翻弄する。また、続々とジンがストライクの周辺に集まりストライクへと集中砲火を浴びせてくる。
ムウはキラの援護へと向かおうとするが、ジンの発展期であるジン・アサルト四機に囲まれ援護へ向かうことが出来ずにいた。
「これで最後だぁぁ‼」
一機のジンがキャットゥス500㎜無反動砲をストライクに放つ。
その光景にキラは時間がゆっくりと進む走馬灯の様な感覚を覚え、弾頭が直前まで見えた瞬間、キラは目を瞑ってしまう。だが、いくら待っても衝撃が来ないことに不思議に思ったキラは恐る恐る目を開けると、そこには複合防盾を掲げキラを護る零・ジャグラーの姿があった。
『大丈夫ですか?』
モニターに映る女性にキラは目を奪われてしまう。
「あっはい‼ 大丈夫です‼」
『そうですか、良かったですわ。油断無きよう………無理と判断すれば母艦へお戻りくださいな。戦争は大人の仕事です。貴方の様な心優しき青年には早いですわ』
そういうとセルベリアは通信を切り、ビームシューティや誘導兵器、複合防盾に搭載されている兵装を使ってジンを撃破していくのであった。
戦況を見て、数では勝っていたレルゲン隊であったが、クルーゼの時同様、部下達が次々とやらてしまってはターニャもこれ以上の戦闘で自分の隊が壊滅してしまう恐れを感じ取り、ターニャは撤退を宣言する。
これにより、被害としてはターニャの部隊はジンを10機撃破され、また、隊長機であるターニャのシグー・アサルトも腕を欠損、中隊長機もムウのメビウス・ゼロによって損傷を受けてしまっていた。
一方でアークエンジェルと播磨の被害としてはSFが3機、PVFが1機が未帰還となっていた。シグナルもすでに消失していることもあり、MIA判定されるのであった。
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ある日の会話
武御雷「なぁ、A」
A「なんや」
武御雷「マクロス出すじゃん」
A「おん」
武御雷「変形させようぜ!」
A「何をだよ」
武御雷「戦艦」
A「バカじゃねぇの」
マジでこんな会話をしていましたw