ターニャ・D・レルゲン率いるレルゲン隊を退けさせることに成功したアークエンジェルと播磨は、停船した後、アークエンジェル組を播磨に招集し、今後の事とキラがストライクに乗って戦闘に参加したことについての事情聴取を行われることになった。
「それで、何か申し開くことはありますか?」
開口一番に口を開いたのは伊吹であった。何時もの何を考えているのか判らない笑顔ではなく、明らかに怒りを含んだ表情でマリュー、ナタル、ムウそして、当事者であるキラを見る。
「………言い訳にしかなりませんが、元々、我々クルー一同はキラくんを戦場に送るつもりはありませんでした」
マリューの説明に伊吹は何のアクションを起こさない。ただ、マリューを見ているだけであった。
「あのう、一つ僕からも良いですか?」
「………言ってみなさい」
キラが挙手をして伊吹に尋ねる。
「今回の件は、僕が考えた結果で、マリューさん達が僕にMSに乗ることを強要した訳では無いんです。僕の意思で乗ることを決断したんです。それの何が問題が「黙りなさい。何も知らない子供が」ッ⁉」
キラもましてやマリュー達アークエンジェル組は今まで見たことのない鬼の形相をした伊吹の姿を見て、誰もが口を閉ざし顔を青くする。
「キラくん。確かにストライクに乗ったことは君の意思なのだろう。だが、君は軍人では無い。ただの民間人の少年なんだ。君は戦争に巻き込まれた民間人なんだ。これ以上、君がこの戦争に関わる事自体が間違いなんだ。だから、君に選択肢を選ばせる」
伊吹の言葉に顔の青いキラは静かに頷く。
「これから君は地球軍の一員としてこの戦争に関わるのか。それとも、オーブ国民としてストライクから降りて一民間人として生活するのか。どっちなのか、選びなさい」
「…………」
伊吹から出された選択肢は、キラにとって残酷なものであった。
キラはアークエンジェルには自分の友達が乗っている。だから、助ける為、護るために戦いを選んだつもりで、目先の事しか考えていなかったのである。だが、提示された選択肢は地球軍として戦いに身を投じるのか、はたまた、民間人として戦争とは離れた世界で生きるのかのどっちかであった。
「僕は………」
その時、ムウがキラの肩に手を置く。
「俺は君は戦いに向かない優しい男だってことは知っている。だから、君が艦を降りる選択をしても怒りもしないし、逆に感謝する」
「ムウさん………」
ムウの言葉にキラは何も言えなくなり、ただムウの名前を呟く。
「ええ、そうね。キラくん、もう良いの。貴方がこの戦争に関わらなくてもいいの。確かに最初は君がストライクを動かしたわ。だけど、本来は私たち軍人の仕事なの。だから、もう良いのよ」
「マリューさん」
マリューの温かい言葉にキラの目の淵に涙が光る。
「そうだな。臨時であったが貴様は勇敢にも戦った。感謝する」
「バジルールさん」
ナタルは短い言葉ではあったが、確かな温かみがあった。
「………福本さん、僕決めました」
キラは一度顔を俯かせ、顔を上げるとそこには覚悟の決めた男の顔があった。
「僕は戦います。誰からの強要でもない。僕の意思で」
「………後悔は無いんだな?」
「はい」
伊吹の確認の言葉に、キラは強く頷く。
「判った。私からは何も言わない。君の意思を尊重する。だが、これだけは覚えていてほしい。君は一人じゃない。頼れる大人がいるんだから。何か相談や迷ったら近くにいる大人を頼りなさい。特に君が信頼できる人は必ず、君の事を思い道を示してくれるはずだから」
「はい‼」
伊吹の言葉にキラは強く返事をするのであった。
「さて、今後の事を話そう。アークエンジェルの損傷はありますか?」
「アークエンジェルの損傷は軽微に留まっていますが、弾薬の補給を行わなければ次の戦闘で弾薬が無いという問題に直面します」
「加えて、フラガ少佐のゼロが先ほどの戦闘で損傷したという報告も受けているので、一度、補給も兼ねて寄り道をしたいと考えてます」
「ですが、この付近で補給が可能な場所となると………アルテミス要塞か………」
播磨艦橋のモニターには宙域の地図が映し出されており、付近にある地球軍の補給基地などが映し出されているのだが、二隻の付近にある補給基地候補としてユーラシア連合軍が保有するアルテミス要塞が挙げられるのだが、問題点が幾つか存在していた。
大まかに言えば二つなのだが、一つは幾ら軍籍番号を発行したアークエンジェルを補給の為とは言え、入れてくれるか。二つ目は補給をさせてくれるかである。
地球軍はそもそも、幾つかの主権国家が連合軍として組んでいるが、実際は宗教や思想、価値観等色々と問題を抱えている中での連合を組んでる為、一枚岩ではないのである。
その為、どういう難癖をつけられるか、もしくはアークエンジェルやストライクの強引にも吸い取られるか。はたまた、両方かと考えられる事は幾つも上がっていたのである。
また、日本皇国所属である播磨は入港が許可されないのは必須である為、どの道、アルテミス要塞付近で待機する羽目になってしまうのである。
「だからと言って、このまま進んだとして、ザフトが攻めて来ないとも言えない………どうしますか? 福本事務次官」
「………難しい問題だな。だが、このまま手を拱いていても時間が過ぎ去っていき、ザフトが攻めてくる危険性も孕んでいる。仕方があるまい、背に腹は代えられん。アークエンジェルはアルテミスへ向かって下さい。我々播磨は、警戒宙域近くで待機していますので」
伊吹の言葉にマリューとナタル、ムウは返事と共に敬礼をする。
「さて、鬼が出るか蛇が出るか………」
伊吹はそう呟くとモニターに映っているアルテミスを示す光点を見つめていた。
「福本事務次官、一つ具申してもいいですか?」
突然、山城が口を開くのであった。そして、山城から挙げられた具申に伊吹は笑うと、マリュー達は嫌な予感を覚えるのであった。
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武御雷「AWACSってあるじゃん」
A「あるな。それがどした?」
武御雷「出したほうがいいと思う?」
A「まぁ、いるんじゃねぇの?」
武御雷「だよなぁ〜」
A「因みに、早期警戒機なんだよな?」
武御雷「モチのロン」
A「ホントは?」
武御雷「何もしないよ?」
A「………」
武御雷「単純に、ドラグーンを積もうかなぁとは思ってるけど」
A「お前は早期警戒機にナニをやらせようとしているんだ」
武御雷「早期警戒機って、敵を発見したら先制攻撃する他無いですよね?」
A「お前、バッカじゃねぇの」