アークエンジェル内にある食堂では、マリュー達三人以外のクルーや民間人が集められ、食事をとっていた。だが、誰の顔を見ても、その表情には不安が浮かんでいた。
「いつまでこんな状態なんですかね」
「判らん。艦長たちが戻らなければ、何もわからんよ」
「友軍相手に暴れる訳にもいかないしなぁ」
正規クルーの三人が話しているテーブルにはキラやサイの姿があった。
「色々とあるんだな、地球軍の中でも………」
サイはぽつりと言葉を零す。彼らは元々、カレッジの生徒であり、民間人である為、地球軍とザフト軍が戦争していることは知っていても、地球軍の内部でも揉め事があるとは思いもしなかったのである。
すると、食堂の入り口に二人の士官が入ってくる。
「この艦に積んであるモビルスーツのパイロットと技術者はどこだね」
ガルシア少将がアークエンジェルの格納庫においてあるストライクのパイロットとその技術者を探しに来たのである。彼らはストライクのデータを盗み、ユーラシア本部に送りあわよくば、本国に帰る算段をつけていたのだが、生憎、ストライクにはキラが作ったセキュリティーが強固であった為、自ら足を運んで探しに来たという訳である。また、少将である自分が行けば、階級を盾に出てくるであろうと目論見を添えて。
「キラが立ち上がろうとした瞬間、キラの後ろで控えていたマードックがそれを止める。キラがマードックに顔を向けると、彼は顔を横に振る。
「なぜ我々に聞くんですか?」
操舵士のノイマンがガルシアに尋ねる。
「なんだとぉ‼ 貴様、誰に口をきいている‼」
ガルシアの後ろに控えていた士官がノイマンの胸ぐらを掴むが、ノイマンは続けて口を開く。
「艦長たちが言わなかったからですか? それとも聞けなかったからですか」
ノイマンの言葉を聞き、キラはハッとする表情を出す。なぜならば、ムウがキラにストライクの起動プログラムを変更させた理由が、はっきりと分かったのである。
ムウは大西洋連邦の極秘情報を渡さない為とは言っていた。だが、どうしてそこまでする必要があるのか分からなかった。だが、これでキラはようやく分かったのである。自分が操縦しているストライクがどれだけの情報を隠しているのかを。
「そうか、なるほど。君たちは大西洋連邦でも極秘の軍事計画に選ばれた優秀な兵士諸君だったな」
ガルシアは鼻にかけたようないい口で食堂にいる全員を見る。
「ストライクをどうしようっていうのですか‼」
「別にどうしようもしないさ。ただ、公式発表よりも先に見せて頂ける機会に恵まれたんでね。それで、パイロットは?」
ガルシアの言葉に全員が嘘であると睨んでいた。そこで、クルーたちも嘘を伝えることにした。
「フラガ大尉ですよ。お聞きになりたいことがあるのであれば、直接ご確認してはいかかですか?」
「ほう? だが、この艦にはガンバレル付きのゼロがいる。あれを扱えるのがあの男だけということぐらい、私でも知っているよ」
ガルシアはそういうと近くにいた民間人に目を向ける。そして、腕を掴み自身に引き寄せる。
「女性が…民間人がパイロットという事もないが……この艦の艦長も元々は技術士官であり女性だしな」
「いったぁ‼」
「ミリアリア‼」
ミリアリアの叫びに恋人であるトールが近付こうとするが、近くにいた兵士たちがトールに銃を突きつけたことによって、トールは近付くことが出来なくなってしまった。
「その薄汚い手を放したら如何ですか? ガルシア少将殿?」
「誰だ‼」
すると、ガルシアを馬鹿にした口調で立ち上がった一人の男性がいた。近くにいた二人の青年が顔を手で覆っていた。
「おや、私の顔に見覚えが無いと?」
「………き、貴様は‼ い、いや、貴方は福本伊吹軍治事務次官⁉」
ガルシアの叫びに似た声に誰もが驚いていた。まさか、アークエンジェルに日本皇国の福本事務次官が乗り込んでいるとは誰も思っていなかった。
「それで、その腕を放すのか放さないのかどっちなんですか?」
「クッ」
伊吹に言われてガルシアは乱暴ではあるが、ミリアリを掴んでいた手を放した。
「処でなぜ貴方の様な高官が態々、こちらに足を運んできたのですか?」
「ここにあのMSのパイロットがいると思いまして、それで足を運んだまでですよ」
先ほどの高圧的な態度とは打って変わって、ガルシアは伊吹に対して下から出ていた。
「そうでしたか……ざすが、残念ながらここにはあのMSのパイロットはいませんよ?」
「何を仰いますか。フラガ大尉はMA乗りであり、この艦の格納庫にはフラガ大尉のゼロがいるではないですか」
「おや、聞いていませんでしたか? 既にフラガ大尉はMA乗りからMSパイロットに転向されたんですよ? それにメビウス・ゼロはMSが修復時の為に予備機として置いているんですよ」
「そうでしたか………そんなウソに騙される訳無いだろう‼ 警備兵‼ あ奴をひっ捕らえろ‼」
ガルシアの命令で近くで待機していた警備兵が伊吹を捕まえようとしたが、寸での所で警備兵達が床に叩きつけられる。
「福本事務次官、勝手に動かれては困りますよ」
「本当に、もう少し自身の年齢を考えて行動をして下さい」
「な、な、な………なぜ………なぜここにお前たちがいるんだ…………」
警備兵たちを床に叩きつけたのは勇気と山城であった。
「そんなこと決まっているじゃないですか、福本事務次官の暴走を止める為ですよ」
「まぁ、止める為ですけどこれまで止められた実績は皆無ですけどね」
勇気と山城の言葉に伊吹は振り返るが、二人は顔を背ける。
「さて、ガルシア少将。貴殿は他国の事務次官であり、階級では上である私に対しての狼藉。どうなるかはわかっているんですよね?」
「し、しかしここは大西洋連邦基地。貴方の階級が上でしても、ここでは通用しませんよ」
「確かに貴方の言う通りだ。だが、ここから出た後では?」
伊吹の言葉にガルシアの表情が固まる。
「我々がここを出た後、日本皇国は大西洋連邦に対し、正式に抗議を行います」
「は、ハッタリだ‼ そもそも、そんなことをして皇国にメリットなどな「そうではないのですよ、少将」なんだと?」
伊吹はガルシアの言葉にかぶせる様に言うと、ガルシアは訝し気に尋ねる。
「確かに皇国には一見メリットのない抗議でしょうが………我々皇国はオーブとの防衛協定を結んでいます。その内容については知らされていないのでしょうが、民間人の保護も兼ねているのですよ」
伊吹の言葉にガルシアは何も言い返せなくなる。
「追撃する様で申し訳ないのですが、今この場で何もしないままでしたら……どうなるかは、お分かりですよね?」
伊吹の言葉を受け、ガルシアは顔面蒼白になりながら指示を出す。
「アークエンジェルに対して補給を急がせろ‼ 最優先事項だ‼」
ガルシアはそう言うとアークエンジェルを後にするのであった。
「宜しいのですか?」
アークエンジェルの通路を渡っていると、控えていた士官がガルシアに尋ねる。
「良いも悪いも、さっさとあの事務次官には出て行ってもらわなければ困る‼」
ガルシアはそういうと、アルテミス内にて待機させていたマリュー達を解放した。
マリュー達からすれば、いきなり解放されたことに驚きガルシアに尋ねるが、「補給後、速やかに月本部に向かえ」の一点張りで、マリュー達は何が何やらで分からなかったが、後にクルーから聞かされた話で納得するのであった。
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SEEDを書くということが決まった頃の話~
武御雷「なぁ、A」
A「なんや」
武御雷「艦船どうする? 名前はそっちの作品から出すとして、母体はどうしようか」
A「それこそ、宇宙世紀でいいじゃん」
武御雷「いや、それしか方法が無いのは確かなんだけどさ、サラミスとかホワイトベースとか色々とあるじゃん。SEED本編へ出す艦船の話なんだよ」
A「確かにそれはどうするかだよな………」
武御雷「播磨なんだけどさ、最新鋭艦として4隻建造しようぜ」
A「艦船は」
武御雷「ドゴス・ギア」
A「………バカじゃねぇの」
結局、播磨型4隻はドゴス・ギアに決まりました。